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タクシー王子、ITとの融合を語る。

タクシー王子、ITとの融合を語る。

2017年3月17日に開催された「国際自動車通信技術展」にて、「ITがもたらすタクシーの未来」と題したセミナーが実施されました。“タクシー王子”として有名な日本交通の川鍋一朗氏も登壇。タクシー × ITの技術革新について語りました。


そもそもタクシー王子とは?

タクシー業界では知る人ぞ知る、といったところでしょうか。タクシー業界者でなくとも、知ってる方はいらっしゃると思いますが、簡単にタクシー王子こと、川鍋 一朗氏について簡単に経歴を紹介します。

川鍋氏は東京を拠点にタクシー事業を展開している「日本交通株式会社」の代表取締役会長です。2005年、3代目として代表取締役社長に34歳という若さで就任し、1900億円程の負債を抱えていた日本交通を立て直した敏腕経営者です。

「タクシー王子、東京を往く。」という書籍も出版しており、自身自らが、タクシー運転手として奮闘する内容で、実話に基づいた書籍となっています。

【タクシーのIT化】アプリに続く第二の柱は「運賃の改革」

「ITがもたらすタクシーの未来」と題されたセミナーの内容が本題なので、本題に戻ります。近年、目まぐるしく進むタクシーのIT化ですが、それを業界の先頭で牽引する川鍋氏は、この1年の取り組みについて問われ「とにかく必死だった」とその胸の内をセミナーにて明かしました。

自らの使命を、2020年の東京オリンピックという大義名分や、ウーバーなどのライドシェアという外圧を活用し、タクシー業界を変えていくことだと、更なる進化へ向けた意気込みを語りました。

ウーバーに関するまとめはこちら

ATTTアワード最優秀賞!出前を再定義する「UberEats」

http://matome.response.jp/articles/201

国際自動車通信技術展(ATTT)実行委員会が発表した「ATTTアワード」で最優秀賞を獲得したウーバーの「UberEats」がどの様なサービスかまとめました。

アプリで手軽にタクシーを呼ぶことができる「全国タクシー」は、2017年2月現在でダウンロード数280万以上を誇る人気サービスとなっていて、この導入が第一の柱だったようです。

第二の柱が「運賃改革」。今年1月30日から東京で採用されている初乗り料金の引き下げ(約1キロ410円、以前は2キロ730円)に尽力し、初乗り料金が高いという特徴があった日本のタクシーの料金体系を、ニューヨークやロンドンといった都市のスタンダードに合わせ、海外からの旅行者が増える今後を見据えた改革を断行しました。

目的地到着前に支払いを完了できるタブレットを搭載

そして今目指しているのが、今年3月1日にリリースした「全国タクシー」の新機能「JapanTaxi Wallet(ジャパン・タクシー・ウォレット)」の普及のようです。

これは後部座席にタブレットを搭載し、アプリと連動して到着前に料金の支払い手続きができ、クレジットカードや電子決済で支払うため、降車時に現金を数えて…といった煩わしさを解消させるシステムです。

「JapanTaxi Wallet」の特徴

また小銭を使用しなくてよいため、海外からの旅行者に対しても有効なサービスといえます。コスト面の問題も、デジタルサイネージとして広告収入を得て、運用コストをまかなうことでクリア。基本的に無料で搭載することができるため、会社やドライバーへの負担がほぼ無いのも導入を促進する好材料となっています。

そして、この運賃の価格設定に関してで、タクシー王子と共に登壇した、神尾寿氏(IT/自動車ジャーナリスト)、夏野剛氏(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授)のトークは白熱したようです。

そしてここから、運賃の価格設定に関して3人のトークは白熱。神尾氏は、料金を電子決済やクレジットカードで支払う場合、現金払いよりも安い価格設定にすることを提案。電子決済はオペレーションコストが下がり、さらに1円単位での支払いが簡単になるなどのメリットがある。JRの運賃はSuicaなど電子マネー使用時には、現金で支払う場合よりも安くなるという例を引き合いに出し、持論を展開した。また夏野氏も「現金の場合は初乗り料金を500円にして、その後100円刻みで加算というのをぜひやって欲しい。10円刻みは電子マネーだけにするとか」と具体案を提示。川鍋氏も現金支払いのためにコストがかかっている現状があることなどから「すごいヒントをいただいた。さっそくどういう方法があるか考えたい」と同調した。

トヨタが開発の次世代タクシー

車内のテクノロジー改革の話に続き、後半は車両がテーマとなりました。話題の中心は、トヨタ自動車が開発した次世代型タクシー(JPN TAXI)について。見た目はハイトワゴンのような出で立ちで、これまでのタクシーのイメージを一新。

機能はタクシー業界の声が大きく反映され、広い車内には車イスが乗せられ、エアコンは運転手だけでなく乗客も管理できるなどの工夫がされています。また自動ブレーキが搭載されることや、LPガスのハイブリッド車になっているなど、年間で10万キロとも言われる長距離を走るタクシーにとって、有効な仕様になっています。

自らが代表取締役社長を務める会社「Japan Taxi」と同じ名前が付けられた車両についてタクシー王子こと、川鍋氏は下記のようにコメントしています。

「今年10月からロンドンタクシーのような車両が走り出します。人数は4人乗りで変わらないですけど、車内が広く、窓も多い。荷物もたくさん乗せることができ、体感で倍以上の広さが感じられる」とその快適性を説明。「価格は高いが東京都にかけあい多額の予算も頂いた。2020年までには3台に1台(1万台程度)が必ずこの車両になります」と熱っぽい口調で語る自慢の“新型車”だ。

また、最新の動向も、下記のように明かしています。

「タクシーメーターをハード面じゃなくてソフト面にして欲しいと規制改革推進会議にお願いしているところ。すべてアプリにする。GPSの情報だと多少(料金が)ずれるので車載からの情報で構成する。もしくは準天頂衛星システムを何とか使わせていただけないかと考えている」

次世代タクシー(JPN TAXI)についての詳細記事はこちら

LPGハイブリッド搭載トヨタ「次世代タクシー(JPN TAXI)」のおもてなし

http://matome.response.jp/articles/259

今年(2017年)10月から街を走るトヨタ自動車が開発した「次世代タクシー(JPN TAXI)」は、2013年の東京モーターショーで「JPN TAXI Concept」としてお披露目された、LPGハイブリッド搭載の次世代タクシーです。

若者が誇りを持って活躍できる業界にするため奮闘

この他にもタクシーの定額制に関する構想や、規制面といった業界が抱える課題なども語られました。夏野氏はタクシー王子に対し、応援のコメントを述べました。

夏野剛氏

すべての話を受け夏野氏は「今はタクシー業界が変わるために、とてもいい時期。五輪に合わせて、できるだけのことをやろうという機運が、政・官・民すべてにある。ぜひ川鍋さんに頑張っていただきたい」と、引き続きキーマンとして活躍が期待される人物にエールを送った。

神尾寿氏

そして、最後に神尾氏から「若いドライバーが希望と誇りを持って入れる業界にして欲しい」要望を受け、タクシー王子はタクシー業界の人材採用の仕組みがこれまでとは変わりつつあると下記のように説明していました。

「今年の4月に当社は104人、東京でいうと300人位の新卒ドライバーが入ってきます。嬉しいのは当社は(新卒採用を)始めて5年になるんですが、ほかの会社もやり始めてくれた」

そして最後に、「離職率も10%代、平均年収は東京で460万円。1日1回は外国人、高齢者を乗せ、社会貢献をしているというのを実感できる。直接お客様に『ありがとう』と言われる尊い職業なので、頑張ります」とその魅力を語りました。

タクシー王子こと、川鍋一朗氏

IT化や次世代車両の登場は、業界のイメージ向上や若者をはじめとした人材の確保などに必ず繋がっていくことだと思います。国内外問わず、みんなが使いやすいタクシーを目指し、王子の奮闘はこれからも続きます。

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