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XBOW ~オートバ イメーカーが作るスポーツカーの未来~

XBOW ~オートバ イメーカーが作るスポーツカーの未来~

クルマを所有する目的は、時間と情熱とお金をつぎ込むものであるからには、それなりの意味があるものです。趣味性が高ければ高いほど「コダワリ」がでてくるものだしさらに快適性を重視すればキリがありません。仮にスーパースポーツマシンの楽しみをXBOWに求めるのであれば、XBOWというクルマの存在を語らない訳にはいかないでしょう。


今までになかったクルマ「XBOW」

KTMと聞けば多少なりともオートバイに興味をお持ちになったことがおありの方なら、オーストリア製のオートバイを思い起こすことでしょう、まさにその通りです。

1953年にオーストリアのマッテイングホーフェンで二人のエンジニア(クローノライフ&トゥルンケンポルツ)により操業を開始したのが、創業者と創業地の頭文字を社名としたのがKTMの始まりでした。

創業当時からの企業理念でもある「READY TO RACE」この言葉の本当の意味をご理解いただくことがKTMという会社の、いえ製品を存分に楽しむことに近づくことと思います。

ひいてはXBOWがどのような経緯で造られ販売されているかもご理解頂ける近道だと思います。

「READY TO RACE」さあ準備は出来ている!

実はこれは4つのキーワードから構成されている言葉なのです。

・PURE(純粋に)
・ADVENTURE(冒険的で)
・EXTREME(究極の)
・PERFORMANCE(性能)

純粋に冒険的でなおかつ究極の性能を備えたマシン=READY TO RACE!となるのです。
もしKTMの所有者がその気になりその時がくれば、オンでもオフでもレースに出場する準備は既に出来あがっているのです 。

これこそKTMが製品を市場に送り出すための企業理念なのです。

何時でも、たとえその場所が灼熱のアフリカの砂漠であろうと、GPレースのコースであろうと、出場の気持ちさえあれば夢は現実と変わるのです。そのためのマシンをKTMは送り続けて来ています。

そしてついに、KTMは2輪の世界だけに留まらず、4輪の世界にもその理念を携えて来ました。それこそがXBOWが世に送り出された最大の理由ではないでしょうか。

そうです、KTMはある意味においては新しいスポーツカーの未来を形にしたのです。

KTMが創造したXBOWの面白み

XBOWの大きな特徴の一つはエンジンにあります。このエンジンの供給は初期の2008年の頃にフォルクスワーゲングループから供給されました。

クルマの販売されたその後には、アウディの全面協力により開発されたTFSIエンジンが供給されアップデートされたことなどが挙げられます。

この4気筒エンジンは水冷インタークーラー内蔵の直噴ターボが採用され、そして開発元のアウディはこのエンジンで何度となくル・マンを制しています。

このパワーユニットこそがXBOWの最大にして最高のパフォーマンスを支えている、最も重要なパーツと呼ぶにはおよそ似つかわしくないパーツになっています。

アウディから、このエンジンの供給を受けることでXBOWの構成要因の一つは、既に完成していたと言っても良いと思いますが、KTMがこのエンジンを採用したことこそがこのクルマの方向性を決定づけたのです。

このことはKTMの選択の正しさが証明されたと言っても良いでしょう。2000ccのエンジンで出力は240Hpを絞り出し、ROMチューンのみでも270馬力・シリンダーヘッドの交換と吸排気のチューニングで300馬力を絞り出すことも可能です。

これはいかに簡単に、クローズドサーキットへの参戦を容易に実現することが出来るかと言うことです。市販車がいとも簡単にレーシングマシンに、これこそまさにREADY TO RACEの理念を体現できる瞬間と言えるでしょう。

XBOWの構造とは?

もう一つXBOWの特徴であるボディにも触れて置きましょう。この斬新なボディはF-1で名をはせたイタリアの名門ダラーラとの共同開発から生れたものです。そこからF-1で培われた空力の技術がXBOWのボディにも取り込まれています。

その例として、車体の下部をフルフラットに設計したり、レーシングカーによく見られるリアウィングなどもこのXBOWには設定されていません。

リアウィングなしでも十分なダウンフォースを得られる空力は、ダラーラからの提供されたデーターを基に設計されているからです。

この様にXBOWのボディには最新の空力とF-1の技術の導入により、走るということにとって重要な要素の一つ空力をクリアーし、さらにもう一つの課題である軽量化も果たされているのです。

XBOWのボディの構造は単純です。フルカーボンのモノコックにアルミ製のリアフレームの組み合わせと言う上に、剥き出しのサスペンションとダウンフォースを最大限引き出すための樹脂製リアパネル、ミッドシップに搭載されたエンジンだけです。

これにより、総重量はなんと800Kgを切る790Kgと驚きの軽量ボディに仕上げられています。これはフロントスクリーンもなく乗降用のドアも持たない、カーオーディオ・エアコンすらもないと言う極端な軽量化のたまものです。

走ること以外には一切目もくれない、妥協というものとは無縁の世界で仕上げられた、まさにレーサーと呼ばれるクルマにふさわしいものとなりました。

皮肉なことにこのことは相当にタフなことになるのです。しかしそこまでしても軽量化にこだわる必要があったのです。

走るということに特化されたため空力や重量などを考慮すると、排除できるものは徹底して排除するということを行った結果、フロントウインドー・ドアなどのパーツはオプションの設定すらなかったのです。

そしてそれがKTMの出した答えだったのでしょう。

現在では市街地走行や、本格的なレースへの参戦で求められたため、モデルによればフロントスクリーン・サイドウインドーなどを備えたモデルもラインナップに加えられました。

XBOWの価格とは?

日本円での基本販売価格は約1200万円からとなっていますが、この金額が高いか安いかは基準がないので分かりません。

この金額ですと、ポルシェやフェラーリも視野に 入ってきますが、目立つということならXBOWは間違いなくフェラーリにも引けを取りません。金額から言ってもこのクルマはスーパーカーの分類に入るクルマでしょう。

ただし所有するにはある程度の条件をクリアーしなければならないのも確かでしょう。のざらしの駐車場で保管することなど、保管と言う意味ではまず無理だと思われます。

駐車場ではなく保管場所が必要なクルマです。維持費もGTカーほどはかかりませんがそれでもレクサスよりは高額になることは間違いないでしょう。1000万円をかける価値があるか無いかを決めるのは所有者のみと言えるでしょう。

XBOWの解決策「XBOW GT」

XBOWの一番の問題点は、雨が降れば一定のスピードに達するまでは、まともに雨に濡れ、路面の小石を跳ね上げてしまえば痛いではすまないダメージを受けることになります。

レースではさほど大きな問題ではありませんでしたが、日常のドライブと言った時には大きなストレスになって来ました。

しかし、XBOWはれっきとした市販車です。レースに出場することなど簡単に出来てしまいますが、ナンバープレートを付けて市街地でも走ることが前提に作られているのです。

実際数は少ないですが、日本にも何台かのXBOWが販売されて来ています。

レースにおいても、耐久レースなどではドライバーの疲労度の軽減のためにフロントスクリーンや天井などが求められることもでてきました。それらの要望に応えるべく準備されたのが2013年に発表されラインナップの中のGTと呼ばれるモデルです。

このモデルからフロントウインドー・サイドウインドー・時速100Kmまで耐えられるソフトトップが装着できることになりました。この装備は市街地を走行するには大いに役立ちますが、基本的なXBOWの性格を変えるものではないようです。

強烈なフェイスを持ったXBOW

XBOWに限らず、KTMのデザインはバイクから社屋はては印刷物までジェラルド・キスカ率いるキスカ・デザインが担当しています。

XBOWは個人の趣味がはっきりと分かれるデザインに仕上がっています。無骨と映るか、メカニカルと映るかは完全に個人の趣味だと思います。

フレームを殆ど持たない構造のボディは完全にレースを意識したものです。したがって市街地を走ることに重点は大きくは振り分けられてはいません。

市販車ベースのレースにも使えるクルマではなく、市街地でもナンバーを取得して走れるレーサーと言う方がしっくりくる仕上がりになっています。

レーシングマシンに最低限の保安部品を装備したクルマ、それがXBOWと言うクルマの本質です。それが一番顕著に表れているアングルがフロントフェイスです。

大きく開いたフロントマウスは、効率よくエンジンにボディにフレッシュエアーを取り込むことを考えられた結果です。しかしここでもう一度振り返ってみましょう。

XBOWはミッドシップのエンジンマウントです。通常のFFと違いフロントノーズから取り込まれた空気でエンジンを冷却することが一番の目的ではないのです。ではなぜこれ程大きなフロントマウスを持っているのでしょうか。

それは一番に考えられていることが空気力学と言うことだからです。リアウィングを持たずとも最大限の空気の抵抗を利用できるかを計算されつくし、その空気の流れによりいかに大きい空気抵抗でダウンフォースを確保できるかを考えた結果です。

そして、次に目に飛び込んで来るのはフロントボディの上部に位置するフロントサスペンションでしょう。この部分がもしかするとこのクルマの性質を一番物語っている部分かも知れません。

一般メーカーの市販車ではありえないことですが、ドライビングシートから見えるのです。フロントサスペンションのコイル部分が、ドライビングしながらフロントサスペンションの動きが視界に飛び込んでくるのです。

まったく市街地走行に必要のないことかも知れませんが、これがXBOWと言うクルマなのです。

強烈なスーパースポーツXBOW

バイクメーカーが作るクルマというのは案外と多いものです。ホンダを筆頭にBMWなどが既に成功を収めていますが、KTMの成功は賞賛に値する出来事かも知れません。

KTMの企業規模から考えて見てもホンダやBMWほどの規模ではありません。日本で言えば光岡自動車より少々大きいといった感じです。その規模でこれ程のクルマを量産していることは驚きです。

そのインパクトは見た目通りです。そして所有すること自体もうこれはフェラーリに匹敵する出来事でしょう。見た目にも強烈で走らせてみればさらに驚きは強烈でしょう。

全てのスーパースポーツを愛する人に

フェラーリを代表とするスーパースポーツと呼ばれるクルマがあります。そしてこのXBOWと言うクルマも間違いなく「現代を代表するスーパーカー」の一台であることは間違いありません。

スーパーカーの定義に所有と言う項目があるのなら、XBOWは所有する喜びを満喫する喜びを与えてくれる一台となることは間違いないでしょう。

眺めているだけでも心はサーキットに、そんな気持ちにさせて貰えるクルマ、これこそスーパーカーと呼ぶにふさわしい一台でしょう。

まとめ

所有する喜び・乗る楽しみ・攻めるときめき。

その全てを満足させてくれることでしょう。おおよそスーパースポーツに求めることの答えが見事にパッケージされている、それがKTM XBOWという答えです。

XBOWは夢の塊であり究極の満足だけです。

操るには求めるものによりますが、難易度の高いものになることは間違いありません。ドライビングテクニックはA級ライセンスを所持できるだけの技量が求められるでしょう。

ハンドルを握るにはヘルメットが必需品になるかも知れません。趣味と呼ぶには余りにも高価すぎます。ですがこの価格でさえこのマシンに輝きを与えている要素なのです。

誰でもが手にすることは不可能です。もしかするとこのクルマを手にすることは無理かも知れません。だからと言ってこのクルマの存在意味はなくなることは決してないでしょう。

KTMバイクメーカーの造ったこのクルマは、「READY TO RACE」この言葉通りのクルマなのです。

次はあなたの心の準備次第です。

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