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ラウンドアバウトとは?メリット・デメリット、利用方法

ラウンドアバウトとは?メリット・デメリット、利用方法

ヨーロッパ発祥と言われているラウンドアバウトですが、近年国内でも見かけるようになってきました。いきなりラウンドアバウトに入って戸惑ったことはありませんか?今回はこのラウンドアバウトについて説明していきます。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


日本でも増加中!環状交差点(ラウンドアバウト)って何?

ラウンドアバウト

ラウンドアバウト

環状交差点(ラウンドアバウト)とは、中央に島を持つ構造をした円形の交差点のことを言います。上空から見た場合ドーナツのような形状をしていて、穴の部分が島(正式には「中央島」といいます)になっており、島部分が緑化されている場合もあります。

通行車両はドーナツのような形の環状道路部分(環道)を、時計回り(右回り)方向に走行します。この特徴的な環道の周りに、交差する道をつなげた形状の交差点となります。

従来型の交差点と違い、信号機による停止や発進の指示・制御によらず、環道には基本的に随時、進入と離脱ができます。

法的な定義では道路交通法第4条第3項において、

車両の通行の用に供する部分が環状の交差点であつ
て、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているも
のをいう。

とされています。

ロータリーとは違うの?

ロータリー

ロータリー

ロータリーは円形交差点といい、かつては主要道路上にもあったようですが、今では鉄道駅前で見かけるくらいになりました。ラウンドアバウトとロータリーの一番の違いは、通行車両の優先権が全く違い、正反対になっていることです。

ラウンドアバウトは周回車両に優先権があり、進入車両は待たなければなりません。周回車両が優先されるため、環道内の車両はある程度のバランスで調整されることになります。

ロータリーでは逆に、進入車両に優先権があり、周回車両が待たなければなりません。このため、ロータリー内の車両の数を半強制的に制御する必要があり、信号機が設置されているのが多く見られます。

ラウンドアバウトによるメリット・デメリット

メリット

メリットは直接的な交通制御に留まりません。また、先行する欧米においては既に実績もあります。ラウンドアバウトの採用により、車両間の交錯が減少し事故の機会そのものが減少するといった安全性の向上(先行導入の海外で実績)がまず挙げられます。

環道で周回運動を行わせるため、進入速度も低下したという報告もあります。この速度低減というのは事故の重大化を阻止する大きな要因になり得ますから、万一事故が起きた場合でも軽減できる可能性は見落とせません。

そもそも構造的に随時進入・離脱可能であり、夜間など通過車両の少ない状況でも無意味な信号待ちをすることなく円滑に通行できるようになります。また、五叉路など特殊な交差点における信号待ちの減少や、通行可能時間の拡大といった優位性も大きなメリットになります。

さらには、災害時などで信号機の物理的破損や電力供給の遮断が発生しても、路面さえあればラウンドアバウトは交差点の機能を失わない点も無視できないでしょう。

デメリット

交通容量(ある時間当たりに車両が通行できる台数)が信号交差点に比べて少ないこと、それにより渋滞解消にはそれほど役立たないことが挙げられます。また、自転車も車両として環道部分を通行しますから、通行台数があまりにも多くなると交通容量の低下が見られます(これも海外で実績)。

中立的に検証が必要なものとしては、運用において信号機も電気も不要とはいえ、全体に対する照明が必要であることや中央島の管理など、ランニングコストが意外とかかるのではないかという指摘もあります。

一方で通常の交差点も右折車線の設置など、交差点機能全体で見れば必要とする用地も多く、比較は容易ではありません。

ラウンドアバウトの特徴は裏を返せば音響式信号機も無いことや、環道部分を含め進入時も車速が遅くなりエンジン音が静かになることから、日本視覚障害者団体連合が警察庁・国土交通省に整備しないように申し入れるなど、ラウンドアバウトに反対する声もあります。

交通弱者である歩行者等の優先と保護を含め、今後の一つの課題となっています。

ラウンドアバウトの利用の仕方

ラウンドアバウト 逆走防止

ラウンドアバウト 逆走防止

警察庁によるとラウンドアバウトの導入状況は令和2年3月末現在で、日本全国で101か所となっています。まだまだ日本では見かけることが少なく、実際に走ってみると戸惑ってしまうかもしれません。とはいえ、徐々に設置が増えているラウンドアバウト、正しい利用の仕方が気になります。

基本のルールをおさらい

ラウンドアバウト設置交差点が近くなると、道路交通法により新たに制定された専用の道路標識を左手前に設置するよう定められています。標識を確認し準備をしてください。ラウンドアバウト内での走行の基本は、できる限り左側に寄り徐行します。

まず、進入時には道路の左側によって、環道へと左方向に進入する準備をします。このとき、環道内の右方向から車両が来る可能性に注意して徐行して進入するようにします。

もし環道を走行してくる車両があれば、優先権は環道を既に走っている車両にあり、通行を妨害してはいけないので、一旦停止して通過を待ちましょう。

徐行で環道に入ったら走行方向は時計回りで、自転車や二輪車への注意をしつつ、通常の道路と同様になるべく左側寄りを徐行するようにします。自分の行きたい方向の道路の手前で、左折のウインカーを出して後続車に意志を明示します(ウインカー使用必須はここだけ)

自転車や二輪車の巻き込みに注意し、横断歩道の歩行者の横断を妨げないように優先しつつ、ラウンドアバウトから出ます。

進入前から進入時の注意ポイント

注意してシフトレバーをドライブに

注意してシフトレバーをドライブに

ラウンドアバウト設置交差点には、左手前に道路標識があるので見落とさないようにします。それにより、一層の注意を払うスイッチを入れましょう。

進入時に接続されている道路には、一定程度手前に横断歩道が設置されています。環道へと気持ちは急ぎますが、横断歩道の歩行者を見落とさないように十分注意します。通常の道路と同様に、横断者優先ですから、しっかりと一旦停止をして渡りきるのを待つようにします。

環道進入時には基本的に右からの車両に注意すればいいのですが、逆走や、左からの違法な追越をかける自転車や二輪車もありえますから、巻き込みにも注意が必要になります。

また、環道は徐行しなければならないと道路交通法の定めがありますが、必要以上の速度で走行する車両にも気をつけましょう。

※進入時に最も気をつけたいのは、ラウンドアバウトは左方向に進入・時計回りです。自分のすぐ右手の道に行きたいとき、通常の交差点であれば右折すれば行けます。しかしラウンドアバウトでは、4分の3周して左折する必要があり、少々面倒ですが慣れるまでは意識が大切になります。

進入後から退出時の注意ポイント

基本的に環道というのはそれぞれの左折道までの道なので、前を走る車両が左折することは頭に入れて運転することになります。しかし、左折先には横断歩道があり急停車することも念頭に置きつつ、左折動作に入ったからといって左折する“だろう運転”は非常に危険となります。

自分の出たい道の手前では、左のウインカーを出し、周囲に左折の意志を必ず知らせることで追突など不必要な事故を防ぐことができます。進入時と同様に、巻き込みや無理な左からの追い越しが無いか確認し、ラウンドアバウトから退出します。

最後にまた横断歩道がありますから、左折前後に確認を怠らず、横断者優先の原則で安全に退出を完了します。

日本国内でラウンドアバウトが設置されている県はここだ

日本地図

どこに設置されてる?

日本全国で101か所とはいえ、その分布は日本全国に広がっています。総括的に見てみると、その設置場所は都市部に比べて、交通量がそれほど多くない周辺地域が多いことが分かります。ここでは全ての所在地をあげられませんが、例として東西の二都市、大阪と東京を見てみましょう。

堺市東区、大阪府和泉市府中町(ここは駅前で市街地にあります)、大阪府豊能郡能勢町、大阪府箕面市、大阪府堺市北区、東京都多摩市、東京都武蔵村山市

これ以外にも、なんと既に全36都道府県にラウンドアバウトは設置されています。設置数別にランキングしてみますと、1位は宮城県の21か所、2位は長野県の8か所、3位は愛知県の7か所となります。

日本全国で整備が進んでいます。みなさんのお近くでも探してみるとラウンドアバウトはもう身近にあるのかもしれませんね。

今後も増えていきそうなラウンドアバウト

ラウンドアバウトも複数パターン

ラウンドアバウトも複数パターン

2013年に道路交通法改正によって日本におけるラウンドアバウトが定義され、翌2014年9月1日より本格的な運用が始まりましたが、当初は全国で19か所の導入件数でした。勢いよく増えたラウンドアバウトは、もうすでに設置100か所を超えました。

通行方法の戸惑いはいずれ慣れていくもので、長期的にはマイナスはありません。実際的な意味で考えれば事故発生数は減少していますし、車両交通の安全性向上という設置の効果は立証されつつあります。

これは数字に表れないポイントになりますが、信号機設置不要であり余計な電線が少なく、空に広がるクリアな交差点の景観が広がります。

まとめ

ラウンドアバウト

ラウンドアバウト

中央に設置される「中央島」は緑化されることが多く、街中のアスファルトの中ではより一層、緑が映えます。静かな住宅地や観光地などの魅力もさらに増してくれるでしょう。

人が安全に利用でき、周辺環境にも溶け込むラウンドアバウトは、これからのわたしたちと車社会のよいパートナーとなって、今後も増えていきそうな要注目の社会インフラであるといえます。

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