名古屋走りってなに?
名古屋走りの意味は?
まず名古屋走りとは、愛知県の名古屋市やその周辺でよく見られるような自動車の運転のことを指します。少し荒っぽい動きが目立ったり、道路交通法に反している運転をするのがよく見られます。
ずっと名古屋市に在住している人などは特に違和感なく受け入れている人も多く、名古屋走りと言われて初めて他の地域との違いを自覚する人もいます。
日本ではその他の地域でも名古屋に見られるような独自の運転ルールが根付いているところもあり、長野県の松本走りや愛媛県・伊予の早曲がりなどが有名です。
■愛知県は交通事故死者数のワースト常連!
愛知県は交通事故死者数の不名誉な記録を、長年更新し続けてきました。16年連続で全国ワーストを記録したこともあり、名古屋走りとの関係も頻繁に取りざたされています。
車の運転が荒っぽいことや、自動車の保有台数が多いこと、スピードを出しやすい広い道路がたくさんあることなどが原因として挙げられます。
しかし、愛知県もなんとかしないといけないという気持ちが強く、新しい交通システムを導入したり、セイフティーサポートカーを積極的にとり入れるなど対策を打ち出しているのが現状です。
名古屋走りの具体例5選
通学路の一斉検問
では、名古屋走りの具体的な例を見ていきましょう。
■信号無視
直進で黄色になったからといって停まることはあまりありません。赤になっても数台直進するのを目撃するのは、珍しいことではないです。
右折時などは特に顕著で、右折の指示信号が消えて赤に切り替わってからでも、3台から5台は行ってしまいます。
反対側が青信号になっても、交差点に進入してくるまでは右折しても良いと考えている節があります。青になった直進車の方が待っている光景も、比較的よく見かけます。
■ウィンカーを出さない
名古屋走りでは、右折時や左折時・進路変更の際にウィンカーを出さないことも多いです。方向指示をすることなく右に左に曲がるので、後ろの車から見るとどのように動くのか分かりません。
実際に名古屋走りをしている人からすると、周りの安全に配慮した上で車線変更なりをしているという言い分ですが、死角に車や自転車が存在することもありますし、ウィンカーは出すに越したことはありません。
出さないと道路交通法上も違反ですし、事故を起こせば罪も重くなります。
■車線またぎ
そもそも、一番左車線を走る車が駐車車両をよけるためにあらかじめ右車線にはみ出し、車線をまたぐのが発端でそれが右の車線にも影響していくという流れです。はみ出しておいてスペースを確保する走り方が、伝染していくイメージです。
右車線の車はその分後に下がれば済みますが、名古屋走りではこのような車と並走したり、追い抜かそうとする車もいます。どんどん車線またぎが増える流れになってしまっています。
普段から車線をまたいで走る車も多く、どちらの車線にでも行けるようにという自分勝手な走りです。
■スピード違反
名古屋走りのスピード違反は、他の地域では見られないほどのレベルです。名古屋を車で走っていると、猛スピードで追い抜いていく車をよく見かけます。見かける頻度もスピードも、名古屋以外を凌駕しています。
車線が多い道路や、交通量の少ない夜間にだけではなく、住宅街の中や狭い道でも飛ばしている車を簡単に確認できるのが現状です。
自分の車が一刻も早く目的地に到着したいと考えて運転しているようだと、よく表現されています。
■右折時の早曲がり
右折時に早曲がりをする名古屋走りも危険な行為です。信号が青に乗った途端に、対向車の直進よりも早く曲がるために急発進をします。
強引に右折をする車も多く、歩行者を巻き込む危険もあるため、恐怖を感じることも少なくありません。
右折信号がない時代に、信号が青から赤に変わるまでに1台しか行けなかったことが、名残として残っているとも言われています。
なぜ名古屋走りが定着してしまったのか?
交差点で交通事故を自動監視
名古屋は、超有名自動車メーカーのお膝元ということもあり、自動車の保有台数がとても多い地域です。また、広く走りやすい道路のおかげで、逆にスピードを出しすぎてしまうという古くからの歴史もあります。
信号無視やウィンカーを出さずに車線変更をするなど、危険な運転が地元ドライバーの間で習慣化して、便利なルールとして根付いたことが問題です。
ローカルルールを誰かが破れば、逆に交通が乱れかねないというおかしなプレッシャーもあります。改善のためには、警察や自治体が中心となり、継続的に取り組むしかありません。
■乗用車保有台数全国1位の愛知県、充実したインフラが仇に?
愛知県は車の量が多いこともあり、インフラがとても充実しています。道路は比較的広く整備され、市街地でも片側3車線の道路が一般的です。
名古屋走りが生まれた背景には、恵まれた道路事情が存在しています。充実したインフラが逆に速度超過を招き、危険な運転を横行させる原因になっているとすれば皮肉です。
■運転モラルの低さ
名古屋走りを行う運転者のモラルは、基本的に低いという特徴もあります。自らが危険な行為をして他の運転者や歩行者にリスクを負わせているという自覚が足りません。
対向車が来ていても強引に右折をしたり、ウィンカーを出さずに曲がるいわゆる松本走りや、信号が青になるやいなや対向車の直進を待たず右折をする茨城ダッシュも有名で、運転モラルの低さはどこでも問題になります。
他にもある!ご当地走り
速度超過
ご当地特有の運転マナーの文化として、名古屋走りは有名ですが、他の地域でも似たようなご当地走りは存在しています。
例えば、松本走りや茨城ダッシュ以外にも、対抗の直進車の前に右折をする伊予の早曲がりや、ウィンカーを出さずに曲がっていく、播磨道交法と呼ばれるご当地走りも有名です。
いずれも、この様な走り方をするドライバーが多いため取り締まるのが難しいという問題を抱えています。
安全運転のポイントをおさらい
急な割込み
ローカルルールなどで危険な運転をして自身や他者を巻き込まないためにも、安全運転5則の遵守は必須です。
まず、安全速度を必ず守ることが大切です。ただ単に法定速度や制限速度を守ることではなく、霧や雨といった天候・道幅の狭い道路や見通しの悪い交差点など、道路状況に合わせて安全に走行できる速度を守らなければいけません。
カーブの手前で十分にスピードを落とすことや、交差点での安全確認も大事なのは言うまでもありません。一時停止で横断歩行者の安全を守り、飲酒運転は絶対にしないなど、気をつければ守れるものなのでしっかりと意識をしたいです。
まとめ
安全運転を心がけよう!
荒っぽく手前勝手な運転が目立つ名古屋走りは、交通死亡事故がワーストの常連という不名誉な記録につながっています。
古くから根付いたローカルルールとして悪しき伝統は受け継がれ、危険な運転をする人は絶えません。いろいろな要因が重なってはいますが、それでも安全に運転をし、道路を通行するためには改善が必須です。
警察や自治体などが協力をして、少しでも安全な方向にシフトすることを考え、名古屋走りという言葉を聞かない未来にしたいと多くの人が考えています。