運転免許証の色は3種類って知ってた?頂点に君臨する「ゴールド」
実際の運転免許証を見てみると、有効期限の記載箇所の背景色には、グリーン、ブルー、ゴールドがあります。
ゴールド免許は、「5年間無事故・無違反」を守ると取得できる、有効期限記載箇所の背景が金色になっている運転免許証です。
はじめて運転免許を取得すると3年間有効のグリーンの免許が交付されます。最初はグリーン、その後ブルー。そして、違反がない優良ドライバーはゴールドへと移行していきます。
ブルーの免許は、グリーンの免許を取得して3年が経過した後の更新時に変更になります。
運転者の区分は、初回更新者と軽微な違反を1回のみ受けている一般運転者、そして違反運転者の3種類です。
ブルーの免許は基本的に有効期間が3年ですが、年齢により有効期間が以下のように異なります。
70歳未満:5年間
71歳:4年間
72歳以上:3年間
ゴールド免許は、5年間無事故・無違反の優良ドライバーに交付されます。はじめて運転免許を取得した場合はグリーン免許(3年)+ブルー免許(3年)で、最低でも6年経過しないと取得できません。
一般運転者と違反運転者は、違反をした日から5年間、無事故・無違反を果たさないとゴールド免許は取得できないことになります。
ゴールド免許は優良ドライバーの証であり、有効期限が3年から5年になる他、更新手続きができる場所の選択肢が増え、自動車保険の割引が適応になるなどの優遇が得られます。
また、今後はマイナンバーカードと運転免許証の一体化に伴い、2024年末を目安にオンラインでの講習も可能になる見込みです。
■ゴールド免許の保有者の割合について
ゴールド免許の保有率は、警視庁が取りまとめた「令和3年度版運転免許統計」によると直近3年(2019年~2021年)の更新時講習の受講者数が以下のように発表されました。
この結果を元にゴールド免許保持者の割合を計算したところ、右端の数値になりました。直近3年のゴールド免許保持者は60%前後であることがわかります。
区分(人) | 初回更講習 | 違反運転者講習 | 一般運転者講習 | 優良運転者講習※① | 合計※② | 優良運転者の割合※③ |
---|---|---|---|---|---|---|
令和元年(2019年) | 1,172,273 | 2,357,947 | 2,782,682 | 9,079,538 | 15,392,440 | 59.0% |
令和2年(2020年) | 1,047,033 | 2,173,387 | 2,709,773 | 9,381,932 | 15,312,125 | 61.3% |
令和3年(2021年) | 1,051,674 | 2,046,024 | 2,580,683 | 9,100,535 | 14,778,916 | 61.6% |
※③=※①÷※②
基本は2つ、「ゴールド免許」をゲットするための条件はコレだ
ゴールド免許とはどのような免許なのか、あらためて見ていきましょう。
■運転免許取得から5年以上経過している
ゴールド免許は、運転免許取得後にすぐにもらえるわけではありません。
運転免許をお持ちの方は、覚えてらっしゃるかもしれませんが、免許を取得してすぐの背景色は緑色です。そこから3年経過すると、免許更新のタイミングとなり、更新時に青色になります。
そこからさらに3年経過し、2回目の免許更新タイミングで「5年間無事故・無違反」であれば、ようやくゴールド免許が取得できます。
この場合、2回目の免許更新まで無事故・無違反である必要があるため、ゴールド免許の取得には6年必要です。
■誕生日の41日前から5年間無事故・無違反
5年間無事故・無違反といっても、正確には、「誕生日の41日前から過去5年間無事故・無違反」でいる必要があります。無事故・無違反の判定が、免許更新する年の誕生日の40日前に行われるため、このような決まりになっています。
では、具体的に、無事故・無違反とはどういう状態なのでしょうか。
無事故・無違反の定義は、「交通違反点数制度による違反点数がつかないこと」なので、「無事故」については人身事故が無いことが条件です。
一方「無違反」に関しては、違反の種類毎に点数や反則金が細かく決められており、1点でも加算されると、ゴールド免許最短取得はできなくなります。
■免許の失効に注意!
また、更新を忘れてうっかり免許を失効させてしまうと、たとえ5年間無事故・無違反でもゴールド免許は取得できません。もし、失効前にゴールド免許だったとしても、背景は青色に戻ってしまうので、免許の失効には十分注意してくださいね。
免許が失効したとしても、6ヶ月以内であれば、「特定失効者に対する講習」を受け、適性試験に合格すると免許は再交付されます。
免許失効後7ヶ月~12ヶ月以内であれば、仮免許の学科試験と技能試験が免除されますが、1年以上失効した状態が続くと試験の免除はなく、もう一度新規で免許を取得することになります。
6ヶ月以内 | 学科試験と技能試験は免除。
「特定失効者に対する講習」を受け、適性検査に合格することで再交付
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7ヶ月~12ヶ月以内 | 仮免許の学科試験と技能試験は免除。本免許証の学科試験と技能試験、適性検査、取得時の講習を受けて再取得 | |
1年以上 | 試験の免除なし |
■ブルー免許の更新期間によって、ゴールド取得まで約10年かかる!?
ブルー免許の有効期間は3年と思いがちですが、違反点数が3点以下の方は、ブルー免許であっても有効期間が5年間となり、有効期間ではゴールド免許と同じになります。
しかし、この有効期間が裏目に出てしまうことも。数々のメリットを受けられるゴールド免許は、「免許更新年の誕生日41日前から5年間無事故・無違反」が基準ですので、違反を犯してしまうタイミングによっては、次回更新だけでなくその次の更新でもブルー免許が交付されてしまう場合もあり、約10年間ブルー免許のままになってしますケースも考えられます。
違反も事故もないに越したことはありませんが、その時は軽微な違反で済んだ!とホッとしても、ゴールド免許への道のりは遠のいてしまうこともありそうです。
更新期間だけじゃない!こんなにあるゴールド免許のメリット・特典
ゴールド免許を所有していると、さまざまな特典を受けることができます。
・免許更新期間が長くなる
・免許更新時の講習時間が短くなる
・免許更新費用が安くなる
・食事代・ガソリン代等が割引される
・自動車保険が安くなる
■免許の更新期間が5年になり、講習時間も短く、金額も安くなる!
ゴールド免許を取得した最大のメリットともいえるのがこちら!免許更新の際の優遇措置です。
ゴールド免許の場合、講習が30分の「優良運転者講習」で済みます。青色の場合の一般講習は1時間、初心者講習や違反講習は2時間なので、かなりの優遇ですね。
また、更新費用もゴールド免許が一番安く3,000円、青色は3,300円、初回更新者と違反運転者は3,850円です。多少ではありますが、費用も抑えられます。(※2022年8月現在)
■警察署やゴールド専用更新センターで楽々免許更新も可能!
グリーン免許やブルー免許の場合、運転免許の更新時には運転免許更新センターや運転免許試験場に行く必要があります。どこにでもあるわけではないので、お住まいの地域によっては行きにくい場所の方もいるでしょう。
一方ゴールド免許なら、免許更新通知はがきに記載された指定警察署や優良運転者免許更新センターでも更新手続きが可能になります。
警察署での更新は平日のみ対応であったり、混雑する日などは時間がかかる場合もあるようですが、ご自身が行きやすい場所を選べる選択肢の広さは嬉しいところですね。
■SDカード発行で食事代・ガソリン代等が割引される!
1年以上事故や違反等がない方は、各都道府県の自動車安全運転センターに「無事故・無違反証明書」か「運転記録証明書」を申し込み、自動車安全運転センターが発行しているSD(セーフティードライバー)カードを取得することができ、無事故・無違反の年数によってカードの色が違います。
SDカードは、安全運転者であることの誇りと自覚を象徴するもので、カードを持っている人は、ガソリン代・食事代・宿泊代などの割引やマイカーローンの金利が優遇されるなど、2022年8月時点で約16,000箇所にてさまざまな優遇を受けられます。
一例を挙げると、関東であれば爆弾ハンバーグで有名なフライングガーデンで「ドリンクバー無料」の優待を受けられたり、会員価格で給油できるガソリンスタンドがあったりと、嬉しい特典がたくさんあります。
特典を用意している店舗によりますが、無事故・無違反の年数によって、受けられる優遇内容に差があるケースがあるので、ゴールドカードであれば、より優遇される可能性があるということになりますね。
優遇を受けられる店舗やサービスは、地域によって異なるので、お住いの地域やドライブ先などに、どういった特典やサービスがあるか、ぜひチェックしておきましょう。
「都道府県」「業種」「優遇店名・所在地入力」の3つのキーワードから絞り込んで検索が可能です。
■自動車保険の割引が受けられる!
車を運転する上での備えといえば自動車保険ですが、ゴールド免許だと自動車保険でも割引があります。
この場合、契約の始期日時点で記名被保険者の免許がゴールド免許の場合に、保険料が割引されるため、契約のタイミングが重要です。
気になる割引率ですが、保険会社によって違い、6%~19%程度割り引かれます。
保険会社によっては、割引率を公表していない会社もあるので、自動車保険に加入する際には、見積りを取って比較した方が確実です。
自動車保険の契約期間中にゴールド免許になった場合、割引率はどうなるのかというと、契約の始期日時点での判断になるので、途中でゴールド免許になったからといって、割引率は変更されません。
逆に、契約期間中にゴールド免許でなくなった場合でも、契約の始期日時点でゴールド免許であれば、保険の適用期間中はゴールド免許の割引率が適用されるので、契約始期日時点で何色の免許かがポイントになります。
■ゴールド免許の更新がオンライン化!?
道路交通法の改正案が閣議決定され、今後はマイナンバーと運転免許証が一体化するような仕組みが整備されます。
その第一歩として、ゴールド免許保持者の更新がオンラインで受講可能ですが、本格実施は2024年度末を予定しており、北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県で先行実施されます。
ゴールド免許保持者の更新がオンライン化されると、10分ごとに分けられた3つの動画の講習をスマホやパソコンなどの端末で視聴し、確認のテストが行われます。
オンライン講習に必要なものや、条件などはこれから適宜更新され整備されていきますが、自宅で更新ができるというのは、大きなメリットです。
【ゴールド取得を早めたい!】追加で免許取得?違反点数の奇妙?
■免許を追加で取得すると、5年でゴールド取得のチャンス
冒頭にも記載した通り、ゴールド免許を取得するためには、最短で2回の免許更新を行わなければならないため6年の期間が必要になります。
しかし、ゴールド免許取得までの期間を短くする方法もあります。
新規取得の場合は免許の有効期間が3回目の誕生日+1ヶ月のため、誕生日直前の免許取得がゴールド免許への最短取得の道ということになります。
追加で免許を取る(普通免許取得後、自動二輪の免許取得等)場合は、無事故無違反が5年継続しているかどうかが重要になります。
更新のタイミングでゴールドになるので、たとえば4年半無事故無違反で、そのタイミングで追加の免許取得した等、追加取得時にゴールドの条件を満たしていない場合、青色でまた3年待たなくてはいけなくなります。
逆に5年間無事故・無違反は変わらない条件ですが、普通免許取得後、1度更新をしてから2年後に自動二輪など他の免許を取得すると、最短6年を5年間に短縮することが可能です。
1年という差ではありますが、ゴールド免許を少しでも早く取得したい人は、チャレンジしてみてしてくださいね。
■違反点数が多いとゴールド取得早まる?!矛盾を感じる現状
過去5年間に、違反点数が3点以下の軽微な違反が1回の方は、ゴールド免許にはならないものの、ブルー免許でも更新期間が5年に延びるので、場合によってはゴールド免許取得まで10年かかってしまうケースがあることはお伝えしました。
もし、軽微な違反を2回以上犯して累積点数が3点以上となり「違反運転者」というカテゴリーに分類されると、ブルー免許の更新期間は3年に縮まります。
軽微な違反1回だけなら免許更新期間が延びるというメリットに目がいきますが、軽微な違反を1回しかしていないドライバーよりも、「違反運転者」となったドライバーの方が更新期間が短いので、場合によってはより早くゴールド免許を取得できてしまうケースも考えられます。
違反日と更新日との関係にもよりますが、更新期間が5年から3年に縮まったことで、一度違反運転者となった方が2年早くゴールド免許が交付される可能性があり、違反をしたほうが早くゴールド免許を取得できるというねじれ現象がおこることがあります。
ゴールド免許取得者が交通違反した場合はどうなるの?
ゴールド免許を持っている人が、速度超過などの交通違反をした場合、すぐにゴールドが取り消しになるわけではありません。次の更新時にゴールドからブルーの免許証に変更になります。
■違反や事故をしてもゴールド免許は維持できる?
ゴールド免許で以下の交通違反をした場合、ゴールド免許を保持できます。また、免許証の不携帯や自損事故、物損事故、さらに点数が引かれない違反は免許の色に影響しません。普段から安全運転を心がけて交通ルールは守るように意識しましょう。
■3ヶ月特例で違反歴は消える?ゴールド免許のまま維持できる?
3ヶ月特例とは、無事故・無違反を2年以上継続し、3点以下の違反をした運転者が3ヶ月以上無事故・無違反だった場合、違反点数がリセットされるという仕組みです。
点数はリセットされますが、違反履歴は残るため、次の更新時にゴールド免許からブルーに切り替えが行われます。
【まとめ】 ゴールド免許を目指そう!
以上、ゴールド免許を取得するための条件や、ゴールド免許のメリットなどを詳しく解説しました。
ゴールド免許を取得するための道のりは長いですが、取得後のメリットは大きいです。
現在ゴールド免許の方もそうでない方も、交通ルールの遵守はもちろん、マナーにも気を配った安全運転で日々の運転・ドライブを徹底するようにしていきましょう。
よくある質問
■運転免許証の色って何種類あるの?
運転免許証の有効期限が記されている部分は、グリーン、ブルー、ゴールドの3種類があります。グリーンは免許を取得してから初回更新前の方、ブルーは免許歴が5年に満たないか更新前5年間で違反点数がついてしまった方、ゴールドは更新前の5年間で違反点数がついていない方に、それぞれ交付されます。
■どうすればゴールド免許が手に入るの?
ゴールド免許は、誕生日の41日前から5年間の間、違反点数のつく事故や違反がなければ申請などの必要なく、免許更新時や新しく免許を取得した際に自動的に交付されます。
■ゴールド免許でいいことってあるの?
前回更新時から5年間、ルールに則った安全運転をしていたことを示すゴールド免許は、任意保険が割安になったり、お店で割引を受けられたりといいことずくめ。免許更新の際も、講習時間の短縮や更新できる場所が増えたりと、優遇を受けられます。