免許証の更新とは
免許更新って何だろう?
免許証を取得したあと、一定の期間が経過すると免許証の更新が必要になります。なぜ必要なのでしょうか?「免許」とはなんでしょうか?
行政上では、特定の行為や業務を実施する場合に、国や県などの行政機関がその行為、業務を行うに相応しい技術や知識を保有していることを証明し、「許可」するものです。
車の運転については、本来禁止されている公道での運転を、その車種やけん引などの状態に応じた免許を取得・携帯することで、公安委員会が公道での運転「許可」する、という仕組みです。
車は便利な乗り物であると同時に、事故などで加害者にも被害者にもなりえる危険性のある乗り物でもあります。そのため、ドライバーは安全な運転を心がけ、違反や事故をしないように努めなければなりません。
免許証を取得した後も、きちんとした知識と運転技術を維持しているのかだけでなく、身体機能の変化を定期的に確認する目的で、3~5年ごとに免許証の更新を行う必要があるのです。
※情報は2023年3月現在のものです
免許証の初回更新手続き
どんな手続きがあるだろう?
■初回更新って、どこにいけばいいの?
免許更新の時期が近づくと、更新ハガキが送付されてきます。
更新できる期間は誕生日の前後1ヶ月で、例えば、8月1日生まれの方の更新期間は7月1日~9月1日までとなり、この期間内に更新を行います。
ここで注意をしなければならないのは、新規に取得した免許証の有効期限は、取得日から3回目の誕生日を迎えた1ヶ月後までなので、同じ誕生日でも免許取得日によって、免許の有効期限が3年ある方もいれば、2年2ヶ月しかない方もいる、という点です。
誕生日 | 4月1日 | 4月1日 |
免許取得日 | 2023年5月1日 | 2023年3月1日 |
1回目の誕生日 | 2024年4月1日 | 2023年4月1日 |
2回目の誕生日 | 2025年4月1日 | 2024年4月1日 |
3回目の誕生日 | 2026年4月1日 | 2025年4月1日 |
免許の有効期間満了日 | 2026年5月1日 | 2025年5月1日 |
免許取得から有効期間満了日までの期間 | 3年 | 2年2ヶ月 |
上記表のように、免許取得日によっては、有効期限がかなり短くなりますので、免許証の有効期限をよく確認しておきましょう。
初回更新は、各都道府県の運転免許センター・運転免許試験場・警察署で講習を受けられます。ただし、警察署によっては講習区分が限定されていて、初回更新ができないこともあるので、注意が必要です。
更新ハガキには、初回講習を受けられる場所が記載されていますので、必ず確認しましょう。
運転免許センターでの更新手続きが可能な曜日は、平日か日曜日です。土曜日、祝日、振替休日、年末年始は更新できません。
では次に、更新に行く前に持参するものや時間帯、何をするのかなどを詳しく見ていきましょう。
■更新時に持っていくもの
更新ハガキ
事前に送付されます。
詳細が書かれていますのでよく確認しておきましょう。
免許証
免許更新後は、新しい有効期限が記載された免許証が交付されます。いままで使用していた免許証は、回収が原則の地域もあれば、物理的に使用できなくなるように処理された後に、返却される地域もあるようです。
運転免許更新に関する手数料
区分 | 講習手数料 | 更新手数料 | 合計 |
初回更新者講習 | 1,350円 | 2,500円 | 3,850円 |
優良運転者講習 | 500円 | 2,500円 | 3,000円 |
一般運転者講習 | 800円 | 2,500円 | 3,300円 |
違反運転者講習 | 1,350円 | 2,500円 | 3,850円 |
証紙で納付しますが、更新の受付で購入することができますので現金を準備しておけば問題ありません。
「受講手数料」については講習により金額が異なります。手数料の金額はハガキにも記載されているのであらかじめ準備しておきましょう。
眼鏡・コンタクト
必要な方は必ず持参しましょう。
普段コンタクトレンズを使っている方はつけた状態で免許更新に行くと良いでしょう。視力検査の時にコンタクトであることを伝えて、検査をしてもらいます。
免許更新時の講習とは?
講習についても知っておこう
■初回更新者講習
初めての更新時に受ける講習です。
運転免許歴5年未満で軽微な違反(3点以下)が1度だけの人が対象です。
■優良運転者講習
更新時の誕生日の40日前から過去5年間に、違反や事故歴のない人が対象となります。
■一般運転者講習
免許継続年数が5年以上で、5年間軽微な違反(3点以下)が1度だけの人が対象となります。
講習時間は1時間です。
■違反運転者講習
免許歴5年以上で過去5年間、軽微な違反1度を除く違反がある人が対象となります。
■高齢者講習
70歳以上のドライバーには、免許更新時に高齢者講習の受講が義務付けられています。内容は、講義・運転適性検査・実車指導です。免許更新日の6ヶ月前から、教習所や運転試験場で高齢者講習を受講し、「高齢者講習終了証明書」を交付してもらう必要があります。
免許証更新の日に、この高齢者講習終了証明書を試験場に持っていけば、当日は講習を受ける必要はありません。
また、免許更新時点で75歳以上のドライバーは、「認知機能検査」も加わります。こちらも免許更新日の6ヶ月前から更新期間満了日までに受ける必要があります。認知機能検査は100点満点中36点以下の場合には医師の診断が必要で、「認知症」と診断された場合には、運転免許証は停止または取消しとなります。
免許更新の当日の流れ
流れも確認しておこう
免許更新の流れは以下のようになります。
①受付・書類記入・証紙購入
運転免許センター・運転免許試験場・警察署で、まず受付をすませ、「運転免許更新・講習受講申請書」に必要事項を記入します。最近は、申請書の記入が電子化されている都道府県もあるようです。ICチップ埋め込み型運転免許証に住所が記憶されているため、表面には、氏名と性別・年齢・電話番号・生年月日を記入するのみとなっています。
申請書には裏面もあり、質問票になっています。現在の健康状態に関する質問が5つほどあるので、はい、いいえをチェックマークをつけて回答します。
免許取得後、住所が変わった人は、新しい住所を記入します。住所変更の際は、新住所が確認できる書類が必要です。住民票やマイナンバーカード、健康保険証等が確認のための書類として認められています。不安な方は、事前に警察署や免許試験場に問い合わせてみましょう。
また、この時点で、運転免許証のICチップから情報を読み取るための4桁の暗証番号の設定が求められます。第一番号と第二番号の2つの暗証番号を決めておきましょう。
その後、講習手数料と更新手数料を支払い、収入証紙を申請書に貼ります。これで、書類の作成は完了です。
②適性検査
適性検査は、普通免許では通常、視力検査が行われます。左右それぞれの視力が0.3以上で両眼の視力が0.7以上、片方の視力が0.3に達しない場合は、よく見える方の視力が0.7以上かつ視野が150度以上あることが求められます。免許取得時の視力検査で、眼鏡等の条件がついている人は、普段使用しているメガネやコンタクトレンズを持参すればOKです。
免許取得後、視力が落ちたと感じる方は、事前に眼科やメガネ店などで視力を測り、必要であれば、メガネやコンタクトレンズを作っておくのがおすすめです。
③写真撮影
免許証の写真については、更新会場で撮影してもらう方法と、自分で写真を持ち込む方法があります。運転免許試験場では、基本的に写真の持ち込みが可能です。免許証の写真撮影で失敗したくない人は、事前に納得のいく写真を撮影して、それを免許証の写真として使えます。
道路交通法施行規則の基準を満たしているもの
縦3センチメートル×横2.4センチメートル
(国外運転免許証申請時に添付する写真サイズは、縦4.5センチメートル×横3.5センチメートル。)
無帽(宗教上又は医療上の理由がある場合を除く。)、正面、上三分身、無背景
申請前6か月以内に撮影したもの
個人識別が容易にできるもの
運転免許証が適正に作成できるもの
ただし、免許証の写真には、上記引用のような各種条件がありますので、それらをよく確認して撮影に臨んでくださいね。
また、運転免許試験場への写真の持ち込みは基本的にOKでも、警察署やゴールド免許センターは持ち込み不可等、対応状況更新場所や地域によっても異なりますので、事前に運転免許の更新を受ける都道府県の県警のホームページで確認しておくと安心です。
④講習
初回の運転免許の更新では、約2時間の初回講習を受ける必要があります。講習内容は、交通安全のパンフレットを教材にした座学と、ビデオの視聴などです。
講習は、2時間程度かかりますが、過去3年間に行われた道路交通法の改正の説明や、路上で遭遇しがちな事故を起こすシチュエーションなど、安全運転のために必要な内容になっています。
なお、講習のなかでは、試験等が出題されることはありませんので、その点はご安心ください。
⑤新免許証の交付
講習が完了すると、新免許証の交付されます。交付された免許証は、グリーンの帯がブルーに変わり、有効間期限は3年です。免許証がブルーからゴールドに変わるためには、免許更新の日から過去5年間無事故・無違反が条件なので、日頃から安全運転を心がけましょう。
■暗証番号の変更もできる!
運転免許証には、ICチップが埋め込まれていて、そこに免許証に記載された各種情報が記録されています。免許を最初に取得した際に、ICチップの情報を読み込むための暗証番号の設定をし、その情報を読み込む際に暗証番号の入力が求められるようになります。
免許更新時は、設定した暗証番号を変更できるチャンスなので、変更したい人はその旨申し出ましょう。
■免許更新にかかる時間は?
初回講習 | 2時間 |
優良講習 | 30分 |
一般講習 | 1時間 |
違反講習 | 2時間 |
高齢者講習 | 2時間 ※更新日までの事前受講が必要 |
免許証の色や交通違反の回数などによって受ける講習が変わります。
また、受講するコースによって時間が異なっており、受講時間は30分~2時間ほどとなっています。
無事故・無違反の「優良運転者講習」は30分程度で終わりますが、「初回更新者講習」や「違反運転者講習」では2時間ほどの講習時間となります。
免許証の色の違いは?
ブルー・グリーン・ゴールド 免許証の有効期限
免許証には、有効期限が記載されている部分に3色の色分けがされています。
それぞれの違いや特徴について説明していきます。
■「グリーン」の免許証
免許を取ってから最初の更新までの3年間は「新規運転者」となり、免許証は「グリーン」となります。
初めての免許更新後は「ブルー」になります。また、初回更新までの間に「中型免許」「大型免許」を取得した場合もその時点で「ブルー」へと変わります。
■「ブルー」の免許証
初回更新後は、「ブルー」に変わり一般運転免許となります。有効期限は3年です。
2回目からは、有効期限が切れる年の誕生日から41日前を起算日として、過去5年間に違反があった場合は次回の更新も「ブルー」が適用されることになります。
ただし、その期間の違反が軽微な違反(3点以下)が1度だけである場合は、有効期限が5年間に延長されます。
免許取り消しになる点数や期間、講習から再取得の方法について徹底解説 | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/2538交通事故や道路交通法違反を起こし免許取り消し(免取り)になる点数や欠陥期間、事故、違反後の通知から取消処分者講習の内容、再取得の方法について等をわかりやすくまとめて掲載しています。
■「ゴールド」の免許証
更新年の誕生日から41日前を起算日として、過去5年間が無事故・無違反であった場合は、有効期限が5年間となり「ゴールド」の免許証になります。
普段まったく運転をしない、いわゆるペーパードライバーの方もゴールドとして扱われます。また、紛失・汚損などによる再発行でも色が変わることはありません。
ただし、更新をせずに失効した場合はブルーに変更されてしまいます。やむを得ない事情があった場合には、証明書類を提出することで半年以内であればゴールドのまま継続することが可能です。
「ゴールド」のメリット
① 自動車任意保険の割引
ほとんどの保険会社では、ゴールドを持っている人には保険料の割引サービスを行っています。割引率は保険会社によって異なりますが、通常よりもお安く加入することができます。
② 居住地以外での更新が可能
通常は住民票登録をしている都道府県での更新をしなければならないのですが、ゴールド免許の場合「経由更新」をすることができます。
ただし、更新可能な期間は誕生日の1ヶ月前から誕生日までです。
③ SDカードが使用できる
SDカード(セーフドライバーカード)は、安全運転ドライバーである証です。このカードを提示することで全国15,000店舗以上ある様々な加盟店で割引などが可能となります。
最高ランクのSDスーパーゴールドカードを手に入れられるのは、20年以上の優良ドライバーだけとなっています。
こんな時どうする?
焦らず行動しよう!
更新ハガキをなくしてしまった場合、免許更新を忘れてしまった場合、どうすれば良いか見ていきましょう。
■更新ハガキをなくした!
更新ハガキがどこにいってしまったかわからなくなった場合は、前述の「更新時に持っていくもの」にある
・免許証
・手数料
・メガネ、コンタクト
に加えて「印鑑」を持参して下さい。
必ず受付でハガキを紛失した旨を伝え、ハガキがない人用の受付を行います。
■免許更新を忘れていた!
期限を過ぎて半年以内の場合
学科試験や技能検定を再度受ける必要はなく、適性検査だけで再取得が可能です。
通常と同じように運転者区分ごとの講習を受ける必要があります。
期限を過ぎて半年以上の場合
期限を過ぎて半年以上の場合は、試験を再度受ける必要があります。
半年以上1年以内の場合は、大型・中型・普通免許を持っている方は、本免許試験の学科試験と技能試験をクリアしなければなりません。もちろん、適性検査・講習も必要です。
また、1年以上経ってしまうと仮免許試験の学科試験と技能試験も受けることになります。
やむを得ない事情があった場合
海外出張・海外旅行・病気や出産による入院、自宅療養・被災しているなどの場合は、半年を過ぎていても一部の試験が免除される可能性があります。
自分のケースが認められるか判断できない時は、地域の警察署にお問い合わせください。
まとめ
更新ハガキが届いたら内容の確認も忘れずに!
本記事では、免許更新について詳しくお伝えしてきました。
免許証の更新は「うっかり忘れていた!」では、許してもらえません。更新ハガキが届いたらよく確認し、早めに手続きを行いましょう。
また、住所が変わった場合などは免許更新のお知らせのハガキが届かないといったことのないように、きちんと住所変更を済ませておきましょう。
よくある質問
■初回講習は必ず受けなければいけないの?
初回講習は運転免許を更新しようとすれば、必ず受けなければなりません。初回講習を含む免許の更新については、道路交通法101条に規定されています。
逆に、運転免許を取得してから3年たち、免許はいらないなと思えば、初回講習を受ける必要はありません。初回講習を受けなければ、運転免許自体は、免許取得から3年たった自分の誕生日の翌月をすぎれば失効します。
■初回講習の内容は?
免許取得時から3年間の道路交通法の改正内容の説明や、安全運転のための知識をテーマとした講習が行われます。