高齢者マーク(高齢運転者標識)とは?
高齢者マーク(高齢運転者標識)とは?
高齢者マークがどのようなものなのかを、まずは紹介します。高齢者マークとよくいわれますが、正式名称は「高齢運転者標識」といいます。
個人差はあれど年齢が高くなると身体能力が衰え、どうしても運転技術も下がってきてしまいます。そういった場合に、高齢者ドライバーを周囲も認識し、安全を確保する手段のひとつとして使用されているのが高齢者マークです。
■種類は2種類
高齢者マークにも種類があるのはご存じでしょうか。現在は2種類、四つ葉マークともみじマークがあります。この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。2つのデザインについて詳しくみていきましょう。
四つ葉マーク
名前の通り、四つ葉のクローバーがモチーフになっています。オレンジ、黄緑、緑、黄色の鮮やかな四つ葉のクローバーと、シニアの頭文字である「S」を組み合わせたデザインです。この四つ葉マークのデザインは、2011年から新デザインとして使用されています。
もみじマーク
しずく型のデザインをしていますが、もみじマークと呼ばれています。名前の由来は色です。黄色とオレンジの2色で色分けされています。1997年に高齢者マークが施行されてから、2011年まで主に使用されていました。現在は四つ葉マークへの移行が進んでいますが、もみじマークも変わらず使用が可能です。
この2つはデザインが新しいか古いかという違いだけで、意味が異なるものではありません。2種類あるのは、2011年にデザインが変更されたためです。
「もみじ」というと、枯葉や落ち葉といったネガティブな印象を抱いてしまうということで、批判の声が多くありました。それを踏まえ、高齢者ドライバーの意見や一般の方へのアンケート結果をもとに、四つ葉マークが公募デザインから採用されました。
■何歳からつけるべき?
70歳以上のドライバーは高齢者マークをつけるべきとされています。しかし、75歳未満は、道路交通法で「加齢に伴って生じる身体機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがある」時は、高齢者マークをつけて運転するように努めなければならない、とあります。
そのため、70歳以上75歳未満のドライバーは、上記条件に合う方が努力義務、75歳以上に関しては条件に関わらず努力義務、という位置づけです。
■高齢者マークをつける位置
高齢者マークの表示を決めたら、次に迷うのがつける場所です。高齢者マークの取りつけ推奨位置は、車体の前後面に1枚ずつ、地上から0.4メートル以上1.2メートル以下です。これは初心者マークを貼りつける際のルールと同じで、周囲のドライバーから見やすい位置に設定されています。
しかし、車種のサイズによっては推奨位置につけられない場合もあるでしょう。推奨されている位置から多少ずれた位置に貼りつけても違反ではありませんが、推奨位置に近い場所に表示するようにしてください。
周囲のドライバーから見やすい位置につけることは、事故防止にも効果的です。ただし、フロントガラスや側面ガラスにシールなどを貼るのは法令違反となるので注意しましょう。
高齢者マークは義務?つけないことで罰則はある?
高齢者マークは義務?つけないことで罰則はある?
高齢者で運転をしている方は、高齢者マークを表示するのが義務なのか、とくに罰則の有無に関しては気になるのではないでしょうか。そこで、表示が義務なのか、そして罰則があるのかどうか、わかりやすく説明していきます。
■70歳以上のドライバーは努力義務
前述の通り、高齢者マークの表示は義務ではなく、努力義務となっています。そのため、高齢者マークをつけるかつけないかは、ドライバー自身の判断に委ねられます。
■高齢者マークをつけなくても罰則はなし
高齢者マークは努力義務なので、つけるかどうかはドライバーの任意です。70歳を超えて高齢者マークをつけずに運転したとしても、罰則はありません。
高齢者マークをつけるメリット
高齢者マークをつけるメリット
高齢者マークをつけなくても罰則がないのに、なぜ高齢者マークがあるの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。これは、高齢者マークをつけることでのメリットがあるためです。
「保護義務規定」というものがあり、高齢者マークをつけた車の周囲の車は、安全に走行するための配慮をしなくてはなりません。そのため、高齢者マークを表示していることで、安全を確保しやすくなるのです。
やむを得ない場合を除き、高齢者マークをつけている車に無理な割り込みをしたり、幅寄せしたりするのは禁止事項で、道路交通法違反にあたります。
この禁止事項は、高齢者マークだけに向けたものではありません。初心者マークや身体障害者マーク、聴覚障害者マークにも適用され、「初心者運転者等保護義務」と呼ばれます。
禁止事項を犯した車には違反点数1点と5万円以下の罰金もしくは反則金が課せられます。反則金は車種によって違いがあり、大・中型車は7,000円、普通車・二輪車は6,000円、小型特殊車は5,000円です。
また、追い越しや追い抜きは違反にはなりませんが、十分な距離をとって安全をしっかりと確認したうえで行いましょう。
■高齢者マークをつけた車を高齢者以外が運転するとどうなる?
普段、祖父母が使っている車を孫が運転する場合や、帰省した際に両親の車を運転するなど、高齢者に該当しない方が、高齢者マークのついた車を運転するという状況もあるでしょう。
そういった場合、なにか不都合があるのかと不安になるかもしれませんが、高齢者マークがついている車を、70歳未満の人が運転をしてもとくに違反や不都合はありません。
ただし保護義務規定が適用されるのは、70歳以上のドライバーが運転している車に対してのみです。高齢者マークをつけた車を70歳未満の方が運転していた際には、適用されないことは知っておきましょう。
高齢者マークの入手方法
高齢者マークの入手方法
では、安全のためにも高齢者マークを車に貼りつけたいと思ったとき、一体どこで手に入るのでしょうか。
■公的な場所のほか、ホームセンターや100円ショップでも
高齢者マークは、公的な場所では免許更新センターや運転免許試験場など、日頃足を運ぶような場所ではホームセンターやカー用品店で入手できます。
近年では100円ショップやインターネットでも購入が可能です。意外とどこにでも売っているので、思い立ったときに手軽に入手可能です。
■これからの購入は四つ葉マークがおすすめ
これから高齢者マークを購入しようと考えている場合、旧デザインのもみじマークではなく、新デザインの四つ葉マークを選ぶのがおすすめです。今のところは、もみじマークも使用できますが、やはり旧デザインなので今後いつ使用できなくなるかわからないためです。
もみじマークがもし使用禁止になれば、また新しく高齢者マークを購入しなければなりません。余計な手間とお金をかけずに済むよう、四つ葉マークから選ぶことをおすすめします。
プレゼントにもおすすめ!おしゃれでつけたくなる高齢者マーク
プレゼントにもおすすめ!おしゃれでつけたくなる高齢者マーク
高齢者マークも、公的なものはデザインが嫌でつけたくないという方におすすめなのが、おしゃれで可愛いデザインの高齢者マークです。
ここから、いくつかおすすめのデザインのものを紹介します。おじいちゃんやおばあちゃん、両親へのプレゼントにもおすすめです。
■基本の高齢者マークをアレンジしたデザイン
まずは基本の高齢者マークをアレンジした、おしゃれなデザインのものを紹介していきます。
おしゃれな四つ葉マーク:メイヴルアットホーム
こちらは四つ葉マークの周りを「SAFE DRIVER SENIOR」と書かれた円で縁取りされてあるので、四つ葉マークをおしゃれにかつ、大きく表示できます。周りからもわかりやすいでしょう。
縁取られた円のカラーはブラック、スモークブルー、ピンク、ネイビー、ブラウン、オリーブの6色があり、好みのカラーを選べます。ステッカー自体もシールタイプで貼りやすいです。
ココペリ柄の四つ葉マーク:OdeKO
こちらは四つ葉部分にココペリを取り入れたデザインです。ココペリとは幸運を呼ぶといわれているアメリカ・インディアンで伝統的なシンボルのこと。
遠目から見るとシンプルな四つ葉マークですが、近くで見るととってもおしゃれです。前後に貼れる2枚入りなのも嬉しいポイントです。
スクエアデザインの四つ葉マーク:メイヴルアットホーム
こちらは長方形のタグのようなデザインに四つ葉マークが加えられています。四つ葉マークの隣には「SENIOR DRIVER ただいまゆっくり運転中。」と書かれており、後続車へもわかりやすいです。カラーも豊富で9色あり、くすみカラーなのもおしゃれです。
■くまモンVer.
続いて熊本県のゆるキャラ、くまモンを採用したかわいらしいデザインの高齢者マークを紹介します。
くまモンのカーステッカー(手持ち):WISE SEED(ワイズシード)
こちらはくまモンが四つ葉マークを持っているようなかわいらしいデザインです。もみじマークはオレンジの背景色で目立ちやすい工夫もされています。マグネットタイプとステッカータイプから選べます。
くまモンのカーステッカー 安全運転だモン:WISE SEED(ワイズシード)
こちらはオレンジの四角いステッカーの中にくまモンと四つ葉マークが描かれているデザインです。くまモンの上には「安全運転だモン」と書かれており、ほっこりしたデザインです。こちらもマグネットタイプとステッカータイプから選べます。
高齢者マーク誕生の背景と存在の意味
高齢者マーク誕生の背景と存在の意味
高齢者マークはどのようにして誕生したのでしょうか。高齢者マークの歴史を見ていきましょう。
■誕生の背景と歴史
高齢者マークは、高齢者ドライバーの事故が増加傾向にあったことが問題視され、1997年に道路交通法にて施行されました。そのときは75歳以上を対象としていましたが、2001年の道路交通法改正により対象を70歳以上へと引き下げられます。2008年に一度、努力義務から罰則ありの義務化がされるも、反発が大きく2009年には努力義務へと戻されたのです。
■なぜ高齢者マークが必要なのか?
高齢者マークは、高齢者が運転していることを周りに知らせるためにあります。高齢者マークがあることで、周りのドライバーも気をつけて運転することができます。周りを思いやる運転により、事故の可能性も減らしていけるでしょう。
まとめ
まとめ
高齢者マークについて詳しく説明しました。高齢者マークの表示は努力義務ですが、つけることにより高齢者ドライバーも守られますし、周囲の車も配慮して運転できます。
また、おしゃれなデザインやキャラクターデザインの高齢者マークは、公的な高齢者マークに抵抗感のある方にも取り入れやすいかもしれません。身近に高齢者マークをつけたがらない方がいる際には、ぜひおしゃれなデザインのものをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。