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【トルクレンチ】種類・使い方・選び方を徹底解説!

【トルクレンチ】種類・使い方・選び方を徹底解説!

タイヤ交換をする際はナットを限界まで締めたら完了ではなく、「トルク値」も管理する必要があるのはご存知ですか?トルク値を管理することには、様々な部品を長持ちさせ安全な走行ができるといったメリットがあります。今回は、そんなトルク値を管理する際に使用する道具「トルクレンチ」についてご紹介します。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


トルクレンチとは?

トルクレンチ イメージ

トルクレンチについて知ろう

トルクレンチとは、ナットやボルトを規定のトルク数で締め付けたり、トルク値を確認するのに使う道具です。

車を整備する際には、タイヤ交換やエンジンオイルを交換するといった時にトルクレンチを使用します。

トルクとは力学の単位で、ボルトを回転軸に、握る位置までの長さを「m(メートル)」、レンチを回す力を「N(ニュートン)」として、「N・m」で求められます。

トルクレンチは何のために必要?

トルクレンチでホイールナットを締める

トルクレンチでホイールナットを締める

トルクレンチはタイヤ交換の際などに活躍してくれる道具ですが、自分でタイヤ交換したいという場合には、普通のレンチだけではなくトルクレンチもあわせて購入することをおすすめします。

それにはどういった理由があるのかをご説明します。

正しい力でボルトやナットを締め付けるため

手作り家具からネジが抜けたり、締めすぎてネジ穴が潰れたりした経験がある方もいらっしゃると思いますが、同じことが自動車やバイクで起こると大事故に繋がります。

例えばボルトの締付けがゆるすぎると、くっつけた場所が自由に動いて抜けてしまいます。逆に締付けすぎると回す部分や繋がっている部分が変形して使えなくなってしまうのです。

実は、機械は設計時にどのくらいの力でボルトとナットを締め付けなければならないのか、という値を計算して設計されています。機械は部品と部品をボルトとナットで締め付けて結合させる事で成り立っているので、設計値通りに締め付けないと機械は正常に動きません。

マグネシウム合金製ボルト・ナット

締め付けの力=トルクが緩ければ、振動や熱などの影響でボルトとナットが緩んでしまい、部品同士の結合が弱くなって故障の原因になってしまいます。

一方、締め付けのトルクが強すぎれば、ボルト自体が切れてしまったり、締め付けた部品を破損させてしまう事になってしまいます。特に、最近のクルマは軽量化のために、鉄に比べて柔らかいアルミや樹脂製の部品を多用するようになっています。それらの部品は、鉄と同じ様な感覚でグイグイと締め付けてしまうと、部品自体が破損してしまったり、変形してしまう可能性が高くなります。

そのため、ボルトやナットの締め付けトルクを管理する事の重要性は、近年ますます高くなっているのです。

締め付け具合は感覚ではわからないため

ナットやボルトをどのくらい締めたかという感覚には個人差があります。

ボルトやナットを締め付けるとき、人は「緩んでしまったらどうしよう?」と心配になってしまい、無意識にレンチに力を入れてしまう傾向があります。これは、初心者だけでなく、熟練の作業者でもそのような傾向が見られます。

締め付けすぎもナットやボルトをダメにしてしまうので、トルクレンチで測定してしっかり安全確認しましょう。

トルクレンチの種類

スマホ連動トルクレンチ「TORQULE(トルクル)」(東京オートサロン2019 「KTCブース」)

スマホ連動トルクレンチ「TORQULE(トルクル)」(東京オートサロン2019 「KTCブース」)

トルクレンチの種類は、大きく分けて「シグナル式」と「直読式」の2つになります。

シグナル式は音や振動で作業の終了をお知らせしてくれるわかりやすさ重視の道具で、直読式はメーターでかかってる力を表示してくれるのでより精確な作業が重視されるプロ向けの道具となっています。

シグナル式

プレセット型や単能型が該当します。

プレセット型は、事前に締めたいトルク値を設定することで、適切な力が加わったときにカチッと音でお知らせしてくれるのが特徴です。自分で数値の設定が可能なので、ソケット付きのものを買っておけば一本で様々なものに対応できるのが魅力です。

デジタル式の場合は、規定のトルクに達すると音や光で知らせてくれるタイプもあり、なかには振動で知らせてくれるものもあって、作業しやすいようにどんどん進化しています。

単能型は事前に決められた1つの数値だけを使うことになります。毎度の設定の手間が省ける反面、トルクを変更する場合は専用工具やテスターが必要になります。

直読式

ダイヤル型やプレート型、デジタル式のように数値を見ながら締めることができるトルクレンチです。

オーバートルクしづらいですが、慣れないうちは視線を行ったり来たりさせないといけないので少し使いづらいかもしれません。

直読式は、今、どれくらいのトルクを掛けているのかを直接目で把握することが出来ますが、トルクを示すプレートは真上から読まないと数値の読み取りを誤ってしまう事があります。そのため、垂直や水平以外の角度では作業しづらい事があります。

デジタル式なら気軽に精確なトルク値を図ることも可能です。デジタル式は、デジタルメーターで正確なトルクを図りながら、シグナル式のように設定したトルクに達したら、音や光で作業者に知らせてくれます。デジタル式は、シグナル式と直読式、どちらの機能も兼ね備えたスグレモノといえます。

その他

ヘッドの部分を締めたいものの大きさに合わせて調整できるモンキタイプや、手持ちの工具に装着する外付けトルクレンチも中には存在しています。

用途に合わせてお選びください。

トルクレンチを使用しなければならない理由

メリット・デメリット

トルクレンチのメリット・デメリットは?

トルクレンチを使用するメリットについても見ておきましょう。

正しい力での締め付けが可能

設計時に想定された正しい力で締め付けられる事が保証できることです。

適切に締付けられていることを数字で確認できることができるため、より正確にトルク値を管理することができます。

機械の能力を正常に発揮できる

また、正しい力での締め付けが可能なことから、設計時に想定された機械の能力を発揮できることもメリットとして挙げられるでしょう。

締め付けのトルクは、弱すぎても強すぎてもダメ。設計時に想定されたトルクで締め付ける事で、初めて設計通りの能力を発揮できます。

トルクレンチの使い方を理解して、正しく使用しましょう。

トラブルを未然に防げる

他にも、正しい力で締め付けが行われなかった際に発生するトラブルを未然に防げることも挙げられます。

締め付けのトルクが弱ければ、ボルトやナットが緩んでしまい、最悪、部品が脱落するなどのトラブルが考えられます。また、締め付けのトルクが強すぎれば、部品を変形させたり、破損させたりしてしまいます。

トルク値を正しく管理しないと大事故に繋がりかねません。

トルクレンチの使い方

トルクレンチの使い方についても見ていきましょう。

トルク値を確認し設定する

まずは整備書を読むか、販売店やディーラー店で締めたいボルトやナットのトルク値を確認しましょう。確認したらトルクレンチの設定をします。

シグナル式なら、先に締めたい場所のトルク数に設定し、ロックを掛けます。

直読式の場合、置き針と測定する針、あるいはモニターが0になっているか確認します。このとき、0になってない、ロックがかからないといった異常がある場合はメーカーに問い合わせて修理を依頼しましょう。

トルクレンチで締め付ける

トルクレンチをを握り込む場所を入力点(力点)と呼びます。入力点のマークがついている製品が多数ですが、ない場合はグリップの中央を握りましょう。

軽い力から初めて徐々に力を入れます。シグナル式を使っているなら、振動がわかるようにゆっくり力をかけます。直読み式は途中でトルクレンチを外してしまうと、計測中の値がリセットされてしまうので、抜かないように気をつけましょう。

シグナル式はカチッと音がしたり振動があればそこで作業終了、直読み式は目標のメモリまで回せば作業終了です。外して置き針やメモリが付いているなら、トルク数と一致しているかチェックしましょう。

トルクレンチで回し始めても「すぐ音がしない」「思ったより回ってしまう」「メモリまで余裕がある」場合は、ボルトとナットに力がかかるポイントまでまだ達していない可能性があります。

そのため、通常のレンチで手に抵抗を感じる所まで増し締めをして、そこからトルクレンチを使うようにしましょう。

トルクレンチを使用する際の注意点!二度回し厳禁!

二度回しをしてしまうと設定以上のトルクがかかってしまい、結果的に必要以上に締め付けを行ってしまいます。「なんだか本当に今ので締まったか不安」「回し足りない気がする」という場合も、二度回しは厳禁です。

また、「締めすぎてる」ことがわかっても、逆方向に回すのはやめましょう。

トルクレンチの選び方

作業内容で変わる最適なトルクレンチ

《写真提供 京都機械工具》個人持ち推奨工具セット

トルクレンチでホイールナットを締める

トルクレンチを正しく使おう!

トルクレンチのメンテナンス方法

トルクレンチには、シグナル式のプレセット型や直動式のダイヤル型やデジタル式のように、様々な種類があって迷ってしまいますよね。トルクレンチを選ぶには、自分がどんな作業をしたいかによって決まってきます。

とにかく、同じ内容の作業=締め付けのトルクが一定で、何度もボルトとナットを締める事を繰り返す場合は、プレセット型が最適です。規定のトルクに達したら、カチッと音と手応えで教えてくれるので非常にわかりやすいのが特徴です。

さらに、締め付けトルクの変更もできますので、ある程度の汎用性もあります。ただし、締め付けトルクの精度には若干劣ります。

様々な作業=締め付けトルクが作業内容によって様々に変わる場合は、デジタル式のラチェットタイプがおすすめです。デジタル式の最大のメリットは、トルクを正確に測定してデジタルメーターに表示する事で、初心者でも精密なトルク管理を実現できます。

また、ラチェットタイプであれば、様々なサイズのソケットを装着できるので、幅広い用途に活用できる万能のツールとして活用可能です。

使い終わったら必ず、測定範囲の最低値に設定を戻します。戻さないとトルクレンチの中のバネが伸びきって、劣化が早くなったり正常に測定できなくなるので注意してください。

また、油や汚れが残っていると、滑ってうまく測定できなくなります。落とせるうちにしっかり落としましょう。手入れが済んだら、付属している収納ケースにしまって、なるべく水平で高温にならない場所に保管します。

トルクレンチに異常がある場合は、トルクチェックや校正、修理という作業を依頼します。取扱説明書かメーカーのサイトから問い合わせ先・費用・納期を確認しましょう。

個人でトルクチェッカーを買うこともできるのですが、10万円程度とお高いので、修理に出すか新しく購入することをおすすめします。カー用品店やホームセンターでも購入できます。

まとめ

トルクレンチでホイールナットを締める男性

適切な増し締めを行おう

トルクレンチの使い方がわかれば自分でメンテナンスできる範囲も広がり、維持費の節約にも繋がります。

適切な使用方法を理解して、安全なカーライフをお楽しみください。

トルクレンチに関するFAQ

トルクレンチって、なぜ必要なの?

ボルトとナットを正確に締め付けるためです。ボルトとナットを締め付ける力の事を「トルク」といい、そのトルクを管理できる工具が「トルクレンチ」となります。

機械は設計時に想定されたトルクで正確にボルトとナットを締め付けないと、正常に動作しません。締め付けトルクが弱いと、最悪、ボルトとナットが緩んでしまって脱落してしまう可能性があります。逆にトルクが強すぎると、部品が変形したり破損したりしてしまいます。

機械を正常に動作させるためには何よりも正確なトルク管理が必要であり、それを保証するのがトルクレンチと言う工具となります。

トルクレンチって、どうやって使うの?

プリセット式の場合は、締め付けるトルクを設定します。次に、トルクレンチに表示されている「力点」を握って締め込んでいきます。正確に力点を握らないと、トルクの値がずれてしまうので、握る場所は重要です。

プリセット式は、設定したトルク値に達すると、音や手応えで教えてくれます。その際、「ちゃんと閉まってるかな?」と思って、もう一度締め込むのは厳禁です。もう一度締め込んでしまうと設定以上のトルクが掛かってしまって、せっかくのトルク管理が台無しになってしまいます。

直読式の場合は、ゲージに表示される数値を見ながら、規定されたトルクに達するのを確認します。

トルクレンチって、どうやって選ぶの?

同じ内容の作業を繰り返す場合は、プレセット型がオススメです。規定トルクに達したら、音と手応えで教えてくれるので、スピーディに作業が可能です。

様々な用途、様々な数値でトルク管理を実施したい場合は、デジタル式がオススメです。プレセット型のように、規定トルクに達したら音や光で知らせてくれます。また、今、どのくらいのトルクで締め付けを行っているのかをデジタルメーターでで正確に把握できるので、精密なトルク管理も可能です。

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