車中泊は軽自動車でもできる?!
■軽自動車は法律で大きさが縛られている
軽自動車は、道路運送車両法施行規則で次のように定められています。
・全長 3,400 mm以下
・全幅 1,480 mm以下
・全高 2,000 mm 以下
・排気量660cc以下
・定員 4名以下
・貨物積載量 350 kg以下
つまりこの範囲を超えている軽自動車はありません。
今回のテーマである車中泊でもっとも心配になるのは、全長 3,400 mm以下というボディサイズです。この範囲内にエンジンルームと車中泊が可能な就寝できるスペースがあるのかどうかが問題となります。
ごく平均的な車の作り方だとちょっと無理かもしれません。例えば、スズキのアルトやダイハツのミライースは、外観で見る大きさよりも快適な室内ですが、大の大人が寝られるかというと少し無理があります。
■大丈夫!アイデア次第でけっこう広くなる
そこで広いスペースを高さで稼ぎだしたトールワゴンと、さらに高いでハイトールワゴンが注目されます。
ミニバンのように3列シートは許されませんが、アイデアを凝らしたシートアレンジを駆使して、車中泊を可能にしているのです。
また、商用バンベースのキャブオーバータイプワゴンもまた驚くほどの室内スペースを持っています。
つまり、軽自動車でも車種によっては車中泊が可能なのです。ではそれはどんな車種なのか?おすすめの軽自動車を見ていきましょう。
車中泊に絶対おすすめできる軽自動車はこの10台だ!
車中泊に適しているかどうか、おすすめを★の数で評価しました。★★★★★が最高点です。
①スズキ エブリイワゴン ★★★★★
スズキ エブリイワゴン
■キャブオーバーの実力を見よ!
エブリイワゴンはエンジンをフロントシート下に置き、後輪を駆動するキャブオーバータイプ。つまりつ、エンジンがこの位置にあったからこそ、その空間は驚くほどの広さを持っています。
その広さは「N-BOX」や「タント」などの軽ハイトールワゴンよりもはるかに広いのです。何せ、リアシートを使用した状態でもカーゴスペースにはスーツケースが4個も収納できるのです。これは軽ハイトールワゴンが広いと言っても荷室は皆無なのとは次元が違います。
室内長は2240mmもあって、ハイルーフ仕様の室内高は1,420mmで、N-VANを凌ぎウェイクにも迫ります。
そのスペースを活かしたシートアレンジも多彩で、リアシートは左右分割してスライドさせられ、折りたためばフォールダウン機構のおかげでフルフラットになり、車中泊もできる快適空間車中泊にはピッタリです。
■便利な「ユーティリティナット」を装備
また、多彩なアクセサリーに対応するための上下2段のラゲッジボードステーと、アクセサリーを取り付ける「ユーティリティナット」10か所が用意されているのも、車中泊に最適な空間造りに貢献しています。
■室内と荷室のサイズ
全国メーカー希望小売価格(消費税抜き) | 1,370,000~1,700,000円 |
JC08モード燃費 | 14.6~16.2㎞/L |
室内長 | 2,240mm |
荷室高 | 1,315(ハイルーフ1,420)mm |
荷室幅 | 1,355mm |
エブリィについてもっと詳しく知りたい方はこちら
②ダイハツ クラフト”アトレー楽旅” ★★★★★
”アトレー楽旅”
■メーカーお墨付きの車中泊専用車
アトレー楽旅
ダイハツのアトレーワゴンはスズキのエブリイワゴンと同じく、キャブオーバーの1ボックスワゴンです。そのため、広大な室内スペースを持ち、車中泊には最適の車種と言えます。
そして、ダイハツ車のアクセサリーを販売する「ダイハツクラフト」が開発した車中泊キットが”アトレー楽旅”なのです。
”アトレー楽旅”は、アトレーワゴンの構造仕様は一切変更せず、通常4人乗り・2人ベッドで寝られるようになっています。
そして、”アトレー楽旅”は全国のダイハツ各販売店で購入でき、アフターサービスも受けられるのがメリットとなっています。
■車中泊に便利な機能がフル装備
”アトレー楽旅”は、アトレーワゴンの外観はそのままに内装を架装し、大人2人が足を伸ばして寝られるロングフラットベッドや、収納性に優れたサイドキャビネットを装備。
そして、遮光カーテンや取り付け簡単な防虫ネット、ベッド下収納、スライド式テーブルなど、車中泊に便利な機能が全て備わっています。
また、サブバッテリーや外部充電器、100Vインバータ、などがメーカーオプションとして用意されています。
■室内と荷室のサイズ
アトレーワゴン
全国メーカー希望小売価格(消費税抜き) | |
アトレー標準車 | 1,430,000~1,655,000円 |
アトレー楽旅キット価格 | 425,000円 |
JC08モード燃費 | 15.2㎞/L |
室内長 | 2,020mm |
荷室高 | 1,310mm |
荷室幅 | 1,350mm |
アトレーについて詳しく知りたい方はこちら
③ダイハツ ウェイク ★★★★☆
■ミニバンを超える室内高
軽乗用車で室内スペースのみを考えたらウェイクの右に出る車はありません。その室内高は、同社の「タント」より90mm高い1,455mmに。さらに5ナンバーサイズのミニバン、トヨタの「ノア / ヴォクシー」の室内高(1,400mm)より高いのです。
室内高が高くても、車中泊には関係ないと思われがちですが、ミニバン以上の高さですから着替えの時や準備はストレスフリー。しかも寝っ転がっても圧迫感がないので快適です。
そして、全席のヘッドレストを外して後席とともにフラットにすれば、大人2人が足を延ばして就寝できます。
■収納力も魅力
ダイハツ ウェイク
また、後席の背もたれを残したままの「ロングソファーモード」なら、マットなどをひかなくても、簡単に就寝できます。
しかも、クーラーボックスなどの大きな荷物も積み込むことができる90Lの大容量アンダートランクを装備しているなど、収納力も抜群なので、車内もスッキリ!
まさしく車中泊のための軽自動車と言えるでしょう。
■室内と荷室のサイズ
ダイハツ ウェイク
全国メーカー希望小売価格(消費税抜き) | 1,380,000~1,70,500円 |
JC08モード燃費 | 23.2~25.4㎞/L |
荷室フロア長 | 1,510mm |
室内長 | 2,215mm |
荷室高 | 1,455mm |
荷室幅 | 1,345mm |
ウェイクについてもっと詳しく知りたい方はこちら
■①ホンダ N-VAN ★★★★☆
ホンダ N-VAN
■助手席ダイブダウンシートでで快適空間
N-VANはホンダの軽自動車「Nシリーズ」唯一の商用車ですが、N-BOXをベースとしているため、商用バンにデザイン性、ファッション性を持ち込んだユニークな存在です。
大きな特徴となるのサイドピラーレスドアを採用して荷室へのアクセス性が抜群に良いことです。
独自のダイブダウン機構付助手席も含めて、1列目から3列目までをフラットにすれば大人でも寝袋にくるまって余裕で寝られます。
さらに、「センタータンクレイアウト」荷室の床をとことん低くして、タテに広がる大空間を実現したことで、車中泊の資質は抜群です。
そのスペースは、リアシートをダイブダウンさせた状態で荷室長が1,510mmと大人が寝るにははちょっと苦しいのですが、助手席もダイブダウンさせると最大スペース長が2,635mmとなり、超快適空間が出現します。
■N-VAN 車中泊仕様
ホンダアクセス、N-VAN 車中泊仕様
また、このスペース性を活かして、ホンダアクセスでは「N-VAN 車中泊仕様」というコンセプトモデルを発表していますが、これは広大な荷室空間をさらに便利に使うための純正アクセサリー他を装着し、アウトドアを楽しむのにぴったりな仕様としているのです。
これなら大人二人がゆったりと就寝できます。そして、積載重量350㎏の軽バンなので、これだけの装備を備えても走行にはまったく影響がありません。
■室内と荷室のサイズ
ホンダ N-VAN
全国メーカー希望小売価格(消費税抜き) | 1,174,00~1,660,000円 |
JC08モード燃費 | 17.6~23.8㎞/L |
荷室フロア長 | 1,510mm |
最大スペース長 | 2,635mm |
荷室高(ロールーフ仕様) | 1,365mm(1,260mm) |
荷室幅(ロールーフ仕様) | 1,390mm(1,325mm) |