イメチェン大成功!定番コンパクト「トヨタ ヤリス」
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス
国産コンパクトカーに欧州車的な要素をうまく融合させ、初代から爆発的なヒット車種となったヴィッツ。日本では1999年のデビューからヴィッツという車名が用いられてきたものの、海外向けには当初から「ヤリス」という車名で販売されてきていたことは、意外と知られていなかったことかもしれませんね。
しかし、2020年のフルモデルチェンジを機に、国内向け車種も車名を「ヤリス」に統一。世界で同じ名前となったほか、WRCに参戦している「ヤリスWRC」との関連性もよりわかりやすくなっています。
そんなヤリス、実用コンパクト然としていたヴィッツから見比べると驚くほどにスポーティな雰囲気が特徴的で、開発段階でもセカンドカー的なコンパクトカーとしてではなく、ファーストカーとして自信を持って選べるような上質感が追求されたとのことです。結果、サイズは小さくてもヤリスは堂々とした印象がありますよね。
そんなイメチェンも功を奏してか、現在国内の普通車新車販売台数ランキングはヤリスシリーズが首位を独走中。この販売台数にはヤリスだけでなく、派生SUVのヤリスクロスとスポーツ仕様のGRヤリスも合算された台数であることには注意が必要ではありますが、ヤリスが国民車的な指示を得ていることには変わりはないでしょう。
そんなヤリス、カタログ上では無敵のような商品性を誇るものの、実際に利用している人や、自動車評論家からはどのような評価を受けているのでしょうか? ヤリスが気になっている方にこそぜひチェックしておいてほしい、現実世界でのヤリスの評判をまとめてみました。
ヤリスの魅力、要点まとめておさらい!
■キュートかつクール!上質なエクステリアデザイン
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス
ヤリスがヴィッツから大きく変わったところといえば、グッとシャープになったエクステリアデザインがまず目につくポイントでしょう。切れ長のヘッドライトでクールな印象もありつつ、どこかコロッとしていてキュートな印象もありますよね。
流れるようなラインの連続性は、ヤリスのエクステリアの上質感を演出しています。しっかりと安定感のあるボディに対し、フロントガラスが大きく寝かせられたキャビンの印象はスポーティそのもので、キビキビとしたヤリスの動力性能を予感させてくれますね。
■機能性抜群!トヨタ初装備も多数のインテリア
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス インテリア
先ほどご紹介した通り、ヤリスのキャビンはギュッと絞り込まれており、特に前席の快適性を重視する割り切った設計となっていることがわかります。もちろん、普通車として5人がくつろげる室内空間は確保されているものの、主役はやはり前席。視界が開けた広々感のある上質な空間が広がります。
使い勝手の良さはヴィッツ譲りですが、さらにヤリスで進化したのは前席に備わる数々の便利機能。シートが車両外側へ回転するので和服やスカートでも乗り降りしやすい「ターンチルトシート」や、運転席の前後スライド位置を記憶してくれて一発操作で復帰できる「運転席イージーリターン機能」など、どちらもトヨタ初となるスマートな機能が、ヤリスの使い勝手をさらに向上させています。
■ハイブリッドの燃費は世界トップ級!驚異的な環境性能の高さ
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス エンジンルーム
軽量な新プラットフォームの実力とコンパクトなボディサイズを存分に活かし、ヤリスのハイブリッド仕様は世界トップクラスの低燃費を実現。カタログ燃費としてWLTCモードで36.0km/Lと驚異的なだけでなく、実燃費でもリッター30キロを軽々超えてしまうという実力は、おサイフにもやさしいですよね。
ハイブリッド車だけでなく、伸びやかな加速の1.5リッターガソリンエンジンや、廉価な価格設定と滑らかな回転フィールを両立した1.0リッターガソリンエンジンもラインナップされているので、予算や使用目的に応じて選びやすいラインナップの豊富さも、ヤリスの特徴です。
■キビキビと走れる骨格の強さ!軽量高剛性な新プラットフォーム
《画像提供:Response 》トヨタ GA-Bプラットフォーム
先ほどもちらりとご紹介した通り、ヤリスは小型車向けの「GA-Bプラットフォーム」の採用第一号車。これまで現行型プリウスを皮切りにトヨタ車の動的質感向上に大きく寄与してきたTNGA思想に基づくプラットフォーム群は、世界的に高い評価を得ています。
ヤリスに用いられるGA-Bプラットフォームも、もちろん賢く軽量化と高剛性化を両立。しっかりとした骨格の強さがあるので、速度域の高まる高速道路などでもどんどん走っていけるような安定感のあるドライブが実現されています。
■予防安全も運転支援もバッチリ!充実の安全性能
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス アドバンストパーク機能
ラインナップが豊富なトヨタのコンパクトカーの中でも、随一の充実した安全機能を誇るのがヤリスです。特に交差点右折時の対向車を検知できたり、対向方向から横断してくる歩行者を検知できるプリクラッシュセーフティシステムは、トヨタとしても初の機能。ここまで重要な安全機能がコンパクトカーから採用が始まるなんて、ひと昔前では考えられなかったことでしょう。
また、ヤリスで注目なのは、面倒だし苦手意識をお持ちの方も多いであろう駐車シーンを賢くアシストしてくれる「アドバンストパーク」機能。ハンドル操作・アクセル操作・ブレーキ操作まで車任せにできるだけでなく、なんと白線などがない自宅駐車場などでもメモリ機能で駐車アシストが可能という世界初の機能もあり、お出かけが楽しくなってしまいそうですね。
■…これら全て揃えてもリーズナブルな価格が最大の魅力かも
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス
ここまで魅力いっぱいのヤリスながら、最廉価グレードとなるX“Bパッケージ”では税抜で約126.8万円からというリーズナブルな価格設定となっていることは、もしかするとヤリス最大の魅力かもしれません。
X“Bパッケージ”ではトヨタセーフティセンスが非装備となるなど選びにくさもあるものの、一つ上位でトヨタセーフティセンスを標準装備するXでも、1.0リッターモデルなら約132.3万円からと、まだまだ軽自動車を思わせるような衝撃的な低価格。余裕ある動力性能と5人乗りという普通車の利点を備えることを考えれば、コストパフォーマンスは抜群といえるでしょう。
※金額は2021年8月8日時点の情報です。
トヨタ ヤリスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,940mm×1,695mm×1,500mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,550mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,060kg | |
燃費 | WLTCモード:35.8km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 1,490cc | |
エンジン最高出力 | 67kW(91PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 120N・m(12.2kgf・m)/3,800-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 59kW(80PS) | |
モーター最大トルク | 141N・m(14.4kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 1,936,364円(消費税抜) |
【実ユーザーの声】トヨタ ヤリスの口コミ評価をまとめてみた!
ここからは、実際にヤリスを運転してみた方の評価や感想を見ていきましょう。
カタログ上では無敵とも思えるような高い商品性が魅力的なヤリスですが、実際の路上では、使い勝手や燃費はどう評価されているのでしょうか? ご紹介していきます。
ネット上でヤリスを運転した方の評価を確認すると、特にハイブリッドモデルの燃費の良さに驚かれている方が多いことがわかります。ハイブリッド車といっても実燃費はリッター20キロ台という車も多い中、コンスタントに平均燃費でリッター30キロを超えることができるのは、ヤリスの高効率性が活きている証ですね。
また、室内の使い勝手を高評価する声も見られたものの、特に後席や荷室空間の余裕の少なさを指摘する声も見られました。普段車を使用するシーンで問題がないかどうか、購入の前にはしっかりと検討しておきたいところですね。
【プロの目】自動車評論家はトヨタ ヤリスをどう評価してる?
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス
続いて、プロの自動車評論家たちはヤリスをどのように評価したのかを確認していきましょう。
販売する台数が多いだけに、厳しい目線が注がれがちなこともあるトヨタ車ですが、ヤリスの実力は評論家をもうならせることができるのでしょうか?
ハイブリッドならではの特徴として、勿論燃費もさることながら、最近は当たり前になったアイドリングストップからの発進のスムーズさがクローズアップされる。一方で回生ブレーキを用いている関係から、ブレーキフィールに違和感を持つ人もいるかもしれない。僕は慣れるまでその踏み込んだ瞬間の効き具合が結構唐突で、ついついカックンブレーキをしてしまったが、これは慣れで克服できた。
能動的と評したその動きについてである。とにかくキビキビ感がハンパない。これは、日本製のBセグメント車としては個人的評価ではスズキ『スイフトスポーツ』と並ぶ★5つである。(★5つが最高評価)それ故にGRヤリスに乗ってみたいという衝動に駆られる。コーナリング中の姿勢保持や荷重変化に対する追従性能も申し分なしだ。さすがに乗り心地については★3つのレベル。
これまでヴィッツにはさっぱり高印象を持たなかったが、ヤリスは「こいつはただ者じゃない」!そんな印象を持った。
2つの3気筒エンジンの加速は、スペックほどの違いは感じなかった。つまり1リットルでも力不足はない。急加速では4000rpmぐらいまで回すことになり、3気筒エンジンならではの音は届くものの、遮音レベルが軽自動車とは違うこともあり、ストレスは感じなかった。
1.5リットル用CVTは発進用ギアを組み込んでいるが、CVT自体の変速比は1リットル用のほうが幅広いので、追い越し加速の反応は良いし、シリンダーが小さいので回り方は滑らかだ。
ボディの剛性感はかなり高く、サスペンションは硬め。ただしホイールは1リットルが14インチのスチールだったのに対し、試乗した1.5リットルは16インチのアルミであり、段差や継ぎ目のいなしは1リットルのほうが上手だった。
加えて車両重量は1リットルのほうが軽いので、身のこなしは軽快。逆に高速道路での安定感は1.5リットルが上回る。長距離移動が多い人は1.5リットルがお勧めだが、個人的には1リットルのバランスの良さに感心した。
標準車であるヤリスでも、その高い走行性能と安定性、さらに優れた乗り心地まで実現されていることを高評価している試乗記が目立ちます。特にハイブリッド車は、もはやハイブリッドシステムの洗練度で敵なしとも思えるようなトヨタの最新作だけあって、キビキビとしたレスポンスと圧倒的な低燃費などが高評価を受けています。
よりリーズナブルな価格となるガソリンエンジン車も良い評価を受けており、中でも興味深いのは1.5リッター車と1.0リッター車でそこまで明確な動力性能の差がないとされていること。維持費面で魅力的な1.0リッター車を、安いからという理由だけでなく積極的に選びたくなるような仕上がりとなっているようですね。
トヨタ ヤリスの実燃費は?データから見るその実力
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス メーターパネル
ユーザーが投稿した実燃費情報を車種ごとに確認することができる燃費情報サイト「e燃費」のデータを用いて、ヤリスの実燃費の傾向を確認していきましょう。
2021年8月現在、なんといっても衝撃的なのは、ハイブリッド FF仕様の実燃費平均が30.80km/Lと30キロ台を超えていることでしょう。もともと実燃費との差が少ないといわれるWLTCモード燃費ではあるものの、モード燃費達成率も85〜95%台とかなり好成績で、カタログ通りの低燃費性能が普段使いから実現できることが示されています。
この実燃費記録は、コンパクトハッチバック車だけでなく、e燃費に登録されている全車でもトップとなる記録。ハイブリッド専用車であるプリウスを大きく超える実燃費となっていますので、ガソリン代を節約したい方なら、ヤリスのハイブリッドは有力な候補となるでしょう。
また、ガソリン車でも、1.0リッター FF仕様の実燃費が19.76km/L、1.5リッター FF仕様で18.04km/Lと、ハイブリッドには届かないもののカタログ燃費に近い低燃費が実現されていることが分かります。さらにGRヤリスでも、RSグレードなら実燃費は17.31km/Lと意外とエコノミカル。
ラインナップを通して、高効率なパワートレインと軽量ボディによる高い経済性が魅力的ですね。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス
販売も好調なトヨタ ヤリスの実世界での評価をまとめてご紹介してきました。実際のユーザー目線での評価を確認してみると、なぜここまでヤリスが人気となっているのかも納得といった印象ですよね。
ヤリス1台があれば、きっとさまざまな利用シーンでカーライフがさらに楽しくなること間違いなし。高効率なハイブリッドか、お手頃なガソリン車か、はたまたSUVのヤリスクロスか、ご自分に合うヤリスをしっかり選んで、人気のヤリスファミリーを体感してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
■ヤリスって新型車なの?ヴィッツはどうなったの?
2020年に国内で発売されたトヨタ ヤリス。ヤリスという車名は日本国内では馴染みが薄かったものの、実は1999年に初代ヴィッツがデビューした時からヴィッツの海外仕様車の車名として用いられてきた伝統の車名です。2020年のフルモデルチェンジに合わせ、ヴィッツという車名は廃止となり、後継車の車名はヤリスに世界統一されています。
■ヤリスって海外での評判はどうなの?
トヨタ ヤリスは、なんと2021年1月には欧州域の新車販売台数で数々の欧州車を抑えて首位を獲得するなど、海外でも高い評価と人気を得ています。特に欧州では、「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2021」を受賞するなど、自動車評論家からも非常に好評。同賞は、2000年にも初代ヤリスが獲得しており、世代を超えての快挙となりました。