何と月間と年間の販売台数 過去最高実績を達成!(2021年3月)
トヨタ アルファード S(ガソリン車・2WD)⦅画像提供:Response⦆
2021年3月度新車登録台数
順位 | メーカー名 車名 | 登録台数 | 前年同月比 |
1位 | トヨタ ヤリス | 28,466台 | 216.2% |
2位 | トヨタ ルーミー | 16,504台 | 170.1% |
3位 | トヨタ アルファード | 13,986台 | 177.4% |
2020年度年間(20/4~21/3)新車登録台数
順位 | メーカー名 車名 | 登録台数 | 前年同比 |
1位 | トヨタ ヤリス | 202,652台 | 1216.8% |
2位 | トヨタ ライズ | 120,988台 | 247.9% |
3位 | トヨタ カローラ | 112,777台 | 98.6% |
4位 | トヨタ アルファード | 106,579台 | 157.1% |
(2021年5月現在の 日本新車販売協会連合会より)
2021年3月のアルファードの月間販売台数が1万3986台を記録しました。また、2020年度の年間販売台数の9万748台とともに、2015年1月の現行アルファードの発売以来過去最高の台数となります。(数字は日本新車販売協会連合会より)
さらに、2021年3月の新車販売ランキングでは、ヤリス、ルーミーというコンパクトカーに次ぐ3位、年間でもヤリス、ライズ、カローラに次ぐ4位となり、姉妹車のヴェルファイアはもちろん、5ナンバーサイズミニバンのノアまでも凌ぐミニバントップの販売台数なのです。
この発売から6年以上を経過した、しかも300万円以上もする大型の高級ミニバンであるアルファードが、なぜここまで売れるのでしょうか?そして、いったいどこにユーザーがこぞって購入する魅力があるのでしょうか?
アルファード 人気の理由はどこに?
トヨタ アルファード SR Cパッケージ⦅画像提供:Response⦆
現行モデルの発売以来、スポーティーなイメージである姉妹車のヴェルファイアの方が人気があり、販売台数でも常にアルファードを上回っていました。
ところが、2017年のマイナーチェンジでヴェルファイアとアルファードの販売順位が変わり、それ以降アルファードの快進撃が続くことになります。どんな理由でアルファードの人気が爆発したのでしょうか?
■人気の理由その① 無骨で存在感あるフロントマスク
トヨタ・アルファード⦅画像提供:Response⦆
トヨタ ヴェルファイア⦅画像提供:Response⦆
人気の理由の一番は、マイナーチェンジによって、メッキを散りばめた仮面のようなフロントグリルになって、その押し出しの強い存在感が好評を得たからです。
押し出しの強さは姉妹車のヴェルファイアのオハコであり、アルファードより人気のある理由となっていました。それが、マイナーチェンジにおいてヴェルファイア以上の「オラオラ顔」となり、逆にヴェルファイアはよりスポーティーになった反面、押し出し感が薄れてしまいました。
ヴェルファイアもスタイリッシュで、カッコいいと思うのですが、国内のLⅬサイズミニバンを求めるユーザーにとっては押し出しの強さが好まれていたのです。
車体もエンジンも同じで、装備も価格帯も変わらない姉妹車同士に彼ほど差がつくのは、このフロントマスクの違いを除いては考えられません。
■人気の理由その② とどめをさした全店扱いへの改編
全車種扱いの告知DM⦅画像提供:Response⦆
そして、トヨタが販売体制を見なおしてアルファードやヴェルファイアを含む全車を併売化したことも、アルファードとヴェルファイアの差が一気に広がった理由といえます。
販売店が異なれば、自らの顧客に対してそれぞれの車種を必死に売り込むので、ここまで差は広がらなかったかも知れませんが、どちらの販売店の顧客も自由に車種を選べるとなると、より好ましい方に偏る事があるのです。
結果的に両車の間には約10倍の販売台数の開きが出て、ついにヴェルファイアは2グレードのみに縮小されています。それほどアルファードの方が人気があったのです。
アルファードの魅力
トヨタ・アルファード⦅画像提供:Response⦆
以上のような理由で、ヴェルファイアよりアルファードの方が人気があるのは理解していただけたと思います。しかし、この国産ミニバンとしては高額で大きなアルファードが5ナンバーサイズのノアよりも売れている理由は何でしょうか?
■アルファードの魅力その① 広く余裕のある室内
トヨタ アルファード S(7人乗り)⦅画像提供:Response⦆
企業の社用車やお役所の公用車、そしてハイヤーといった「VIP」の送迎用車両として以前から黒塗りアルファードが定番になっていました。それは高級セダンよりも広く快適で、乗り降りしやすいという事につきます。
そんなお偉いさんが乗っているという憧れも含め、その広い室内スペースはファミリー層にも人気が出た理由となります。
また、機能性に重点を置きがちな5ナンバーサイズミニバンと異なり、同じ6~7人乗りでも室内に余裕があり前後左右のシート間や、シートそのものも大きく快適です。そして、インテリアも質感が高く、まるで高級なリビングのように過ごせます。
余裕のある室内スペースのアルファードは、大ヒットしたミニバンの「ノア/ヴォクシー」を卒業した人達が次に選ぶのに最適な車種といえます。
アルファードとノアのサイズ比較
アルファード | ノア | |
全長 | 4,935~4,950mm | 4,695~4,710mm |
全幅 | 1,850mm | 1,695~1,735mm |
全高 | 1,935~1,950mm | 1,825~1,870mm |
室内長/室内幅/室内高 | 3,210mm×1,590mm×1,400mm | 2,930mm×1,540mm×1,400mm |
■アルファードの魅力その② 広い収納スペース
トヨタ アルファードの荷室
それまでミニバンの定番であった同じトヨタの「ノア/ヴォクシー」も、十分な室内スペースを誇っていましたが、定員乗車時の荷室はセダンやSUVより狭く使いづらいという欠点がありました。
アルファードはそんな不満を吹き飛ばす広い室内スペースを確保しており、6~7人の定員分の荷物を積み込んでレジャーやドライブに出かけられます。また、大人2人と子供2人の家族なら車中泊も可能です。
また、サードシートには、左右両サイドに跳ね上げて格納できるスペースアップ機能を採用。また、ラゲージ床下に大容量の床下収納を設定しているので、乗車人数や荷物に応じてフレキシブルに対応可能することが可能です。
アルファードとノアの荷室比較
アルファード | ノア | |
3列シートまで使用時 | ルーフまで890L ベルトラインまで616L | ルーフまで388L ベルトラインまで281L |
※アルファードの荷室容量値は、サードシートのスライド位置が一番前の場合になります。また、ノアにはサードシートのスライド機能がありません。
※情報は2021年5月現在 トヨタ公式サイト アルファード、ノアより
■アルファードの魅力その③ 豪華で豊富な装備の数々
トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジパワーシート⦅画像提供:Response⦆
アルファードは、ワンタッチスイッチ付デュアル(両側)パワースライドドア、アクセサリーコンセント、車載通信機DCMを全車標準装備しています。
販売の中心となるS”Cパッケージ”では、専用のエアロパーツを装備し、インテリアでは2列目シートに両側に固定式アームレスト、ロングスライド、パワーリクライニング、パワーオットマンを備えるエグゼクティブパワーシートが備わります。
全ラインナップの中間グレードのS”Cパッケージ”でこの豪華なシートであり、最上級のExecutive Loungeになると、エグゼクティブラウンジシートとなり、プレミアムナッパ本革シートや格納式テーブルが加わり、 13.3インチリヤシートエンターテインメントシステムも装備されます。
■アルファードの魅力その④ 最新の安全装備
プリクラッシュセーフティ(自転車運転者認識)⦅画像提供:Response⦆
広くて豪華な装備だけでは高級ミニバンとは言えません。多人数乗車を想定されるために、乗員の安全装備も最高・最新である必要があります。
アルファードには、歩行者/自転車運転者検知式プリクラッシュセーフティ、レーントレーシングアシスト、全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、さらに、ロードサインアシスト、先行車発進告知機能が追加された第2世代版の「Toyota Safety Sense」が全グレードに標準装備されています。
さらに、後退時の死角を検知して注意喚起するだけでなく、衝突の可能性がある場合にはブレーキ制御も行ってくれる「リヤクロストラフィックオートブレーキ」を新設定するなど、安全運転支援の強化が図られています。
■アルファードの魅力その⑤ 豊富なグレードと価格帯
トヨタ アルファード SR Cパッケージ
アルファードには、直列4気筒2.5LとV型6気筒3.5Lのガソリンエンジンと、直列4気筒2.5Lにモーターをプラスしたハイブリッドの3種のパワーユニットが設定されています。
2.5Lと3.5Lのガソリンエンジン車には、2WDと4WDがあり、ハイブリッド車は全車電気式4WDのE-Fourが標準装備となっています。また、「X」グレードは8人乗り仕様、「S」グレードと「ハイブリッドX」グレードには8人乗り仕様と7人乗り仕様が両方設定されますが、その他は7人乗り仕様となります。
価格帯は3,270,000円~7,047,273円と幅広く、グレードによってファミリーカーとしてもVIPの送迎用にも使える車種となっています。
【トヨタ アルファード】エンジン別価格帯(消費税抜き)
エンジン | 2WD価格帯 | 4WD価格帯 |
---|---|---|
2.5Ⅼ | 3,270,000円~4,256,000円 | 3,814,545円〜4,486,909円 |
3.5L | 4,729,636円〜6,746,364円 | 4,909,636円〜6,926,364円 |
2.5Lハイブリッド | 4,193,636円~7,047,273円 |
(2021年5月現在 トヨタ公式サイトより)
おすすめグレードは特別仕様車「Sタイプ・ゴールドII」
トヨタ アルファード 特別仕様車 S タイプ ゴールドII(ガソリン車・2WD)⦅画像提供:Response⦆
特別仕様車 Sタイプ・ゴールドIIは、2.5L車の「S」グレードをベースに装備を充実させたお買い得仕様となっています。
インテリアにサンバーストゴールドの木目調パネルやゴールドスパッタリング加飾を採用してゴールドの華やかさをさりげなく演出し、3.5L車やハイブリッド車に劣らない充実した装備内容となっています。
アルファードの中古車相場
2011年先代モデル トヨタ アルファード・ハイブリッドSR Cパッケージ
アルファードは、新車価格が高額なために割安な中古車の人気が非常に高く、5~6年落ちの現行モデルでも2〜300万円台の相場となっています。
それだけアルファードのリセールバリューが高いことを示しており、現在の大人気の理由となっています。
格安な中古車を求めるなら、先代モデルがおすすめで、ほぼ同じ広さの室内スペースと、多彩な装備を備える車種となっています。
【トヨタ アルファード】中古車相場
生産期間 | 中古車平均価格(消費税込み) |
2019年12月~生産中 | 522.5万円 |
2019年10月~2019年11月生産モデル | 535.3万円 |
2018年10月~2019年9月生産モデル | 455.3万円 |
2017年12月~2018年9月生産モデル | 489.5万円 |
2015年1月~2017年11月生産モデル | 367.2万円 |
2008年5月~2014年12月生産モデル(2代目) | 133.6万円 |
2002年5月~2008年4月生産モデル(初代) | 40.2万円 |
(2021年4月現在 レスポンス中古車検索より)
まとめ
新型車でもなく、大きく変わったのでもないアルファードがここまで人気を得ているのは、ユーザー側の変化なのかもしれません。テレワークといった働き方が、家族と一緒の時間を大切にすることにつながり、より快適にすごすためにより大きくてちょっと贅沢なミニバンを求めていて、そこにアルファードがピタリとはまった。そういうことではないでしょうか。