車内熱中症とは?知らないと危険なそのリスク
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気温が高くなる日には、温度の高い物体から低い物体へと電磁波で伝わる輻射熱の影響で、車内の温度は外気温を大きく超え、特に密閉された状態では急速に上昇します。
実際には、車内の温度は外気温が30度であっても、驚くことに50度以上にもなることも。エアコンが効いていても、長時間のドライブで輻射熱を浴び続けることで、熱中症を引き起こしてしまうこともあります。
また、エアコンが切れていると、その温度はあっという間に体温以上になり、短時間で体温調節が困難に。駐車中に温度が上がった車に、すぐに乗り込んでしまうことは非常に危険です。
《画像提供:Response》熱中症指数の推移
子供は大人より輻射熱の影響を受けやすく、大人より熱中症になりやすい傾向があります。
ただし、大人であっても、例えば忙しい日常の中での運転など、車内での温度管理がおろそかになり、疲労や脱水症状も手伝って、熱中症を引き起こしてしまう可能性もあります。だからこそ、車内熱中症の危険性を理解し、日頃からの予防対策を心がけることが大切なのです。
炎天下(気温35℃)の真夏に、駐車条件の異なる車両(ミニバン)を5台用意し、それぞれの車内温度や熱中症指数を計測し検証しました。JAFユーザーテストは、JAFが独自に実施しユーザーの疑問に答える実験、検証です。
車内の温度対策、どうすればいい?
■エアコンの適切な使用
一般的には、車に乗る前にエアコンを数分間つけることで、車内の温度を下げることができます。これにより、ドライブの開始時点で快適な状態を作ることができます。
また、長時間の運転時には、内温度が外の気温より高い場合は外気導入を使用し、ある程度温度が下がったら内気循環に切り替え、車内の温度を適温に保ちましょう。
また、エアコンの風が直接体に当たらないように調整することも重要です。風が直接当たると体調を崩す原因になるため、エアコンの風は上方向に向けるとよいでしょう。
もちろん、エアコンをつけっぱなしにすると燃費が悪くなりますので、適度な温度調整と節電バランスを考えながら使用することをおすすめします。
■日陰や日よけシートの活用
車内の温度を下げる対策のひとつは、駐車する際に日陰を選ぶこと。例えば、建物の影や大きな木の下など、直射日光を避けられる場所を選ぶのがよいでしょう。
日差しを直接受けると、太陽の光がガラスを通過する際に、赤外線が内部で反射して車内の温度が急激に上昇します。
さらに、日よけシートを使うことで、窓からの直射日光を遮り、車内の温度上昇を抑えることができます。日よけシートは、リーズナブルな価格ながら車内の温度を下げる対策グッズとして大変効果があるので、車内に常備しておくと便利です。
おすすめの車内熱中症予防グッズ
■日よけシートで直射日光を遮断
車内の温度を抑えるためにおすすめしたいのが、先ほども紹介した日よけシート。これを車の窓に取り付けることで、直射日光を遮り、車内の温度上昇を抑えることができます。
特に、白色のシートを選ぶと、日光を反射させてより効果的に車内の熱を抑えることができます。さらに、取り付けも簡単で、使わないときは折りたたんで保管できるため、とても便利です。
■車内用の扇風機で涼しさをキープ
二つ目のおすすめグッズは、車内用の扇風機。これはシガーソケットに差し込むタイプが多く、エアコンと一緒に使用することで車内全体を涼しく保つことができます。
特に後部座席に乗る子どもたちにとって、前席からのエアコンの風が届きにくい場合でも、扇風機があれば安心です。
■車載用クーラーボックスで冷たい飲み物を確保
最後におすすめしたいのが、車載用クーラーボックス。これに飲み物を入れておけば、長時間のドライブでも冷たい飲み物を楽しむことができます。
特に、水分補給は熱中症予防の基本です。また、お弁当などの食品も一緒に保冷することが可能なので、ピクニックやレジャーにも役立ちます。
まとめ:車内熱中症予防への取り組みを
車内熱中症は誰にでも起こりうる事象であり、特に高温の日にはそのリスクが高まります。車内の温度管理、日陰での駐車、エアコンの適切な利用など、身近な対策から始めてみましょう。
また、日よけシート、車内用扇風機、クーラーボックスなどのグッズも大いに役立ちます。常に水分補給を心掛け、体調に異常を感じたら無理をせず、早めの対応を心掛けましょう。