TWILIGHT EXPRESS 瑞風って?
皆様、トワイライト エクスプレス瑞風(みずかぜ)をご存知でしょうか。瑞風はJR西日本が運行する寝台列車で、2015年に発表された車両です。
列車名の発表と同時に公開されたロゴマーク。瑞風の頭文字のMを沿線の山並みに見立て、吹き抜ける風をトワイライトエクスプレスの象徴である天使で表現したという
展望スペース付きの先頭車両からなる10両編成で、運行中に沿線観光地に立ち寄っての観光を含む、いわゆる「クルーズトレイン」となっています。コースにより異なりますが、1泊~2泊での宿泊と共に沿線上の観光名所などに立ち寄ります。
2015年に発表され、2017年6月17日、2年の年月を経てデビューが決定しました。
■寝台列車 トワイライトエクスプレスの歴史
「瑞風」を紹介するには、まず「トワイライトエクスプレス」を紹介しなくてはなりません。
トワイライトエクスプレスは1989年12月に寝台列車として、一般向けに寝台券の販売を開始した歴史のある寝台列車で、大阪から、札幌までの約1500kmにも及ぶ区間を結び、臨時列車を含めた場合は日本一長い距離を走る旅客列車でした。
2014年の春、老朽化を原因とし、翌年の2015年春に廃止されることが発表され同年の3月12日発の運行をもって、惜しまれながらも約25年の歴史にピリオドを打ちました。当日、大阪駅には約3500人、札幌駅には約1000人の鉄道ファンたちが集まったそうです。
当時の大阪駅の様子
ついにデビューした「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」
多くの人たちに惜しまれつつ引退したトワイライトエクスプレスですが、引退から約2年の期間を経て、豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に生まれ変わり2017年6月17日にデビューとなります。
引退したトワイライトエクスプレスとは違い、運行中に沿線観光地に立ち寄っての観光を含む、いわゆる「クルーズトレイン」となっています。
公開前の車両画像。全体を黒のラッピングで覆われている。
トワイライトエクスプレスの伝統を受け継ぎ、美しい日本の素晴らしさを感じてもらうための列車として命名され、「瑞風」は「みずみずしい風」「吉兆をあらわすめでたい風」という意味があり、「美しい瑞穂の国を風のように駆け抜ける列車」をイメージしたということです。「TWILIGHT EXPRESS」はサブタイトルとしてつけられています。
そして、2017年2月23日にお披露目式典が、新大阪駅に近い網干総合車両所宮原支所にて開催されました。
車体の外観もこの式典にて初めて公開され、緑色の車体が姿を現しました。かつてのトワイライトエクスプレスの専用寝台客車も緑色をベースにしていましたが、87系はトワイライトエクスプレスよりやや明るい色を採用。
帯の色もトワイライトエクスプレスの黄色に対し、87系は金色を採用して高級感を強めています。
葉加瀬さんは瑞風のイメージ曲も制作。「風を感じられるような曲を作りたい」と語った。
なお、TWILIGHT EXPRESS 瑞風のアンバサダーには、バイオリニストの葉加瀬太郎さんが就任しました。
豪華寝台列車「瑞風」の気になる内装
続いては、TWILIGHT EXPRESS瑞風の内装についてになります。列車コンセプトが「美しい日本をホテルが走る」としているので、やはり内装がどの程度「豪華」なのか、気になるところです。
まず、瑞風は10両編成となっています。順を追って紹介すると、編成の両端である1号車、10号車が展望車となっています。
天井まで回り込んだ大型曲線ガラス窓を設けられていて、開放的な展望室となっており、先頭部には開放タイプの展望スペースも設けられています。運行中は編成後方の展望スペースのみ開放されるようです。
続いては寝台車両です。寝台車は、2人用個室のロイヤルツインが、2・3号車、8・9号車に、各車両3部屋ずつ設けれており、4号車にはユニバーサル・デザイン(バリアフリー)に対応したツインが設けられています。ロイヤルシングルは4号車に2部屋。7号車は最上級個室「ザ・スイート」となっており、1車両をそのまま1室としての利用となっています。
また、トイレ、洗面台、シャワーは全室に設けれています。
写真は「ロイヤルツイン」の洗面台、トイレ(画像上)シャワー(画像下)。
続いての画像は4号車に2室設けられている1人用個室寝台「ロイヤルシングル」。実際は2段ベッドに変換して2人用として使用することも可能となっています。
ロイヤルシングル」の2段ベッドをセットした状態。
2人用個室寝台「ロイヤルツイン」がこちら。座席が寝台に変換される仕様となっています。また、大型窓が設けられていて、列車の左右両側を眺望できるようになっています。
車内のデザインは全体を通して、アールデコ調がベースとなっています。
こちらは、ロイヤルツインのイメージ画像ですが、全体感はこのようなイメージ。
「ロイヤルツイン」の座席を寝台に変換した様子。
4号車に1室設けられているバリアフリーに対応した「ロイヤルツイン」
こちらは7号車1両を丸々1室として利用する「ザ・スイート」の全体イメージ
「ザ・スイート」のベッド(画像上)とリビング(画像下)
ザ・スイートのバスルーム。バスタブが設けられているのはザ・スイートのみで、他のロイヤルツインなどに比べてもかなり豪華。
ザ・スイートはJR西日本にとっても特別な車両。じっくり乗ってもらった上で撮影してほしいが、今回は時間の制約がある、ということで車内公開の際も撮影禁止となっていました。そのためザ・スイートの写真・画像はJR西日本からの提供画像となっています。
5号車はラウンジカーとなっていて、木を多用したデザインでまとめ、バーカウンターや立礼の茶の卓、ブティックスペースが設けられています。
6号車は食堂、ダイニングカー。オープンキッチンが設けられていて、車内調理のライブ感と、大きな窓を流れる美しい車窓を眺めながら、食の匠による料理が楽しめる。
TWILIGHT EXPRESS瑞風 各コースと料金
最後に各コースと料金についてをまとめていきます。一人あたりの旅行代金は最大で125万円。2016年12月5日から2017年の1月31日まで第一期分の2017年6~9月出発分の申込みを受け付けていました。
第一期分の受付状況に関しては、全ての出発日・コースが応募者多数で抽選となり、2017年2月13日に公開抽選が行われました。募集件数368件に対し、実際の申込みは2022件。平均倍率は5.5倍で、6月21日出発分「山陽・山陰コース周遊2泊3日」の最高級客室「ザ・スイート」が、なんと倍率68倍だったようです(価格は120万円)
※掲載している料金は第一期(9月出発分)の料金となります。なお、第二期(2017年10月~11月出発分)の申し込みは、2017年4月1日(土)より、開始予定となっているようです。
旅行コースは1泊2日・片道の山陽コースと山陰コース、2泊3日・周遊の山陽・山陰コースが用意される。画像は山陽・山陰コースの概要。1日1回、途中駅に立ち寄って周辺の観光地を訪ねる「立寄り観光」が行われる。
山陰コース(上り・下り)、山陽コース(上り・下り) 1泊2日
出発駅(上り):下関駅 出発駅(下り):大阪駅、京都駅
各コース料金(2017年9月出発分)
ザ・スイート:4名1室利用:590,000円、3名1室利用:660,000円、2名1室利用:780,000円
ロイヤルツイン:300,000円
ロイヤルシングル:2名1室利用:280,000円、1名1室利用:360,000円
※価格は全て一人当たりの料金となります。
山陽・山陰コース(周遊)2泊3日
出発駅:京都駅、大阪駅 到着駅:京都駅、新大阪駅
各コース料金(2017年9月分)
ザ・スイート:4名1室利用:950,000円、3名1室利用:1,050,000円、2名1室利用:1,250,000円
ロイヤルツイン:550,000円
ロイヤルシングル:2名1室利用:520,000円、1名1室利用:670,000円
以上が、各コースと料金になっています。4月1日から予約開始となる10月~11月出発分に関してもかなりの予約倍率となることが予想されますので、「瑞風」に乗っての旅行を楽しみたい方は、是非公式ホームページをチェック下さい。