2018年9月 経営計画を発表!攻めの姿勢で望む4カ年計画
フェラーリは2018年9月18日に投資家向けにイタリアで行われた「Capital Markets Day」において2019年〜2022年の経営計画を発表しました。
「Capital Markets Day」で明らかになったのは、
「2022年までにハイブリッド車をラインナップの6割に導入」すること、またSUV「Purosangue」の導入を示唆しました。
本記事ではこの度発表されたフェラーリの経営計画についてご紹介します。
■順風満帆ではなかったこの数ヶ月
フェラーリの経営は今回の発表までの2ヶ月、決して順調とはいえませんでした。フェラーリに起こった不測の事態を知ることで、より今回の野心的な経営発表が力強さを感じさせるものになります。
会長兼CEO セルジオ・マルキンネ氏の死去
今回の発表の2ヶ月前、フェラーリは不測の事態に見舞われていました。健康状態が悪化したセルジオ・マルキオンネ会長兼CEOが2018年7月21日に退任し、7月25日に死去しました。
セルジオ・マルキンネ前フェラーリ会長兼CEO
公認会計士としてキャリアをスタートし、経営破綻したクライスラーの再建とクライスラーCEO、その後フィアット・クライスラー・オートモービルズの会長も努め、フェラーリ会長も兼任するなどまさにヨーロッパ自動車業界の顔ともいえる人物でした。
新CEOと新会長の選出
セルジオ・ジョン・エルカーン会長
フェラーリは7月21日中に新CEOと新会長を選出しました。新CEOタバコ大手のフィリップ・モリス会長を努めていたルイ・C・カミレリ氏が就任。
新会長には、フィアット・クライスラー・オートモービルズの会長を努めていたセルジオ・ジョン・エルカーン氏が兼任という形で就任しました。
こうした中で発表されたフェラーリの計画をご紹介します。
商品ラインナップの4分類化、15種類の新型車発表を計画
フェラーリは2019年〜2022年までの4年間に15の新型車発売を計画しています。また、それらは下記の4つの分類によって分けられる予定です。
4つの分類は、
・SPORT
・GT
・SPECIAL SERIES
・ICONA
の4つです。
フェラーリ「SPORT(スポーツカーレンジ)」
画像はフェラーリ「488GTB」
フェラーリ「SPORT(スポーツカーレンジ)には「488」シリーズや「812スポーツファウスト」などが属し、F1の技術を応用したハイブリッドテクノロジーを導入予定です。
フェラーリ「GT(グラントゥーリズモレンジ)」
画像はフェラーリ「ポルトフィーノ」
フェラーリ「GT(グラントゥーリズモレンジ)」には「ポルトフィーノ」「GTC4ルッソ」が属し、PHV車が設定される計画です。また、この「GT(グラントゥーリズモレンジ)」には後ほどご紹介するフェラーリ発のSUV(フェラーリの呼称はFUV)が発表されると見られています。
フェラーリ「SPECIAL(スペシャルシリーズ)」
画像はフェラーリ「488ピスタ」
フェラーリ「SPECIAL(スペシャルシリーズ)」には、「488ピスタ」などの特別モデルが属する予定です。
フェラーリ「ICONA(イコーナ)」
画像はフェラーリ「モンツァSP1」
フェラーリ「ICONA(イコーナ)」は、今回初めて発表されたラインで、1950年代のクラシックなデザインと最先端の技術をまとったラインナップです。
1人乗りの「モンツァSP1」と2人乗りの「モンツァSP2」が発表されています。
2022年までにハイブリッド車を6割に
フェラーリは2022年までに新型車のラインナップの6割をハイブリッドにすると発表しました。これは今後のゼロエミッション社会への規制強化を踏まえた目標です。
フェラーリはF1で培った技術をハイブリッド車に投入することで、ドライブの楽しみはそのままにCo2の削減に貢献する見込みです。
フェラーリ初のSUV「Purosangue」の発売を示唆
また発表のスライドでは、イタリア語で「サラブレッド、純血」を意味する「Purosangue(プロサングエ)」というタイトルと共に真紅のベールに包まれた車両も。
自動車業界ではポルシェ「カイエン」の成功を受け、多くのメーカーがSUV市場に参入していました。しかし、フェラーリは2011年にセルジオ・マルキネンCEOがSUV市場には参入しないことを明言していました。
しかし、そうした姿勢も近年は崩れ2018年初頭にはフェラーリがSUV市場に参入することが噂されていました。
フェラーリではSUV(Sports Utility Veichle)ではなく、FUV(Ferrari Utility Veichle)という呼称を用いるなど徹底して、SUVとの同列視を避けています。
まとめ
いかがでしたか?フェラーリは上記の計画をもとに利益率や売上の増加も見込んでいます。今後もフェラーリの活躍から目が離せません。