スタッドレスタイヤの寿命は何年?|長期経過の目安は「使用開始5年で点検・製造10年で交換」
ヨコハマ公式の目安は「一般的に使用開始から3年〜5年(3〜4シーズン)」で、JAFのページにも「3〜5シーズン」「3〜4年程度」という目安が載っています。
タイヤメーカーとJATMA(日本自動車タイヤ協会)に共通する長期経過時の目安は、使用開始から5年たったら販売店で点検を受け、製造から10年たったら交換する、というものです。
スタッドレスタイヤは、凍った路面に密着させるため夏タイヤより柔らかいゴムでできています。ゴムは使わなくても時間とともに硬くなり、硬くなると溝が残っていても滑りやすくなるので、年数は「交換」ではなく「点検」のきっかけと考えましょう。
出典:JATMA タイヤのおはなし/ヨコハマ スタッドレスタイヤ交換時期カレンダー
| メーカー・団体 | 長期経過時の点検・交換 | 冬用タイヤとしての使用限度 |
|---|---|---|
| ブリヂストン | 使用開始から5年で点検、製造から10年で交換 | 残り溝が新品の50%未満は冬用として使わない |
| ヨコハマ | 使用開始後5年以上で点検、製造後10年で交換 | 50%以上摩耗すると冬用として使えない |
| ダンロップ | 使用開始後5年以上で点検、製造後10年で交換 | プラットフォームが4か所のうち1か所でも出たら使えない |
| ミシュラン | 使用開始から5年たったら年1回点検、製造から10年で交換 | 50%まで摩耗した段階で冬用として使えない |
| グッドイヤー | 使用開始後5年で点検、製造後10年で交換 | プラットホームが出たら早めに交換 |
| トーヨー(公式メディア) | 使用開始後5年で点検、製造後10年で交換 | 1か所でも出たら冬用として使えない |
| JATMA | 使用開始後5年以上で点検、製造後10年で交換 | 残り溝が新品の50%未満は冬用として使えない |
■「寿命は3〜5年」は嘘?|一般的な目安ではあるが、一律の交換基準ではない
「3〜5年」は嘘とは言い切れません。ただ、すべてのスタッドレスタイヤを3〜5年で交換するという一律の基準とは違います。
目安の数字も、ヨコハマが「使用開始から3年〜5年(3〜4シーズン)」、グッドイヤーが「よく3年」、トーヨーが「3〜4年」で、JAFには「3〜5シーズン」と「3〜4年程度」の両方のページがあり、そろっていません。年数は使い方や保管で前後するので、「3年になったら必ず交換」「5年までは問題ない」と年数だけで決めず、プラットホームやゴムの硬さ、ひび割れも見て判断してください。
参考:グッドイヤー タイヤの寿命/TOYO TIRES スタッドレスの寿命/JAF 使用限度と保管方法/JAF 製造年週と交換時期
■5年目・7年目・10年目のスタッドレスは使える?
年数だけで決めず、溝と硬さとあわせて判断します。年数ごとの目安を表にまとめました。
| 年数 | 判断の目安 |
|---|---|
| 使用開始から5年未満 | 年数だけでは判断せず、毎シーズン、溝・硬さ・ひび割れなどを確認する |
| 使用開始から5年以上(7年目など) | 溝が残っていても、販売店で継続使用できるか点検を受ける |
| 製造から10年以上 | 見た目に問題がなくても交換を推奨 |
なお、10年という年数は目安で、そのタイヤの使用期限や品質保証の期間を示すものではありません。10年より前でも、状態によっては使えなくなります。
スタッドレスタイヤは何キロ走れる?|一律の距離はなく、残り溝で判断する
スタッドレスタイヤには、「○km走ったら交換」という一律の基準はありません。メーカーが製品の摩耗試験の結果を公表する例はあるものの、車種やタイヤのサイズ、路面などの条件を限った数字なので、自分のタイヤにそのまま当てはめるのは無理があるでしょう。
距離を数えるより、シーズンの前後にプラットホームが出ていないかを見るほうが確かです。乾いた路面での急発進や急ブレーキを控えると、溝の減りも抑えられます。
寿命の見分け方|プラットホーム・ゴムの硬さ・ひび割れ・製造年週の4つ
寿命の判断には、次の4項目を確認します。硬さや損傷の程度が分からない場合は、販売店で点検を受けましょう。
■プラットホーム|溝が新品の50%まで減った目印
側面の矢印からプラットホームを探し、接地面との高さを確認する
プラットホームは、スタッドレスタイヤの溝の中にある段差で、溝が新品の50%まで減ると路面に出てきます。タイヤの側面にある「↑」の印の先の溝を見てください。ダンロップの場合、4か所あるプラットフォームのうち1か所でも出たら、スタッドレスタイヤとしては使えません。
夏タイヤと同じスリップサイン(残り溝1.6mm)も付いていますが、冬用としてはその手前のプラットホームで寿命になります。
出典:ダンロップ よくあるご質問/ミシュラン プラットフォームの見方
プラットホームとスリップサインの高さ・使用限度の違いを示す模式図
■ゴムの硬さ|溝が残っていても硬くなると効かない
スタッドレスタイヤは、柔らかいゴムが路面に密着して止まるタイヤです。ゴムが硬くなると、溝が残っていても十分な効きは得られません(ブリヂストン)。硬さは見た目では分からないので、硬度計のあるタイヤ販売店で測ってもらいましょう。
出典:ブリヂストン スタッドレスタイヤのチェック
■ひび割れ・キズ|内部の骨格に届くものは危険
点検・相談が必要なひび割れと側面のふくらみの例
ゴム表面の細かいひび割れは、時間とともに出てきます。成長した亀裂がタイヤの骨格(カーカス)に届く場合があるので、深いひびや側面のキズ、ふくらみを見つけたら走行を控え、販売店などに相談してください。内部のコードに達するキズやひび割れがあるタイヤは使用できません(JATMA)。
出典:JATMA タイヤのキズ・ひび割れ
■製造年週|側面の4桁の数字で製造年が分かる
製造年週の読み方。2424は2024年の24週目を示す
タイヤの側面には、製造年週を示す4桁の数字が刻まれています。たとえば「2424」なら、前の2桁が週、後ろの2桁が年で、2024年の24週目に作られたタイヤです。使用開始から5年で点検、製造から10年で交換の目安になるので、買った時期の記録も残しておくと役立ちます。
出典:JAF タイヤの製造年週の見方
| チェック項目 | 見る場所 | 交換・点検の目安 |
|---|---|---|
| プラットホーム | 側面の「↑」の先の溝 | 1か所でも出たら冬用としては寿命 |
| ゴムの硬さ | 販売店の硬度計 | 硬くなっていたら交換を検討 |
| ひび割れ・キズ | 側面と溝の底 | 深いひび・キズ・ふくらみは販売店で点検 |
| 製造年週 | 側面の4桁の数字 | 使用開始5年で点検、製造10年で交換 |
プラットホームが出たら|冬用タイヤとしては使えず、宮城県の規則にも50%の条件がある
プラットホームが出たスタッドレスタイヤは、冬用タイヤとしては使えません。雪道や凍った道を走るなら、新しい冬用タイヤへの交換を基本とし、道路の規制に応じてチェーンなどの滑り止め措置を講じる必要があります。残り溝不足や損傷のあるタイヤは、チェーンを付けても使い続けられるわけではありません。
積雪や凍結した道路で必要な滑り止めの措置は、都道府県ごとの規則で決まっています。たとえば宮城県道路交通規則では、積雪や凍結で滑るおそれのある道路を走るとき、タイヤにチェーンを装着するか、全車輪に滑り止めの性能を持つタイヤを付けるなどの措置が求められます。そのタイヤには「接地面の突出部が50パーセント以上摩耗していないものに限る」という条件があります。
高速道路の冬用タイヤ規制でも、冬用タイヤかタイヤチェーンを付けていない車は通れません。NEXCOも冬用タイヤの装着を呼びかける中で、50%摩耗の目安を示すプラットホームを確かめるよう求めています。
参考:NEXCO東日本 冬用タイヤへの交換について
■夏タイヤとして履きつぶしてもいい?|走れる場合はあっても、各社は夏用タイヤへの交換を勧める
プラットホームが出たスタッドレスタイヤでも、残り溝や損傷などの使用基準を満たしていれば、雪や凍結のない道で使用できる場合はあります。ただし、メーカー各社が勧めるのは、冬が終わったら夏用タイヤに履き替えることです。
| メーカー | 夏に使うことへの見解 |
|---|---|
| ブリヂストン | 夏は夏用タイヤの使用を推奨。夏場に使うと夏用タイヤより減りが早い |
| ヨコハマ | 冬期が過ぎたら夏用タイヤへの交換を推奨 |
| ダンロップ | 夏でも使えるが、走る・止まる・曲がる性能は夏用タイヤより劣る。夏には夏用タイヤへの履き替えを推奨 |
| トーヨー(公式メディア) | 使用限界を迎えたスタッドレスを夏に履きつぶすのは勧めない |
JAFが2015年に乾いた路面と濡れた路面で行ったテストでは、プラットホームが出たスタッドレスタイヤは、新品の夏タイヤより止まるまでの距離が長くなりました。
濡れた路面を時速100kmから止まるまでの距離は、新品の夏タイヤの47.6mに対して72.2mです。この数値は試験条件下の結果で、すべてのタイヤで同じ距離になるわけではありません。雨の日の制動性能も考え、春になったら夏タイヤに履き替えましょう。
出典:JAF 摩耗タイヤの検証(2015年3月22日実施)
4年後の性能を公表している製品|アイスガード・ブリザック・ウインターマックスは「4年後も」
ゴムが硬くなりにくい工夫をして、時間がたった後の氷上性能を公表している製品もあります。根拠は、ゴムを人工的に劣化させて年数を再現したメーカーの社内試験などです。
| メーカー | 製品 | 公式の表現 |
|---|---|---|
| ヨコハマ | iceGUARD 8(アイスガード8) | 約4年後も氷上グリップを維持 |
| ヨコハマ | iceGUARD 7 | 劣化促進試験で、約4年後も摩擦力の低下は少なかった |
| ヨコハマ | iceGUARD 6 | 約4年後も高い性能をキープ |
| ヨコハマ | iceGUARD SUV G075 | 約4年後も高レベルの氷上グリップ力 |
| ブリヂストン | BLIZZAK VRX3 | 4年使用後も性能が落ちにくい |
| ブリヂストン | BLIZZAK WZ-1 | 経年による性能低下を抑制(促進劣化させた後に氷上の摩擦係数を測定) |
| ダンロップ | WINTER MAXX ICE Pro | 4年使用しても、氷上性能が落ちにくい |
これらは「4年間使える」「4年で交換する」という意味ではありません。促進劣化など決まった試験条件で経年後の性能を確かめたデータなので、実際に使えるかどうかは、プラットホームやゴムの硬さ、ひび割れで判断してください。
買い替えを考えているなら、こうした経年後の性能データを公表している製品を候補に入れて、サイズと価格を比べてみましょう。
出典:ヨコハマ iceGUARD 8/iceGUARD 7/ブリヂストン WZ-1/VRX3/ダンロップ WINTER MAXX ICE Pro
寿命を延ばす使い方|春に履き替え、保管はホイール付きなら空気圧を半分に
スタッドレスタイヤを長持ちさせるいちばんの方法は、雪の季節が終わったら夏タイヤに履き替えることです。柔らかいゴムは夏場に減りやすく、走らない季節の保管のしかたでも傷み方が変わります。
ホイールの有無による保管方法と、再装着前の空気圧調整
- 使うシーズン中は空気圧を適正に保ち、定期的にタイヤの装着位置を入れ替える
- 乾いた路面では急発進・急ブレーキ・無理なカーブを避ける
- 外したら泥や融雪剤を水洗いし、水気を拭き取ってからしまう
- 直射日光が当たらない、温度変化の少ない風通しのよい場所に置く
- ホイール付きで保管するなら、空気圧を指定の半分程度に減らして平積みにする(再装着前に必ず適正空気圧へ戻す)
- ホイールから外したタイヤは縦に置く
保管中だけ空気圧を下げ、再装着する前には必ず車両指定の適正空気圧に戻してください。
参考:JAF スタッドレスタイヤの保管方法
保管の手順はこちらで詳しくまとめています。
スタッドレスタイヤの保管方法は?洗浄方法や保管サービスまで解説! | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/6038スタッドレスタイヤは雪道や凍結路での安全な走行に必要不可欠です。ただ、積雪の多い地域であっても、ノーマルタイヤよりスタッドレスタイヤの使用期間は短いものです。一年のうち限られた期間しか使わないスタッドレスタイヤですが、大きくてかさばるタイヤを保管したり手入れしたりするのは一苦労。しかし、使いっぱなしではあっというまに寿命を迎えてしまうことも。できるだけ長持ちさせるためには、どうすればよいのでしょうか。
夏タイヤへの交換時期の目安はこちらで詳しく取り上げています。
スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換時期、地域別の目安【2026年】 | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/6538スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換時期を、気象庁の平年値データをもとに地域別に整理します。交換が早すぎる・遅すぎる場合のリスク、履き続けた場合のデメリット、JAF公式が案内する正しい保管方法まで、一次情報にもとづいて詳しく解説します。
寿命が来たら|サイズを控えて、雪が降る前に取り付けまで済ませる
買い替えるときは、今のタイヤの側面にあるサイズ(例:195/65R15)を控え、車両に適合するサイズ・ロードインデックスなどの条件を確認して選びます。雪の予報が出てから慌てないよう、取り付けの予約まで早めに済ませておきましょう。
通販ではメーカーや価格を比較できます。購入前に車への適合と、取り付けサービスの対象商品・対応店舗・費用を確認しましょう。取付店への直送は、販売店や取付店が対応している場合に利用できます。
タイヤ交換の値段や時期の目安はこちらで詳しく解説しています。
タイヤ交換の値段や交換時期の目安は?持ち込みができるお店と安くするポイントを解説 | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/1781これからタイヤ交換を考えている方に必要な情報を一覧でわかりやすく解説します。タイヤ交換時期の目安や、タイヤ交換の値段、ガソリンスタンドやオートバックスのようなカー用品店など、自分で選んだタイヤを持ち込みできる店舗とそれぞれのメリット・デメリットをはじめ、タイヤの持ち込み交換を安くするポイントや、ネットでタイヤ購入と交換する店舗予約が同時にできるサービスもあわせて紹介します。
スタッドレスタイヤの交換費用や交換時期の目安はこちらをご確認ください。
スタッドレスタイヤはいつ履き替える?交換費用の目安から安く交換するポイントまで徹底解説 | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/6425冬のドライブには欠かせない「スタッドレスタイヤ」。寒い季節に備えたスタッドレスタイヤへの交換は、冬の安全走行の重要なポイントになります。スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路でしっかりとグリップ力を発揮し、車が滑らないようにサポートする役目があります。しかし、適切なタイミングで交換しないと、本来の性能を十分に発揮できないだけでなく、思わぬ事故につながることも。この記事では、これからスタッドレスタイヤの交換を検討している方に向けてスタッドレスタイヤの寿命や交換時期、費用の相場、選び方や交換方法について詳しく解説します。
スタッドレスタイヤの交換時期がいつがベスト?寿命年数は?安心安全のために注目 | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/5563愛車のタイヤをサマータイヤとスタッドレスタイヤで季節ごとに履き替えている方も多いです。しかし、多くの人に馴染みのあるサマータイヤと「冬専用」のスタッドレスタイヤとでは、寿命の判断基準が異なることは知っていましたか。また、普段はしまってあるスタッドレス、保管方法によっては劣化を加速させてしまっているかも。この記事で、スタッドレスについて詳しくなってしまいましょう。
スタッドレスタイヤの寿命のよくある質問
■製造から時間がたった新品は、寿命が短いですか?
適切な環境で保管された新品なら、製造から2シーズンたったものでも、その年に作られたタイヤと同じ程度の氷上の性能を保つことが、タイヤ公正取引協議会の立ち会いで行われた試験で確かめられています。ただ、製造から10年で交換という目安は新品にも当てはまるので、買う前に製造年週も見ておきましょう。
■中古のスタッドレスタイヤは何年使えますか?
前の持ち主の使い方が分からないため、年数では判断できません。選ぶときの手がかりは、製造年週・プラットホーム・ゴムの硬さです。中古の選び方は【中古スタッドレスタイヤ】安い・安全・安心三拍子揃う中古タイヤを探せ!見逃せない4項目とはで解説しています。
■雪があまり降らない地域でも、スタッドレスタイヤは必要ですか?
雪道や凍った道を走る可能性があるなら、冬用タイヤかタイヤチェーンなどの準備が必要です。住んでいる地域で必要かどうかは、スタッドレスタイヤが必要な地域は?気象庁データと装着率で判断で判断できます。主に乾いた道を走り、年に数回の浅い雪に備えるだけなら、スノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤも選択肢になるでしょう。ただし凍結した道ではスタッドレスタイヤと性能が違うので、走る場所まで考えて選んでください。
まとめ|決め手は「溝50%」と「使用5年での点検」
スタッドレスタイヤの寿命には「3〜5年」などの一般的な目安がありますが、年数や走行距離で一律に決まるものではありません。冬用としての限界は溝が新品の50%まで減ってプラットホームが出たときで、年数は使用開始5年で点検、製造10年で交換が目安です。
毎シーズンの履き替えの前に、プラットホーム・ゴムの硬さ・ひび割れ・製造年週の4つを確かめましょう。寿命が来ていたら、雪が降る前に新しいタイヤを準備してください。


