意外と知らない?!アクアの実燃費はいかほどか
《画像提供:Response 》トヨタ アクア S”スタイルブラック”
燃費がいい車の代名詞といえば、やはりハイブリッドカーではないでしょうか。
モーターが組み合わさることで、エンジン単体の性能より燃費性能が向上するだけでなく、動力性能や乗り心地など様々な要素にまで改善がもたらされる「シナジードライブ」が持ち味のハイブリッド車は、特別に意識しなくても低燃費運転を可能にしてくれる先進のエコカーです。
近年ではハイブリッド仕様が用意される車がどんどん増えてきていますが、やはり効率性ではハイブリッド専用車に一日の長がありそう。そんなハイブリッド専用車の中でも、割安なお値段と扱いやすいコンパクトサイズで人気なのが、トヨタ アクアです。
アクアはハイブリッドカーとしてというくくりではなく、国内の普通車として大ヒットと呼べそうなほど販売台数の多い車。見るからに空気をすり抜けて走れそうな空力ボディを備えることもあって、燃費が良さそうなことは誰の目にも明らかですよね。
しかし、アクアの実燃費はどれくらいなの?と聞かれて、はっきり答えられる方は、意外と多くはないのかもしれません。
そこで、この記事では、オーナー投稿による「ガチ燃費」を基に、アクアの実燃費やアクアならではの魅力についてご紹介していきます。
読めばきっとアクアが気になってくること間違いなしですよ。
■まだまだ売れるアクア、実はデビューは2011年の大ベテラン!

トヨタ アクア(改良前モデル)
やはりトヨタのハイブリッド専用車として最も有名なのは、1997年に初代が登場したプリウスかもしれません。登場当初は5ナンバーサイズだったプリウスは、2003年登場の2代目モデルではガラッと見栄えも変わり3ナンバーサイズになったことで、日本国内市場ではボディの大きさを敬遠する方も少なくなかったようです。
そこで2011年に満を辞して登場したのが、5ナンバーサイズのコンパクトハッチバックであるアクア。ハッチバックらしく見切りの良いリヤエンドによって、全長は約4mとコンパクトにまとめられており、国内のあらゆる利用シーンでの扱いやすさが満点なフォルムでした。
さらに、その小型っぷりは軽量化にもつながり、プリウスよりも小排気量な1.5リッターエンジンをベースにした高効率ハイブリッドシステムとの組み合わせで、2015年に現行プリウスが登場するまではガソリン車として世界で最も低燃費な乗用車であったほどの燃費性能も獲得していました。
このように、日本市場のニーズにがっちり応えてくれる頼もしさがあったからこそ、アクアは約10年という長期間の間、人気を維持し続けることができたのでしょう。
まずはアクアの魅力をおさらいしていきましょう
■何より安い!それでいて装備も充実
《画像提供:Response 》トヨタ アクア S KINTOツーリングセレクション
やはりアクアの魅力を考えていくと避けて通れないのがその低価格っぷり。もとよりガソリン車よりも追加部品が多く価格がかさみがちなハイブリッドカーにおいて、ベースグレードでは税抜165.3万円からという低価格は、もはや驚異的と呼べそうなコスパの良さでしょう。
もちろん最廉価グレードとはいえ安いだけでなく、驚愕の低燃費性能はしっかり備割りますし、さらにオートエアコンやパワーウインドゥ、ワイヤレスドアロックといった最低限の快適装備はしっかり満載しているのですから、これ1台あればOKという懐の深さもうれしいところですね。
■見た目に反して乗れる・積める室内ユーティリティ
《画像提供:Response 》トヨタ アクア S”ビジネスパッケージ” 荷室
アクアは普通車なだけに、乗車定員はしっかり5人。近年は軽自動車も上級化が著しいとはいえ、ここは超えられない部分ですよね。さらにその5人がしっかりと座れるインテリアのゆとりもアクアの魅力です。
さらにハッチバックならではの大きなバックドアを開けば、使いやすいスクエアな形状の荷室も完備。動力用バッテリーを後席下に配置したことで、荷室は高さもしっかりある「使える」空間となっています。
コンパクトなボディサイズながら意外と乗れるし積める、ユーティリティ性の高さも、アクアの魅力です。
■小回り抜群!街中でもスイスイ走れるコンパクトさ
《画像提供:Response 》トヨタ アクア
全長が4,050mm、全幅が1,695mmという扱いやすい5ナンバーサイズボディを持つアクアは、もちろん狭い道や駐車場でもスイスイ。
ボディサイズがコンパクトなだけはなく、最小回転半径も4.8mとかなり優秀な数値となっていますので、運転のしやすさにも磨きがかかっています。
5人が乗れて荷物も積めるのにこの扱いやすさが実現されているので、あらゆる利用シーンで大活躍してくれること間違いなしでしょう。
■安全装備もしっかり用意!
《画像提供:Response 》トヨタ アクア パノラミックビューモニター
自動車業界では、安かろう悪かろうとなることもあるのが安全装備。廉価な車種では旧式なシステムしか選べなかったり、そもそもグレードによっては欲しい安全装備が選べない場合もあります。
アクアはその点もバッチリ網羅しており、2019年の一部改良では新たにパノラミックビューモニターがメーカーオプション設定されるなど、先進的な装備も用意されています。
昼間の歩行者検知にも対応したプリクラッシュセーフティなどの安全機能をパッケージ化した「トヨタセーフティセンス」が、上級グレード以外ではオプション設定となっている点はマイナスポイントですが、それでもオプション価格は税抜4万円と廉価。確実に注文しておきたいオプションですね。
トヨタ アクアのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,050mm×1,695mm×1,455mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,550mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,090kg | |
燃費 | WLTCモード:27.2km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,496cc | |
エンジン最高出力 | 54kW(74PS)/4,800rpm | |
エンジン最大トルク | 111N・m(11.3kgf・m)/3,600-4,400rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 45kW(61PS) | |
モーター最大トルク | 169N・m(17.2kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 1,933,000円(消費税抜) |
トヨタ アクアの実燃費、ユーザー投稿のガチ数値でチェック
《画像提供:Response 》トヨタ アクア 平均燃費ランキング表示
ここまでアクアが魅力たっぷりなことをご紹介してきましたが、意外と知られていなさそうなアクアの実燃費に迫っていきます。
先にアクアのカタログ燃費をご紹介しておくと、WLTCモード燃費でLグレードのみ29.8km/L、その他のグレードでは27.2km/Lとなっています。以前カタログ燃費に用いられていたJC08モードよりも実燃費に近いとされるWLTCモード燃費がここまで良好だと、実燃費にも期待がかかりますよね。
それでは、アクアの実燃費をご紹介していきましょう。実ユーザーが愛車の燃費記録を投稿する車情報サイト「e燃費」による集計によれば、アクアの実燃費平均値は軒並み20km/Lオーバーとなっており、2021年4月現在最も平均燃費が良いグレードではなんと23.83km/Lとなっています。
JC08モードでリッター30キロオーバー、WLTCモードでもリッター30キロに近づこうかというカタログ燃費に比較するとやや拍子抜けともいえるかもしれませんが、燃費値は運転スタイルや環境条件に大きく影響されるもの。
特に燃費運転を意識していない方も含まれているであろう燃費値の平均でリッター20キロオーバーという数値は、充分以上に低燃費といえるでしょう。
もちろん状況によりけりではありますが、実燃費値でリッター40キロ台を記録しているユーザーの方もおられますので、工夫次第ではもっと平均燃費を上げることもできそう。
ここまで低燃費なら、ガソリンスタンドへ行く回数も減りそうですね。
■ライバルと比べてアクアの燃費はどうなの? プリウス、ヤリス
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリス ハイブリッド
現実世界でも低燃費が実現されていることがわかったアクアではありますが、現在の自動車市場ではハイブリッドカーが非常に多くラインナップされていますので、ライバルも多数存在しています。
特に気になるライバルは、やはりハイブリッド専用車でありアクアの兄貴分にあたるプリウスでしょう。e燃費調べによる現行4代目プリウスの平均実燃費はおおよそリッター20キロ台前半となっており、最も良好なグレードの平均実燃費値では23.95km/Lとなっています。アクアの実燃費とあまり大きな差はなさそうですね。
動力用バッテリーが大容量化されるなどの変更点があるプリウスPHVでは平均実燃費が27.26km/Lまで伸びていますが、こちらはガソリンを一切使用しないEVモードが実用的なこともあって、燃費値を伸ばしているものと思われます。
また、WLTCモードによるカタログ燃費で最高36.0km/Lという前代未聞の低燃費を謳っているニューカマー、トヨタ ヤリスの実燃費はやはり驚異的なレベルで、e燃費調べによる平均実燃費値では、ヤリスハイブリッドのFF仕様が平均28.49km/Lと、ついに20キロ台後半にまで到達しています。
アクアと同じく1.5リッターエンジンを使用したハイブリッドシステムながら、熱効率に優れた新開発のエンジンを用いていることもあってか一段上を行く低燃費性能を持つヤリス。そろそろ登場が噂される次期アクアでは、このヤリスという高いハードルを超えてくることは必須条件でしょう。
【2021年最新】トヨタ アクアの新車・中古車価格まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ アクア クロスオーバー
2021年3月現在、アクアの税抜新車価格は、Lグレードの165.3万円から、クロスオーバー“グラム”の199.9万円が主なラインナップとなっています。もはや軽自動車がライバルといえるほどの低価格となっており、それでいてハイブリッドならではの低燃費が実現されているのは、驚異的なコスパの良さといえるでしょう。
また、一味違うアクアとして、トヨタ ガズーレーシングの知見が活かされたスポーツグレード「GRスポーツ」も用意されており、こちらは特別パーツがふんだんに装備されることもあって221.9万円からとなっています。
《画像提供:Response 》トヨタ アクア(改良前モデル)
アクアは、モデルライフが長くなっているだけに中古車でも非常に選びやすい車種のひとつ。2021年4月現在、在庫は7,000台以上が確認できるので、年式や色、グレードなどの希望も通しやすそうです。
税込中古車本体価格平均が85.2万円と安くなっていることからも分かるとおり、安いものでは10万円台から豊富にラインナップされていますので、とにかく安くハイブリッドカーを手に入れたい場合にもぴったりですね。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ アクア S”スタイルブラック”
トヨタ アクアの実燃費情報をご紹介してきました。やはり、意識せずともリッター20キロはカタいというハイブリッド車のエコ性能は、アクアの大きな魅力ですね。
ハイブリッド車は税金面などでも大いに優遇されますし、それに加えてガソリン代まで節約できるとなると、アクアが国民車的な人気を誇ることもうなずけます。
より大型のハイブリッドカーに比べると劣るとはいえ、室内の広さや動力性能は日常使いに不足がない完成度の高さがありますので、まだまだアクアの人気は続きそうです。