マツダ CX-30のカタログ燃費は?
《画像提供:Response 》マツダ CX-30
■マツダのCX-30のカタログ燃費はディーゼルが有利!
CX-30には、3種類のそれぞれ燃焼方式の違うエンジンが搭載されています。排気量が違うのではなくて、「燃焼方式」が異なると言う点がポイント。
1つ目は、世界初の「火花点火制御圧縮着火方式(SPCCI)」を採用した、2.0LスカイアクティブXエンジン。これは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいとこ取りをしたようなエンジンで、高温高圧に圧縮したシリンダー内の空気にガソリンを噴射して、高温の空気でガソリンに火が付く「圧縮着火」を実現しているのが最大のポイント。
ディーゼルエンジンの燃焼方式だった「圧縮着火」をガソリンエンジンでも実現させると言う、未だに世界でマツダだけが実用化したスゴイエンジンなのです。マツダ曰く、カイアクティブXは「高出力で低燃費」という夢のエンジン!なんですが、実際はどうなんでしょうか。
なお、スカイアクティブXには、24V駆動の小出力のモーターが搭載されていて、「マイルドハイブリッド」方式のハイブリッドエンジンとなっていて、燃料はハイオクガソリン指定となっています。
2つ目は、1.8Lのターボディーゼルエンジン。マツダ独自の低圧縮で燃焼するディーゼルエンジンとなっていて、排気ガスの後処理装置無しで厳しい排気ガスの環境基準をクリアしているクリーンディーゼルになっています。
3つ目は、点火プラグで着火させる「普通の」2Lガソリンエンジン。こちらは、レギュラーガソリン指定となっています。
3つのエンジンの燃費を「2WD+AT」と言う仕様で、カタログ記載のWLTCモードで比較すると、
1位 1.8Lターボディーゼル(130ps/270Nm) 19.2km/L
2位 2L スカイアクティブX(190ps/240Nm) 17.3km/L
3位 2L ガソリン (156ps/199Nm) 15.4km/L
と言う結果になります。
やはり、ターボディーゼルの燃費の良さが光りますね。ただ、スカイアクティブXはターボディーゼルよりも60psも強力な出力を発揮しますから、マツダの主張するように「高出力で低燃費」と言えなくもない、という感じですね。
スカイアクティブXと2L「普通の」ガソリンエンジンとの比較では、パワーもトルクも燃費もスカイアクティブXの方が上回っていて、「火花点火制御圧縮着火方式(SPCCI)」の威力を見せつけています。
ランニングコストという観点から考えると、最も有利なのはターボディーゼルと言えます。スカイアクティブXとのWLTCモードでの燃費差は2km/L程度ですが、スカイアクティブXはハイオクガソリン指定で、ディーゼルは軽油。燃料の価格差が1Lあたり3〜40円あるので、実際のランニングコストはターボディーゼルの方がかなり安くなります。
マツダのCX-30、実際の燃費は良い?
■ディーゼルの燃費はオーナーの満足度高し!
オーナーが自分の愛車の燃費を投稿して、みんなと情報を共有するサイト「e燃費」のデータを見ると、CX-30のターボディーゼルモデルの平均燃費は16.83km/Lとなっています。
カタログに載っているWLTCモード燃費が19.2km/Lですから、WLTCモード達成率は87.6%ですね。
TwitterでCX-30ターボディーゼルモデルのオーナーさん達の投稿を見てみると、
このように、燃費の良さにかなり満足されているようですね。
CX-30のターボディーゼルは高速道路を法定速度内で走っていると、クルマ任せで20km/L以上の燃費を誰でも出せてしまうので、年間の走行距離が長かったり高速道路をよく使うという方にはターボディーゼルが断然オススメです。
一方、市街地メインで一回の走行時間が30分以下の方は、ディーゼルの選択は止めておいたほうが良いでしょう。マツダによるとディーゼルの排気ガスを浄化するシステムが30分以下の走行を繰り返すと正常に作動しなくなる可能性があるとの事ですので、ディーゼルは使い方を選ぶエンジンと言えるでしょう。
■注目のスカイアクティブXは、やっぱりハイオク代が高い?
「高出力で低燃費」とマツダが主張する夢のエンジン、スカイアクティブXの実燃費はどうでしょうか。
燃費情報共有サイト「e燃費」のデータを見ると、CX-30のスカイアクティブXモデルの平均燃費は17.7km/Lとなっています。カタログに載っているWLTCモード燃費が17.3km/Lですから、WLTCモード達成率は102%となっていて、ほぼカタログ通りの燃費を達成しています。
TwitterでCX-30 スカイアクティブXモデルのオーナーさんの投稿を見てみると、
実燃費でカタログ燃費を超える事もあるようですね。でも、ハイオクガソリンの値段の高さを嘆いておられますね・・・。ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの価格差を考えると、「普通の」ガソリンエンジンの燃費がスカイアクティブXより悪くても、ランニングコストを考えればそれほど差は開かない可能性もあります。
そもそもで、「普通の」ガソリンエンジンモデルとスカイアクティブX搭載モデルの間には70万円近い価格さがありますので、燃費の差でその差額を取り戻すのはかなり難しいでしょう。
では、敢えてスカイアクティブXを選ぶ理由はどこにあるのか。
それは「究極のエンジン」を自分で保有したいというオーナーの満足感にあるのではないでしょうか。スカイアクティブXは「世界初」の圧縮着火を実用化した「世界で唯一」のエンジンですから、クルマのメカニズムが好きな人や新しい物好きの方にとっては、大いに所有欲を満たしてくれるエンジンだと思います。
マツダは2021年4月にスカイアクティブXを改良し、新たに e スカイアクティブXとして発売しました。e スカイアクティブXは、従来のスカイアクティブXにくらべてパワーもトルクも向上していますが、改良の中身はエンジンの制御ソフトウェアのアップデートだけで、機械的な改良は実施されていません。
それゆえ、それ以前にスカイアクティブXを購入したオーナーさんのクルマも、e スカイアクティブX仕様と同じソフトウェアにアップデートすれば、パワーとトルクが向上すると言う、まるでスマホみたいな進化を遂げています。
ROMチューンでパワーを向上させるというのはチューニングショップの定番メニューですが、それと同じ事をメーカーが国土交通省の正式な認可を受けてやってしまう、というのはかなり新画期的な出来事。
なので、こういう「新しい事」が好きなアーリーアダプターな人にとっては、スカイアクティブXは堪らない魅力のあるエンジンと言えます。
■2L ガソリンの燃費は?
燃費情報共有サイト「e燃費」のデータを見ると、CX-30の2Lガソリンモデルの平均燃費は11.69km/Lとなっています。カタログに載っているWLTCモード燃費が15.4km/Lですから、WLTCモード達成率は76%となっています。
ガチライバルのトヨタ・CH-Rの1.2Lガソリンターボモデルの実燃費が「e燃費」のデータによると11.9km/Lですので、それほど変わらないとは言えます。
TwitterでCX-30 2Lガソリンモデルのオーナーさんの投稿を見てみると、
と言う事で、ハイオクを入れれば燃費がアップするとおっしゃってますね。燃費計の数値は11.3km/Lですから、「e燃費」のデータとほぼ近い数値となっています。
まぁ、平均的な2L自然吸気エンジンの燃費と言えば、確かのその通りの燃費性能ではあります。特段良いとも言えないし、めちゃくちゃ燃費が悪いという訳でもありません。でも、SNSでオーナーさんの声を拾っていくと、もうひと伸びの燃費が欲しい!と思われている方が多いように思えます。
ただ、CX-30の場合、最もベーシックでバランスの取れたモデルとなると、2Lガソリンモデルとなります。ディーゼルは乗り方を選びますし、スカイアクティブXは価格の面からもある意味プレミアムなパワーユニットとなります。
CX-30では、2Lガソリンエンジン搭載モデルはベーシックなグレードとなります。でも、「ベーシックなグレードなのに2Lガソリンエンジンが搭載されている」と言う点は、CX-30の強みと言えるかもしれません。
CX-30のベーシックグレードの20Sと同じ価格帯のグレードを、ガチなライバルのトヨタ CH-Rと最近モデルチェンジしたばかりのホンダ ヴェゼルで探してみると、CH-Rは1.2Lガソリンターボエンジン(116ps/185Nm)、ヴェゼルは1.5L自然吸気ガソリン(118ps/142Nm)となり、CX-30 20Sの2L自然吸気ガソリン(156ps/199Nm)と比べて、かなり非力なエンジンとなってしまいます。
となると、CX-30の2Lガソリン搭載グレードは、燃費はそこそこなものの、それなりにパワーも出ているコスパの高いエンジンを搭載したモデル、という事になるのかもしれませんね。
ただ、CH-Rもヴェゼルも、価格はスカイアクティブXモデル並みになりますが、ハイブリッドモデルだとWLTCモードでCH-Rが30.4km/L、ヴェゼルが24.8km/Lと、スカイアクティブXモデルのCX-30(17.3km/L)をぶっちぎっちゃうんですけどね。
まとめ
《画像提供:Response 》マツダ CX-30
CX-30の燃費、どうでしたか?CX-30には、それぞれ燃焼方式の違う3種類のエンジンのなかから、どれが自分にぴったりなのかを選ぶ楽しみがありますね!
CX-30を検討されている方は、ぜひ悩んでください。クルマ選びって、悩んでいる時が一番楽しいですよね!