普及進む「ドライブレコーダー」、愛車に付けてますか?
ドライブレコーダー イメージ
ひと昔前では、防犯カメラが設置されているのは店舗内や駐車場のみといった印象もありましたが、現在では街中のあらゆるところで防犯カメラが目を光らせていますよね。
車でもその状況は同じで、ここ10年前後でドライブレコーダーは市民権を獲得しました。国土交通省が令和元年に行ったアンケート調査の結果では、自動車を保有していると答えた人の約半数弱、およそ46%もの人がドライブレコーダーを車に搭載していると回答しているなど、普及が急速に進んでいます。
事故時の記録はもちろん、昨今社会問題として頻繁に取り上げられるあおり運転への対策としても用いられており、ドライブレコーダーが記録したショッキングな映像をニュースなどで目にする機会も増えてきました。
愛車の万が一の瞬間に、何が起こったかをしっかり記録してくれるドライブレコーダー。まだつけていないという方も、今年こそはドラレコデビューを考えてみてはいかがでしょうか。
■ドライブレコーダーが救ってくれるかもしれない状況はこんな時!
ドライブレコーダーの記録した映像は、裁判などで証拠能力を持つ場合もあり、当事者同士の主張が食い違う場合などには大きな効果を発揮します。
例えば、信号無視をした車にぶつけられたなどの交通事故の場合なら、自分の進行方向の信号が青だったのか赤だったのかが映像で記録できていれば、相手の非を主張しやすくなります。
どんなタイプが流行してる?最新ドライブレコーダーをタイプ別解説
ドライブレコーダーの黎明期では、大柄な本体にドデカいレンズで、目立つ商品も数多く見られましたが、現在ではよりスマートな取り付けが可能なように小型化が進んでいるほか、機能面も大きく進化しています。
最新のドライブレコーダーにはどんな種類があるのか、チェックしてみましょう。
■前後2カメラ型:安心の高画質、取り付け時はやや面倒さも
コムテック HDR-953GW
近年のドライブレコーダーでスタンダードタイプとなってきているのが、前方用のカメラと後方用のカメラの合わせて2台がセットになった「前後2カメラ」のタイプです。それぞれの方向にカメラを持つことから、より精細な映像が記録できる点が大きなメリットです。
特にあおり運転対策として車両後方の記録を重視したい方が増えているようで、より廉価な1カメラ型よりも、前後2カメラ型を選んだり、1カメラ型のドラレコを前後それぞれに装着する例が増えているようです。
しかし、前後2カメラ型のドラレコでは本体機能は前方用カメラに備わっていることが多く、後方用カメラからの配線を車両後端からフロントウィンドウ付近まで持っていく必要があることから、配線作業はやや面倒さも感じられそうです。
■360度カメラ型:室内の撮影もバッチリ!死角には注意
ケンウッド DRV-C750
ここ数年で一気にポピュラーとなっているのが「360度カメラ」タイプのドライブレコーダーです。本体底部の非常にワイドなレンズによって周囲360度を記録するものや、前方用と後方用でワイドレンズを2つ備え、垂直方向まで含めて360度記録できるものがあります。
前後2カメラ型と異なり、360度カメラ型は車両側方や室内の様子まで記録できるところがポイント。あおり運転の厳罰化のきっかけのひとつである、2019年の常磐道上での暴行事件などのように、室内にまで被害が及んでもしっかりと記録することができます。
ただし、フロントウィンドウ付近に360度カメラ型を装着しただけでは、車両後方の様子がよくわからず死角も大きくなりがちです。そのため、前方および側方用の360度カメラ型と、後方用のシンプルなカメラの2カメラをセットにした商品も人気です。
■ルームミラー一体型:各メーカーから発売相次ぐ、見た目ヨシ
セイワ PDR780SM
小型化が進んでいるとはいえ、外から見ても取り付け位置などがはっきりと分かる製品も多いドライブレコーダーですが、より見栄えを重視する方に「ルームミラー一体型」のドライブレコーダーが人気となっています。前方用のカメラを内蔵したミラーを車両のルームミラーに被せるように装着することで、視界への影響が少なくよりシンプルな見た目を実現できます。
後方向けのカメラを別途接続できたり、ミラー内に画面を備えていてデジタルルームミラーとしても兼用できたりといった高機能タイプも人気です。
防眩などの純正ルームミラーの機能が失われてしまう点はやや残念なポイントではありますが、ここ最近国産メーカーからも新製品の登場が相次いでおり、トレンドとなりつつあるタイプです。
■映像記録だけでなく、警告機能やWiFi機能搭載モデルも注目
映像を記録するセンサーの数やレンズの種類などの違いもしっかりチェックしておきたい部分ではありますが、最新のドライブレコーダー選びでは、いざというときの映像の記録だけに留まらない付加価値にも注目が集まっています。
後方用のカメラで車両後方に位置する車両をチェックし、異常に接近する車両が現れた場合にはドライバーに警告を発したり、その時の映像を自動記録するなど、あおり運転対策として効果的な機能を備えた機種に注目が集まっています。
また、ドライブレコーダーの記録映像はmicroSDカードに記録されることが一般的ですが、出先のスマホなどでパパッと映像を確認したい場合もあるはず。そんな時に役立つ、WiFi搭載でスマホと連携できるドライブレコーダーなども人気となっています。
ドライブレコーダーを取り付ける!作業手順はこうだ
ガーミン GDR43J
ついに購入したドライブレコーダー、ご自分で愛車に取り付けたいという方も多いことでしょう。ここでは、大まかなドライブレコーダー取り付けの手順をご紹介していきます。
ドライブレコーダーはフロントウィンドウ上部に取り付けるものがほとんどです。そのため、まずは取り付け位置の確認をし、一時的にドライブレコーダーの電源を投入して記録したい方向にきちんとカメラが向くような位置を決め、前方用のカメラをフロントウィンドウに貼り付けます。テープなどで取り付け位置にマーキングしておくと便利ですね。
ドライブレコーダーの取り付けには両面テープを用いることがほとんどですが、両面テープは貼り付け後に無負荷で一定時間放置した方が貼り付け力が向上する場合もあります。取扱説明書の指示に従い作業しましょう。
本体が前方用カメラと別体式のタイプなら、運転席足元など、運転の邪魔にならない位置に取り付けておきましょう。
後方用カメラが同梱されている商品なら、リヤガラスなどに後方用カメラを取り付けし、配線を本体まで取り回して接続しましょう。
カメラの配線が終わったら、ドライブレコーダー本体へシガープラグコードなどを利用して電源を取り起動しましょう。きちんとカメラが作動しているか、記録したい方向へカメラが向いているかをチェックすれば作業は完了です。
ドライブレコーダー取り付けの注意点はココ!不正改造車にならないために
《画像提供:Response 》加藤電機 HSDR300-701
■ドライブレコーダーは保安基準に則った位置に取り付けよう
ドライブレコーダーはフロントウィンドウ上に取り付けることが一般的ですが、ドライブレコーダーによって前方視界が妨げられるようなことがあってはなりません。
運転中に非常に大事な前方視界を担うフロントウィンドウには、取り付けてよいものやそれらを取り付けてよい場所が道路運送車両法に基づく保安基準による規定で定められていますので、ドライブレコーダーの取り付け時にはそれに従う必要があります。
具体的にはルームミラー裏側で運転者の視界の妨げにならない場所、またはフロントウィンドウの上部20%以内に設置することで、保安基準に従った装着方法となります。
■前後ともに、ワイパー拭き取り範囲内かどうかも確認
意外と見落としがちなポイントが、ドライブレコーダーはワイパーの拭き取り範囲内に取り付けることがセオリーということです。水滴や汚れなどによってドライブレコーダーの映像がくすんでしまっていては、いざという時に記録した映像が使い物にならないといったことにもつながりかねません。
ルームミラー背後に設置すればワイパー拭き取りの範囲内となる車種が多いものとは思われますが、ご自分の愛車の拭き取り範囲をしっかり把握しておくことが大事でしょう。
後方用カメラも取り付けるなら、こちらもリヤワイパーの拭き取り範囲内かどうかをしっかり確認しておきたいところです。
■配線は慎重かつ確実な作業が必要!リヤカメラは特に要注意
ルームミラー背後のワイパー拭き取り範囲にドライブレコーダー本体を取り付けできた後も、配線には注意が必要です。知らない間に電源ケーブルが故障していた、なんてことのないよう、配線を取り回す際は傷つけたり大きく曲げたりすることのないよう、慎重に作業する必要があります。
近年ではフロントウィンドウ上部には自動ブレーキ用のカメラなどが設置されている場合も多く、それらの配線を傷つけたり、自動ブレーキ用カメラの作動範囲に干渉したりすることも避けなければなりません。また、ダッシュボードやピラーなどのエアバッグの動作を妨げないような配線の取り回しも求められます。
配線が長くなりがちな前後2カメラ型ドライブレコーダーの後方カメラなどはより注意が必要で、ドアの開閉や防水用のパッキンのはたらきを妨げないような配線の取り回しが必要です。
ドライブレコーダー取り付けが面倒? カー用品店などで取付依頼する手も
カー用品店 イメージ
カメラは両面テープでペタッと貼り付けるだけながら、取り付け位置の制限や配線取り回しなど、意外と面倒かつ気を遣う作業も多いドライブレコーダーの取り付け。DIYでするのはちょっと面倒だなあとお思いなら、カー用品店などで取り付けを依頼することもできます。
店舗で購入した商品をそのまま取り付けてもらうとスムーズではあるものの、店舗によっては持ち込み商品の取り付けにも対応してくれる場合もあります。事前に問い合わせておくとよいでしょう。
作業の工賃やどれくらい時間を要するかなどは店舗次第ですので、こちらも事前に確認しておきたいところ。安いところで5,000〜6,000円程度、高くても1万円台が、取り付け工賃のひとつの目安となりそうです。店舗で購入するなら、取り付け工賃込みでお得な価格設定となっている場合もあります。
まとめ
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ドライブレコーダーの最新トレンドや、取り付けに関して注意しておきたいポイントをご紹介してきました。
愛車に何かあってから後悔しても遅いドライブレコーダーだけに、まだ取り付けていない方には今年こそぜひ装着を検討してみていただきたいところ。
高機能なタイプが印象に残りやすいものの、ベーシックなタイプのドライブレコーダーなら数千円台から購入も可能ですので、まずは入門としてそれらから使用してみるのもよいでしょう。
よくある質問
■ドライブレコーダーは自分で取り付けしてもいいの?
はい。取り付け位置などの基準に適合するかどうかは気をつける必要があるものの、ドライブレコーダーはオーナー自らが車両に取り付けることに問題はありません。近年ドライブレコーダーはさまざまな場所で購入することが可能となっているなど身近な存在になっていますので、DIYで愛車へ取り付ける方も増えているようです。
■ドライブレコーダーはどれくらいの割合で普及しているものなの?
国土交通省が令和元年に行ったアンケート調査の結果では、自動車を保有していると答えた人の約半数弱、およそ46%もの人がドライブレコーダーを車に搭載していると回答しています。ここ数年でも搭載率は伸びているものと推測されます。
おすすめドライブレコーダーを紹介!タイプ別に自分に合うものを選ぼう | カーナリズム
https://matome.response.jp/articles/5358最近では当たり前になりつつあるドライブレコーダーですが、その進歩は進んでいます。駐車録画対応製品など駐車中の当て逃げなどを記録するタイプもあります。また、前後を記録できるタイプもあり、コンパクトで高性能なものが主流になっています。今回はこのドライブレコーダーについて見ていきましょう。