ドライブレコーダーとは?
《写真提供:response》オウルテック ドライブレコーダー「OWL-DR801G-2C」
ドライブレコーダーは2000年代初頭から普及しはじめました。航空機のフライトレコーダーをヒントに作られたと言われています。主にカメラと記録装置で構成されており、一体型と分離型がありますが現在では一体型が主流となっています。
その機能としては、ドライブ中の映像を録画・保存する「録画機能」、それに伴う音声の「録音機能」、位置や速度などのデータを取得する「GPS・速度記録機能」、車に衝撃が加わった際に録画中の映像を自動的に記録できる「Gセンサー記録機能」が挙げられます。
一般的には、運転中の映像や画像などを記録することが主な機能ですが、大きく分けて2つの記録タイプがあります。1つめは「衝撃感知・任意録画(イベント記録)タイプ」で事故や急ブレーキなどで車に衝撃が加わった際に録画中の映像を自動的に記録します。
2つめは「常時録画タイプ」で、車の動作と関係なく連続的に映像を記録します。これはエンジンを始動すると自動的に録画が開始され、最新の映像を常に記録します。それぞれ機種や設定などによって記録の仕方が異なります。
ドライブレコーダーの進化について
《写真提供:response》《写真 カーメイト》カーメイト・ダクション360S
昨今のあおり運転の対策として、ドライブレコーダーを取り付ける方が増加しています。そんな中対策強化として進化したのが前後カメラ式となり、最新のモデルには高画質なものが注目されています。
また、後方キャッチという機能によりあおり運転の車が近づいてきた際にアイコンで警告を出し、モードによってはあおり運転を検知するとイベント録画をするものなどがあります。さらに、車の前後だけでなく側方まで録画が可能な360度録画が登場しました。
360度ドライブレコーダーは1つの本体に超ワイドレンズを備えたカメラを搭載しており、リアカメラを取り付ける必要がありませんでした。しかし、そうなると後方の映像は車内を通し向こう側に
なるため、あおり運転などの車のナンバーが映りませんでした。
このことから、最新型では後方もより詳細に録画ができるように、フロントガラスなどに前方と車内を写せる360度カメラを取り付け、リヤガラスに後方撮影用のカメラを取り付ける2カメラ式のものも登場しています。
また、画質もさらに高画質となり夜間やトンネルなどでも鮮明に録画できるものが搭載されています。その他にもコンパクト化するために液晶モニターをなくし、無線LANを搭載したドライブレコーダーなどもあり、録画した映像をスマホなどで確認することができます。
事故の時威力を発揮するドライブレコーダー
《写真提供:response》カロッツェリア ND-DVR10
ドライブレコーダーの重要な役割は、事故の際に証拠として映像を残すことになります。例えば、事故を起こした場合や事故に巻き込まれた場合などの過失の有無や、割合などを確認することが可能となります。
事故でも自分が起こした事故だけでなく、他の走行車の起こした事故の証拠としても利用が可能となっています。また、先ほども触れましたがあおり運転の証拠になり、カメラが付いていることで抑止効果も期待ができます。
当て逃げをされた場合などは相手も不明であることこから、警察に訴えた際に映像があれば捜査がスムーズに進む事も多くみられます。映像が無い場合でも捜査はしてもらえますが、犯人の特定までは至らず、泣き寝入りしてしまうことがあります。
おすすめドライブレコーダー
ここでは、おすすめのドライブレコーダーをタイプ別にご紹介します。
■前後一体型ドライブレコーダー
前後一体型は本体に前方用カメラと後方用カメラを両方備えたタイプになります。メリットとしては簡単に取り付けが可能で、室内の様子もしっかり録画しておける点があげられます。
さらに、電源が1つで済むことから配線がスッキリと収まります。分離型と比べてコスト面でも安価となる傾向が高いといえます。
デメリットとしては、サイズが大きいことや室内越しにしか後続車両を撮影できないので、詳細が分かりにくいなどの点が挙げられます。
■前後分離型ドライブレコーダー
前後分離型ドライブレコーダーは、前方用のカメラと後方用のカメラを別々に取り付けるタイプになります。多くの場合、前方用カメラと本体が一体となっていて、後方用カメラはコンパクトなものとなっています。
メリットとしては、車両の前方と後方のどちらもしっかりと撮影することができることが挙げられます。特に近年重視されがちな後続車両の映像をきちんと撮影することができます。
デメリットとしてはそれぞれをつなぐ配線が問題となります。また、配線の方法によっては地デジのアンテナなどと干渉してしまい、ノイズなどが起こる可能性があります。ノイズ対策をしている機種などもあるので確認しておきましょう。
■ドライブレコーダー選ぶなら高画質な物を
走行中の事故などでは、その瞬間を鮮明に記録するためにはやはり高画質な物を選ぶ必要があります。信号の色や周囲の状況・車両ナンバーなどが綺麗に記録されていなければ、ドライブレコーダーの重要な役割を果たすことができません。
では、どの程度の解像度と画素数であれば良いのでしょうか?一般的になフロントカメラは、1920×1080(フルHD対応)以上となっており、それ以上に鮮明な映像となると2560×1440(WQHD対応モデル)や2304×1296(スーパーHD対応モデル)などとなります。画素数においては200万画素以上をご検討下さい。
また、事故は昼間におこるとは限らず夜間の発生が多くみられます。夜間やトンネルなどの走行時に映像の黒つぶれや白飛びが少なく、対向車のライトによる逆光などの場合でも、鮮明に記録ができるHDRやWDR対応の製品がおすすめとなります。
■音声録音機能やGPS機能付きの物
GPS機能が付いている場合に記録できるものとして、走行している場所の経度や緯度があるので、ドライブした際の走行ルートを、パソコンを利用して確認することが可能となります。また、事故を起こした際の正確な位置情報や走行速度なども記録することができます。
音声録音機能については、事故やあおり運転などの場合にクラクションの音や相手のドライバーとの会話の内容なども録音することで、周囲の状況をさらに詳細に残すことが可能になり、自分に不利な状況を防ぐことになります。
■ドライブレコーダーの取り付け方法
取り付けを行う前に注意しなければならない法律があります。フロントガラスの上部より20%以内の場所か、ルームミラーの後ろに付けなければならないと、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第1節 第39条」により決められています。
車検ステッカーや視界を妨げないように、ワイパーの可動範囲内で取り付けるようにしましょう。取り付け方については、機種やタイプによってそれぞれ異なります。カメラの角度や調整幅によって、規定の位置に付けましょう。
機種によって取付方法も吸盤や両面テープで張り付けるものなどがあります。取扱説明書などをきちんと読み、配線がエアバッグなどの妨げにならないように注意します。
配線などの処理に関しては、電源を取る場所を工夫したり内装の内張を外したりと初心者には少し難しいと思われます。整備工場や販売店・カー用品店などに相談してみるのも良いでしょう。
また、取り付けを依頼する場合は購入をする前に、購入したお店で取り付け作業が可能かどうか事前に確認しておきましょう。専門の業者に持ち込みで依頼をする際は、事前に作業工賃や時間の確認をしましょう。
機種によってはカメラの数や内装パーツの取り外しなどで、費用も作業時間も変わってきます。買い替えの場合は古いドライブレコーダーの取り外しなども必要になるので、そちらも合わせて見積りを取っておく事をおすすめします。
まとめ
《写真撮影 会田肇》JVC KENWOODから待望の360度ドライブレコーダー“DRV-C750”登場
事故や万が一の場合に、映像や音声を録画・録音し役立つドライブレコーダーですが、旅行などの思い出を残すなど利用方法は様々となっています。ご自分に必要な機能を検討し備えることで、トラブルを未然に防ぎ愛車や搭乗者を守る事につながるでしょう。