ベトナムモーターショーとは
《写真提供:response》《撮影 古庄速人》 一般公開日の様子
ベトナムモーターショーは、ベトナム自動車工業会(VAMA)とベトナム自動車輸入業者協会(VIVA)などで組織する運営団体が主催するベトナム最大の自動車展示会イベントで、ホーチミン市7区にあるサイゴン・エキシビション&コンベンションセンター(SECC)で開催されます。
毎年10月下旬に5日間で開催される自動車展示会イベントですが、2020年と2021年は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2023年は自動車市場の需要低迷の影響により中止となりました。
ベトナム最大の自動車展示会イベントだけあり、過去の開催ではトヨタやホンダ、スバル、三菱、いすゞといった日本勢をはじめ、メルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン、ボルボのヨーロッパ勢や、GAC、BYDといった中国ブランドまで世界各国の自動車メーカーが数多く参加しています。
ベトナムモーターショーは、会場で車を販売していることが大きな特徴です。前回開催の2022年では、約2,000台の車両が販売され、今後発売予定の車両モデルの注文も数千台分と、5日間で過去最高の車両販売台数と受注台数が記録されました。
ベトナムモーターショー2024の見どころと開催概要
《写真提供:response》《撮影 古庄速人》 会場のSECC
ベトナムモーターショー2024は、「グリーンな未来のためのオープンテクノロジー」をテーマに、自動車愛好家にとって多様で高級感のある新しい体験を提供する魅力的な自動車展示会イベントになることが期待されています。
今回のイベントでは、前回参加していたフォルクスワーゲンやアウディといった欧州勢の参加はありませんが、日本やアジアなど19の自動車メーカーおよびバイクメーカーが参加し、最新車種の展示や最新技術の発表が行われます。近年、自動車やバイクも排ガス規制や環境問題から、またイベントのテーマに沿って、クリーンなハイブリッド車やEV車を中心に見ることができるでしょう。
VAMAの通信小委員会の責任者であるダオ・コン氏は、「今年のベトナムモーターショー2024は、グリーンでクリーンなエネルギーを開発し、排出量を削減するための解決策を強調しており、COP26会議で2050年までに純排出量を「ゼロ」にするという約束を実行するベトナムの努力に同行するVAMAとVIVAの責任を示している」 と述べています。
ベトナムモーターショー2024の新しいポイントの一つは、AI技術の応用などにより体験型のイベントになっていることで、これはベトナムモーターショー2024では初めての試みです。これにより、来場者はよりベトナムモーターショー2024を楽しむことができるでしょう。
また、車両展示スペースにおけるインタラクティブ技術によって、自動車モデルの体験やテクノロジーを使用したチェックイン体験、仮想アシスタントによるベトナムモーターショー2024に関する情報の更新などにより、広い展示会場をストレスなく、そして詳しく見ていくことができるでしょう。
さらに、業界の専門家が議論するセミナー「自動車からの排出ガスの削減と環境保護に向けたグリーンエネルギーの変換」が開催される予定で、二酸化炭素排出量の削減と環境保護を目的とした電動車両の開発のトレンドと可能性について知ることができます。
開催期間 2024年10月23~27日
会場 サイゴン展示会議センター(SECC)
■開催概要
イベント名 | VIETNAM MOTOR SHOW 2024(ベトナムモーターショー2024) |
開催日 | 2024年10月23日~2024年10月27日 |
開催時間 | 9:00~21:00 ※10月23日のみ一般公開は16:30~21:00 |
開催会場 | サイゴン・エキシビション&コンベンションセンター(SECC) |
主催者 | ・ベトナム自動車工業会(VAMA) ・ベトナム正規自動車輸入業者グループ (VIVA) ・ベトナムオートバイ製造者協会 (VAMM) |
参加企業 | ・ホンダ(自動車およびバイク) ・いすゞ ・三菱 ・スズキ ・トヨタ ・スバル ・GAC MOTOR ・SKODA(シュコダ) ・BYD ・SYM ・ヤマハ ・MG ・GAZ(ガズ) ・UM ・ハーレーダビッドソン ・トライアンフ ・KTM ・ハスクバーナ ・クリーブランドサイクルワークス |
ベトナムモーターショー2024を楽しむポイント
ベトナムモーターショー2024が開催されるホーチミン市には、タンソンニャット国際空港があり、日本の主要都市から直行便で行ける飛行機は、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)をはじめ、ベトナム航空(Vietnam Airlines)やLCCなどいくつもあり、料金も片道4万円台からとリーズナブルに行ける魅力を持っています。
サイゴン・エキシビション&コンベンションセンター(SECC)周辺には、以下のレジャースポットがあるので、ベトナムモーターショー2024を楽しむ時間以外にも、いろいろとベトナムを満喫できます。
・グエンフエ通り:週末には歩行者専用になり、ショッピングやストリートパフォーマンスを楽しむことができます。
・ビテクスコ・フィナンシャルタワー:展望台からサイゴンの景色を一望できます。カフェやレストランも併設されています。
・サイゴン川クルーズ:リラックスした時間を過ごしながら、川沿いの美しい景色を楽しめます。
・公園:タオダン公園やリトルサイゴン公園など、散歩やピクニックにぴったりな公園があります。
また、本場のベトナムフォーが楽しめるフォー専門店や、食感がサクサクのバインミーが気軽に味わえる屋台など、数多くのグルメスポットがあるので、ランチやディナーでも地元の料理を楽しめます。
周辺に宿泊する場合は、以下のホテルがオススメです。
・インターコンチネンタル サイゴン:高級感あふれるサービスと便利な立地。
・マリオット ホテル:モダンな設備が整った快適な宿泊先。
・ホリデイ・イン:ビジネスにも観光にも適した立地。
・エリート ホテル:手頃な価格で、質の高いサービスを提供。
ベトナムモーターショー2024で出展が予定されている車種を紹介
《写真提供:response》《撮影 古庄速人》 メルセデス・ベンツのカンファレンス
ここでは、ベトナムモーターショー2024の公式サイトの動画に登場する車種から、出展が予定されているであろう車種を一部紹介します。
ただし、車種は同じでもベトナムモーターショー2024用のオリジナル仕様であったり、新しい機能や装備を追加した車となっている可能性があることをご理解ください。
■ホンダ CR-V e:FCEV
《写真提供:response》《photo by Honda》 ホンダCR-V e:FCEV(米国仕様)
ホンダからは、日本で2024年7月19日に発売された「ホンダ CR-V e:FCEV」が出展されるでしょう。ホンダ CR-Vは、ベトナムでも人気の車種で、ベトナムホンダではガソリン車を生産し、ハイブリッド車はタイから輸入して販売しています。
今回のベトナムモーターショー2024のテーマを考えると、公式サイトの動画に登場していたCR-Vは、ハイブリッドよりもクリーンで環境にやさしい新型燃料電池を搭載したCR-V e:FCEVが出展されると考えられます。
CR-V e:FCEVは、水素を充填して走るFCEV(燃料電池自動車)に、手軽にあつかえるAC充電機能をプラスしたSUVで、目的に合わせた最適なエネルギーの使い方を実現した車です。
家庭用の電源でも充電が可能で、6.4kWで充電すれば約2.5時間で満充電にでき、約61kmの走行が可能です。また、コネクターを通して1,500Wまで給電できる機能も搭載。水素燃料では、一回あたりの充填は3分程度で完了でき、一充填走行距離は約621kmを達成しています。
■いすゞ MU-X
《写真提供:response》《写真提供 いすゞ》 いすゞの新型SUV『MU-X』
いすゞがタイで製造し、グローバル展開している7人乗りSUV「いすゞ MU-X」。いすゞから、大幅改良した「MU-X」を2024年6月12日よりタイで販売を開始し、順次グローバル展開していることが発表されており、公式サイトの動画にも登場していたので出展は濃厚でしょう。
今回の改良では、エクステリアおよびインテリアのデザインが大幅に刷新され、さらなる進化を遂げているとのこと。出展されていれば、今回のベトナムモーターショー2024で、実際の改良ポイントを見ることができます。
押し出し感の強いフロントマスクと7人乗車できる大柄なボディがあいまって、SUVらしい力強さが全面的に出ています。販売されている海外でも人気とのことなので、ぜひ日本でも販売してほしいSUVです。
■三菱 エクスフォース
《写真提供:response》《photo by Mitsubishi Motors》 三菱 エクスフォース
三菱の新型コンパクトSUVとしてインドネシア国際モーターショー2023で世界初公開された「三菱 エクスフォース」。インドネシアで販売後、フィリピンなどのアセアン地域、南アジア、中南米、アフリカにも投入されており、ベトナムでは2024年3月から販売されています。
エクスフォースは、アセアン地域の新車を対象に安全性能を総合評価する「ASEAN NCAP」において、最高評価となる5つ星(ファイブスター)を2024年度に獲得するほど安全性に優れたSUVです。
ボディサイズは、全長4,390mm×全幅1,810mm×全高1,660mmと、生産終了したRVRとほぼ同サイズのコンパクトさは日本の道路事情にもマッチしそうなのですが、日本導入は現在のところ予定なしなのが残念です。
■スズキ XL7 ハイブリッド
《写真提供:response》《photo by Suzuki》 スズキ XL7ハイブリッド
スズキが日本国外で製造・販売している大型3列シートのSUV「スズキ XL7」が動画内に映っていましたが、これは2024年9月からベトナムで発売されている新モデルのハイブリッド車「スズキ XL7 ハイブリッド」だと思われます。
XL7 ハイブリッドは、スズキのSUVでは最大級のサイズで、全長4,450mm×全幅1,775mm×全高1,710mm、ホイールベース2,740mmとなっており、大人7人がゆったり座れる3列シートを装備しています。
注目のハイブリッドシステムは、1.5Lエンジンにモーター機能付き発電機(Integrated Starter Generator=ISG)、リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムとなっており、今回のイベントテーマにも沿う仕様です。
ベトナム国内で発売される「XL7 ハイブリッド」はインドネシア製で、販売価格は5億9990万VND(約350万円)からとなっています。
■トヨタ ランドクルーザー 250 ハイブリッド
《写真提供:response》 《photo by Toyota》 トヨタ・ランドクルーザー250(米国仕様)
日本では、ランドクルーザーのサブシリーズとして知られる「プラド」の後継車種にあたる「トヨタ ランドクルーザー 250」は、2024年4月に日本で発売されたクロスカントリーで、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのラインアップです。
しかし、アメリカでは2.4L 直列4気筒ターボチャージャー付ハイブリッド「i-FORCE MAX」搭載モデルの「ランドクルーザー 250 ハイブリッド」が存在し、このモデルが今回のベトナムモーターショー2024で出展されるのではないかと思われます。
ガソリン車の163psとディーゼル車の204psに対して、ランドクルーザー 250 ハイブリッドは326psという圧倒的なパワーがあり、一般道から悪路までパワフルに走行することが可能です。価格は、55,950ドル(約840万円)と国内で販売している最上位グレードよりも100万円以上高いですが、日本にも導入してほしいところです。
■スバル クロストレック ストロングハイブリッド
《写真提供:response》《写真提供 スバル》 ストロングハイブリッドを搭載する新型スバル クロストレック
日本国内では「XV」の名称でラインアップされていたが、2022年にリリースされた3代目から、全世界共通の名称に統一されたスバルのコンパクトクロスオーバーSUV「クロストレック」。このクロストレックに「本格」ハイブリッドシステムを搭載した「クロストレック ストロングハイブリッド」が出展されると思われます。
ストロングハイブリッドは、走りの楽しさと環境性能を高次元で両立させることを目指して開発された次世代の技術で、シリーズ・パラレル方式を採用し、状況に応じてエンジンとモーターを効率的に使い分けます。
SUBARU独自のシンメトリカルAWDの基本レイアウトを継承しつつ、新開発の2.5L 水平対向エンジンとトランスアクスルを搭載することで、優れた加速性能と走行安定性を実現しています。
クロストレック ストロングハイブリッドは、2024年12月に日本国内で販売することになっており、10月17日から国内のSUBARU販売店で先行予約が開始されています。
■GAC MOTOR M8
《写真提供:response》《photo by GAC Group》 GACグループ(広州汽車集団)の M8 新型
中国のGACグループ(広州汽車集団)からは、2024年5月26日にクウェートで販売が開始されたLLサイズミニバンの新型「M8」が出展されます。こちらは、GACグループの公式サイトにも記載されていたので、出展は間違いないです。
ルックスはレクサス LMに似た印象で、フロントグリルのデザインもスピンドルグリルに似ていますが、GACグループの公式サイトでは”目覚めたライオンをイメージした「ライオンのようなフロントフェイス」"と表現しています。
GACグループは、M8以外にも5ドアSUVの「GS8」も出展する予定です。
■シュコダ コディアック
《写真提供:response》《photo by Skoda》 シュコダ・コディアック
フォルクスワーゲングループでチェコの自動車メーカーからは、2024年にフルモデルチェンジしたシュコダのフラッグシップSUV「コディアック」の出展があると思われます。
ボディサイズは、日産 エクストレイルやマツダ CX-60などに近いサイズで、3列シートの7人乗りも選択可能です。エクステリアは、モダンソリッドデザインを採用し、SUVらしい力強さと重厚感があります。インテリアは、13インチに拡大されたタッチスクリーンを中心に、10インチのバーチャルコックピットなど、操作性と視認性が良くなっています。
ベトナムモーターショー2022の様子
こちらの動画は、ベトナムの車情報を発信している企業「otosaigon(オトサイゴン)」がYouTubeにアップしている動画になります。前回開催された「ベトナムモーターショー2022」の様子が約16分間にまとめられています。
動画では以下の順番で、自動車ブランドが紹介されています。
・フォルクスワーゲン
・スバル
・アウディ
・ジープ
・ボルボ
・メルセデス-ベンツ
・ホンダ
・トヨタ
・MG
・レクサス
・三菱
・ブラバス
これを見れば、ベトナムモーターショーの雰囲気や規模を感じることができるでしょう。
まとめ
《写真提供:response》《撮影 古庄速人》 一般公開日の様子
2022年以来の2年ぶりに開催されるベトナムモーターショー2024について、概要や出展車種について解説しました。日本では見ることのない車やバイクが数多く展示されるモーターショーなので、車好きやバイク好きなら、ベトナム観光と合わせて行ってみるのもいいでしょう。
ベトナムモーターショー2024についてよくある質問
《写真提供:response》《撮影 古庄速人》 一般公開日の様子
■ベトナムモーターショーは毎年開催されてますか?
ベトナムモーターショーは、毎年開催の自動車展示会イベントです。しかし、2020年と2021年は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2023年は自動車市場の需要低迷の影響により中止となりました。今回のベトナムモーターショーは、2022年以来2年ぶりの開催となります。
■ベトナムモーターショー2024の開催場所と期間は?
ベトナムモーターショー2024の会場は、ホーチミン市の7区にある「サイゴン・エキシビション&コンベンションセンター(SECC)」です。開催期間は、2024年10月23~2024年10月27日の5日間で行われます。開催時間は、9:00~21:00(10月23日のみ一般公開は16:30~21:00)と夜まで開催しています。