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トヨタのメガクルーザーってどんな車?魅力を紹介

トヨタのメガクルーザーってどんな車?魅力を紹介

トヨタの多目的自動車として、かつては自衛隊のために販売されていたメガクルーザー。今回はメガクルーザーの魅力だけでなく、燃費や性能部分、新車・中古価格の部分もご紹介していきます。(※2020年5月更新しました)

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


トヨタ メガクルーザーとは

自衛隊の高機動車(左)と軽装甲機動車

メガクルーザーの印象的な角ばった大型のボディは軍用車が由来であり、原型となった車両は「高機動車」という陸上自衛隊で使用されているものです。

高機動車はトヨタが開発し日野自動車が製造している多目的車両で、1993年から運用が開始されました。軍用車ならではの高い悪路走破性と耐久性、そして高い汎用性を持つ車両であり、兵員輸送を主な目的としつつ様々な使用目的に利用されています。

派生車種も数多く存在し、迫撃砲を牽引する「重迫牽引車」、 対空ミサイルを搭載した「93式近距離地対空誘導弾」、師団等通信システムを搭載した通信車などが現在も任務についています。

民間モデルの発売

トヨタ メガクルーザーJAF災害対策指揮車

高機動車の民間モデルが「メガクルーザー」という名称で1996年にトヨタから発売されました。主な用途は人命救助などの業務用途を想定されており、JAFや消防署、地方公共団体のために合計132台が製造されました。メガクルーザーは軍用車から生まれたタフな性能によって様々なところで活躍しました。

これまでに製造された台数の中には、ごく少数ながら一般ユーザーに購入された車両も存在します。無骨な格好良さを保つメガクルーザーのフォルムに魅了された人、車にオフロード性能を求めるアウトドア活動家、ミリタリーファンなど様々な人がメガクルーザーを購入しました。

そして、メガクルーザーは人々の人気を裏切らない高い性能を持っていたため、次第にカルトな人気を博するようになります。なお、新車価格は1,000万円近い値段がしていました。

生産の終了

メガクルーザーは1999年5月からマイナーチェンジによってエンジン性能をグレードアップした後、2001年に生産終了します。生産終了を惜しむユーザーの声は大変多く、現在でもメガクルーザーの購入を希望する人が見られるほどです。

総じて言えば、メガクルーザーはサイズが大きく燃費も良いとは言えず、日常的な使用にはあまり向かない車です。しかし、丹念に調整された足回りや快適な乗り心地、そして何より重厚かつかっこいい外見という強烈な魅力を持つ車です。燃費などの効率面で考えるなら、メガクルーザーよりも優れた車はいくつも挙げられるでしょう。

しかし、メガクルーザーはそうした実利を越えて「欲しい」と思わせる車です。だからこそ、生産終了から久しい今日でも中古車がまず出回っていないのでしょう。

トヨタ メガクルーザーの燃費・サイズ・スペック

生産中止から久しいため、メガクルーザーの燃費は正式にわかりかねますが、高機動車の燃費が8km/L(60km/h走行時)であるため、メガクルーザーの燃費も似通った数値であると予想できます。
高機動車の燃費は170PSの後期型エンジンの燃費であるため、メガクルーザーの前期型は多少燃費が良いかもしれません。

ハマーとの比較

ハマー H1

メガクルーザーは全長5,090mm、全幅2,170mm、全高2,075mmを誇る大型車です。

ゼネラルモータースが販売しているハマーは全長4,686mm、全幅2,197mm、全高1,956mm
であるため、比較するとその大きさがよくわかります。

ハマーはよくメガクルーザーと比較されますが、それはハマーも軍用車の民間用バリエーションだからです。ハマーは元々は米軍で使われているHMMWV(ハンヴィー)という車両で、こちらのサイズは全長 4,840mm、全幅2,160mm、全高1,870mmです。

メガクルーザーは軍用車両よりも大型の車体を持っているため、運転時のダイナミックな乗り味は他車種では味わえません。

国産車との比較

国産車とサイズを比較すると、定員8人乗りのアルファードでも全長は最大で4,950mmです。

これだけ車両サイズが大きいと取り回しがしにくそうですが、メガクルーザーは4WS(4 Wheel Steering=4輪操舵)というステアリング形式を採用しており、これは4輪あるタイヤが全てカーブする方向に曲がることを意味します。

4WSは同位相方式と逆位相方式の2つに分けられ、前者はハンドルを切ると後輪も前輪と同じ方向を向く方式、後者は後輪が前輪と逆を向く方式のことです。

メガクルーザーは逆位相方式を採用しており、この方式のメリットは回転半径を小さくし旋回をしやすくする点にあります。このためにメガクルーザーは巨体から予想できない小回りの良さを実現できており、狭い空間でも入っていくことができます。

スペック

トヨタ メガクルーザーの基本スペックは以下の通りです。

全長:5,090mm
全幅:2,170mm
全高:2,075mm
ホイールベース:3,395mm
車両重量:2,850kg
定員:6人
エンジン形式:15B-FT型(前期)、15B-FTE型(後期)
種類:直列4気筒
総排気量 :4.1L
最高出力: 155PS(前期)、170 PS/(後期)
最大トルク:39kgm(前期)、43 kgm(後期)
燃料タンク容量:108L
使用燃料:ディーゼル

駆動方式:フルタイム4WD
変速機:4速ATロックアップ機構付き
サスペンション:4輪ダブルウィッシュボーン/縦置きトーションバー

トヨタ メガクルーザー 販売当時の新車価格は?

当時のメガクルーザーの新車価格は962万円~980万円で販売されていました。

同じく軍用車の民間モデルであるハマーの新車価格が、775万円~956万円なのでオフロード車としては多少高めの価格設定です。もともと災害救助などの目的での使用を想定されていたため、一般ユーザーの手が届きにくい価格と言えます。

民生用は生産終了 自衛隊からの受注生産のみ

現在は民生品は生産終了となっているため、自衛隊など政府機関からの受注生産のみで新車販売は行われています。また、現在のところ、軍用モデルの民間への払い下げは行われていません。そのため、個人レベルでの新車の購入はまず不可能でしょう。

トヨタ メガクルーザー 中古車の価格は?

メガクルーザーは上記の背景があるため、中古車市場で出回っていることは非常に稀です。また、とても人気が高い車種なので、どこかに出回ることがあれば買い手がすぐに殺到します。とはいえ、メガクルーザーを手に入れる方法は全くないわけではありません。

作ってしまう

例を挙げると、メガクルーザーの原型である高機動車をスクラップから組み上げた人がいます。こうして作られた車は現在は埼玉県寄居町にあるサバイバルゲームフィールド「Rock254」に置かれており、レーサーの青木孝行選手が所有しています。

もともとこの高機動車は自衛隊から出たスクラップを一つ一つ組み上げて作ったもので、それを青木孝行選手が購入したものでした。もっとも、この高機動車はナンバーがついておらず、公道は走れません。しかし、同じ方法を使ってメガクルーザーのスクラップを集めていけば、走れなくても再生はできるかもしれません。

官公庁オークション

実際に路上を走行できるメガクルーザーの購入方法としては、官公庁オークションを利用するという手段があります。官公庁オークションとは、政府機関では不要になった備品や税金滞納者の差し押さえ品などを処分するために行われるオークションです。

2014年2月にこの官公庁オークションで、岐阜県からメガクルーザーが2台出品されたことがありました。

この時出品されたメガクルーザーには240件以上の入札申し込みが届き、落札されました。以降はメガクルーザーは官公庁オークションに現れてはいませんが、もしかしたらまた出品されることがあるかもしれません。

興味のある方は、ひんぱんに官公庁オークションサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。

海外の中古車サイト

ここまでが国内で発見できるメガクルーザー購入の可能性です。もしもあなたに財産と熱意があるなら、海外に足を伸ばせはさらに購入できる確率は高まります。

実は、メガクルーザーは海外にも輸出されており、海外の中古車サイトを見れば販売している所はそれなりに見受けられます。左ハンドルになっているなどの違いはありますが、それ以外は日本のメガクルーザーとの違いはありません。

「mega cruiser used car」などのワードで検索すれば、販売しているサイトにたどり着けるでしょう。なお、フィリピンで販売されているメガクルーザーの価格は150万フィリピンペソ(約312万円)~となっています。

海外で購入した車を日本に持ち帰るためには、輸送費用だけで100万円以上かかります。また、日本の道路交通法に適したものでなければ路上走行はできません。できれば、現地まで実際に足を運んで購入されることをおすすめします。

その他、フィリピンでは自衛隊で使用されていた高機動車が中古車として売られていたという情報も存在しています。辛抱強く探していけば、意外な出会いが待っているでしょう。

カスタムカーとしての評価も

さらに手を加え、メガクルーザーをキャンピングカーとしてさらに快適になるよう作り変えるユーザーもいました。具体的には、後部座席にボードとシート、カーペットを渡し、寝泊まりできるスペースとしています。

さらに、キャンピングカーとして快適さを高めるためにカーナビゲーションシステムやドリンクホルダー、100V電源、 USBポート、シガーソケットなどを追加しています。

キャンピングカーへの改造例はさすがに数が多くありませんが、その他小規模なカスタムはそれなりの数が見られます。多くのカスタムユーザーは外観や内装に手を加え、愛車がさらに見栄えがするように作り変えています。

外観面ではヘッドライトの交換やマフラーの追加ならびに塗装の変更、内装ではシートの内張をレザーに変更した作例があります。前述の通りアフターパーツがほとんど存在しないためパーツを自作するユーザーもいます。

また、生産終了からかなりの年月が経ち、生産台数が少ないにも関わらずカスタムを請け負っているカーショップも存在します。それだけの情熱をかける気になれるという点からも、メガクルーザーの底知れぬ魅力がうかがえそうです。

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まとめ

大変性能の高いメガクルーザーは今でも人気があり、生産中止を惜しむ声がいまだに上がるほどです。

買い手も多いため、出回っている車も極端に少なく、購入の機会に巡りあうことはあまり無いとは思いますが、運よくめぐってきた際にはSUV・クロカン好きの方には強くおすすめしたい車種でもあります。

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