アコード快適性能・車内空間
ホンダというメーカーが抱えるラインナップにおいて、北米や欧州を含めた世界市場において非情に重要な役割を果たしているアコード。これが2016年5月に大きな近未来化を遂げて帰ってきました。そこで、その快適性能及び車内空間にフォーカスを当ててみようと思います。
■特徴・概要
米国自動車専門誌の名物企画である2017年10ベストカーにて、アコードは米国に市場を持つ自動車の中で前人未踏の31回目の受賞を果たしました。米国において今までに12,500,000台以上を売り上げたという人気の高さを如実に表していると思われます。
ここ数世代においてアコードはいわゆるDセグメントに分類され、欧州受けを意識したパッケージングでしたが、今回のモデルチェンジによって、いかにもアメリカンライクなゆったりとした走行フィールを与えられる事となります。これは欧州の荒れた道ではなく、高速道路などをクルージングするにあたってその真価を発揮するでしょう。
■デザイン・ボディーカラー
アコードは青、銀、白、黒、赤のカラー5種が設定され、そのいずれも車格にふさわしい高級感が与えられました。
そして、アコードの快適さを象徴する工夫がバレルシェイプ型のボディです。これは、ボディの中央部を張り出させる事によってフロント車内空間の肩口の広さを確保すると同時に、前後をすぼませる事によって燃費空力効果を向上させるという相反する性能を同時に実現することに成功しています。
車内空間といえば、基本身長185cmを想定する事によって後部座席の足元の空間も大きくとっています。前席を一番後ろに下げたとしても多くの人は足元に窮屈感を感じる事は考えにくい快適性のレベルが実現されていると言ってよいでしょう。
■静粛性・シート
HYBRID EXにはソフトウィーブとレザー調素材である「プライムスムース」が奢られた専用スポーツコンビシートが設定され、高級感を演出すると共に長時間運転でも疲労感を軽減する工夫がされています。
また、パワートレインの制御改良によって効率化を実現するとともに、先代アコードの悩みの種であった原動機周辺の静粛性についても効果を上げており、これに加えてエンジンマウントの前後にダイナミックダンパーの追加、ボンネットインシュレーターの装備、フロントにフロアブレースバーを設置するなどといった十分な対策が施されています。
■荷台
エンジン小型化によって軽量化を実現するとともに、効率の見直しによって出力も向上し、アクセルの開度に従って力強くかつレスポンスのよい走りを実現しています。
また、ハイブリッドシステムのリチウムイオン電池の改良によって体積を33%減らし、トランクルームの容量や奥行きが大きく改善される事となりました。具体的にはどのくらいかというと、9インチのゴルフバックであれば丸々4個は収納できてしまうほどです。フラットなフロアやアンダーボックスの採用も相まって利便性についても文句なしと言えそうです。
アコード装備・安全性
北米市場で圧倒的人気を誇るホンダの世界戦略車であるアコード。2013年に一時的に生産が中止されたものの、近未来的な装いと新技術を引っ提げて華麗なる復活を遂げました。ここでは、アコードの装備・安全性にフォーカスしてその魅力を探っていきたいと思います。
■安全性能
「事故に遭わない社会を目指して」を合言葉に、アコードには事故回避のための最新技術がふんだんに盛り込まれています。
ホンダ車の一部に採用されるHonda sencingはアコードの安全技術の一番の見どころでしょう。対象の速度、位置、大きさ、形状を感知するミリ波レーダーと単眼カメラを搭載し、進行方向の状況や車両の状態を総合的に判断します。
このシステムを利用して、公道を走る上での危険を感知し、適切なタイミングでアクセル、ブレーキ、そしてステアリング操作に介入あるいはアラートを発する8つの機能が実現されました。これによって予防安全性は向上し、ドライバーが安心してドライブを行えるサポートがなされるという具合になっています。便利であると同時に近未来を感じさせる機能ですね。
■新・安全性能総合評価
どんなに注意を払っていても公道を走る以上は事故の可能性は0にはなりません。
アコードは新設計の衝突安全設計ボディを採用し、車体各部に上質な鋼板が奢られています。これとホンダの独自技術である「G-CON」によって衝突時の衝撃がコントロールされており、乗員はもちろん衝突する歩行者や相手車両の被害をも最小限に抑えるという工夫が凝らされています。このような安全性の追求を重ねていった結果が認められ、平成25年度の自動車アセスメントの「新・安全性能総合評価」において最高点である5つ星を獲得し、平成25年度JNCAPファイブスター賞を受賞しました。
高剛性・軽量の骨格の働きにより足回りのジオメトリー変化が最小限に抑えられる為、安全性への寄与はもちろん、乗り心地や安定性などにも非常に良い効果を生み出しています。
■バリエーション・価格
グレードは2つ用意されており、パワートレインは共通です。
価格は標準グレードのHYBRID LXで3,850,000円(税込)、エアロパーツや18インチアルミホイール等の専用装備、そしてスターター付きリモコンキー等が標準設定される上級グレードのHYBRID EXで4,100,000円(税込)という設定になっています。
燃費性能も若干異なっており、HYBRID LXで1Lあたり31.6km、HYBRID EXで1Lあたり30.0kmという数値です。いずれもエコカー減税対象車となっています。
ボディカラーはいずれのグレードともに青・銀・白・黒・赤の5色が用意されており、アッパーミドルセダンに相応しい高級感が与えられています。
アコード燃費・走行性能
ホンダの新世代ハイブリッド車「アコード」。
新世代のハイブリッドシステム「i-MMD」をはじめて採用した新型のハイブリッド車です。
高い燃費性能が売りの本車ですが、そのほかにも加速性能や走行性能、ドライバーのサポートにも特筆するべきものがあります。
■燃費性能
アコードは燃費性能に優れたクルマです。
その理由の一つに「SPORT HYBRID i-MMD」があります。これには「EVドライブモード」、「ハイブリッドドライブモード」、「エンジンドライブモード」という3つのモードがあり、適材適所で最適なモードを選択して走行します。これによりエネルギーロスを抑えた効率的な走りが可能です。
そしてもう一つ、ホンダがはじめて採用した「廃熱回収ヒーティングシステム」も燃費性能の向上に大きく貢献しています。これは、たとえば冬場のエンジンの暖気のような、燃費の大きなロスを改善するための取り組みとして開発されました。
■走行性能
アコードは当然、走行性能も優れています。
アコードに採用されたモーターは、ホンダのV6 3.0L車の最大トルクに匹敵するトルクを生み出すことが可能です。しかもこのモーターは回転を開始した瞬間に最大トルクを発生させ、その加速はまさに0.001秒単位の瞬発力となっています。
ダンパーには振幅感応型ダンパーが搭載され、クルマの動きが大きな時も小さな時も高次元で車両を安定化させることを実現しています。
サブフレームにはオールアルミフロントサブフレームが使われており、これはホンダの独自技術によって生まれた方法で製造され、軽量かつ高剛性に仕上がっています。
■運転支援
アコードはドライバーに対するサポートも怠らないクルマです。
搭載されている減速セレクターは、ステアリングを握ったままの状態で操作が可能なセレクターとなっています。これはアクセルをオフにした時の減速具合を4段階にチェンジが可能で、前に走っているクルマとの車間距離をあけたい時や、旋回したい時などの場面で活躍するでしょう。
ほかにも電動パワーステアリングによる正確性の高いハンドリングの安心感や、コントロール性にくわえ燃費性能も向上した電動サーボブレーキシステムがドライバーを大いに手助けしてくれます。
■試乗記
アコードが採用しているハイブリッドシステム「THS Ⅱ」は、常にエンジンやモーターを効率よく活用するように設定されており、高い燃費性能を発揮するように設計されています。
乗り心地の良さは文句のつけようがなく、アクセルを踏み込んだ時の反応の良さや、高い瞬発力で静かに、そしてスムーズに加速していくさまは快適そのものです。アコードに採用されている遮音機能のガラスとアクティブサウンドコントロールの働きで、車内には落ち着いた大人の空間が醸し出されるそうです。