スズキ ワゴンR 新型
新型ワゴンR、新型ワゴンRスティングレーは、広くなった室内空間と軽ワゴンならではの使い勝手の良さをさらに向上させながら、機能性とデザイン性を両立させた機能美を表現。
幅広い世代のライフスタイルと、さまざまな価値観に対応する個性的な3つの外観デザインを採用しています。
パワートレインには、発進時にモーターのみで走行できるマイルドハイブリッドを搭載。軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用により、軽ワゴンNo.1の低燃費33.4km/リットルを達成しました。
■ワゴンR、気になる安全面は?
安全装備では、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーで前方の歩行者や車を検知して衝突の被害を軽減するシステム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」や、周囲の状況に合わせて自動でハイビームとロービームを切り替えるハイビームアシスト機能を導入しました。
また、運転席前方のダッシュボードに車速やデュアルセンサーブレーキサポートの警告などを表示する「ヘッドアップディスプレイ」を、軽自動車で初めて採用。先進の安全装備を充実させました。
さらに、荷室開口幅を拡大して大きな荷物も入れやすくなったラゲッジルームや、後席ドア両側の内側にアンブレラホルダーを設置するなど、利便性を向上させています。
実際にワゴンR スティングレーに試乗した感想は
6代目となる新型『ワゴンR』は新たにマイルドハイブリッドを採用するとともに、3種類の顔を持つのが特徴だ。
顔は新定番スタイルのベーシックな「FA」(非マイルドハイブリッド)、「FX」、スタイリッシュ系の「FZ」、そしてもちろんカスタム系の「スティングレー」が用意される。
ここで試乗したのは最上級グレードとなる「スティングレー ハイブリッドT」。すなわちターボモデルである。
まず紹介したいのはマイルドハイブリッドについて。その核となるのがISG(モーター機能付き発電機)で、モーター出力は先代S-エネチャージの2.2ps、3.1kg-mから3.1ps、5.1kg-mへと微小ながら向上。しかしリチウムイオンバッテリーの容量は3Aから10Aに増強されているのがポイント。
発進から約100km/hまでの領域で最長30秒のエンジンアシスト、アイドリンクストップ時間は先代と変わらないものの、その頻度がUP。そして新型ワゴンRの大きなハイライトと言えるのが時速約13km/h以下で、モーターの力によって1回最長約10秒間のクリープ走行が行える点。
エンジンアシストと聞くと、加速力がプラスされる印象があるけれど、ISGの主目的はあくまで燃費の向上にあり、結果、NAで33.4km/リットル、ターボでも28.4km/リットルというハイトワゴン系最良の燃費性能を実現したのである。
また、ホイールベースの延長によってクラス最大の室内長を持つため、後席の乗降性、ひざ回り空間のゆとりもクラスベスト。例えばライバルの『Nワゴン』、『ekワゴン』にはない後席5:5分割スライド機構で後席とラゲッジのアレンジも自在。スマホ対応ナビ、リヤドアに設けられた傘立てなど、使い勝手、実用性も群を抜く
ステアリングは適度な重さで扱いやすく、フリクションのないリニアな操舵感覚が好ましい。乗り心地は14インチタイヤを履く標準系よりやや硬めにはなるが、新プラットフォーム=ハーテクトの足回りを含む剛性感の高さから、サスペンションがよく動き、段差などを乗り越えたときの入力、振動を一発でいなす、角の丸められたフラットで快適なタッチを示してくれる。
ターボエンジンは2000回転あたりから豊かなトルクが出て、高回転までスムーズに回りきる。高回転域のサウンドもなかなかだ。ただし、先代に対してCVTの最終減速比を燃費重視方向に変更(先代4.572→新型4.064)したため、1000回転台のトルクが細めに感じられ、40km/h程度で走っていると、MTで高いギアのまま速度を落としたときのようにギクシャクすることがあり、再加速するためアクセルを踏んでもレスポンスを受け付けず、ステアリングにビリビリした振動が伝わってくることがあった。
言い方を変えれば、CVTは先代以上にエンジンを低い回転域で走らせるように設定されているわけだ。燃費をとるか、走りやすさをとるかのせめぎ合いだが、再加速に関してはアクセルをゆっくり踏むことで解決する。
新型ワゴンRはホイールベースの延長による後席居住空間のゆとり、シートアレンジ性の良さ、静粛性の高さ(犬は聴覚に優れている)もあって、ハイトワゴンの中でもドッグフレンドリー度は極めて高い部類だ。比較的フラットな座面を持つ後席はもちろん、5:5分割の後席を片側、または両側を倒し、拡大したラゲッジフロアに加え、広々とした後席足元にもクッションなどを敷けば乗車させられる。
エコクール機能でアイドリンクストップ中も一定時間エアコンから冷風が出てくるから、夏場、暑がりの犬も快適にドライブを楽しめるというわけだ。