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タイヤの偏平率によるメリット・デメリットは?計算方法も紹介

タイヤの偏平率によるメリット・デメリットは?計算方法も紹介

自動車の動きを地面に伝えてくれるタイヤは非常に重要な存在ですが、愛車のタイヤのサイズを把握しているという方は意外と少ないかもしれませんね。どこか暗号のようなわかりにくさがあるタイヤサイズの中でも、乗り心地や操縦性に直結する隠れた注目ポイントが「偏平率」です。偏平率が変化するとどんな影響があるのか? どうやって計算するのか? 詳しくご紹介していきます。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


謎多きタイヤサイズ… 「偏平率」ってどういうことなの?

スズキ アルト

お乗りの車のタイヤサイズを今すぐ暗唱できるという方は、相当なカーマニアと言えるでしょう。タイヤサイズは、数字とアルファベットの羅列で、読み取り方を知らないとまるで暗号のような難解さがありますよね。

そんなタイヤサイズが示す数値の中でも、単位が%となるなど分かりにくさが際立つのが「偏平率」です。

偏平率が高い・低いといった表現がされ、横から見た際のタイヤの厚みのことを示しているらしいということはご存知の方でも、実際にどういう計算によって導き出されるのか、大まかな数値の相場はどれくらいなのかといった詳しいことは分かりにくいところです。

タイヤサイズの謎である偏平率について、ご紹介していきます。

まずはタイヤサイズの読み取り方をサクッと復習!

タイヤサイズ 表記例

自動車用のタイヤサイズの表記は、「185/55R16 83V」のようにISOによる表記方法が利用される場合がほとんどです。

例に挙げたタイヤサイズでは、最初の3ケタの数字がタイヤの断面幅が185mmであることを示し、続く2ケタの数字が偏平率が55%であることを示し、Rがラジアルタイヤであることを示し、2ケタの数字がリム径が16インチであることを示しています。

タイヤサイズとしてよく気にされるのは断面幅とリム径のどちらかではありますが、タイヤの見た目だけでなく、性格まで左右する偏平率も注目に値する項目です。

タイヤの偏平率の求め方はこの計算!

偏平率って結局どういうこと?

トヨタ GRスープラ(海外仕様車)

偏平率とは、タイヤの断面幅に対する断面高さの比率を表した数値で、偏平率が高いと幅に対してタイヤの厚みが比較的大きいことを示し、偏平率が低いと幅に対してタイヤの厚みが比較的小さいことを示します。

タイヤを横から見た際に、偏平率の高いタイヤではタイヤの側面部の厚さが分厚くなっているのに対し、偏平率の低いタイヤでは薄くなっているということです。

近年では低偏平率のタイヤが幅広い車種で新車装着されており、車を横から見た際にタイヤが低偏平率で薄いと、スポーティさとともに一気に現代風の印象を与えます。

偏平率を求める計算式はコレ!

《画像提供:Response 》ブリヂストン ALENZA LX100

タイヤの断面幅に対する断面高さの比率ということで、計算式はシンプルなもの。次のような計算で求めることができます。

偏平率(%)=タイヤの断面高さ÷タイヤの断面幅×100

これによって求められた偏平率は、%で表記するほか、同じ偏平率のタイヤをまとめて〇〇シリーズと呼んだりすることもあります。

偏平率の違いはどんな影響があるの?メリットデメリットまとめ

偏平率がどういう意味なのか、そしてどういう計算で求められるのかが分かったところで、偏平率の違いがドライバーや車にもたらす影響を見ていきましょう。

偏平率が高くても低くても、さまざまなメリットとデメリットがあるので、理想のタイヤに求める性格の違いによって、目指す方向が変わってきます。

偏平率が高い(分厚い)タイヤのメリット・デメリット

《画像提供:Response 》スズキ ジムニーに装着されたBFグッドリッチ オールテレーンT/A

偏平率が高い=横から見たときに分厚いタイヤは、見た目にも分かりやすいようにクッション性能に優れます。タイヤが衝撃を吸収する際に大事なサイドウォール部の高さがしっかりある上、タイヤ内部の空気圧を比較的低めに設定することができるので、路面の不整をうまく吸収してくれて、スムーズな乗り心地となるのが特徴です。

また、偏平率が高いタイヤは接地幅が狭くなり、転がり抵抗が減ることで燃費性能も向上が見込めます。

その上、同等のサイズで比べると、偏平率が高いタイヤの方が販売価格が安めに設定されていることがほとんどです。作業難易度も偏平率が高いタイヤの方が低いとされるので、タイヤ交換時の金銭的負担が全体的に抑えられるでしょう。

しかし、その優れたクッション性能の分、ドライバーの操作に対するレスポンスでは一呼吸おくような印象を受ける場合もあるのがデメリットといえるでしょう。特に高速走行時にはタイヤ自体の変形も相まって、やや安定感に欠けると感じる方もいます。

スポーティでキビキビとした走りよりも、ゆったりとスムーズな走りを楽しみたい方にはぴったりなのが偏平率の高いタイヤでしょう。

新車で標準装着されている車種を見ても、実用的なハッチバック車や快適性重視のセダンタイプなどでは、偏平率が高いタイヤを装着している場合が多いようです。

偏平率が低い(薄い)タイヤのメリット・デメリット

《画像提供:Response 》日産 キックスに装着されたブリヂストン ポテンザ RE11

反対に偏平率が低い=横から見たときに薄いタイヤは、クッション性能の面では劣る点がデメリットです。サイドウォール部の高さがあまりなく、さらに空気圧を高めに設定される場合も多いので、よりダイレクトに路面のゴツゴツを伝えてくるような印象を受けやすいです。

しかしそのダイレクトさは、キビキビと走りたいときにはかなり大きなメリットでもあります。特にタイヤに負荷のかかる高速走行時やコーナリング中でもタイヤがしっかりと剛性感があるので、安定した走行が可能です。

コーナリング時だけでなく、加減速性能にも偏平率の低いタイヤは効果を発揮します。タイヤが変形しにくくなるのでレスポンスに優れ、ドライバーの意図通りの動きを実現しやすくなる点はメリットですよね。

また、見た目の評価は人それぞれ違う部分ではありますが、偏平率が低いタイヤはシャープで近代的な印象を与えます。主にスポーティな性格づけの車が低偏平タイヤを装着することが多いこともあって、一気にスポーティな印象を足元に与えることができます。

さらに、タイヤ外径は純正そのままで、偏平率の低いタイヤとリム径を拡大したホイールを装着する「インチアップ」をした際には、より高性能な大径ブレーキが装着できるようになるといった本格的なスポーツ走行時のメリットもあります。

見逃したくないポイントとしては、接地幅が広くなり、転がり抵抗が増えることで燃費性能の悪化も懸念されます。パフォーマンス向上と環境性能向上、どちらを目指すのかによっても理想の偏平率は変わってきます。

あなたにぴったりなのはどっち?

マツダ MX-30

結局偏平率は高い低いのどちらがいいのかというと、愛車に求める性格によって変わってくるというのが結論です。

乗り心地や快適性が最優先、サーキット走行なんてしないし高速道路もゆったり走れればいい、という方なら、偏平率が高めの分厚いタイヤがぴったりでしょう。

キビキビとレスポンスに優れた車でドライブを楽しみたい、カーブでもグラッとこない安定感が欲しい、という方なら、偏平率が低めの薄いタイヤがおすすめです。

新車装着時のタイヤサイズは、無闇に変更してしまうと思わぬ不具合を呼ぶ可能性もあるものの、タイヤ外径なホイールのクリアランスなどに気を遣えば変更することは可能。お乗りの車の動力性能が、理想とはちょっと違うんだよな… とお思いの方なら、タイヤサイズを見直してみることでも改善が見込める可能性もあります。

タイヤの銘柄によっても性格は変わりますが、偏平率の違いも意外とはっきりと差が現れて面白いもの。愛車をより完璧に仕上げるために、タイヤの偏平率にまでこだわってみるのもよいでしょう。

コスパ重視なら、タイヤの「インチダウン」もおすすめ

自動車整備作業 イメージ

近年新車装着が広まっている低偏平率のタイヤは、タイヤ本体の販売価格も比較的高く、組み付け時の難易度も上がるなど、タイヤに関わる全体的な高コストさが悩みどころです。

高級SUVなどで見られるようになっている22インチタイヤなどでは、1本あたりで10万円近い価格となるものもあり、タイヤは4本セットで交換が基本なので一気に数十万円が飛んでいってしまうことになります。

ブレーキや足回り部品と干渉しないかには注意が必要ですが、タイヤ外径をそのままに、よりリム径の小さなタイヤとホイールに組み替える「インチダウン」は、タイヤ代のコストダウンに直結することもあり、実施例が増えてきているような印象もあります。

偏平率が高めのタイヤは比較的安値に設定されていることが多いので、タイヤ代の節約になるほか、低偏平タイヤよりも乗り心地も向上することが見込めるというメリットもあります。

サマータイヤは純正サイズを維持しつつ、冬用のスタッドレスタイヤはインチダウンしたサイズのものを利用するという例も広く見られますので、検討してみるとよいでしょう。

まとめ

《画像提供:Response 》レゴで製作されたブガッティ シロンの実物大モデル

タイヤの偏平率についてご紹介してきました。あなたの愛車にぴったりなのは、偏平率が高いタイヤなのか、低いタイヤなのか、判断がついたのではないでしょうか。

現状に不満がないのなら、メーカーが設定したベストバランスであるはずの純正サイズをそのまま利用することに全く問題はありません。しかし、こだわり派の方なら、次のタイヤ交換時には偏平率にもこだわってみるとよりカーライフが充実するかもしれませんよ。

よくある質問

タイヤの偏平率ってどこを見れば分かるの?

タイヤのサイズは、タイヤ側面のサイドウォール部に表示されています。そのうち、タイヤ幅とタイヤ構造の間に挟まれた数値が、そのタイヤの偏平率を示しています。

偏平率が高い・低いとタイヤの分厚い・薄いはどう関係するの?

偏平率は、タイヤの幅に対する分厚さの比率を表す数値なので、偏平率が高いタイヤはサイドウォール部の厚みが分厚く、反対に低いタイヤは薄くなります。

純正サイズは高過ぎる!安上がりにする方法はないの?

低偏平の薄いタイヤは総じて価格設定が高めになってしまうので、ホイールサイズを下げつつタイヤ直径は維持するインチダウンをすると、タイヤ代が安くなる場合が多いようです。その場合偏平率も高くなるので、乗り心地などの改善も見込める場合もあります。

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