黄砂とは?どこからやってくる?
黄砂とは?どこからやってくる?
春になると、日本各地で黄砂が話題になります。黄砂とは、中国大陸の砂漠地帯から風に乗って運ばれてくる砂やほこりのことをいいます。黄砂は主に春から初夏にあたる3月から5月にかけてに見られ、日本だけでなく、朝鮮半島やその他の東アジアの地域にも影響を及ぼします。
車を保有している方にとって、黄砂は特に注意が必要です。黄砂が車に付着すると、見た目にも悪影響ですし、場合によっては車の塗装面を傷めることもあります。特に、車に付着したまま放置してしまうと、簡単には落ちず、洗車の際に塗装面に微細な傷をつけてしまうことも。
黄砂が車に与えるダメージを理解し、適切な洗車方法を覚えておきましょう。
黄砂が車に与えるダメージとは?
黄砂が車に与えるダメージとは?
■車体への細かい傷
黄砂が車体にもたらすダメージの一つに、塗装面への細かな傷があります。
黄砂は、その成分に石英や長石などの硬い石が含まれており、これらが車体に付着して車体の塗装面を擦ってしまうのがその原因です。
黄砂の粒子は非常に細かいため、風に乗って広範囲に散らばって車体のあらゆる場所に付着し、その結果、車体全体に細かい擦り傷ができてしまう場合があるのです。
■雨に当たるとシミが残る
黄砂が車体に付着した状態で雨に降られると、その黄砂が固まってしまい、車体にシミをつくる原因になります。
黄砂の成分は石英や長石のほか、PM2.5を始めとする有害な化学物質、カルシウム分、ミネラル分、粘性のある花粉などです。これらが雨と結びつき車の塗装面に付着するとシミが発生し、炎天下の熱でさらにシミが広がり、塗装面を侵食してしまいます。
しかも、雨で一度固まってしまった黄砂は、わずかな風や振動では簡単には落ちません。放置してしまうと、さらにシミが拡大する原因にもなりますので、注意が必要です。
【黄砂の洗車方法】洗車で注意するポイントと洗車のタイミング
【黄砂の洗車方法】洗車で注意するポイントと洗車のタイミング
■ボディを直接触らず、最初に水で洗い流す
黄砂が車体に付着しているときの洗車において、はじめの段階でボディを直接触るのは傷の原因になるので厳禁です。
スポンジや洗車ブラシを使う本洗いの前に、まずは水洗いで黄砂を流し落としましょう。ホースの水流だけで黄砂を浮き上がらせて落とし、その後でソフトなスポンジなどを使用するのがよいでしょう。
■洗車機での洗車は傷がつくので控える
洗車機は短時間で車を洗える便利な手段ですが、黄砂時期の洗車では避けましょう。なぜなら、洗車機のブラシが黄砂によって微細な傷を塗装面につけてしまう可能性があるからです。
黄砂は硬く、鋭利な形状をしているため、洗車機の強力なブラシで強く擦られ、傷が深くなる場合も。加えて、洗車機では傷になった部分だけを特別にケアできませんし、完全に黄砂を取り除くことも困難です。
そのため、ガソリンスタンドなどで予約できる手洗い洗車コースを利用するか、自宅や近くのコイン洗車場などを利用してご自身での手洗いをおすすめします。
■風の強い日に洗車しない
黄砂は非常に粒子が細かく、風によって舞い上がりやすいのが特徴です。そのため、風の強い日に洗車を行うと、洗車中に空中に舞っている黄砂が車体に付着したり、洗い落とした直後に黄砂がまた車体に付着してしたりすることも。
このような理由から、洗車をする日は黄砂の飛散が少ない、風のない日がおすすめです。また、風が強い日は可能な限り屋内で車を保管したり、車体カバーを利用したりなど、黄砂の飛散による影響を最小限に抑えることもポイントです。
黄砂時期の洗車のタイミングは、週1回が目安です。 雨が降った後は特に、黄砂が固まってしまう前に早めの洗車を行いましょう。
黄砂対策におすすめの洗車アイテム
■中性タイプのカーシャンプー
カーシャンプーには「弱酸性」「中性」「弱アルカリ性」の3種類があり、それぞれ汚れの種類や車の状態に適した洗浄力を発揮します。黄砂によるダメージを最小限に抑えるためには、ボディに優しく洗浄できる良好な泡立ちのシャンプーの使用がおすすめです。
特に中性タイプのカーシャンプーは、コーティングが施された車にも安全に使用できるのと、取り扱いも簡単で初心者でも安心して利用できるのが特徴です。
■高圧洗浄機
黄砂時期の洗車の予洗いには、水圧の力を利用した高圧洗浄機が有効です。
高圧洗浄機は、均一な水流によってムラなく短時間で汚れを落とせます。その結果、車のボディに付着した黄砂はもちろん、軽い汚れから頑固な汚れまで、短時間でしっかりと洗浄することができます。
また、高圧洗浄機のもう一つメリットが、水の節約になること。水道ホースを使用する場合と比較して、高圧洗浄機を使用した際の水量は、1/3から1/4程度と大変経済的です。
■やわらかい素材のスポンジ
黄砂による汚れは、固定された粒子が車体を傷つけることがあるため、車体に対する摩擦を大幅に軽減できる柔らかい素材のスポンジがおすすめです。
スポンジの表面が柔らかいため、細かなスペースにも入り込み、細部まで洗浄できるのもポイントです。
■拭き上げタオル
黄砂によるダメージを防ぐため、洗車後は吸水性の良いタオルを使用して、しっかりと乾燥させましょう。
黄砂での車のダメージを予防する方法は?
黄砂での車のダメージを予防する方法は?
通常の洗車以上に気を付けなければいけない黄砂時期の洗車。黄砂の付着を予防したいと思う方も多いのでは?ここからは傷の原因になる黄砂の付着を、未然に防ぐ方法を紹介します。
■カーコーティング
カーコーティングは、黄砂から車を守るための効果的な方法の一つです。車の塗装面に施す特殊な保護膜によって、黄砂をはじめ各種汚れや傷から車を守ります。
近年ではカーコーティング対応の店舗も増えており、カーディーラーやガソリンスタンドでも手軽に依頼できます。コーティングの料金は2万円から10万円程度が一般的で、コストを抑えたい方でも比較的手が出しやすい価格帯です。
■プロテクションフィルム
プロテクションフィルムは、特殊な保護フィルムを車体に覆うことで塗装面やガラス面を強力に保護する施術です。
カーコーティングに比べて被膜がより厚く保護性能が高いため、飛び石やスクラッチ傷などから車の塗装面を強固に保護することが可能です。
さらに、飛び石や擦り傷でフィルム自体が損傷を受けた場合でも、剥がして新しいものに張り替えられることもプロテクションフィルムの特長で、長期間にわたり車を保護するための有効な手段です。
ただし、車体全体を覆うように施工する場合の費用相場が100~150万円、フロント部分だけの施工でも20~40万円ほど。高額なので、見積もりを取って施工を検討するのがおすすめです。
■カーワックス
洗車後のワックスコーティングで、黄砂をはじめ花粉などの付着を防ぐことができます。カーワックスを使用すると、頻繁に水洗いをする必要がなくなるので、乾拭き程度の簡単なケアで車をきれいに保つことが可能です。
ただし、カーワックスの主成分が油であるため、太陽光の熱により溶けやすく、時間と共に剥がれてしまう性質があるため、保護効果は約2週間程度と比較的短期間で持続性には限りがあります。
安価で黄砂の付着を防げるカーワックスですが、使用する際には面倒でも定期的に塗り替えるようにしましょう。
車についた黄砂は放置せず、週1を目安にこまめな洗車を
車についた黄砂は放置せず、週1を目安にこまめな洗車を
黄砂の時期にあわせて、黄砂の時期の洗車で注意すべき点とおすすめのアイテムや施術について解説しました。
黄砂が車体に付着した状態で雨に降られると、その黄砂が固まってしまい、車体にシミをつくる原因になります。3~5月の黄砂が飛散する時期から6月の梅雨の時期にかけては、汚れを放置せず、こまめに洗車を行うことが、車をきれいな状態に維持する秘訣です。
また、カーコーティング、プロテクションフィルムをはじめとした、黄砂の付着を未然に防ぐ施術方法もぜひ検討してみてください。