バンコク国際モーターショーとは?
《写真提供:response》《photo by Nissan》 日産自動車(バンコクモーターショー2020)
「バンコク国際モーターショー」は、タイの首都バンコクの北西郊外にある国際展示場インパクトで開かれる、東南アジア最大規模の国際モーターショーです。2024年で45回目の開催を迎える、歴史あるモーターショーでもあり、1954年に始まった東京モーターショー(現 JAPAN MOBILITY SHOW)が今年、通算49回目だったことを考えると、その歴史の深さがわかりやすいでしょう。
タイは、ASEAN第2位の経済規模を持ち、東南アジア最大の自動車生産量を誇ることから、「アジアのデトロイト」とも呼ばれています。古くから日本の自動車メーカーとの深い繋がりで知られていますが、最近は中国系の自動車メーカーによる本格進出が続いています。
こうした自動車産業が盛んなタイのバンコクで開かれるモーターショーですから、大いに盛り上がることは想像にたやすいでしょう。
実際、昨年の「第44回バンコク国際モーターショー(BIMS)」では、約162万人が来場し、40を超えるブランドの自動車やバイクが展示されました。これは昨年の「JAPAN MOBILITY SHOW」の入場者数(約111万人)をはるかに上回る数字です。
「バンコク国際モーターショー」の特徴をひとつ上げるとすれば、新車即売会という側面を持っている点です。日本をはじめ多くの国のモーターショーでは、自動車は展示されるのみで購入はできません。
しかし、「バンコク国際モーターショー」では会場内で実際に新車の販売が行われます。会場限定の低金利キャンペーンが実施されることも多く、ただ新しい車を見に行くだけでなく、購入するために訪れる人も少なくありません。
バンコク国際モーターショー2024の開催概要
《写真提供:response》バンコク国際モーターショーの会場となっている「インパクトアリーナ」。開催初日のVIPデーは雨となった
開催展名
BANGKOK INTERNATIONAL MOTOR SHOW 45th
開催日時
2024年3月27日(水)~4月7日(日)
・平日 12:00~22:00
・土日祝 11:00~22:00
※VIPデー:2024年3月25日(月) 12:00~20:00
※プレスデー:2024年3月25日(火) 9:59~18:00
会場
インパクトアリーナ(IMPACT Exhibition & Convention Center)
住所
IMPACT Exhibition Center Building Popular Rd, Banmai Amphoe Pak Kret, Nonthaburi 11120, Thailand
アクセス方法・駐車場
会場のインパクトアリーナは、バンコク中心街から約20kmのところに位置しており、高速道路経由で約30分です。また、スワンナプーム国際空港から高速道路経由で約45分、ドンムアン国際空港からは約15分となっています。
ただし、バンコク市内は交通渋滞が多いことで知られており、時間帯によっては2倍ほどの時間がかかることも。時間に余裕を持ってアクセスした方がよさそうです。
公共交通を利用する場合、BTS(スカイトレイン)モーチット駅からタクシーなどで約20~30分、メーター料金目安は150~180バーツ程度です。ライブやイベント開催時には、臨時の乗り合いシャトルバスが運行されることもあります。
■会場駐車場
【屋内駐車場】
・チャレンジャーホールの屋内駐車場1
・インパクトフォーラムホール4の屋内駐車場2
・屋内駐車場3
・コスモバザール
・Bee HIVE ライフスタイル モール
【屋外駐車場】
・P4(ホール11~12の裏)
・P5(ホール7~8の裏)
・ポータル棟
・アクティブスクエア
・インパクト・レイクサイド
主催者
Grand Prix International Public Company Limited
出展対象品目
自動車・バイク・パーツなど
■チケット購入方法
チケットはオンラインから購入できます。主催者が用意しているアプリもありますが、簡単なのはLINEアプリを使ってQRコードを読み取る形式です。支払いはクレジットカード、銀行決済、電子決済(LINE payなど)が可能。購入が完了すると、QRコードのイーチケットが届きます。
■前売り券(2024年2月19日~3月26日の期間)
60バーツ
■銀行プロモーション
60バーツ
■当日券
チケット料金:各100バーツ
※10歳以下、身長120cm以下の方は無料
※学生無料。入り口でスタッフに学生証を提示してください
バンコク国際モーターショー2024を楽しむポイント
《写真提供:response》《撮影 三浦和也》 バンコクモーターショー2017
前述のとおり、バンコク国際モーターショーは展示だけでなく、自動車やバイクをその場で購入できる、「新車の展示販売」的な側面を持っています。実際に買えるとなると、厳しい目で車を見ることになりますから、「その場で即購入できる」という選択肢は、このモーターショーを楽しむうえで何よりのポイントでしょう。
もうひとつの特徴は、遅い時間まで開催されている点です。「バンコク国際モーターショー2024」は、終了時間がなんと22時!多くのビジネスパーソンが来場できるよう、仕事が終わってからでも駆けつけられる時間設定になっています。
もし日本からタイを訪れて「バンコク国際モーターショー2024」に参加するなら、バンコク市内をゆっくり観光してからでも、十分モーターショーを堪能できる余裕があります。この開催時間のメリットを最大限活かすのも、楽しみ方のひとつかもしれません。
バンコク国際モーターショー2023で注目された車種
■トヨタ LPG HEV TAXI CONCEPT
トヨタ自動車は「バンコク国際モーターショー2023」において、「トヨタ LPG HEV TAXI CONCEPT」を出展しました。カラーリングはタイでよく見かけるイエローとグリーンのツートーンカラーですが、車両はまさに日本でお馴染みの「JPNタクシー」そのもの。
現在、バンコク市内で使われているタクシーのほとんどが「トヨタ カローラ」で、燃料には液化石油ガス(LPG)が使われていますが、「LPG HEV TAXI CONCEPT」はこれをHEVにすることで、より環境に優しいものとするコンセプトです。
《写真提供:response》《写真撮影 諸星陽一》 タイでよく見かけるカラーリングにラッピングされたJPNタクシー
■GWM TANK 500ハイブリッドSUV
《写真提供:response》《写真撮影 会田肇》 GWMが海外展開の足がかりとしてタイで発売する本格的なオフロードSUV、TANK『500ハイブリッドSUV』
中国の自動車メーカーであるグレート・ウォール・モーター(GWM/長城汽車)は、「バンコク国際モーターショー2023」において、「GWM TANK 500ハイブリッドSUV」を公開し、同時に先行受注を開始しました。
「TANK 500ハイブリッドSUV」は、GWMのハイエンドオフロードブランドである「TANK」から出される第2弾の車両で、迫力あるボディサイズを持つSUV。パワーユニットは2.0L ターボチャージャー付きガソリンエンジンで、電気モーターとの組み合わせで最大350馬力、トルクは616N・mを発生させます。
■MG Maxus9
《写真提供:response》7人乗りの100%電気自動車『MAXUS 9』。全量が中国より輸入される
中国の上海汽車グループのMGセールスは、「バンコク国際モーターショー2023」のプレスカンファレンスにおいて、「MG MAXUS9」を発表しました。もともとは上海汽車グループ傘下の「MAXUS」ブランドから出ている車両ですが、タイ国内での販売はMGセールスが担当しています。
7人乗り100%電気自動車の「MAXUS9」は、全長5,270mm×全幅2,000mm×全高1,840mmの大型ミニバンでMAXUSブランド最大の大きさを誇ります。タイでも大人気の「トヨタ アルファード」と比較すると、全高以外はすべてのサイズで上回り、その広々とした室内空間を強みにしています。
■BYD ドルフィン
《写真提供:response》《写真撮影 会田肇》 価格は驚きの79万9000(日本円換算:約306万円)バーツから。
BYD REVERタイランドは、「バンコク国際モーターショー2023」のプレスカンファレンスにおいて、右ハンドル車の「BYD ドルフィン」を発表しました。ご存じのとおり、タイの交通ルールは日本と同じく左側通行、そして車は右ハンドルです。
発表されたベーシックなスタンダードレンジは、BYDが得意としているブレードバッテリーを搭載し、バッテリー容量が44.9kwh、航続距離は最大410km。最大60kWのDC急速充電に対応するモデルとなっています。
■三菱 XRT CONCEPT
《写真提供:response》《写真撮影 会田肇》 BIMS 2023で発表になった三菱 XRT Concept
三菱自動車は「バンコク国際モーターショー2023」のプレスカンファレンスにおいて、ピックアップのコンセプトモデル「三菱 XRT CONCEPT」を発表しました。2023年度にフルモデルチェンジを予定している三菱自動車のピックアップトラック「トライトン」の次期モデルコンセプトとなります。
「三菱 XRT CONCEPT」は、フロントにダイナミックシールドデザインを採用し、迫力ある攻めたデザインといえるでしょう。2024年現在、1トンピックアップトラック「三菱 トライトン」として、すでに日本に導入されています。
バンコク国際モーターショー2023の様子
こちらの動画は「バンコク国際モーターショー2023」の様子です。
全編日本語で会場内を案内してくれるので、非常にわかりやすい動画になっています。さまざまな車に実際に乗車し、感想もしっかりと伝えてくれます。
まとめ
《写真提供:response》original 【バンコクモーターショー07】アジアで今年最初の国際モーターショー
今回は「バンコク国際モーターショー2024」の開催概要や、どのような特徴のあるイベントなのかをまとめました。
ASEAN第2位の経済規模で、自動車産業が盛んなタイで開かれる国際モーターショーだけあり、華やかで熱気あるショーが期待できます。また、日本と同じ交通ルールで右ハンドル車の出展が多いというのも日本人的には興味深いところかもしれません。
今年の「バンコク国際モーターショー」も、ぜひチェックしてみてください。