若者の車離れは本当?若者も結婚すると車が欲しくなる?
自動車工業協会が4月9日に発表シアタ2017年の乗用車市場動向調査において、学生を含む10〜20代を対象に2017年8月14日~9月26日に期間、ウェブ上で1000人を対象に調査を行いました。この調査の結果から、「若者の車離れ」という実態はライフステージによって違うことや、車の所有形態が所有から共有へと変化していることが分かりました。
車に関心がない若者は57%、既婚者は関心あり
まず、車を所持していない20代800人に「車に関心があるか?」という質問をした結果、「関心がある」は前回の2015年の調査から12%増加し43%、「関心がない」は12%減り57%となりました。
未婚と既婚に分けた場合、既婚者は男女ともに車に関心があることが分かりました。未婚男性の場合、「関心がある」と答えたのが40%だったのに対して、既婚男性は「買いたい」と67%が回答。未婚女性の場合、「買いたい」と答えたのが42%だったのに対して、既婚女性は「買いたい」と48%が買いたいと回答しました。
同じ20代であっても、結婚をし将来家族が増えることを見据えると車に対する関心が増加する傾向にあるようです。
車「買いたくない」は54%、結婚すると買いたくなる?
車を所持していない20代800人に「車の購入意向があるか?」という質問に対しては、「買いたい」が前回から5%増加し46%、「買いたくない」が5%減り54%となりました。
購入意欲があるのは既婚者層
未婚と既婚に分けた場合、車の購入意向が高かったのは、男女ともに既婚者でした。未婚男性の場合、「買いたい」と答えたのが44%だったのに対して、既婚男性は「買いたい」と76%が回答。未婚女性の場合、「買いたい」と答えたのが42%だったのに対して、既婚女性は「買いたい」と53%が買いたいと回答しました。
全体でならすと「買いたくない」という意見が5割を越えますが、既婚者は5割以上が「買いたい」と回答することがわかります。
若者が車を買いたくない理由とは?
また、車を「買いたくない」と答えた54%(434人)に「買いたくない理由」をアンケートした結果、「買わなくても生活できる」が33%、「駐車場代など今まで以上にお金がかかる」が27%、「自分のお金はクルマ以外に使いたい」が25%でした。
■若者は効果がわかりやすい身近なものにお金を使っている?
年上の方には「若いころは、食べるのも我慢して車を買ったけれど...」と言われたことがあります。いまの若者はどのくらいのお金を何につかっているのでしょうか?
下記は自動車を持っていない層の自由に使えるお金の金額を示しています。2017年全体では「2万円〜3万円」といった回答が最も多くなっており、2017年全体での中央値は3.6万円でした。
では一体自由に使えるお金はどのように使われているのでしょうか?
気になる自由に使えるお金の使い道ですが、多い順に「外食」「通信費」「ファッション」との回答多いことが分かりました。
「インスタ映え」が流行語に入る中、
・生活に身近な範囲で、自分に対してどんなメリットがあるのか分かりやすい
・SNSなどを通して自分の魅力/メリットを発信しやすい
ものが選ばれているのではないかと感じます。
若者の車選びは「デザイン重視」「スペース重視」
20代の既に車を持っている自動車保有世帯に、今後購入する自動車で重視する点を質問した結果、特に重視するポイントは上から順に、「燃費」「車両価格」「呼称の少なさ」「外観のデザイン・スタイル」「乗り心地の良さ」となりました。
特に全体の回答と若者の回答に隔たりが見られたのは、「外観のデザイン・スタイル」「内装のデザイン・スタイル」「室内全体のゆとり」で、若者はデザインや室内空間を重視していることがわかります。
若者は車をコスパで選ぶ?所有よりも共有へ
車を保有していない20代800人に「保有形態に関する認知状況」を質問した結果は、「レンタカー」を知っている人は57%「カーシェア」を知っている人は31%となりました。
さらに各サービスの利用意向は、「積極的に利用する」「機会があれば利用する」といった回答がレンタカーでは52%、カーシェアで35%とどちらも利用意向が高いことが分かりました。
カーシェアやライドシェアなどの広がりによって、若い人は車を「所有」することから「共有」する仕組みへの興味関心が非常に高いことがわかります。
まとめ
「若者の車離れ」と一言にいっても、結婚すると車の購入意向が増加することや、車の所有ではなく共有にシフトしていることを考えるとどうやら「若者の車離れ」はライフステージの変化や所有方法の変化が背景にありそうです。
また、若者の消費傾向は身近なものにお金をかけていることから、車を買うことで生活に具体的にどのような変化があるのかを提示できれば「若者の車離れ」に歯止めをかけることができそうです。