そもそも「ロックナット」とは?
皆さんの大切な愛車、お金をかけてカスタムされている方、長年乗って、車に対して深い愛を抱いている方、走行性能を向上させるために、高価なパーツを使用している方と愛車に対する想いは人それぞれあると思います。
そんな大切な愛車のホイールが忽然と消えてしまったら…。
「ロックナット」とは、愛車の大切なホイールを盗まれないようにするための盗難防止グッズです。
そもそも、タイヤのホイールは「ホイールナット」というナット4〜6本で車体に固定されています。
そのホイールナットを1つだけ「ロックナット」に変えておくことで盗難防止に役立つアイテムなのです。
このロックナットは通常のレンチなどでは外せない形状をしており、そのナット専用の「キーアダプター(キーソケットとも言います)」という専用のレンチがないと外す事ができません。
ですので、通常のホイールナットをレンチなどで取り外す事が出来たとしても、ロックナットを外す事が出来ず、大切なホイールを盗難から守る事ができる。というわけです。
■ロックナット 種類も多々
ロックナットにも種類が多数あり、セキュリティ性能の差があります。
まず、基本的な事項でネジの直径とネジ山のピッチ、取り付けの座面(ホイールとナットの接点部)の形状、それぞれが合致している事が前提になりますので、愛車のホイールのネジ穴の詳細は把握しておいてください。
そして、ロックナット自体の種類ですが、外溝タイプのものと内溝タイプのものがあります。
外溝タイプのロックナットはセキュリティ性能が低めで、マスターキーも出回っているそうですので、内溝タイプのロックナットを使用する事をオススメいたします。
後ほど改めてご紹介しますが、ナット1つずつにシリアルナンバーが付き。世界に一つしか存在しない形状のロックナットが存在します。
強度も高くセキュリティ性能は抜群に高いので、本当に大切なホイールでしたら、このようなロックナットを使用する事をオススメいたします。
全部のホイールナットをロックナットに変更しなくとも、1つのホイールに対して1つのナットを変えるだけで盗難される危険性は著しく低下します。
手塩にかけた大切な愛車、是非、ご自身で守ってあげてください。
ロックナットの外し方と緊急時の対応
ロックナットについては、ご理解いただけたかと思います。
では、次にホイールに付いているロックナットの外し方をご説明いたします。
とは言っても、通常のナットと外し方は何も変わりません。
一つだけ注意点があるだけで、それは使用する工具が通常の六角レンチではなく、専用のキーアダプターになるという点です。
その際に注意すべき事というのが、キーアダプターがロックナットの奥まで完全にハマっている事を確認してからトルクをかけるという事です。
どうしても形状の問題から通常のナットより、ロックナットもキーアダプターも破損しやすいからです。
もちろん、きちんとした使用をしていれば、頻繁に破損してしまうという事はありません。
それでも、人為的ミスや経年劣化などの理由から、ロックナットもしくはキーアダプターが破損してしまった場合は、個人でなんとかしようとせずプロに頼るようにしてください。
ロックナットに限らず、こういった場合に個人でなんとかしようとすると、より傷口を広げてしまいます。
傷口を広げる前と後で、プロに依頼した際の料金が大きく変わってしまう可能性もありますので、困ったらまずはお店、プロに相談するのがベストな判断です。
ロックナットの締め方
ロックナットの締め方についても説明していきます。
こちらも専用のキーアダプターを使用するという点以外は、通常のナットを締める際と大きく変わりません。
そもそもロックナットに限らずナットを締める際に気をつける3つのポイントがあります。
それが「締める順番」「仮締めと増し締め」「トルク」です。
まず締める順番についてですが、3つ以上のナットやボルトを締める場合、なるべく対角にあるものを順に締めていくのが基本です。
片側から締めてしまうと、力が不均一になり緩みの原因になってしまいます。
締め付ける際には、1本目から力を加えて締めきらず、まず全てのナットを緩く締めてから、対角の順番で段々と力を加えていきます。
最後にナットは目一杯締めれば良いというものではありません。
ネジやボルトを締める事を「トルクをかける」と言いますが、このトルクを過剰にかけすぎるとボルト側のネジ山を潰してしまったり、ナットの頭がなめてしまう可能性があります。
インパクトレンチを使用するとトルクを強くかけすぎてしまいますので、クロスレンチやヒンジハンドルを使用して、かならず手締めで行ってください。
これはロックナットに限らず全てのホイールナットに共通した事ですので、ホイールナットを締める際はインパクトレンチの使用はNGと覚えておいてください。
ボルトとナットのサイズや素材、使用用途によって規定のトルクが定められています。
「トルクレンチ」という専用の工具を用いる事で、定められたトルクでナットを締めることが可能です。
まず、クロスレンチとヒンジハンドルを使用して適度にトルクをかけ、最終的にトルクレンチで規定のトルクで締める。この流れでナットを締めてください。
外す際と同じく、ロックナットの溝やキーアダプターは破損しやすいので注意が必要です。
万が一、少しでも溝が欠けてしまった場合などは、外せるのであれば外して使わないようにしてください。
ロックナットを外すアダプター(ソケット)を紛失した場合は?
専用のキーアダプターがなければ、外す事が出来ないロックナット。
そのキーを紛失してまった際、必然的にタイヤを外す事ができないという事態に陥ります。
紛失しないようにする事が前提ですが、万が一に備えた事前の対策を記載します。
まずロックナットにキーが2つ付属されていた場合は、「別々の場所に保管する」ことです。
もちろん保管場所を2ヶ所共に覚えておくことが必要となりますが、普段利用する工具箱等に両方を保管するのではなく1つは別の場所で保管することで、2つ同時に紛失してしまうということが防げます。
次に、購入したメーカーで予めユーザー登録をしておきましょう。
ユーザー登録をしておく事で、キーの再発行をスムーズに進める事が可能なので、ユーザー登録は必ずしておきましょう。
保証書とキー番号も、キーの再発行に必要になる場合があるので必ず大切に保管しておいてください。
上記の事前対策を全て怠った上でキーを紛失してしまった場合、自分でどうにかしようとせず販売店か専門店に相談してください。
何より事前の対策は必ずしておきましょう。
ロックナットはどこで買える?おすすめのロックナットは?
ロックナットは、ディーラーやカー用品店、ネット通販でも購入できます。
純正のロックナットを購入する場合は問題ありませんが、それ以外のお店で購入する場合には、それぞれの車種に適合したナットを自分で選ぶ必要があります。
サイズや形状を予め把握しておきましょう。
ロックナットにもメーカーは様々ございますが、中でも「マックガード」というメーカーの製品が防犯性能、カスタマーサポート面などから特におすすめです。
■ロックナット「マックガード」はおすすめ。勧める理由は…
マックガードのホイールナットは独特な花柄をしており、その特殊な形状から、専用のキー以外での取り外しがとても困難になっています。
材質は対破壊性に優れた超硬質スチール材。マックガード独自の熱処置技術で硬度を高める事で、ドリルなどでの破壊も非常に困難です。
また、特殊3層ニッケルとクロームメッキによる高度なメッキ処置により、他社製品と比べ圧倒的にサビに強く、そして美しい輝きを放ちます。
本社をアメリカに置くマックガードですが、日本とドイツに支社を持っています。万が一、キーを紛失してしまった場合、キーの再発行がスムーズに行われる点も高評価なポイントです。
以上の防犯性の高さとカスタマーサポートの充実面からマックガードの製品を強くおすすめします。
おすすめのロックナット10選
■McGard マックガード ウルトラハイセキュリティロックナット
もともと高い防御能力を持つマックガードのなかでも最上級の、一段と防御力を向上させたロックナットが、ハイセキュリティロック。です。ロックの頭頂部がクルクルと回転する「スピンシュラウド」を採用する事で、さまざまな特殊工具による不正開錠が非常に困難になっています。
最上級の安心が欲しい方は、ぜひ、マックガードのウルトラハイセキュリティロックナットを選んで下さい。今回紹介したナットは、トヨタ・マツダ・三菱用となっていますが、日産等の他社のホイールに対応した商品も販売されています。マックガードの公式ホームページで適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:https://mcgard.jp/wheel/
■McGard マックガード プレミアムロックナット
50年以上の歴史を持ち、世界で最も信頼されているロックナットと言われる、マックガードの定番製品と言えば、プレミアムロックナットです。独自のキーパターンは多数用意され、複製による開錠を困難にし、付属の専用キー以外は開錠できないように設計されています。また、強靭なボディは破壊による盗難を困難にしています。さらに、特殊な表面処理によって、美しい金属光沢が持つ高い質感と、高い防錆性能を両立しています。
今回紹介したナットは、トヨタ・マツダ・三菱用となっていますが、日産等の他社のホイールに対応した商品も販売されています。マックガードの公式ホームページで適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:https://mcgard.jp/wheel/
■McGard マックガード 軽自動車用プレミアムロックナット
軽自動車専用のプレミアムロックナットです。軽自動車にプレミアムロックナットを装着した場合、頭部がホィールからはみ出してしまう場合がありますが、このモデルはそうならない様に設計してある専用品となっています。
今回紹介したナットは、ダイハツ・三菱・日産用となっていますが、スズキ等の他社のホイールに対応した商品も販売されています。マックガードの公式ホームページで適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:https://mcgard.jp/wheel/
■KYO-EI Bull Lock TUSKEY
国産のナットメーカーとして有名な協永産業が作ったロックナットです。ブルロックタスキーは、特殊な形状のナットを使って、通常の工具では緩められなくしたロックナットです。ブルロックタスキーは、クロームメッキタイプとブラック塗装タイプの二種類が用意されていて、ホイールのデザインで選択できるようになっています。
今回紹介したナットは、日産・スバル・スズキ用となっていますが、トヨタ等の他社のホイールに対応した商品も販売されています。協永産業の公式ホームページで適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/TUSKEY.html
■KYO-EI Bull Lock
協永産業の定番ロックナットです。ブルロックは、特殊な袋形状の専用ナットでなければ開けられない構造になっていて、ホイールのセキュリティをノーマルのナットに比べて格段に向上させる事が出来ます。リーズナブルな価格で購入できる点も魅力です。
今回紹介したナットは、日産・スバル・スズキ用となっていますが、トヨタ等の他社のホイールに対応した商品も販売されています。協永産業の公式ホームページで適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:http://www.kyoei-ind.co.jp/sangyo/product/BullLock_4P.html
■デュラックス(Durax) 軽量 アルミホイール用レーシングナット
■RAYS(レイズ) ジュラルミンナットセット ギアタイプ
Duraxはアルミ製のホイールナットを輸入・販売しています。特徴は、様々なカラーを取り揃えている事で、選ぶのが楽しくなるくらいです。盗難防止用のロックナットも付属しています。色鮮やかですが、アマゾンのカスタマーレビューでは色褪せした、等の報告もありますので注意してください。
なお、本製品はトヨタ・三菱・ホンダ・マツダ・いすゞ・ダイハツ用となっていますが、他メーカ―用の製品も販売されているので、アマゾン等で検索してみて下さい。
日本を代表するホイールメーカーであるRAYS(レイズ)が手がけるホイールナットです。ジュラルミン製の軽量なホイールナットで、クルマの軽量化にも寄与します。このナットはナット自体が特殊な形状になっていて、一般的な工具では外せないので防犯対策にもなります。輸入製品に対して価格は高くなりますが、確実な品質を求めるのであれば、国産有名メーカーのナットを選ぶ事をお勧めします。
なお、本製品は日産・スバル・スズキ用となっていますが、他メーカ用の製品も販売されているので、アマゾン等で検索してみて下さい。
■WORK(ワーク) ロングタイプ軽量レーシングナット
同じく、有名なホイールメーカーであるWORK(ワーク)が販売するホイールナットです。ロングタイプのホイールナットは、レーシーな気分を盛り上げますね!カッコいいアルミホイールを履いたら、ナットまでこだわってみるのもいかがでしょうか?
このナットも、1本が特殊な形状のナットになっていて、一般工具では緩める事が出来ないので訪販効果が期待できます。
なお、本製品はトヨタ・ホンダ・三菱の純正ホイール対応となっていますが、他メーカ用の製品も販売されているので、アマゾン等で検索してみて下さい。
■エスティーエスミチコ 外7角形 ロックナット
■VEHSUN アルミ製 ホイールロックナット
ホイールナット専門店のエスティーエスミチコが販売するロックナットです。スチール製ですので、アルミ製ナットに比べて強度があります。このロックナットは、カラーバリエーションが8種類もあるので、選ぶ楽しさがありますね。本製品は、ナットが16個すべてが外7角形と言う特殊な形状になっていますので、より高い防犯効果が期待できます。
なお、本製品はトヨタ・ホンダ・三菱用となっていますが、他社のホイール向けのナットも用意されていますので、エスティーエスミチコの公式ホームページにて、適合するロックナットを検索してみて下さい。
公式ホームページ:https://www.stsmichiko.co.jp/collections/外7角形ロックナット
様々なカー用品を手掛けているVEHSUNの販売するロックナットです。軽量なアルミ製で、スタイリッシュなカラーでペイントされています。写真は「レッド」ですが、外に「ブルー」と「ブラック」が用意されています。ナットのうち1本が特殊な形状のナットになっていて、商品同封のアダプタがないと空かないようになっているので、盗難防止機能もあります。アルミ製ナットなので、レンチ等でガンガン締めると色が剥げてしまいますので、慎重に作業をした方がいいでしょう。
なお、本製品は日産・スバル・スズキ用となっていますが、他メーカ用の製品も販売されているので、アマゾン等で検索してみて下さい。
ロックナットの取り外し 工賃相場は?
万が一「キーを全て無くしてしまった」もしくは「ロックナットかキーを破損してしまった」、「メーカーへのユーザー登録もしていない」、「キー番号も分からない!」という個人ではどうにも出来ない事態に陥ってしまった場合は、先述の通りディーラーかショップに持ち込んで対応してもらうようにして下さい。
ディーラーやショップによっては、上記のような場合に備え、様々な形状のキーを保有している場合があり、その中のものを合わせてロックナットが外せる事もあります。
それらのキーが合わなくても特殊な工具で外す事は可能です。
取り外しにかかる工賃、費用は状況によっても異なります。
ショップなどで簡単に外せる状況であれば4つのロックナットの取り外しで2,000〜3,000円程度で済みますが、特殊な工具を使用する必要がある場合は4つで10,000円ほどに上がってしまう事もあります。
そのため、自分でロックナットを外そうとした際、少しでも破損などしてしまった場合は、すぐにショップなどに持ち込んで対応してもらうのが、最終的に費用も安く済むのでおすすめです。
【最後に】困ったらプロに相談!
ロックナットに関して、外し方、締め方、緊急時の対応やおすすめのロックナット、取り外しに掛かる工賃、費用についてご説明させていただきました。
大切な愛車を駐車している間にホイールが無くなってしまっていた。
頻繁に起こる事ではありませんが、そんな悲しい経験はしたくない!という方は、是非ロックナットの導入をご検討ください。
車・車用品の防犯対策としては、簡易的でコストもあまりかからず導入しやすいものですので、ホイールを社外の物に取り替えた際には強く導入をお勧めいたします。
また、緊急時の対応に関しては、ロックナットや車の事に限らず、早い段階でプロにお願いしてしまうのが結果的に手間も費用も無駄にならずに済む場合が多いです。
困ったらすぐにプロに相談してしまいましょう。
よくある質問
■ロックナットの仕組みは?
ロックナットは、特殊な形状の工具でしか外せないナットとなっています。外溝タイプと内溝タイプの2種類がありますが、一般的に、より安全性が高いのは内溝タイプと言われています。
■ロックナットの役割は?
高価なホイールとタイヤを盗難からまもるために使われるのが一般的です。
■ロックナットのメリットは?
高価なホイールやタイヤを装着しても、盗難が心配だったら安心してクルマを使えませんよね?ロックナットを装着する事で、盗難のリスクを下げる事が出来るので、安心してクルマを駐車できます。