タイヤ交換は自分で簡単にできる!
・「タイヤ交換を自分でやって安く済ませたい、でもやり方が分からない..」
・「タイヤ交換に使う工具の用途や違い、選び方が分からない...」
そんな方のために本記事では初心者でも出来るタイヤ交換のやり方を手順を追って説明します。また、タイヤ交換で使用するジャッキアップやトルクレンチの選び方やおすすめも合わせてご紹介します。
タイヤ交換 用意するもの
まず、タイヤ交換に必要なものは、
・輪止め
・ジャッキ
・レンチ
の3つです。
作業中の汚れが気になる方は、
・軍手
・汚れても良い格好
加えて、ホイールナットを外した際になくさないように
・箱
があればさらにタイヤ交換がしやすくなります。
自分で出来るタイヤ交換のやり方・手順
タイヤ交換に必要なものをご紹介した上で、実際にタイヤ交換の手順をご説明します。本記事ではタイヤ交換を「取り外し」と「取り付け」に分けてご説明します。
■【タイヤ交換】古いタイヤの取り外し
1. タイヤ交換に適した平坦な場所にサイドブレーキをかけて車を停める
まず、車を安全な場所でサイドブレーキをかけて停車します。
タイヤ交換に適しているのは、平らなコンクリートのような舗装された場所です。逆に、砂利道や芝生未舗装の場所は避けてください。こうした場所を選ぶ理由はタイヤを持ち上げる「ジャッキ」という工具を使用した時にしっかりと車体が動かないようにするためです。
2. 交換するタイヤの対角線上に輪止めを設置する
まずは、交換するタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めを設置します。輪止めをすることで、万が一車が動いてしまう場合でも輪止めがストッパーになることができます。サイドブレーキだけで十分と判断せずに、必ず輪止めを設置するようにしましょう。
3. レンチでホイールナットを緩める
次にタイヤのホイールキャップを外し、レンチでホイールナットを少しだけ緩めます。
4. ジャッキで車体を持ち上げをして更にホイールナットを緩めタイヤを取外す
次にジャッキで車体を持ち上げ、先程緩めたタイヤを取り外します。具体的には、車体側面にあるジャッキアップポイントにジャッキをかけます。ジャッキアップポイントとジャッキが噛み合ったことを確認したら、タイヤが地面から離れるまで徐々にジャッキを持ち上げます。タイヤが持ち上がったらホイールナットを取外し、タイヤを取り外します。
■【タイヤ交換】新しいタイヤの取り付け
1. 新しいタイヤを取り付け、タイヤを仮締めする
新しいタイヤを取り付け、ホイールナットを取り付けます。ホイールナットを取り付ける際に、対角線上のホイールナットを2回から3回に分けて仮締めします。
2. ホイールナットを本締めし、タイヤを車体に固定する
ジャッキを降ろして車体を降ろし、仮締めした時と同じく対角線条にホイールナットを2回から3回に分けて本締めします。これでタイヤが車体に固定された状態になります。
3. ホイールナットをトルクレンチで増し締めし、適正なトルクに調整する
車体に固定された状態のタイヤをさらに調節して適切な値に締めるのが増し締めです。タイヤには規定されたトルク(締める強さ)があります。規定トルクよりも弱く締めたままだと、緩みが脱輪の原因に、逆に規定トルクよりも強く締めてしまうと、ネジ穴(ナット穴)が広がってしまったり、ナットが切れる原因になります。
規定トルクは概ね、
・軽自動車 70~90N・m(7~9kgf・m)
・普通自動車 90~110N・m(9~11kgf・m)
と言われていますが車種によって異なるため必ず取扱説明書を確認してください。
もしトルクレンチがない場合は、ガソリンスタンドや最寄りの整備工場にすぐに行きトルクの調整をして貰う必要があります。
本記事ではおすすめのトルクレンチをご紹介していますので、ぜひ最後まで御覧ください。
仮締め、増し締め、本締めとは?
タイヤ交換のやり方・手順の説明で出てきた、仮締め・本締め・増し締めについてご説明します。
タイヤには複数のネジ穴(ナット穴)があり、ナットを1本ずつ限界まで締めると最後のナットが締まらない場合があります。これは1本ずつナットを限界まで締めてしまった結果、ネジ穴(ナット穴)とナットの位置がずれてしまうことが原因です。ネジ穴(ナット穴)とナットのズレを生み出さないように、ネジを締める方法が仮締め、本締め、増し締めです。
仮締めは、すべてのネジ穴(ナット穴)にナットをはめることを目的にした緩く締めることです。
本締めは、ネジ穴(ナット穴)に固定をすることを目的にした締めることです。
増し締めは、車の取扱説明書に記載されたトルク(締め付ける力)に調節するために本締めで締めたナットをさらに締めるまたは緩めることです。
タイヤ交換に必要な工具、ジャッキとレンチをご紹介!
こちらではタイヤ交換の際に必要な、ジャッキとレンチをご紹介します。
■【車体を持ち上げるのに必要】ジャッキの種類とおすすめジャッキ
ジャッキは、歯車や油圧などを利用して重いものを持ち上げる機械です。ジャッキには、パンタグラフジャッキ、油圧パンタグラフジャッキ、ガレージジャッキなどがあります。今回は、タイヤ交換で一般的に使用する可能性のあるパンタグラフジャッキと油圧パンタグラフジャッキをご紹介します。
パンタグラフジャッキ(ネジ式ジャッキ、車載ジャッキ)
パンタグラフジャッキは他にもネジ式ジャッキ、車載ジャッキと呼ばれるジャッキです。本体横部分にあるネジを締めることで、ジャッキが持ち上がるタイプです。軽く携帯性にすぐれたものが多いのですが、ある程度の力を必要とし、耐久性は強くありません。
応急処置的に片輪を交する場合や緊急時に使えるので、1つは車に備えておくのがおすすめです。
油圧式パンタグラフジャッキ(シザーズジャッキ)
油圧式パンタグラフジャッキは、シザーズジャッキなどと呼ばれるジャッキです。油圧の力でジャッキが持ち上がるタイプです。パンタグラフジャッキと比較して大きく、重いですが簡単に車をも上げることができます。
車いじりを良くする方や、スタッドレスタイヤの交換などを定期的に行う方におすすめです。
■【増し締めに必要】レンチの種類とおすすめレンチ
締め付け工具のことをレンチあるいはスパナと呼びますが、車のタイヤ交換に使用するホイールナットを取外すタイプは主にレンチと呼ばれています。
ホイールナットを増し締めする際には、タイヤに規定されているトルク(締める強さ)通り締める必要があるため、トルク(締める強さ)を計測できるトルクレンチを使用します。
プリセット式トルクレンチ
藤原産業のベーシックラインである「E-Value」のプリセット式トルクレンチです。20〜200N・mの間で手動で設定したトルクを計測可能で、設定したトルクの値になるとカチッと言う音で知らせてくれます。価格も非常に安いため、タイヤ交換の頻度が少ない方でもおすすめです。
差込角が9.5mmのため、ホイールナットを回すには下記のように差込角が21mmになるアダプターを購入する必要があります。
ダイヤル式トルクレンチ
こちらはトルクレンチ計測に特化した東日制作所のダイヤル式トルクレンチです。タイヤ交換に十分な、20〜200N・mをダイヤル式で計測することができます。トルクがひと目で分かり、緩める締めるのどちらも計測することが可能です。
デジタル式トルクレンチ
こちらは藤原産業のデジタル式トルクレンチです。デジタル式のため、トルク計測にスピードや正確さが求められる場合にはおすすめですが、タイヤ交換の頻度が少ない方にはややオーバースペックかもしれません。
このデジタル式トルクレンチも差込角が9.5mmのため先程ご紹介したアダプターを購入する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?本記事ではタイヤ交換の手順と、タイヤ交換に必要な工具をご紹介しました。特にタイヤ取り付け後の、増し締めは非常に重要です。もし手元にトルクレンチがなく、トルクを測定できない場合は必ずガソリンスタンドや専門店にトルクを測定してから、ドライブにでかけましょう。