車の性能もタイヤしだい?!忘れずチェックしたい「空気圧」
■同じタイヤサイズでも、クルマ毎に指定空気圧が異なる
いま現在クルマに乗られている方は、自身のクルマの「適正空気圧」をご存知でしょうか?
ガソリンスタンド等に任せている方であれば、ご自身でタイヤの空気を入れたことがない方も多く、いつ空気圧を点検してもらったのだろうか? という方もいるかもしれません。
タイヤの空気圧によって支えられる重量が変わる =「荷重支持機能」は、タイヤの重要な役割です。
言い換えれば、タイヤのサイズが同じであっても、空気圧が変わると「荷重負荷能力は変化する」といえます。
つまり「指定空気圧」はタイヤのサイズによって決まらず、あるクルマにつけたタイヤにどれだけの荷重を負担させるのかによって「指定空気圧」が決まるため、クルマ毎に「指定空気圧」が決められています。
■メーカー指定の空気圧を確認することが大切
空気圧が最適かどうか判断するには、運転席ドア開口部の下部分に記載されている「車両指定空気圧」という表示ラベルを確認することで可能です。
タイヤの空気圧が減少する大きな理由は?
①タイヤの膨張による空気圧の減少
新品のタイヤ内部に空気を入れると、タイヤの骨格のベルト等の構造部材がなれることによって若干膨張します。この事により、新品タイヤの交換から約1ヶ月で、空気圧が減少していくと考えられます。
②空気が漏れることで空気圧が減少
タイヤの空気を抜けにくくするため、タイヤの内側にはインナーランナーという気体を浸透しにくいゴムのシートが貼られているのですが、空気の分子の方がゴムの分子よりも小さいため、ゴムの層に空気が入り込み、タイヤ全体から徐々に抜けていきます。
なお、タイヤの空気圧は、タイヤが冷えている状態でカーメーカー指定の空気圧に合わせるのが基本です。
もし、走行後などのタイヤが温まっている状態であれば、指定空気圧より20~30kpa高めに調整し、走行後、改めてタイヤが冷えた状態になってから必ず再調整しておくことがいいでしょう。
この「車両指定空気圧」ですが、過去にJAFが行った「タイヤの空気圧に関するアンケート」の結果では、36%の人が自分の車の指定空気圧を確認していないとの結果になっています。
【低すぎ?高すぎ?】こんなにある、空気圧不備による悪影響たち
具体的にタイヤの空気圧不足は、下記の問題が生じます。
■【タイヤの空気圧が低すぎ】燃費の悪化
タイヤの空気圧の問題を燃費で説明すると、例えばタイヤの空気圧が適正値より50kpa(0.5kg/c㎡)不足すると、郊外での燃費が約4%、市街地で約2%悪化します。
分かりやすく説明すると、例えば空気圧の規定値が2.2キロであった場合、それよりもマイナス0.5キロ程度空気圧が少ない場合に燃費が悪くなります。
■【タイヤの空気圧が低すぎ】操縦性の低下
タイヤの空気圧が少ないと、ハンドルが走行中に左右に取られたり、重くなったりと走行安定性の低下につながります。
もしタイヤをつぶれたままの状態で走行していると、中央よりタイヤの外側が早く摩擦してタイヤの寿命を短くする原因となります。
■【タイヤの空気圧が低すぎ】パンクする危険性
高速道路などを走行中に空気圧が不足していると、タイヤが異常発熱しバーストする可能性があります。タイヤサイド部分が円状に切れる現象(ブリーディングC.B.U)も考えられます。
空気圧が高い場合には、下記の問題が生じます。
■【タイヤの空気圧が高すぎ】乗り心地の悪化
タイヤの空気圧が異常に高いと、異常にタイヤが張っている状態となります。そのため、走行時の衝撃を吸収することができずに、跳ねるような感じになり、ゴツゴツした乗り心地になることがあります。
■【タイヤの空気圧が高すぎ】ブレーキの効きが悪化
タイヤの空気圧が高いと、路面とタイヤの接地面積が狭くなり、ブレーキが利きにくくなるため危険です。
■【タイヤの空気圧が高すぎ】タイヤの寿命低下
タイヤの空気圧が高いと、路面と接地する部分がタイヤの中央に集中するため、摩耗が早くなります。そのため、キズを受けやすくなりタイヤの寿命低下につながります。
対策として、走行距離の長短に関わらず1か月ほどでタイヤの空気圧は約5%減っていきますので、月に1度は空気圧のチェックすることをお勧めします。例えばガソリンスタンドで給油する時に空気圧の点検をすることを習慣にするといいでしょう。
このように、タイヤの空気圧は低くても高くてもダメです。
空気圧を高めにしたほうが燃費が良くなるなどの声もありますが、そこまで大幅な効果は得られません。硬めの乗り心地が好きという方や、ほんの少しでも燃費を向上させたいという場合であってもプラス10%程の空気圧に留めておくべきでしょう。
原則として、常に適正値を保つことが重要です。
タイヤの空気圧不備による悪影響
空気圧が低すぎると起こること |
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空気圧が高すぎると起こること |
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タイヤに空気を入れる方法・費用は?どこで見てもらう?
クルマのタイヤに空気を入れる作業は、
・ガソリンスタンド
・カーディーラー
・自動車修理工場
・カー用品店
など、多くの店で行うことが可能です。中には、料金が数百円程度でるところもあるようです。
そのため、事前に料金を問い合わせた上で作業依頼をすると良いでしょう。
タイヤは空気圧が高くタイヤに入る空気の容量も自転車などと比べると大きいため、自宅での作業は手間がかかり困難です。
エアコンプレッサーが自宅にあれば、自身で行うことも可能ですが、作業にかかる頻度や手間を考えれば、お店を利用した方が一般的におすすめといえます。
ご自身でタイヤの空気圧を点検し、空気圧の調整を行いたい方は上記のようなエアチェックガンなどがあると非常に便利です。
■【タイヤの空気圧】点検手順
クルマの空気は、風船が自然と空気が抜けるように、タイヤの空気も自然と抜けていきます。特にクルマは重量もありますから、停めている状態でも何もしなければ抜けていくのは当然のことです。
特に寒い冬の時期には気温が下がることで、自然と空気が抜ける量が増えるため、小まめなチェックが必要です。よって、タイヤ空気圧の点検を最低1ヶ月に1度チェックするようにしましょう。
タイヤの空気圧の点検方法や手順をまとめたので、以下を参考にしてください。
手順1.エアバルブのキャップを外す
エアバルブのキャップを外すときには、できるだけ素手で行うことをおすすめします。そうすることで、ホイールキャップの中に落としてしまう事を防ぐことができるからです。
手順2.エアゲージ測定をする
タイヤの空気圧の測定機械がガソリンスタンドにはありますので、それぞれの測定機械の方法を参考にしてください。
■タンク型の空気の入れ方
はじめにホース先をエアバルブに押し当てタイヤの空気圧を測定します。
その際には、押し当てる角度に注意が必要で、キチンと押し当てていないとエアーが抜けてしまい正しく測定することができません。
エアーを出すにはレバーを握ることで出来ますので、正しく規定値まで入れるようにしてください。万が一入れすぎた場合でも、調整することができるように空気を抜くボタンがありますので、慌てず行いましょう。
具体的には下記の手順で行うとスムーズにできるでしょう。
① バルブ口にエアタンクのノズル先端を押し当てます。
② 現在の空気圧がエアタンク上部にあるエアゲージに表示されます。
③ 指定空気圧よりも空気圧が低い場合は、空気を入れるプラス(+)のボタンを押します。
④ 指定空気圧よりも空気圧が高い場合は、空気を抜くマイナス(-)のボタンを押します。
⑤ ③④を繰り返し、指定空気圧になるように合わせます。
⑦ ノズルを外し、バルブにキャップをつけて完了です。
タンク型は、空気を入れている際にエアーが無くなってしまうことがあります。その場合は、タンクの空気補充をお店の方に頼みましょう。
■据置型の空気の入れ方
【ダイヤル式の場合】
ホース先についているノズルの先端をバルブに押し立てます。その後、空気が注入され音が鳴りますので、「カン」という音が鳴りやむまで待ったのちに、ノズルを外し、バルブキャップに付けて完了です。
【デジタル式の場合】
まず、デジタル表示を推奨空気圧に合わせます。タイヤバルブにホース先を押し当てると、空気圧が自動的に調整され、終了表示が出たら完了です。
どちらの場合も、はじめは使用方法がよく分からず迷うことがありますので、少しでも分からないことがあればガソリンスタンドのスタッフの方に使用方法を聞くと良いでしょう。
タイヤの空気圧点検、気をつけたいポイント3点!
■スペアタイヤの点検も忘れずに
応急用タイヤ(スペアタイヤ)をいざ使う機会になり、空気が抜けて使用できなかったら意味がありませんよね。
そのため、トランクなどに入っているスペアタイヤも点検するようにしましょう。
※スペアタイヤ側面に指定空気圧が記載されています。
■輸入車の指定空気圧は注意しよう
輸入車の場合だと、車両指定空気圧のラベル表示が給油口の蓋に貼ってある車種もありますので、運転席側のドアの開口部に見当たらない際には、給油口の蓋を確認してみてください。
また、輸入車は前後のタイヤで指定空気圧が異なっていることが多くありますので、輸入車に乗っている方はよく確認し、空気圧を調整するようにしましょう。
■窒素ガスにするのが有効ってホント?
窒素ガスをタイヤに入れることで、安全性の追求をしているのが、航空機用のタイヤ&レース用のタイヤです。つまり、窒素は酸素よりもタイヤから漏れにくい性質があるため、空気圧低下を防ぐメリットがあるのです。
その他、窒素ガスを充填するメリットは下記となります。
①水分を含まないので、温度上昇をしても、空気圧の変化が少ない。
②不活性ガス(酸素&水分がない)であるので、タイヤなど痛みにくい。
③タイヤと路面との摩擦により徐々に摩耗する原因の予防
④燃費が悪化することを抑制できる
⑤ハンドリング安定の向上
⑥空気圧の不足によるタイヤ損傷の発生を減らすことができる
⑦タイヤ&ホイールの酸化や腐食の抑制
⑧安全面&環境面&経済面が悪化しない
【まとめ】タイヤの空気圧の点検は月に1回!
以上、タイヤの空気圧について、指定空気圧より低い場合、高い場合の注意点や、点検方法等についてまとめさせて頂きました。
2018年4月ダンロップが行った「全国タイヤ安全点検」(※2008年10月から年2回開催)では、全国46会場で2823台のタイヤ点検をしたところ、全点検台数の37.2%がタイヤの整備不良で、内訳として「空気圧の過不足」が27.8%と最も多かったようです。
自身のクルマの荷重にあった指定空気圧を把握しておくことが、車を維持・管理し、大事にすることに繋がりますので、最低でも「月に1度」はガソリンスタンド等によった際に点検するようにしましょう。
よくある質問
■タイヤの空気圧はどうして減っていくの?
空気の分子は、ゴム自体をすり抜けることができます。そのため、ゆっくりではあるものの、パンクしていないタイヤでも自然にゆっくりと空気圧は下がってしまいます。また、バルブが故障していたり、ホイールのリム部に不具合があるなどの理由によっても、タイヤ内の空気がだんだん抜けてしまうことがあります。
■空気が抜けないタイヤってないの?
クレーン車やフォークリフトなどで使われるソリッドタイヤは、内部に空気の代わりにゴムが充填されているので空気圧は調整不要ですが、乗用車で同様のタイヤを使うには乗り心地などの問題点があります。しかし近年、タイヤの側面に樹脂のスポークを多数張り巡らせることで、乗り心地を確保しつつ空気を使わないタイヤを各社が開発しており、今後は選べるようになるかもしれません。
■ガソリンスタンドで給油せずに空気圧見てもらうの、アリ?
なんとなく気が引けるものですが、空気圧のことが気にかかりながら次回の給油まで車を使い続けるのも落ち着かないもの。大抵の空気圧調整用の設備があるガソリンスタンドなら、たとえ給油していなくても、お願いすれば点検してもらえることでしょう。
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