PHVとは
そもそもPHV(プラグインハイブリッド)とは、外部から電気を充電することが可能な車のことです。
簡単に説明するのであれば、HVを充電できるようにした車と言えます。家庭用のコンセントや、充電スタンドなどから充電することが可能です。
さらにエンジンも搭載されているので、ガソリンで走行することができます。
最大の特徴としてはエンジン単体での発電が可能なことです。
PHVのエンジンは走行の為ではなく、むしろ発電のためについているといってもいいでしょう。
その為、EV(電気自動車)とHV(ハイブリッド)それぞれのデメリットを改善させた、いいとこ取りの車と言えます。
また、メリットとしては電気の力で走るため環境にやさしく、燃費も非常に良いことや、車内で電気が使えるのでアウトドアを楽しむ場合、何か災害が発生した場合は車から電気を供給できることなどが挙げられます。
■PHEVとの違い
メルセデスベンツ Bクラス 新型のPHV「B250e」
PHEVとの違いですが、技術的な違いはありません。
自動車各社によって呼び方を「PHV」か「PHEV」と変えているだけなのです。
※プラグインハイブリッドカーは、英語では「Plugin Hybrid Vehicle」この略がPHV。
一方で、プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)と呼んで、この略を「PHEV」と表示することもあるのです。
その為、どちらにすればいいの?と深く考える必要はなく、どちらも一緒ということを覚えておきましょう。
■HVとの違い
トヨタ プリウス
HVとは「ハイブリッド車」の略称です。
ハイブリッド車とは、2つ以上の動力源をもつ自動車を指します。一般的にはガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターの2つの動力源を指す車が多いですね。
車種による違いはありますが、運転条件によってエンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーターを同時に使用して走行するものなどがあります。ハイブリッド車は、2つの動力がそれぞれ、より力を発揮する場面毎で使い分けられ、その結果・燃費の向上を実現しています。
ハイブリッド車のエネルギー源は、誤解されやすいのですがガソリンであり、維持費はガソリン代です。
パラレル方式、シリーズ方式、スプリット方式の3つのタイプがあり、一般的にハイブリッドというと、パラレル方式を指すことが多いです。
日本で販売しているPHVやPHEV
HVやPHEVの違いについては理解できたでしょうか。次は日本で販売しているPHV、PHEVの車種について紹介していきます。
■トヨタ プリウスPHV
トヨタ・プリウスPHV
プリウスはトヨタ自動車が1997年から製造・発売を開始した「世界初」の量産ハイブリッド専用車です。
燃費の良さはトップクラス。
そんなトヨタのプウスのプラグインハイブリッドモデルがプリウスPHVです。
2017年2月より2代目が発売されています。
駆動・発電に使用できるデュアルモータードライブシステムを採用した他、プリウスのプラットフォームがTNGAに一新されたのと同じく、プリウスPHVもTNGAプラットフォームになっています。(基本的にはプリウス4代目と同じ)
JC08モード・充電電力使用時走行距離(EV走行距離)を先代の26.4kmから、68.2kmへと2倍以上向上させているのが特徴。
■ホンダ クラリティPHEV
ホンダ クラリティPHEV
ホンダが発売しているクラリティPHEVの注目すべき点は、EV走行距離です。
プリウスPHVのEV走行距離が68.2kmに対して、クラリティPHEVのEV走行距離は114.6kmです。
これは国内PHVの中でもトップクラスの数値を誇っています。
この驚異的なEV走行距離を実現したのはホンダの技術の結晶ともいえる「SPORT HYBRID i-MMD」のハイブリッドシステムのおかげです。
HVの燃費も28.0km/Lを実現し、プリウスPHVほどではありませんが燃費効率の良い車といえるでしょう。
■三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEV
三菱のアウトランダーPHEVはツインモーターによる高出力が魅力的で、パワフルでありながら静かな走りを行うことができます。
「S-AWC」と呼ばれている車両運動統合制御システムを搭載しているので、安定してドライバーの意のままに操縦ができるようになっています。
また「4WD LOCK」にすると、悪路でも優れた走行が可能になります。
EV走行距離は68.8kmで、HV燃費は19.2km/Lとなっています。
また、2019年9月に一部改良を行いました。
海外で販売しているPHVの代表車種
日本で販売されているPHV、PHEVの車種については理解できたでしょうか。
次は海外で販売されている代表車種について紹介していきます。
■ベンツ E350e アバンギャルドスポーツ
メルセデスベンツ Eクラス 初のPHEVモデルE350e アバンギャルド スポーツ
Eクラス初のプラグインハイブリッドモデルとしてデビューした車となっています。
こちらの車はシステム全体で最高出力は286ps、最大トルクは550Nmと力強い走りを見せてくれることは間違いないでしょう。
また、「ダイナミックセレクトスイッチ」で自分好みの走り・快適性・燃費性能を組み合わせられるのも特徴です。
■BMW 530e
BMW 530e
530eはBMWでも人気の5シリーズとして販売されています。
5シリーズセダン』に設定されているPHEV、「530e iPerformance セダン」が好調であることから、5シリーズツーリングにも、初のPHEVの設定が決まりました。
■アウディ A3 スポーツバック e-トロン
アウディ A3 スポーツバックe-tron
A3スポーツバックe-トロンは海外でも人気のある車です。
また、走行時に「ハイブリッドオート」、「ハイブリッドホールド」、「バッテリーチャージ」の3つのモードを選ぶことができ、どれを選択してもエンジンモーターがアシストすることで力強い加速が得られるのも特徴です。
■ポルシェ パナメーラ4 E-ハイブリッド
ポルシェ パナメーラ4 E-ハイブリッド
ポルシェは誰もが憧れるスポーツカーとして人気ですが、パナメーラはファミリーカーとしてもつかえる4ドアセダンとなっています。
こちらの車はPHVの中でも圧倒的な加速性能を持っており4.6秒で100km/hに到達し、最高速度は電気の力だけであっても140km/h、ガソリンの力をフルに活用すれば278km/hと非常にパワフルです。
パワーに関しては他のポルシェと比べても見劣りするかもしれませんが、環境性能は高さでいえば、この車種に勝るものはないでしょう。
PHVの充電方法
次にPHVの充電方法について紹介していきます。
■家庭用電源で充電
100Vの電源であれば、戸建て住宅の場合は配線工事を行うことなく、付属されているコネクターを差し込むことで簡単に充電できます。
アパートやマンションでの充電は、PHVの充電設備が整っていないと難しいでしょう。
■商業施設などで有料で充電する
商業施設などにも有料で充電ができるスポットがあり、買い物をしている間に充電することが可能です。
最近では、スーパー、ショッピングモール、道の駅、高速のサービスエリアなどに設置されていて、設置場所はスマホアプリやインターネットでも検索することができます。
まとめ
PHV、PHEV車について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
環境に優しいだけでなく、電気とガソリンを併用して走行できたり、エコカー減税があったりと魅力が満載です。
現在、日本での代表車種はまだまだ少ないですが、今後はどんどん増えていくこと間違いないでしょう。
これからも目が離せません!