スズキの人気車、ハスラー。実は予想外ヒットだったって知ってた?
スズキの予想外のヒット車種として『ハスラー』があります。
「遊べる軽」のキャッチコピーと愛嬌のある顔でお馴染みのハスラー、今ではかなりの人気と知名度を誇っていますが、発売前にはこれほど売れるとは誰もが予想していませんでした。
たった一人を除いては……。
このハスラーという車種が生まれるに至ったきっかけとなる事件があります。
それは、スズキの名物会長鈴木修氏が会食の席で、2009年に生産を終了した『Kei』(大径タイヤを履き地上高を高くしたセダンとSUVのクロスオーバー車)に対する後継モデルを待ち望む声を聞いたことです。
スズキKei
たった一人のユーザの直訴から意外な軽クロスオーバーの需要を見て取ると、早速現場に検討の指示を出します。
そうして誕生したのがこのハスラーです。それにしても、鈴木会長の決断力とわずかな期間で本当に市販化してしまう行動の早さには驚かされますね。
ハスラーが売れると予想していたたった一人とはもちろんこの鈴木会長のことです。
ハスラーが売れないと思われていた理由、それは
スズキ・ジムニー
では、それ以外の人にはなぜ売れないと思われていたのでしょうか。
ハスラーは「軽クロスオーバー」という新ジャンルを開拓したと謳ってはいますが、これは販売戦略上の話で、実はハスラー以前にも、ホンダにドア枚数こそ3枚なものの『Z』があり、ダイハツには『ネイキッド』、軽ではないもののニッサンには『ラシーン』、そして何よりスズキには前出のKeiと各メーカーそれぞれに乗用車派生型のクロスオーバー車が存在していました。
しかし、そのほとんどが後継車種を発売することなく、わずかな販売期間で廃盤となってしまっていました。
ですので、このハスラーも大して販売台数を伸ばすことなく生産終了を迎えると思われていたのです。
そんな大方の予想を大きく裏切り、正確な台数こそ公表されていないものの、月間目標販売台数の3倍を超える爆発的ヒットを記録しました。
ハスラーが売れる。その理由
極力燃費を低減させる目的でスズキは13km/h以下に車速が落ちるとアイドリングストップが機能する設定になっている。つまり、エンジンが止まる。しかし、この領域ではまだ、最後の最後でブレーキ圧を弱める運転をするケースがままある。そんな際、エンジンは再始動してしまってせっかくのアイドリングストップが使えなくなるケースが頻繁に起きる。再度エンジンを停止させるには、車速がいったん5km/h以上にならないとアイドリングストップの設定ができないからだ。S-エネチャージではそれが1km/hに引き下げられているからほとんど問題ないが、現行のエネチャージではアイドリングストップを逃すケースが多発するのである。
やはりターボの威力は絶大で、加速性能は下手な小型車をも凌ぐのではないかと思えるほど俊敏だ。元々車高が高くさらに15インチタイヤで重心もアップしているから、コーナリング中のロールは大きめだし、急な転舵で入力を入れるとかなりグラっとくる。というわけで、速いコーナリングは苦手だが、このクルマにはそんな能力はまず求められていない。
室内の広さは印象的。それにアウトドアに適したプラスチック製のシートバックを持つから、濡れたものや汚れたものを室内に持ち込んでも対応できる。
とにかく遊び心満載で、それなりのオフロード走行性能を持ち、比較的凝ったメカニズムと親しみやすいデザイン。ハスラー人気の秘密はこんなところにありそうだ。