マツダ CX-4とは?中国専売のスタイリッシュクーペSUV!
マツダ CX-4
CX-4について、国内のマツダのディーラーに聞いても「その車は取り扱っていない」の一点張りで終わります。実はこの車、同社が中国市場で販売している車種で、いわばご当地限定モデルと言えます。
同社と中国の自動車メーカーである第一汽車(汽車とは中国語で自動車の意味)の合弁会社によって製造しています。2016年に中国市場における同社のブランド強化により誕生しています。
販売されているのは中国市場だけながら、年間5万台以上を生産しているという人気車種となっており、中国国内ではマツダらしいスポーティさにあふれたSUVとして定着している様子。
CX-4は「2017中国カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」をマツダ車として初めて受賞するなど、その特徴的なデザインが現地でも高く評価されていることがうかがえます。
マツダ CX-4の特徴
《画像提供:Response 》マツダ CX-4
それではCX-4の特徴を紹介していきましょう。CX-3とCX-5の中間的位置づけで開発されていますが、中国限定モデルであるのは先に話した通りです。他の車種と比べ走行性能を高め、足回りの強化などによりスポーティ化に成功した車両となります。
エンジンについては2.0Lと2.5Lガソリン車のみの設定で、中国向けの車らしく現地の車事情を勘案されています。ほぼ同じクラスのCX-5と比べると引き締まったデザインで、リアビューはその違いが顕著に表れています。
■スポーティなエクステリア
マツダ CX-4
国内で販売しているCX系と比べ、アテンザ譲りの流れるようなスポーティなクーペスタイルです。また、バンパーやメッシュグリル、それにライト部分の意匠も秀逸ですが、全体的に落ち着いた感じのデザインとなっています。流麗なスタイルは、中国の若者を中心に支持を得ています。
アテンザのようなスタイルがいいクーペデザインにCX-5の力強さを併せ持った車で、都会的イメージを感じさせる印象は、北京や上海などといった中国の大都市圏の高層ビル群などにもマッチしています。
フロント部分はほかの車両に導入しているマツダのブランドデザインである「シグネチャーウィング」を採用していて、ボンネット部分に関しては低くなっているのが特徴になります。
■高級感あるインテリア
マツダ CX-4
乗った瞬間に躍動感を感じながらもデザインは上質なものとなっているので、高級感ある車をイメージさせてくれます。インテリアではブラウン/ブラックの2トーンやバーガンディといったレザーシートも用意されるほか、ディスプレイ部分は8インチサイズのモニターがセンター部分に設置されています。
コクピット部分は中国大陸を長距離移動することを前提に、運転時における疲労を軽減するために人間工学的に設計しながらも、ホールド感を感じられるようになっています。
実際に運転すると体を包み込むかのような感じの座り心地の良さは、疲れを感じることは少ないでしょう。
■マツダらしい高度な走行性能
《画像提供:Response 》マツダ CX-4 SKYACTIV-G 2.5エンジン
エクステリアデザインでは大きく差異化がされているものの、メカニズムとしてはCX-5との共通性が強く感じられる仕立てとなっており、ドライバーはCX-5譲りのしっとりとした落ち着きのある運転感覚を感じられそうです。
近年のマツダ車で印象的なクリーンディーゼルエンジンや、究極の内燃機関とも称される「スカイアクティブX」エンジンこそ搭載されないものの、ガソリンエンジンの力強く伸びのある加速に、レスポンスに優れた6速AT、または6速MTを組み合わせることで、走りの楽しさも忘れていません。
また、ドライバーのハンドル操作に対して自動でエンジンの駆動トルクとブレーキ力を細やかに制御し、思い通りで安定した車両の動きを実現してくれる「G-ベクタリング コントロール プラス」も装備されるなど、マツダ車らしい優れた走行性能が追求されています。
■隠れた武器!低めの価格設定
《画像提供:Response 》マツダ CX-4
高級感のあるクーペSUVのエクステリアデザインに、上質な仕立てのインテリア、予防安全装備なども含めて充実の標準装備をもつCX-4は、そのお求めやすさも人気の理由のひとつでしょう。
最も廉価仕様となる2.0リッターガソリンエンジン 6MTのFF仕様グレードは約14.9万元(2021年5月現在、約253万円)、最上級グレードとなる2.5リッターガソリンエンジン 6ATのAWD仕様でも約21.6万元(約367万円)と、意外と値頃感が感じられる価格設定となっています。
CX-4のライバルにあたるクーペSUVの中国市場販売価格と比較してみると、サイズが同等のBMW X4は最廉価グレードでも約45.6万元(約775万円)から、CX-4よりもふたまわりほど小さいBMW X2でも約28.6万元(約486万円)からのラインナップとなっており、CX-4の価格がいかに競争力のあるものかがわかります。
国内で買えるマツダ「CXシリーズ」とCX-4を徹底比較
CXシリーズ 左からCX-8、CX-3、CX-30、CX-5
マツダが現在販売しているCXシリーズは、同社のフラッグシップ的役割を果たしながらも、SUVとしても国内外問わず多くのユーザーから高い人気を博しています。
ちなみにCXはクロスオーバーで、直後に付与されている数字は車格をそれぞれ意味しています。
最初に一番小さいサイズとなるCX-3について説明すると、2015年デビューで同社で販売されているマツダ2のSUV版といった立ち位置ですが、コンパクトサイズのボディと都市向けでありながらも、長距離の運転も余裕にこなせる性能を持ち、都会に住んでいる方向けの車です。マツダらしくクリーンディーゼルが選択できる点も、小型SUVとしては珍しいポイント。
そんなCX-3よりもひとまわり大きいのが、2019年秋に発売されたばかりの若い車種CX-30です。こちらは新世代のマツダ3とプラットフォームを共有しており、車名の数字が2桁になっている点が特徴的。CX-3よりも広い室内空間でありつつ、扱いやすいサイズを維持していて、快適なドライブが楽しめる点が人気を博しています。
次に紹介するCX-5は、2017年に誕生した現行モデルは、乗り心地や内外装すべての面においてハイクラスとなっていて人気です。全高の高さが1,690mmというサイズでは、都会のタワーパーキングに入りづらいといった弱点を抱えていますが、その分室内のゆとりは余裕たっぷり。荷室までガンガン使える、SUVらしいモデルです。
最後に2017年の年末商戦の時期に発売を開始したのがCX-8です。マツダとしては唯一の多人数乗車可能モデルとして、ミニバン的な使い勝手と、マツダが海外で販売するフラッグシップSUV「CX-9」にも迫るほどのグレードの高い内装が人気です。3列目シートはミニバン級の心地良い空間が確保されています。
《画像提供:Response 》マツダ CX-4、CX-5とのシートポジション比較
CX-4に関して、国内で販売しているマツダのSUVシリーズとサイズ感を比べてみると、全長に関してはCX-4が4,637mmに対しCX-5が4,545mm、CX-8が4,900mmで、CX-4は中間となります。
全高はそれぞれ異なっています。CX-4が1,531mmに対しCX-5が1,690mm、CX-8が1,730mmとなっていますので、こちらに関しては、国内販売分のほうが背が高い印象です。
全高の違いは、CX-5やCX-8がより一般的なSUVスタイルとなっているのに対し、CX-4はクーペSUVスタイルとなっているため。中国でもSUVは大人気となっていますが、CX-4はマツダらしいスポーティなデザインに特化したモデルとして人気車種となっているようです。
■結構似てる?人気のCX-30、CX-4との違いは?
CX-30は全長が約240mm短く、全幅が60mm狭く、全高が約15mm高い。長さを除けばスタイルはそっくり、装備内容も近い。
マツダ CX-30
日本国内ではCX-4の販売はありませんが、中国では人気が高い車として位置づけられています。CX-4のサイズは全長が4,637mm、全幅が1,855mm、全高が1,531mmとなっており、CX-3とCX-5の中間の役割を果たしています。
国内向け車種でその立ち位置となるCX-30のサイズを見ると、全長4,395mm、全幅が1,795mm、全高が1,540mmとなっており、CX-4と比べると少し小ぶりの印象となります。
CX-30との大きな違いは車体サイズとなっており、特に全長の差が大きくなっているので、日本と比べて広大すぎる面積を有することもあってか、大型車が好まれる中国でも快適なドライブができます。
長距離移動が基本的なスタイルとなるため、ストレスをため込まず過ごしやすい空間が必要とされる意味でも、居住性が高い車の方が人気があります。
■新進気鋭の個性派SUV MX-30、CX-4との違いは?
MX-30は全長が約240mm短く、全幅が60mm狭く、全高が約25mm高い。どちらも「クーペSUV」ながらMX-30は最新マツダデザインで新鮮な印象も。
マツダ MX-30
CX-30と基本構造を共有しつつ、フリースタイルドアの採用による変則5ドアボディ、マイルドハイブリッド仕様とフルEVという先進のパワートレイン、マツダデザインの新時代を感じさせる内外装など、色々な面で注目を集めるマツダの最新SUVがMX-30です。
MX-30はCX-30と同等のボディサイズとなっており、CX-4と比べるとかなりコンパクト。特に全長では240mm以上も短くなっているなど、欧州や日本での使い勝手をかなり考慮していることがうかがえますね。
また、CX-4がクオーターピラーとリヤウィンドウを大きく寝かせた流れるような王道のクーペSUVスタイルなのに対して、MX-30はややボクシーさも感じさせる独特の造形。ボディサイズの違いもあって、高級感のあるCX-4、アクティブ感のあるMX-30と、うまくキャラクター分けがされている印象です。
MX-30は、コルク素材をインテリアに用いるなど、目新しさだけでなくサステイナブルな車作りの追求も特徴的な部分。とはいえ、よりボディサイズの大きいCX-4は後席の余裕や荷室の使い勝手で圧勝という印象ですので、MX-30と比べると兄貴分といえるでしょう。
■中国市場では併売されるCX-5、CX-4との違いは?
CX-5は全長が約90mm短く、全幅が15mm狭く、全高が約170mm高い。ローアンドワイドで伸びやかなCX-4に対し、王道SUVフォルムのCX-5。
マツダ CX-5 XD
マツダが国内で販売しているSUVで、サイズ的にCX-4と似ているのはCX-5になります。ホイールベースに関しては同じでありながらも、CX-4の方が全長で約90mm長く、全幅では15mm広く、全高では約160mm低くなっており、よりローアンドワイドで伸びやかな印象となっています。
どちらもSUVらしく4WDも選べる点は共通ですが、CX-4が2.0リッターと2.5リッターのガソリンエンジンに6速ATの組み合わせしか選べないのに対し、CX-5ではクリーンディーゼルエンジンやガソリンターボエンジンが選べるほか、ディーゼル車では6速MTが用意されている点が特徴的です。
マツダ CX-4は日本国内で買えるの?中古車はあるの?
CX-4は日本国内に正規導入されておらず、中国生産車なので日本国内での登録も難しいため、日本では新車・中古車ともに手に入れるのは極めて困難!
マツダ CX-4
残念ながら新車として購入できるかどうかを国内のマツダディーラーに聞いても「予定なし」の一点張りで終わるでしょうし、マツダに聞いても同じ展開になるのが現状です。
マツダがもし日本国内で販売するならば日本市場向けの製造ラインが必要となり、製造は広島やヨーロッパといった自社工場で製造してからの販売となるでしょう。その場合、相応の投資金額が発生しますので、ヒットが確実でないと実現は難しいでしょう。
中国で製造されるCX-4は、国内に輸入しても車両の登録自体にとてつもない労力がかかることが予想されるため、現地で買い付けたCX-4を並行輸入することも非常に難しくなっています。
この登録の難しさは中国が日本で採用されている車輌型式認定に関する協定に参加していないためで、他の中国仕様車とも同様となっており、考えてみれば国内で中国生産の車はなかなかお目にかかることがありませんね。
新車がだめなら中古車でと販売店やサイトでの検索などで調べても、そもそも国内で販売が広まっていない車種だけにヒットする確率は低く、入手する事は困難でしょう。新車同様、他のCXシリーズを購入したほうが早く安いという現実問題があります。
■今後のマツダSUVのラインナップ展開はどうなる?
《画像提供:Response 》マツダ CX-5後継モデル 予想CG
当初は国内へもスペシャルティSUVとして導入が期待されていたCX-4ですが、すでにモデルライフ終盤に達していること、国内向けSUVのラインナップがもう5車種にまで増えていることもあり、仮にCX-4に次期モデルが存在したとしても、国内導入は望み薄といった印象です。
また、そろそろ主力車種であるCX-5もフルモデルチェンジが噂されており、CX-30に倣って車名の数字が2ケタになるのではという観測もされています。
CX-5がモデルチェンジするなら、メカニズムを多数共有しているCX-8の次期モデルも気になってきますし、さらにパーソナル感のあるコンパクトSUVとしてMX-30が登場した今、CX-3の次期モデルがどうなるのかにも期待がかかるところです。
魂動デザインが一巡して熟成が進んだ今、次のマツダデザインがどんな驚きを提供してくれるのかにも大注目ですね。
まとめ
《画像提供:Response 》マツダ CX-4
マツダCX-4の紹介をしました。中国といった広大な大陸を長距離移動が当たり前の市場において、同社のブランドの中核を担いながらも、ドライバーや添乗している方々に対し、疲れを感じさせることなく快適に移動できる空間がこの車の強みと言えるでしょう。