SUV×コンパクトの最適解か?人気の「トヨタ ヤリスクロス」
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス
「ヤリスシリーズ」の快進撃が止まりません。コンパクトハッチバックのヤリスを皮切りに、コンパクトSUVのヤリスクロス、ラリー直結のスポーツハッチバックのGRヤリスと、2020年に相次いで発売されたヤリスシリーズは、幅広いユーザーからの支持を集め続けています。
2021年に入ってからもその勢いは全く衰えておらず、2021年10月現在で分かっているデータでは、1月から9月までヤリスシリーズとして普通車販売台数ランキングの首位を独占中。直近数ヶ月ではモデルチェンジ直後であるトヨタ アクアに肉薄されているものの、このままいけば2021年の年間ランキングではヤリスシリーズが首位となることは確実です。
そんなヤリスシリーズですが、販売台数の比率としては、およそ半分をヤリス、残りの半分弱をヤリスクロスが担っている模様です。
馴染みのあるハッチバックスタイルのヤリスに対し、ブランニューモデルとして登場したばかりのヤリスクロスも、熱烈な支持を得ていることがうかがえますね。
扱いやすいサイズのコンパクトSUVながら、性能や装備で大型SUVにも見劣りしない充実感が特徴のヤリスクロス。価格の低廉さも話題となっていますが、普段の維持費に直結する燃費性能がどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ヤリスクロスのカタログ燃費や実燃費データ、さらにライバル車種との比較などを通して、ヤリスクロスの燃費情報を徹底的に解説していきます。
トヨタ ヤリスクロスのどんなところが人気なの?
■欧州の風薫る、洗練のエクステリアデザイン
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス
各メーカーから多数の車種が投入されているコンパクトSUVジャンルにおいて、ヤリスクロスは一目で分かる独特の存在感のあるエクステリアデザインが大きな魅力のひとつ。デザイン開発から設計までを欧州拠点で行ったということもあり、欧州車の雰囲気も感じるようなデザインですよね。
ヤリスクロスのエクステリアは、車名を共有するヤリスとは直接的に関連が見られない印象もありますが、筋肉質な印象のフォルムやブラックアウトされたテールランプなど、繋がりを感じさせる部分も見られます。
■ヤリスよりも使い勝手が向上したインテリア
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス 4:2:4分割可倒式リヤシート
ホイールベースは欧州仕様ヤリスと同じながら、ヤリスと比較して全長で240mm大きくなっているボディを持つヤリスクロス。荷室がクラストップレベルの容量となるなど、ヤリスに比べて全方位的に室内の余裕が増しています。
SUVらしく多様な形状の荷物に対応できるよう高められた荷室の使い勝手にも注目。Gグレード系以上では4:2:4分割可倒式のリヤシートを装備しており、スキー板など細長い荷物が収納しやすくなっています。
■高級SUVもびっくり?!上級装備満載な点もポイント
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス インテリア
厳しいコスト目線でも魅力が判断されるコンパクトSUVクラスにおいて、上級車種もびっくりの充実した装備の数々がヤリスクロスの大きな魅力。運転席の6ウェイパワーシートやハンズフリーパワーバックドアといった豪華装備が用意されており、便利で使い勝手のよいこれらの装備をリーズナブルに堪能できます。
また、電動パーキングブレーキやディスプレイオーディオが全車で標準装備となっているなど、幅広いグレードで装備が充実している点もポイントです。
■トヨタ最先端機能満載の安全性能も見逃せない
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス メーターパネル
豪華装備だけでなく、安全性能でもクラスを超えた充実度となっている点も、ヤリスクロスの大きな魅力です。
ハイブリッド車にオプション設定される「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター付)]」は、トヨタSUV初設定という先進機能。この機能を利用すると車が駐車スペースを自動認識してくれて、ハンドル操作とアクセル・ブレーキ操作を車まかせで駐車や出庫操作ができるので、ドライバーはシフト操作のみで簡単安全に駐車や出庫を完了することができます。
またこれまでの駐車アシスト機能とは違い、新たに用意されたメモリー登録機能によって、ご自宅など区画線がないスペースでの駐車アシストに対応した点が大注目ポイントです。
トヨタ ヤリスクロスのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,180mm×1,765mm×1,590mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,560mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,170kg | |
燃費 | WLTCモード:30.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 1,490cc | |
エンジン最高出力 | 67kW(91PS)/5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 120N・m(12.2kgf・m)/3,800-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 59kW(80PS) | |
モーター最大トルク | 141N・m(14.4kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 2,176,364円(消費税抜) |
トヨタ ヤリスクロスの燃費情報を総まとめ!おすすめグレードは?
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス
ヤリスクロスの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、ヤリスクロスの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのヤリスクロスのWLTCモード燃費は、2WDと4WD、ハイブリッド車とガソリン車の違いだけでなく、グレード間でもしっかりと燃費値に差があります。
もっとも低燃費なのは当然ながらハイブリッド車で、ハイブリッドXグレードの2WD仕様が30.8km/L、電気式四輪駆動であるE-Four仕様が28.7km/Lとなっています。
また、ガソリン車でもっとも低燃費なのはXグレード系で、2WD仕様が20.2km/L、4WD仕様が18.5km/Lとなっています。
モード別の違いを見ると、市街地モードで強みを見せるハイブリッド車に対し、ガソリン車も郊外モードや高速道路モードでは意外と巻き返している印象ですね。
コンパクトサイズとはいえSUVでリッターあたり30キロ台というカタログ燃費は異例で、ヤリスクロスの驚異的な高効率っぷりがうかがえます。
トヨタ ヤリスクロスのカタログ燃費まとめ表
ハイブリッドX 2WD |
ハイブリッドX E-Four |
X 2WD | X 4WD | |
---|---|---|---|---|
WLTCモード燃費 | 30.8km/L | 28.7km/L | 20.2km/L | 18.5km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 31.4km/L | 29.5km/L | 15.3km/L | 14.2km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 33.5km/L | 30.9km/L | 21.3km/L | 19.3km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 29.0km/L | 27.1km/L | 22.5km/L | 20.6km/L |
■トヨタ ヤリスクロスでもっとも低燃費なのはどのグレード?
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス
ヤリスクロスでもっとも低燃費なのは、ハイブリッドXグレードの2WD仕様で、WLTCモード燃費は30.8km/Lとなっています。コンパクトなハイブリッド車とはいえ、車重もかさみがちなSUVタイプにおいて、WLTCモード燃費でリッターあたり30キロ超えというのは、驚異的な低燃費性能となっています。
ハイブリッドでも電気式4WDの「E-Four」が用意されていて、高効率で低燃費なハイブリッドを堪能しつつ、雪道など悪路での安心感も手に入れることができる点もポイントです。E-Four仕様は、もっとも低燃費なハイブリッドXグレードでもWLTCモード燃費で28.7km/Lと、燃費面ではやや劣る点には注意が必要です。
1.0リッターエンジンも選べるヤリスとは異なり、ガソリン車は1.5リッターエンジンのみの設定となっているヤリスクロスですが、ガソリン車の燃費性能も侮れません。ガソリン車でもっとも低燃費なのはXグレード系の2WD仕様で、20.2km/Lとなっています。
■実オーナーが投稿!トヨタ ヤリスクロスの実燃費データまとめ
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド エンジンルーム
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年10月現在、現行モデルのヤリスクロスの実燃費平均値を確認してみると、もっとも低燃費なのはやはりハイブリッドの2WD仕様で24.11km/L、続いてハイブリッドのE-Four仕様が21.83km/Lとなっています。
ガソリン車は、2WD仕様が14.05km/L、4WD仕様が13.92km/Lと、ハイブリッドと比較すると一段劣る印象。とはいえ、SUVとしては納得の低燃費性能といえるでしょう。
ハイブリッドの燃費性能は異例なほどで、ユーザーによってはリッターあたり40キロ超えの燃費値を報告されている方もいるほど。
エコドライブを意識せず、普段通りに運転してもリッターあたり25キロ超えはカタいという声もあるなど、SUVとしてだけでなく、内燃機関車全体で見てもハイレベルな燃費性能が実現されているようです。
■トヨタ ヤリスクロスのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
ホンダ ヴェゼル
ライバル多数のコンパクトSUVクラスですが、価格帯や性格などを考えると、ホンダ ヴェゼルとヤリスクロスで悩んでいるという方も少なくないのでは。2021年4月に発売された現行型ヴェゼルは、新たに2モーター式ハイブリッドの「e:HEV」をハイブリッド車に搭載し、低中速域ではモーター駆動のみとするなど先進感があります。
ヴェゼルのWLTCモード燃費では、もっとも低燃費なハイブリッド車であるe:HEV Xの2WD仕様が25.0km/Lとなっており、充分に低燃費ではありますがヤリスクロスには届かない印象。ガソリン車であるGの2WD仕様も17.0km/Lと、ヴェゼルはややヤリスクロスよりも大きめのボディサイズを持つとはいえ、燃費性能では全面的に劣っている印象です。
日産 キックス
また、サイズ的にかなりヤリスクロスと近くなっているのが、日産 キックスです。
キックスは、日産の国内向け車種として初めてとなる「e-POWER」専用車種として投入された点が話題を呼びました。このe-POWERは、全車速域でモーター駆動のみを用いる点がポイントで、エンジンは充電用途に徹しているハイブリッドシステムとなっています。
事実上モノグレード販売となっているキックスのWLTCモード燃費は21.6km/Lと、ヤリスクロスのハイブリッドと比較してしまうとかなり物足りない印象です。それでいて装備充実の上級グレードのみの販売となっているので、価格帯がかなり高めとなっている点も見逃さずにチェックしておきたいところですね。
■燃費最優先なら、「世界トップクラス」の本家ヤリスも要チェック!
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス(左)、ヤリス(右)
燃費を何よりも優先したいという方なら、流行のSUVスタイルではなくなってしまうものの、ヤリスのハイブリッド仕様もぜひチェックしておきたいところでしょう。
ガソリン乗用車コンパクトクラスで世界トップレベルという燃費性能が実現されているヤリスのハイブリッド仕様は、もっとも低燃費なグレードではWLTCモード燃費で36.0km/Lとヤリスクロスを軽く超えている上、実燃費でもリッターあたり40キロ超えが狙えてしまうという、オバケ級の低燃費エコカーとなっています。
この燃費性能は、もはやハイブリッド専用車である現行プリウスを凌ぐほどです。SUVらしいアクティブな印象のルックスや、荷室の使い勝手が必要ないという方なら、ヤリスもぜひチェックしておきたいところですね。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ ヤリスクロス
ヤリスクロスの燃費性能を詳しくご紹介してきました。
シリーズ車であるヤリスの低燃費性能が大きく報道されることが多いものの、パワートレインを共有するヤリスクロスも常識はずれの燃費性能を持っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
燃費に優れたハイブリッド車、リーズナブルな価格が嬉しいガソリン車と、用途や予算に合わせて選びやすい点も嬉しいポイントですね。
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よくある質問
■ヤリスクロスってどのくらい売れてるの?
ヤリスクロスは、新車販売台数ランキングではヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスの3台を合算して「ヤリス」としてカウントされていますが、その合算値のうち半数弱がヤリスクロスの販売台数とされています。2021年上半期のデータでは、ヤリスクロスは約5.5万台販売された記録が残っています。
■ヤリスクロスって、ヤリスの車高を上げただけなの?
車名を共有していることから、先に開発されたヤリスをベースにSUV風に仕立て直したモデルと勘違いされることも多そうなヤリスクロス。実際のところは、ヤリスとヤリスクロスは同時進行で開発が進められ、それぞれのキャラクターに合った最適な仕上がりがとことん追求されたモデルとなっています。