べルランゴって?
シトロエン べルランゴ
ルノー カングー
おそらく、この車名を聞いたことのある人はかなりの欧州通。
日本国内では販売されていませんし、主たる需要は商用なのですから当然と言えば当然。
しかし、「ルノー・カングー」のように日本に導入されていたらいいライバルになっていたかもしれません。両車はそれだけ似通った車種であり、日本車で言えば「トヨタ・ハイエース」と「日産NV350キャラバン」の関係でしょうか。
「べルランゴ」の現行モデルは、2008年に発表され、新型は約10年ぶりのモデルチェンジを受けて登場する、3世代目モデルとなります。新型の特徴のひとつが、プジョーだけでなく、PSAグループの傘下に入ったオペル版の「オペル コンボ」も用意されることです。
べルランゴのエクステリアは日本人好み?
べルランゴのエアバンプ
ルノーカングー
しかし、同じプラットフォームをベースに開発されていても、「べルランゴ」のフロントマスクには、シトロエンの最新デザイン言語が導入されており、誰が見てもシトロエンとわかる表情となっています。また、ボディサイドには、素材の内部に空気カプセルを入れた「エアバンプ」が装着可能で、フロントマスクとあいまって、「C3」を彷彿とさせるデザインになります。
まずこのエクステリアが新型「べルランゴ」の最大の売り。
「カングー」の機能性剥き出しのデザインも人気がありますが、新型「べルランゴ」と並べたらどうでしょう。「カングーの世界観は好きだけどもうちょっと・・」と思う人も、「べルランゴ」なら満足するはずでしょう。日本車のミニバンよりかなりカッコイイのです。
バリエーションの豊富なべルランゴ
新型「べルランゴ」は、5名乗りのショートボディと、全長が250mm長い7名の乗りのロングボディを設定。
パワートレインは、ガソリンが1.2L、ディーゼルが1.5L。トランスミッションには、8速ATが設定されています。
これに対し、日本仕様の「カングー」は5名乗りのみで、1.2L直噴ターボと6速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)、もしくは6MTの組み合わせとなります。
実際に乗り比べてみないことにはその差はわかりませんが、8速ATと7人乗りを設定する「べルランゴ」がやや有利か。
最新のコネクティビティも充実
シトロエン べルランゴ
ルノー カングー
新型「べルランゴ」は最新モデルらしく、コネクティビティも充実させています。最新世代の3Dコネクトナビゲーションシステム「シトロエン・コネクト・ナビ」を採用した8インチのタッチスクリーンは、電話、メディア機能を制御する音声認識機能を備え、リアルタイム交通情報、サービスステーションおよび駐車場情報、ガソリン価格情報、気象情報などが分かるコネクトサービスが付帯しています。
先進運転支援システム
また、19の先進運転支援システム(ADAS)の採用し、中でも、8速AT車のストップ機能付きアダプティブクルーズコントロールは、フロントガラスの上部の多機能カメラを使用し、ドライバーの設定に合わせて車速を自動的に維持し、前走車に追従走行する機能を持ちます。
さらに、アクティブレーン逸脱警告システム、3.5インチのカラーディスプレイやヘッドアップディスプレイに表示する 交通標識認識システムを設定。
これらの先進装備は「カングー」にとってつらいところ。カングー ゼンEDC・6MTには、フロントエアバッグ、フロントサイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、運転席・助手席アンチサブマリン機構を標準装備しているものの、自動ブレーキ等は未装着。室内のデザインとあいまって、商用バンとの差別化が希薄なのです。そこが「カングー」のいいところなのですが。
オシャレ?な「コーヒーブレイク☕警告」
変わったところでは、「コーヒーブレイク警告」として、65km/h以上のスピードで2時間運転した後、ドライバーに休憩を取るよう促すシステムが搭載されているのです。これ、フランスっぽくていいですね。
まとめ
欧州では商用バンとして「ルノー・カングー」と並ぶ人気の「シトロエン・ベルランゴ」ですが、1988年に輸入されたことがあるものの、その後は現在まで輸入されず、一方の「カングー」はなぜか日本のみで人気車種となり、年に一度の「カングージャンボリー」には、フランス人もびっくりするほどの「カングー」が集まります。
新型「ベルランゴ」は、「シエンタ」や「フリード」といった、国産コンパクトミニバンを検討中のユーザーにも、訴求効果が十分にある人気車種となる可能性もあり、個人的には是非日本に輸入してもらいたいと思う車種。
みなさんはどう思われますか?