パジェロは、「三菱の意外なヒット」だった!?
パジェロ誕生の背景として、日本人のライフスタイルが多様化したことがあります。
1970年代に入って、週末に釣りやキャンプをする人口が増え始めました。そして主に公共向けに販売していた三菱『ジープ』の、コンシューマー向けの需要が伸び始めたのです。
そこに着目した三菱は、高い悪路走破性を持ちながらも、ユーザーフレンドリーな本格的クロスカントリー車を作ることを目指し、開発をはじめました。
最初は三菱ジープをベースにコンセプトカーを作りましたが、開発途中からオリジナル設計となり、海外でのピックアップ需要に心を動かされたりもしましたが、紆余曲折を経て、1982年についに誕生となりました。
三菱パジェロ初代、キャンバストップ
【意外なヒット】三菱 パジェロ 初代…洒落のつもりがユーミン | レスポンス(Response.jp)
http://response.jp/article/2017/01/02/287816.html三菱が送り出した予想外のヒット作と言えば、『パジェロ』でしょう。年末年始の読み物「意外なヒット」シリーズ。名前を聞けば誰もが知っているヒット作ながら、当初はそれほどの成功を誰も予想していなかったモデルを紹介しています。
■エクシードグレードの登場で…
デビュー当時は本格的なオフローダーファンから熱狂的な支持を受け、予想を上回る販売台数を記録したパジェロ。
それでもまだ大成功といえるものではありませんでした。しかしパジェロに意外な付加価値が生まれる出来事がありました。それが、「エクシード」グレードの登場です。
1987年に登場したエクシードは、無骨一辺倒のパジェロに本革シート等の豪華装備を付与したもの。
洒落のつもり程度で、月に50台も売れれば良いかな程度の期待であった三菱の予想に反し、月に1000台を販売するヒットとなりました。
時代はバブル期のデートカーブームで、オフローダーにも頼もしさだけではなく洗練が求められていることが浮き彫りとなったのです。スキーブームも相まって、全天候型のデートカー需要が高まっていたことが追い風になりました。
本格的なクロスカントリーとしてデビューしたパジェロですが、需要の変化に対応し、乗用車としての性能を高めていく改良が重ねられました。そしてついにRVブームがやってくるのです。パジェロはこのブームを先行者として見事に捉え、「パジェロに乗って、苗場でユーミン」が最高の週末を表すキーワードとされるほどの人気を集めました。
■パジェロ、名前の由来は?
三菱パジェロ初代、キャンバストップ
「パジェロ」の名前の由来となったのは、南米に生息するヤマネコである「パジェロキャット」です。山猫のようにしなやかに悪路を駆けていく事を願ってのネーミングですが、個人的にはあの厳つい顔つきにヤマネコは意外な組み合わせと思います。
パジェロに乗った感想は?
パジェロはファミリー向けワゴンとして使うにはサイズや重量が過大で、けっして一般的なモデルではない。が、クロスカントリータイプのモデルが好きだというカスタマーにとっては、デビュー後11年が経過した今も魅力的に感じられるであろう商品特性を維持していた。ただし、今どき衝突軽減ブレーキもついていないというのはライバルに対してかなりのビハインドになるので、ここは充実させてほしいところ。
競合モデルとしてはクルマの性格、価格帯の面でトヨタ自動車の『ランドクルーザープラド』くらいであろう。登場してからそれほど年月が経っていないプラドと比べると高価格帯のクルマらしい演出や静粛性の点では大きく劣る。そのパジェロを選ぶ最大の動機付けになりそうなのは、三菱らしいクロスカントリーモデルの味付け。パジェロは今後もフルモデルチェンジの予定は当面ないとのことだが、三菱自動車はそういう顧客の期待に応える商品改良を粘り強く続けていくべきだろう。