ランドローバーとレンジローバースポーツの歴史
ランドローバーというのは、1948年に誕生したイギリスの自動車メーカー・ブランドです。無骨なデザインが特徴的となっているモデルが多く、イギリス国内外で人気がある自動車メーカーです。
1994年からはBMWの傘下になったことがあり、その後2008年からはインドのタタ自動車の傘下になっています。
レンジローバーとは、ランドローバーから発売されている高級SUV、フラッグシップモデルです。
1970年に誕生し、エステート車、ラグジュアリー車、パフォーマンス車、クロスカントリー車の4種類の役割を1台のレンジローバーで可能にするという狙いがあります。
有名なラリーである、パリ・ダカールラリーの初代王者は、このレンジローバーのモデルで、迫力があるエクステリアや、高い走行性能が人気となっています。
初代レンジローバースポーツ
初代のレンジローバースポーツは、2005年から発売がスタートしています。ポルシェのカイエンの成功によって刺激され、開発されたモデルとも言われています。位置づけとして、ランドローバーのスポーツツアラーとされているのが特徴。
レンジローバーのボディとは似ているのですが、シャシーがディスカバリー3と共通のものを採用しており、サスペンションなども異なっています。レンジローバーはゆっくりと走行できるのを特徴としているのですが、レンジローバースポーツはスポーティな走りを意識している作りです。
2代目のレンジローバースポーツは2013年から販売されていました。2代目では、5Lのガソリンエンジンか3Lのディーゼルエンジンが設定されていました。2014年モデルからは、ランドローバー初となるハイブリッドモデルが追加されます。ディーゼルエンジンに35kwのモーターが組み合わされるモデルが販売されます。
レンジローバーよりも、少しサイズが小さく、よりスポーティでオンロード性能が高いモデルとして販売されてきました。
■レンジローバースポーツの内装は?
現行型のレンジローバースポーツは、高級感ある作りとなっており、高級SUVならばの作り込みです。車内には上質な素材の木目や、本革が使われているので、モダンで大人っぽい雰囲気を感じさせるもの。
シートに座ると、目線が低くスポーティなドライビングポジションになっていることに気付かされます。これもSUVの中でも、スポーティなグレードという証なのです。コロンとのシートは、厚みがありストロークもたっぷりとある上質なシートが装備。硬さやどっしり感は、他の車では味わう事ができないほどになっており、悪路を走行しても身体を支え続けることが可能です。
リアシートも重厚感がある仕上がりになっており、座面の長さやシートの長さも十分にあるので、長時間のドライブでも快適です。荷室は四角形状になっており、開口部も使いやすいデザイン。家族で積む必要がある荷物が多くなったとしても、困ることがないほどのトランク容量を確保しています。
リアシートを7:3で折りたたむことができるので、状況に合わせて荷室を広げることも可能です。車内の遮音性が非常に高くなっているので、外の音が気になることもないでしょう。
■レンジローバースポーツのエクステリア
レンジローバースポーツは、さらに上位モデルであるレンジローバーと比較をすると、一回りコンパクトなミドルサイズSUVになります。レンジローバー譲りのデザインになっていますが、イヴォーグやディスカバリースポーツと比較をすると、少しクラッシックな雰囲気を醸し出しています。
サイドのデザインは、イヴォーグやディスカバリースポーツとつながっていることを感じさせるデザインです。プラットフォームは、別の物が採用されていますが、デザインとして同じ系統となっています。レンジローバーの上質なデザインと、イヴォーグなどのスポーティなデザインが組み合わされているのが特徴となっています。
リアのデザインは、イヴォーグと共通するイメージになっています。比較的コンパクトなデザインのリアコンビランプが採用されているので、スポーティなデザインになっているのが特徴です。
■レンジローバースポーツのパワーユニット
2013年から発売されている現行モデルには、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2つのパワーユニットが用意されています。ディーゼルエンジンは、3LV型6気筒のスーパーチャージャーエンジン、ガソリンエンジンは5LV型8気筒エンジンが搭載されています。
レンジローバースポーツ SVR
ハイパフォーマンスモデルであるSVRというグレードには、さらにハイスペックなエンジンが搭載されており、最大出力は575psにもなります。0-100km/h加速はたったの4.7秒ですし、最高速はリミッターがあるものの260km/hという速さです。
ディーゼルエンジンは、排気量こそそれほど大きくないものの、ガソリンエンジンと遜色がないほどのトルクを誇ります。燃費が良いことや、軽油代が安いことを考えると、維持しやすいのはディーゼルエンジンモデルでしょう。
車外ではディーゼルエンジンと分かるサウンドを響かせますが、車内にはその音が入ってくることがありません。それでいてディーゼルエンジン特有の、太いトルクで力強く走ることが可能です。静かに加速をしていくので、ガソリンエンジンとの違いが分かりにくいほどです。
ディーゼルエンジンと言えども、少し低速トルクが細目なのが、このモデルの特徴です。ディーゼルエンジンなら、低速から太いトルクが出てくるのが特徴ですが、1500回転以下でのトルクが細目です。
もちろんタービンを回す事ができる1500回転以上では、しっかりとトルクを感じることができるのですが、排気量の割にはトルクが細目でしょう。Sモードにしておくと、回転数が高めで維持されますので、加速が必要な時でもアクセルを踏むと、すぐにパワーある加速をしてくれます。
レンジローバースポーツの評価は?
レンジローバースポーツは、スポーツと名前がついているだけに、スポーティな走りができるのが大きな特徴です。モデルによっては、SUVとは思えない運動性能を見せますが、それでいてSUVの良さは忘れてはいない作りになっています。
■スポーツらしい素晴らしい加速
スポーツらしい加速を見せてくれるのはどのグレードでも共通ですが、特にSVRというグレードは、ジャガー・ランドローバーのビスポーク部門であるスペシャルヴィークルオペレーションズ(SVO)が手掛けた、史上最強とも言えるSUVになっています。
従来のモデルでは、550psという出力を誇る5LV型8気筒エンジンを搭載していましたが、エンジンがマイナーチェンジされて、さらに25psアップして最高出力は575psを記録しています。
スーパースポーツカー並みの最高出力をSUVスタイルのレンジローバースポーツが出してくれるのです。2.5トン近い車重があるにもかかわらず、アクセルを踏むとしっかりと加速をしてくれるのは、レンジローバースポーツでも特にスペックが高められたモデルだからこそでしょう。
通常のディーゼルエンジンやガソリンエンジンモデルでも、重い車体を引っ張るには十分な力を備えています。高回転まで回してもストレスなく回るので、必要な時には加速することが可能。
■見た目には合わない軽快なハンドリング
見た目には、オフロードらしさが残っていますが、オンロードでの性能が高められているのがレンジローバースポーツの特徴です。サスペンションやセンターデフ、またブレーキにも電子制御が組み込まれています。
感覚的に少しオーバースピードの時には、トルクベクタリングバイブレーキと呼ばれる電子デバイスで、アンダーステアを消し去ってくれます。もちろんスーパーカーなので、オーバースピードは禁物ですが、ブレーキをしっかり踏み、ステアリングの操作をし、グリップするという曲がり方をすると軽快にコーナーを曲がってくれるのが特徴です。
ドイツの車の様に、固いセッティングではないものの、軽快にドライブできるのでオンロードでもドライブを楽しむことができます。乗り心地が良くなっているので、スポーツなのかを忘れてるほどです。
また、2018年6月からはPHVモデルもラインナップされ、0-100km/h加速は6.7秒、最高速度は220km/hを記録しています。
レンジローバースポーツの2019年モデルの特徴!
2018年7月の段階で、レンジローバースポーツの2019年モデルが発表されました。2019年モデルになると、先進運転支援システムが充実しているのが特徴的です。どのような装備をしているのか、確認していきましょう。
■2019年モデルの装備とは?
アダプティブクルーズコントロールには、新たに装備される機能として、ステアリングアシストが装備されます。アダプティブクルーズコントロールが作動している時に、車両が車線中央を維持できるように、ステアリングの操作を支援する機能です。
車線の白線を検出し、車線変更をする時や、ブレーキをするとシステムが停止するようになっています。高速域にも対応している緊急自動ブレーキも導入されています。障害物が検知されると、自動でブレーキをかけてくれるので、万が一の際の被害を軽減することができるのです。
車好きなら好きになってしまう魅力がポイント
レンジローバースポーツは、乗り心地や走行安定性はもちろんですが、スポーティさを求めている方にオススメのモデルです。ディーゼルエンジンでも遅いというイメージを与えることなく、重いボディもしっかりと引っ張ってくれます。給油の回数や維持費を考えると、ディーゼルエンジンの魅力の高さが注目に値します。
ガソリンエンジンと変わらない出力を持っているので、燃費の良さや航続距離の長さというメリットと合わせて、ディーゼルエンジンモデルの魅力を高めているでしょう。普段使いだけでなく、いつでも乗っていたいと感じさせるほどの魅力を備えています。SUVなのにスポーツというオン・オフ両方の走行性能の高さは、レンジローバーのコンセプトにマッチしているモデルと言えるでしょう。