サイバーナビとは?
「サイバーナビ」とはカロッツェリア(パイオニアの車載AV機器ブランド)が提供するカーナビのシリーズ名で、同ブランドでは他に「楽ナビ」というカーナビシリーズも手掛けています。
楽ナビがわかりやすさを優先してライトユーザー向けに作られている一方、サイバーナビは先進機能を盛り込まれており、楽ナビよりも価格が高いです。
また、サイバーナビはカーナビとしての基本性能は楽ナビとあまり変わらず、豊富なメディア対応性能、そして画質および音質の高さに重点を置いている点で異なっています。
楽ナビでは別売りであったスマートコマンダー(手元で手軽にナビを操作できるデバイス)が全てのモデルで同梱されているといった違いがあります。
カーナビで音楽や映像を楽しむ機会が多い人は、サイバーナビを購入すればドライブの時間をさらに良質なものに変えられるでしょう。
サイバーナビに搭載されている機能
サイバーナビを特徴づける独自の機能には、以下のものがあります。
・MapFanコネクト
MapFanコネクトはスマートフォンアプリなどとカーナビを連携させて、目的地や経路を手軽に設定できる機能です。使用のためにはあらかじめMapfan会員に無料登録した上で、スマートフォンアプリ「MapFanAssist」をインストールする必要があります。スマートフォンアプリの他に、PCを使ってWEBサイトからも「MapFan」を利用可能です。
スマートフォンなどで調べたある地点を「MapFanAssist」に登録すれば、カーナビと情報がリンクされカーナビの目的地として設定できます。
さらに、同アプリ間やLINEを通じて目的地などの共有もできるため、複数人数に目的地を知らせる時にも便利です。また、自分のカーナビの位置をアプリなどから探すこともできるため、盗難対策としても使えます。
・ミュージッククルーズチャンネル
ミュージッククルーズチャンネルは月額300円(税別)で利用できる音楽配信サービスです。配信される楽曲は750万曲以上と音楽ファンも納得のボリュームを誇っています。
ミュージッククルーズチャンネルの優れたところはカーナビの情報とリンクして、その状況に適した音楽を提案してくれるところです。例えば、海沿いを走っている時には海をテーマにした曲、夕方には夕暮れをテーマにした曲というように、ドライブ時のムードを高めてくれる楽曲が流れます。
その他にも、歌詞の表示と読み上げ機能、無音状態を作ることなく音楽をつないでくれる「オートビートマッチング」機能など、音楽ファンの欲しがる機能が多数実装されています。
・ハイレゾリューションオーディオ
サイバーナビでは使用する電子部品にこだわりぬき、ノイズを低減しながら豊かな音質を表現できるよう工夫されています。そのため、音質再生性能はかなり高くなっており、ハイレゾ音源の美点をじっくりと堪能できます。
・リアエンタテインメント
サイバーナビには別売りのリアモニターを使って、後席の搭乗者がカーナビの映像を楽しめる機能が付属しています。それが「リアエンタテインメント」機能で、この機能は主に「フロントリンクモード」と「リアセパレートモード」の2種類から構成されています。
フロントリンクモードでは、カーナビの映像をリアモニターと共有できます。同じDVDなどを楽しむこともできますし、MA(マルチドライブアシスト)ユニットを使えば、前方車載カメラが捉えた映像をリアモニターに映すことも可能です。
リアセパレートモードは、カーナビとリアモニターで別々の音声と映像を流せる機能です。例えば、カーナビで音楽を流しながら、リアモニターで映像を流すといったことができます。
サイバーナビはここまで述べたような独自の機能も優れた内容となっていますが、カーナビとしての基本性能も高い水準を達成しています。
例えばナビゲーション機能では、高精度のナビゲーションを行うことで正確な自車位置やドライブルートを表示します。また、データ通信を行えば渋滞情報をリアルタイムで取得できるなど、ドライバーの知りたい情報を的確に提供してくれます。
さらに、サイバーナビは色分けやレイアウトの工夫によって見やすく地図を表示しており、見ていて疲れません。
安全機能も充実しており、別売りのMAユニット(一部モデルに同梱)を利用すれば安全に役立つ様々なシステムを利用可能です。
例えば、予防安全機能として、推定車間距離表示、前方車両接近警告、誤発進警告、右折時つられ発進検知、赤信号検知表示などの機能を利用できます。
また、MAユニットはドライブレコーダーとしての機能も備えているため、走行中の録音録画はもちろんのこと、停車時にも衝撃を感知して事故の証拠を残せます。
さらに、サイバーナビはワンセグおよび12セグのデジタルTVチューナーを備え、CDやDVDなども再生可能という高性能のメディア対応力を持っています。CDからSDメモリーカードへの録音機能も装備しており、娯楽用途も万全です。
このように、サイバーナビは非常に高性能な機能が多数盛り込まれています。価格は少し高めですが、機能を考えればとてもお買い得です。
ハイスペックなカーナビが欲しいなら、サイバーナビがおすすめです。
サイバーナビをシリーズ別に紹介!
サイバーナビではAVIC-CL902、AVIC-CW902、AVIC-CZ902が主なシリーズとなります(2019年4月現在)。その他、特定車種専用モデルとしてAVIC-CE902という機種も存在します。
AVIC-CL902は上級シリーズにあたり、他のシリーズよりも画面が大きく高画質という特徴があります。 また、シリーズの中のAVIC-CZ902XS/CL902XSというモデルは他モデルより音質が高級なものになっています。
AVIC-CW902とAVIC-CZ902は、画面も小さめで高画質処理もなされていません。両シリーズの違いはカーナビ自体のサイズだけで、表示画面の大きさや機能は同じです。
特定車種専用モデルであるAVIC-CE902はAVIC-CL902よりも画面が二回りほど大きいという特徴があります。
それぞれのサイバーナビを買い求めるにあたって、どのような機能を求めるかが購入の決め手となるでしょう。高画質を求める人にはAVIC-CL902シリーズが、さらに高音質も追求したい人にはAVIC-CZ902XSがおすすめです。
それほど高画質も高音質も必要ではないなら、取り付ける車によってAVIC-CW902かAVIC-CZ902を選んでみてください。もちろん、適合する車に乗っているなら見やすさを優先してAVIC-CE902を購入することもできます。
なお、それぞれのシリーズではAVIC-CL902Mのように末尾に「M」がついたモデルが存在します。これはMA(マルチドライブアシスト)ユニットと通信モジュールがあらかじめ含まれて販売されていることを表しており、それ以外の点は特に変わりはありません。
■AVIC-CL902/CL902-M
AVIC-CL902およびAVIC-CL902-Mはサイバーナビの上級シリーズにあたります。このシリーズの特徴は、画面サイズが大きく 、さらに「高画質プロセッサー」による高画質処理がなされていることです。
このシリーズの本体サイズは126×200mmであり、AVIC-CZ902の100×178mmというサイズと比べると違いが分かります。
縦横ともに2cmと違いはわずかのように思えますが、実際に使ってみると文字や画像がはるかに見やすいことに気づくでしょう。画面のサイズは情報の瞬時の読み取りやすさにもつながるため、運転中に素早く情報を得たい方は画面サイズの大きいカーナビがお勧めできます。
このシリーズのもうひとつの特徴として、高画質プロセッサーが搭載されていることが挙げられます。高画質プロセッサーとはアンチエイリアス(文字や画像のドットの角ばりを滑らかにする技術)のために使われる技術で、表示される映像を見やすくする役に立っています。
見やすいカーナビを求める方にはAVIC-CL902シリーズがおすすめです。
■AVIC-CW902/CW902-M
AVIC-CW902シリーズは後述するAVIC-CZ902シリーズよりも本体が横長に作られている点が特徴です。表示画面のサイズには違いがないので、車に合う規格を選びましょう。また、AVIC-CW902シリーズのようなワイドタイプはボタンが右側に配置されているためドライバーから操作がしやすいというメリットもあります。
■AVIC-CZ902/CZ902-M
AVIC-CZ902シリーズはAVIC-CW902シリーズよりも本体サイズが小さく作られている点が特徴的です。AVIC-CW902シリーズとの画面サイズの違いはありません。
このシリーズが適合するダッシュボードを持つ車が多いため、こちらを買うユーザーが多くなるかと思います。
AVIC-CZ902シリーズはカーナビの下側にボタンが配置されており、右側にボタンが配置されているAVIC-CW902シリーズとレイアウトが異なっています。
■AVIC-CZ902XS/CL902XS
AVIC-CZ902XSおよびAVIC-CL902XSは2018年に追加された最新モデルです。このモデルはオーディオ機能に重点を置いており、それ以外の機能はAVIC-CZ902またはAVIC-CL902に準じます。AVIC-CZ902XSとAVIC-CL902XSの違いは本体サイズおよび画面サイズで、AVIC-CL902XSの方が一回り大きくなっています。
このモデルの最大の特徴であるオーディオ機能は非常にこだわったものとなっており、もともと音響機器メーカーであったパイオニアの技術の粋を盛り込んでいます。
例えば、AVIC-CZ902XS/CL902XSでは、銅メッキパーツを使ったノイズの減少、高性能のチューニング技術による豊かな音の再現などを行っており、他のカーナビの追随を許さない音質表現が可能です。事実、AVIC-CZ902XS/CL902XSを購入したユーザーのほとんど全てが音質面に絶大な評価を寄せているほどで、オーディオマニアも納得の出来栄えです。
カーナビで音楽を聴きたいけれど安い音質が気に食わない、という方にはAVIC-CZ902XS/CL902XS以外の選択肢は無いと思います。最高品質の豊かな音であなたの愛車をコンサートホールにしてみてください。
■車種専用モデル AVIC-CE902
AVIC-CE902は一部車種専用モデルのカーナビで、AVIC-CL902シリーズよりも二回りほど画面が大きい10Vサイズを実現しています。
対象車種は「日産 セレナ(H28年8月~)」、「トヨタ アルファード(H27年1月~)」、「トヨタ ヴェルファイア(H27年8月~)」、「トヨタ ヴォクシー(H26年1月~)」、「トヨタ ノア(H26年1月~)」、「トヨタ エスクァイア(H26年10月~)」、「ホンダ ステップワゴンおよびステップワゴンスパーダ(H27年4月~、ステップワゴンスパーダ ハイブリッド車はH29年9月~)」です。対象車種以外の車には取り付けられないため注意してください。
画面が大きく見やすい点に定評があるモデルですが、多少画質がぼやけているという評価もあります。ぼやけは使用には問題ない範囲ですが、画質を気にする方は他のモデルを検討した方が良いかもしれません。
サイバーナビの地図更新方法
サイバーナビの地図更新方法は大きく分けて3種類の方法があります。
一つ目はインターネット上から更新データをダウンロードして、カーナビにデータを移す方法です。この方法では、スマートフォンを使うやり方とPCを使うやり方の2種類が存在します。スマートフォンを使うやり方では、スマートフォンに専用アプリ「スマートアップデート for カロッツェリア」をあらかじめインストールしてからカーナビにダウンロードを行います。PCを使うやり方では、PCを使ってSDメモリーカードに更新データを書き込み、SDメモリーカードをカーナビに差し込んで更新を行います。
二つ目は、通信モジュールを使う方法です。通信モジュールは別売りのものを買うか、末尾に「M」のついているサイバーナビの製品を買って入手する必要があります。
通信モジュールをカーナビに挿しこんでおけば、カーナビが起動している間にリアルタイムでデータを更新してくれます。地図の更新ではこの方法が最も手間がかかりません。
三つ目は、パイオニアから更新データを書き込んだSDメモリーカードを郵送してもらう方法です。デジタル環境がなく上記の方法を使えないなら、こちらの方法を選んでください。ただ、この方法は3年間の更新保証の対象にはなりません。1回につき、5,000円(税別)の費用が発生してしまうため、注意が必要です。
また、地図更新の際にはオービスデータが付属したものを使うこともできます。
このデータは全国のオービスの位置が地図に表示されるようになるサービスで、年会費5,000円(税別)で利用可能です。施設優待サービスやカーナビ盗難お見舞金などの特典もついてくるため、お得な条件で使えます。
まとめ
ハイスペックな性能を持つサイバーナビは、カーナビゲーション機能以外にも様々な機能で人気を博しています。もしもサイバーナビを購入するなら、豊富なメディア対応性能をぜひ活かしてみてください。
そうすれば、毎日のドライブがさらに楽しくなるばかりか、あなたの車に乗った人もきっと楽しんでくれます。使えば使うほど笑顔をもたらすサイバーナビはこれからもカーナビの先進モデルとして、さらに高い評価を集めていくでしょう。