楽ナビとは
楽ナビとはカロッツェリア(パイオニアの車載AV機器ブランド名)が提供する車載ナビゲーションシリーズの1つで、同ブランドが提供しているサイバーナビと並ぶ人気シリーズです。楽ナビはその名前が示すとおり、負担を感じず直感的に操作できるよう作られている点が特徴です。
サイバーナビが先進技術を盛り込んだややマニアックな作りなのに対し、楽ナビはよりユーザーフレンドリーに作られています。機械の扱いがあまり得意でない人には楽ナビの方がおすすめです。
楽ナビは操作難易度の低い仕様で人気を呼んでいますが、それは完成度が低いというわけではありません。
詳細な地図表示や経路設定、渋滞予測といったカーナビに必要な機能は十分な品質を保っている他、モデルによってはハンズフリー通話などの拡張機能が用意されており多様なニーズに応えます。さらに、音声および映像再生機能やワンセグ受像機能などの機能も実装されているため、ドライブ中の娯楽用途にも活用可能です。
画面が見やすくて扱いやすく、しかも機能が充実したカーナビが欲しいなら、まず「楽ナビ」が候補に挙がるでしょう。
最新モデルの特徴は
楽ナビ最新モデルの特徴としては、9V型画面サイズを採用したモデルが新しく追加されたことが挙げられます。今回詳しく紹介する楽ナビのモデルはすべて100mm×178mmの7V型ですが、新しく追加された9V型のAVIC-RQ902は134mm×236mmと二回りほど大きくなっています。
小さい画面を見ていると目が疲れる方はAVIC-RQ902を利用すれば快適にカーナビが利用できるでしょう。
AVIC-RQ902の機能面は、今回詳しく紹介するAVIC-RZ902/RW902と同じです。
次に、最新モデルでは3年間の無償地図更新が保証されています。
保証期間は生産時期から3年間となっているため、中古品では保証期間が短くなってしまいます。カーナビの地図更新費用は1回につき5,000円~20,000円かかるため、無償期間を賢く使って最新の地図を使いましょう。
また、AV機器対応性能やハンズフリー通話対応機能など強力な拡張機能を多数取り揃えており、快適な自動車運転を実現させてくれます。
ここまで来ると、楽ナビはカーナビの枠にとどまらない一つの運転支援システムと呼べるでしょう。
楽ナビのモデル別 価格・特徴一覧
ここでは、楽ナビの主なモデルの特徴と価格を紹介していきます。どのモデルも高い性能を持っているため、ぜひチェックしてみてください。
■「AVIC-RZ102」
AVIC-RZ102は楽ナビの中で最も求めやすい価格帯のモデルです。余分な機能は無いため、基本的な機能だけを持ったカーナビが欲しい方におすすめです。
このモデルの特徴は、ハンズフリー通話機能とBluetooth対応機能を持っている点が挙げられます。AVIC-RZ102ではこの2つの機能を活用することで、Bluetooth対応している携帯電話を使ってカーナビを介した通話が可能です。この時の通話は携帯電話を手に持つ必要が無くハンズフリーで行えるため、両手でステアリングを握ったまま話ができます。
ただ、多くの自治体条例でハンズフリーでも運転中の通話は禁じられているため、緊急時の使用に留めておきましょう。なお、ハンズフリーでの運転中通話は禁止していない自治体の方が少なく、茨城県や栃木県、京都府など7県1府のみに限られます。
このモデルで省かれている主な機能としては、CD自動録音機能、HDMI入力対応機能、DVDまたはCD再生機能があります。HDMI入力対応機能とは、HDMI端子で接続してスマートフォンの画面をカーナビに映し出す時などに必要な機能です。
また、マップチャージ最大3年分の特典はついておらず、地図更新は有償で行う必要があります。
AVIC-RZ102は他モデルに比べて限定的な機能を持っていますが、シンプルなゆえに逆に使いやすいという評判もあります。
カーナビに多くを求めない方は、このモデルがオススメです。
■「AVIC-RZ302/RW302」
AVIC-RZ302およびAVIC-RW302も必要最低限な機能だけが組み込まれたカーナビです。両モデルの違いはカーナビの形状だけであり、機能は全く変わりません。
この2つのモデルはAVIC-RZ102とはまた違うエントリーモデル的な位置づけにあります。
AVIC-RZ302/RW302とAVIC-RZ102の主な違いとして、まずハンズフリー通話機能とBluetooth対応機能の有無が挙げられます。
AVIC-RZ302/RW302はこの2つの機能に対応しておらず、ハンズフリー通話ができません。
さらに、AVIC-RZ102とは違い、AVIC-RZ302/RW302は「Navicon」アプリに対応していません。Naviconとは経路設定のできるスマートフォンアプリで、Naviconで探した地点をカーナビに転送して目的地として設定するなどの使い方ができます。
マップチャージ3年分の特典がつかず、HDMI端子入力対応機能が無い点はAVIC-RZ102と同じです。
逆に、AVIC-RZ102には無い機能として、AVIC-RZ302/RW302はDVDおよびCDの再生が可能である点が挙げられます。AVIC-RZ102とどちらを買うかはDVDおよびCDをカーナビで再生する予定の有無で決めると良いでしょう。
AVIC-RZ302/RW302も余計な機能が省かれているために使いやすいという声が多い機種です。ドライブにDVDやCDで彩りを添えたい方はAVIC-RZ302/RW302を検討してみてください。
■「AVIC-RZ502/RW502」
AVIC-RZ502ならびにAVIC-RW502は楽ナビの中ではスタンダードなモデルです。AVIC-RZ502とAVIC-RW502はカーナビの形状だけが異なり、実装されている機能は全く同じです。両モデルの拡張機能はそれなりに組み込まれており、ある程度の娯楽利用もできる点が特徴的です。
AVIC-RZ502/RW502に実装されていない主な機能は、CD自動録音機能、HDMI入力対応機能だけです。また、マップチャージ3年分の特典もついてきません。
省かれている機能はそれぐらいで、後の機能は充実している点がこのモデルの特徴です。運転中にDVDやCD、USB、メモリーカードを使って音楽の再生もできますし、ワンセグでテレビ放送の受像も可能です。必要な時にはハンズフリー通話も可能で、スマートフォンとカーナビを連携させることもできます。
唯一の難点は、下位のグレードに比べて多少値段が張ることでしょうか。ただ、実装されている拡張機能を使いこなせる方にとっては決して高い金額ではありません。
ただナビゲーションを機能を使うだけでなく、様々な用途にカーナビを活躍させたい方にとってAVIC-RZ502/RW502は最適の機種です。AVIC-RZ502/RW502はドライブをより便利に、そして、より楽しくしてくれます。
■「AVIC-RZ702」
AVIC-RZ702は楽ナビの中でもスタンダードグレードにあたり、 前述のAVIC-RZ502の1つ上のグレードです。
AVIC-RZ702に内蔵されている機能はAVIC-RZ502とほとんど同じですが、それまでのモデルとは違い地上デジタルテレビの受像形態で12セグも選択できるようになっています。その他、「ブリリアントフィニッシュパネル」という技術が採用されている点も違いの一つです。ブリリアントフィニッシュパネルを採用している機種では、文字や画像をさらに見やすく表示できるようになっています。従来の楽ナビでは液晶パネルとタッチパネルだけでカーナビの画面は構成されていますが、AVIC-RZ702はさらにブリリアントフィニッシュパネルを装着することで、より鮮明な画像を映しだせるようになっています。
一般的なカーナビではタッチパネルを液晶パネルの上に重ねているためか、明暗の区別がややつきにくく、ぼやけた調子が生まれがちです。その点、AVIC-RZ702はくっきりと映像を映し出せるため、瞬時に情報を把握できます。
その他の機能はAVIC-RZ502に準じるため、映像をよりクリアな画像で体験したいかが購入の決め手になるでしょう。価格もそれほど違わないため 、好みで決めてみてください。
■「AVIC-RZ902/RW902」
AVIC-RZ902ならびにAVIC-RW902は楽ナビの上級モデルです。両モデルの違いは形状だけで、機能は同じです。
モデルとしての特徴は、楽ナビに設定されている全ての機能が実装されている点にあります。つまり、ここまで紹介してきた他のモデルとは違い、省かれている機能はありません。他の機種では省かれていたCD自動録音機能とHDMI入力対応機能もこのモデルから実装されており、何よりマップチャージ最大3年分の特典がついてくる点が嬉しいところです。
使用できるメディア媒体も多く、スマートフォンとの連携も可能なモデルなので、この一台でドライブの幅も極限まで広がります。ブリリアントフィニッシュパネルも設定されており、各種映像も上質の環境で楽しめるでしょう。
せっかくのカーナビならゴージャスなオールインワンの品物を買って楽しみたいという方には、AVIC-RZ902/RW902が強くおすすめできます。高級モデルであなたの愛車をさらにかっこよくしてみてください。
実は、AVIC-RZ902/RW902にはさらに上位のグレードのAVIC-RL902とAVIC-RQ902が存在します。AVIC-RL902はAVIC-RZ902の画面サイズを大きくしたモデルで、AVIC-RQ902はさらに画面サイズを大きくすると同時に画質の向上も図られています。どちらも上のグレードを目指したい方必見の素晴らしいモデルです。
生産終了モデルもあるので注意が必要
カーナビは年度ごとに新モデルが発売されることが多く、時期によっては生産終了となるモデルも存在します。例えば、2017年に発売されたAVIC-RW901(今回紹介したAVIC-RW902の前モデル)はすでに生産終了となっています。
生産終了したカーナビでもAmazonなどショッピングサイトでは扱われている場合があり、前述のAVIC-RW901もまだまだ流通している量は存在します。生産終了したカーナビは現行モデルに比べて幾分か値段が安くなっているため、わざと生産終了品をねらうことも可能です。
例を挙げると、AmazonではAVIC-RW901が¥82,600で販売されていました(2019年3月現在)
ただ、カーナビの場合は地図更新の保証期間が存在するため、遅く購入した分だけ地図更新の保証期間も短くなってしまいます。
例えば、2019年現在Amazonで販売されているAVIC-RW901は保証期間が2020年10月までしか認められていません。保証期間外となったカーナビの地図更新費用は5,000円~20,000円程度必要であるため、本体価格の値引き分と比べると割に合うか微妙なところです。
地図情報が古いと様々な不都合が起きることが予想されるため、現行モデルを購入して地図をできるだけ長く最新の状態に保つことをおすすめします。
まとめ
最近はスマートフォンをカーナビ代わりとしても使えるようになりましたが、頻繁に操作する必要があるなど、専門のカーナビには使い勝手の面でかないません。もしもカーナビを購入したくなったなら、楽ナビをぜひ検討してみてください。楽ナビは見やすさと使いやすさからサイバーナビとはまた違った好評価が寄せられているシリーズです。これまで使ってきたナビとは違う、すばらしい使い心地が得られるでしょう。