BMW 5シリーズ
2014
本記事では、2009年~2016年にかけて発売されたBMW5シリーズの6代目、とりわけ2013年に大幅なマイナーチェンジが行われたモデルについてみていきます。
今や一口に5シリーズと言っても、『BMW 5シリーズ セダン』(F10型)、『BMW 5シリーズ ツーリング』(F11型)、そして新コンセプトの『BMW 5シリーズ グランツーリスモ』(F07型)と、3つのモデルが存在する。そして今回のマイナーチェンジは、実に多岐にわたるもの。内外装デザインの随所に手が入ったほか、歩行者検知機能付きの「衝突回避・被害軽減ブレーキ」や、車載の通信モジュールを使った「BMW SOSコール」と「BMWテレサービス」が全車標準搭載になるなど、革新的ドライバー支援システムを中心に装備レベルが大きく引き上げられたのだ。
BMW 5シリーズ(2014)のスペック
ここではBMW 5シリーズの代表的な523iのスペックを少し見てみましょう。
基本スペックは以下のようになります。
・全長4910mm全幅1860mm全高1475mm
・ホイールベース=2970mm
・車重=1770kg
・駆動方式=FR
※データはセダンのもの
2リッター直4DOHC16バルブターボ(184ps/5000rpm、27.5kgm/1250-4500rpm)という性能になっています。特に今回のマイナーチェンジでは足回りの強化が成功した例として絶賛をあびました。
アップグレードにおいて、それまで528iでオプション装備だったアダプティブLEDヘッドライトが標準装備となり、とりわけエクステリアと、安全運転補助機能の充実が目を見張ります。
BMW 5シリーズ (2014)安全運転補助機能
事故発生時には車両搭載のSOSコールを通じて、ディーラーのSOSコールセンターに接続し、適切な補助がなされます。
また、それ以外にも、車両通信機能を通じて不慮の故障や普段からのメンテナンス情報に基づいたバッテリーの状態などを、エマージェンシーサービスに送ることにより正確で素早いサービスも受けられます。
こうして523iはワンランク上の装備とエクステリアを手に入れ、ドライバーの安全性を考え抜き形にしました。
BMW 5シリーズ グランツーリスモ528i
BMW 5シリーズグランツーリスモの発表は2009年です。クーペのようなボディラインに、セダンの持つ居住性・快適性と、ステーションワゴンなみの積載性を持つ、とても幅広いニーズに答えられるハッチバックモデルとして登場しました。
全長は5m超えであるのに対し、ホイールベースも3m超えとなり、リアシートはリクライニングとスライド機能により、長距離移動でも居住性は問題がありません。
エンジンも、直6エンジンがラインナップから消えて、2L直4ターボと4.4L V8ターボのラインナップになりました。
BMW 5シリーズ(2014)のアクセルとブレーキ
■ドライビング・アシスト・プラス
前走車との車間距離警告と前走車接近警告をメータ・パネルとヘッド・アップ・ディスプレイにアイコンでの警告、さらなる接近にはサウンドによる警報で知らせてくれるという安全設計。
なおかつそれでも運転者が安全回避行動に入らない場合には、ブレーキが自動的に介入し衝突防止・衝突時の衝撃軽減措置を取るようになっているという徹底ぶり。この機能は歩行者検知機能にも反応し歩行者の安全にも介入できるシステムです。
■アクティブ・クルーズ・コントロール
前走車との車間距離を一定間隔で維持しながら自動的にアクセルオンやブレーキオンなどでスピードを制御し一定の車間距離を維持します。
■レーン・ディパーチャー・ウォーニング
車線から逸脱するとステアリングハンドルに振動を伝えドライバーに注意を促します。また、車線変更の際に左右後方から接近してくる車がいる場合にドライバーに警告を促すレーン・チェンジ・ウォーニングを装備するなど安全とかかわる機能の充実度がある意味で完成の域に達してきています。
安心して踏めるアクセル
踏めば答えてくれる強力なエンジン、それは確実に止まる為の強力かつ安心のブレーキから生まれます、究極の目標は安全。この一言の為にBMWは日々進化を続けているのです。
衝突安全ブレーキ
衝突回避・被害低減ブレーキを全グレード標準装備化するなど、より一層の安全に対する装備が標準装備となりました。
BMW 5シリーズ(2014)の特徴
BMW 5シリーズはBMWの中でも特に販売台数の多い中心車種です。国内でもボディサイズ・インテリアの洗練されたデザインなどから、販売が好調な一台となってます。
またエンジンの選択肢も多くあるので、用途によって選べる楽しさも兼ね備えています。
■ハイブリッドモデル
アクティブハイブリッドのパワーソースは、535iが搭載する3リッター直列6気筒ターボをベースに開発されたものです。
エンジンとギアボックスの間にモーターを配備し、モーターの前後側にある二つのクラッチで駆動力を伝える1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムが採用されました。
このモーターの搭載により、最高出力54psのモーターが加わり、このエンジン・ハイブリッドシステム全体の最高出力は340psとなり、535iより34psの馬力アップになります。
また気になる燃費ですが、やはり同じエンジンを積む535iと比べますとJC08モードで535iが13.0km/リッター、それに比べてアクティブハイブリッドが13.60km/リッターとさほどは変わりません。
やはりBMWの場合燃費を一番に考慮するなら、JC08モード燃費で14.2km/リッターを記録する2リッター直4ターボの搭載の523iがベストの選択かも知れません。ハイブリッドなのにそれほど燃費が変わらないのは、アクティブハイブリッドの、アクティブにかかわったせいなのかも知れません。
■クリーンディーゼルエンジン
BMWのディーゼルエンジンの一番の特徴は軽量であるということです。そしてついに5シリーズにもクリーンディーゼルエンジン搭載車両が発売されました。
エンジンは2リッターの直列4気筒ディーゼルターボで、
・184ps/4000rpmの最高出力(3.5リッターのガソリンエンジンに匹敵する)
・38.7kgm/1750-2750rpmの最大トルク
などトルク重視の設計となっています。
それと燃費に貢献しているのがブレーキエネルギー回生システムやエンジン・オート・スタート、ストップシステム・ECO PROモード付きのドライビング・パフォーマンス・コントロールなどの装備が大いに役立っています。
このエンジンの燃費は、JC08モード、16.6km/リッターで同じエンジンを積む、320dブルーパフォーマンスの19.4km/リッターには及ばないけれど、2リッター直4ガソリンターボエンジンを積んだ528iの13.6km/リッターや、523iの14.2km/リッターよりも優れたものとなっています。
■BMW 5シリーズ (2014)試乗評価・感想
後ろに回り、BMW伝統のL字型リヤ・コンビネーション・ライトを見ると、LEDライト・バーの光が以前よりスリムかつシャープになり、より精緻な印象となったことが分かる。夜間、テールライトが一際美しい現行5シリーズを見かけたら、それは今回の最新モデルかもしれない。また、リヤ・バンパー下部には、グランツーリスモを含めて、左右のリフレクターを水平につなぐクローム・ストリップも備わり、品質感やワイド感がさらに高まった。
また、グランツーリスモにおいては、フロント・バンパーのエア・インテークやリヤ・コンビネーション・ライトの形状が一新された。結果としてグランツーリスモならではのスポーティな印象がより強まっている。
5シリーズは、登場から4年を経て、スタイリング/エンジン/ボディ形状と、選択肢がさらに広がり、あらゆるニーズに対応するオールマイティな魅力を身につけるに至っている。
進化し続けるBMW 5シリーズ
世界で最も売れているセダンと語る人も多いのが、このBMW 5シリーズではないでしょうか。
日本国内では、ともすれば大きな3シリーズとも酷評されがちではあるけれど、マイナーチェンジ・メジャーアップデートを重ねるたびに進化しているのは事実です。72年に初代が登場してから十数年の時を経てもまだ進化をやめないのがこのBMW 5シリーズです。
まとめ
本記事では2009年に発売され、2013年秋に大幅なマイナーチェンジを受けたBMW5シリーズについてご紹介しました。
現行モデルはなかなか敷居が高いという方も、旧モデルを検討に入れてみてはいかがでしょうか。もしかしたら運命の一台に出会えるかもしれないですよ。