ビルの中に入ると、そこには飛行機がありました…
航空会社では、乗務員が常日頃から客室救難訓練を行なっています。
JAL(日本航空)がこの訓練を媒体に体験させてくれ、しかも非常食の試食もできるとのことで。
ある晴れた春の日、東京羽田空港整備場の一角、JAL第一テクニカルセンターへいそいそと向かうことになりました。
座席に座り、客室教育訓練部安全訓練グループの高木裕美子グループ長の説明を聞く。JALの客室救難訓練には初期訓練、型式訓練、復帰訓練、定期救難訓練と合わせて4種類があるそうだ。
初期訓練は新人対象に入社後に行われる、いわゆる新人訓練。日本人CAの場合、2か月間の訓練終了後国内線を乗務できるようになる。約1年間の国内線乗務の後、約1か月の国際線移行訓練を経て、国際線乗務が可能になる。海外で採用される海外基地乗務員の場合は3カ月通しの訓練となる。
客室救難訓練は初期訓練の中で早い時期に2週間ほどかけて行なう。「早い時期に行う理由は、安全について自覚を持つため。客室乗務員は保安要員でもあり、客室救難訓練を修了しないと客室乗務員の資格を持てず、制服を着てのサービス訓練もできない」と高木グループ長。
ちょっとワクワクしちゃう!
縁の下の力持ち!整備士学校に迫る
■専門学校時代の思い出…
中村備士(向かって右)と金谷整備士
中村整備士:私が通った学校は、三等航空整備士の資格をとる学校だった。年に2回、その試験を受けるチャンスがあって、夏の試験まで必死に勉強したことを覚えている。それはもう、缶詰状態での勉強。普通の学校とは違い、来る日も来る日も飛行機の話ばっかり(笑)。秋口に、先輩たちがエアラインに就職が決まり始めて、私の進路も先輩たちに導かれるように……。
金谷整備士:当時の実習は小型機がメインだった。すでに現役では使用できないエンジン実機を実習で使うトレーニングがあった。何時間もかけて分解し、非破壊検査などを経て、目に見えない傷を見極めるという実技。さらにそれを、クリーニングして、再度組み上げていくというプロセスだった。いま思うと、仲間と情報共有しながら、手と道具を動かして、機体を組んでいくという、安全へ向けた作業の基礎は、鮮明に覚えている。