中型バイク免許とは
《写真提供:response》ヤマハ トリシティ300
まだ免許を持っていない方の場合、中型バイクと言われてもあまりピンと来ないという方も多いかもしれません。そこで、まずは中型バイクとはどういったバイクなのかについてご紹介します。
■正式名称は普通自動二輪運転免許
中型バイクというのは実は通称で、正式には普通自動二輪という区分になります。なので、中型バイク免許は普通自動二輪免許が正式名称です。
普通自動二輪免許には2種類があり、MTとAT限定です。単に普通自動二輪免許と言うとMTを指します。
AT限定免許の場合、運転することができるのはAT車に限定されてしまいますが、その分だけ取得が簡単であるというメリットがあります。ただし、AT車はかなり車種が限られてしまいますので、バイクが好きでさまざまなバイクに乗りたいと考えているのであればMTをおすすめします。逆に排気量の大きなスクーターを日常の足として使いたいといった目的であればAT限定でも問題ないでしょう。目的や乗りたいバイクに合わせて免許の種類を選びましょう。
■中型バイク免許で運転できるバイク
中型バイク免許で運転することができるバイクは400cc以下のものとなります。日本ではかなり人気の高いカテゴリーですので、排気量が限定されているものの選択肢はかなり多いと言えます。
日常の足として便利なATのスクーターはもちろんのこと、本格的な走行を楽しめるスポーツタイプ、長距離ツーリングも快適なアメリカンタイプ、アウトドアなどでも楽しめるオフロードタイプなどさまざまな選択肢があります。
もちろん、大型免許ほどではありませんが、極端に選択肢が少ないというわけではありませんので、バイク好きな方でも十分に満足することができるでしょう。
■バイクの区分
冒頭でもご紹介しました通り、バイクは区分によって細かく分けられており、それぞれ必要となる免許は異なっています。
バイクの免許は通称で小型・中型・大型と呼ばれていますので車体のサイズや重量によって分けられているというイメージが持たれがちです。しかし、実際には免許は総排気量によって区分は分けられています。
そこで、排気量が小さい順番に区分と運転するのに必要な免許をご紹介します。
総排気量は50cc以下のバイクは原動機付き自転車として区分されます。こちらは原付免許で運転可能となります。125cc以下のものは小型自動二輪に分類されます。こちらは小型限定普通二輪免許で運転できます。このサイズの特徴として2人乗りは可能となりますが、高速道路の走行はできないという点が挙げられます。
中型バイクと呼ばれているのが総排気量400cc以下のものです。正式には普通自動二輪という区分になります。このサイズからは高速道路の走行も可能となりますので、長距離の移動もかなり楽になります。
そして総排気量が400ccを超えるものが大型自動二輪です。そして、このバイクを運転するのに必要なのが大型自動二輪免許です。
中型バイク免許の取得方法
ホンダ CRF250ラリー ABS
中型バイク、普通自動二輪免許を取得したいと考えてもどうすればいいのかわからないという方も多いかと思います。そこで、ここでは中型バイク免許を取得する方法をご紹介します。
■中型バイク免許取得に必要な資格
普通自動二輪免許は16歳から取得することができます。また、資格として別の免許も必要ではありません。
■小型から中型にステップアップするには
小型限定普通自動二輪免許をすでに取得している場合、そこからステップアップすることもできます。
自動車学校を利用する場合は一部の教習が免除になりますのでより短期間かつ低コストで免許を取得することが可能となります。
■教習所で中型バイク免許を取得する方法
教習所でも普通自動二輪免許を取得することができます。二輪免許の中でも特に人気が高いこともあって多くの教習所で普通自動二輪免許のコースが用意されていますので選択肢はとても豊富です。
他の免許を所有していない場合、教習所では26時間の学科教習と19時間の技能教習を受け、検定に合格したら卒業となります。
すでに普通自動車免許を所有している場合は、学科教習は受講済みになるので学科教習は1時間のみになり、技能教習も17時間です。
また、前述の通り小型限定普通二輪免許を持っているのであれば限定解除としていくつかの教習を受け審査に合格したのち、申請手続きを行うことで中型免許を取得することができます。
所持している免許の種類によって中型免許取得へのハードルは異なりますので他の免許も取得することを考えているのであればどの順番で取得するのかを考えておきましょう。
また、教習所によっては普通自動車免許と普通自動二輪免許を同時に取得することができるプランなどが用意されているケースがありますので検討してみましょう。
■一発試験で中型バイク免許を取得する方法
まったくバイクの運転経験がない状態からの場合、あまり現実的な方法ではありませんが、普通自動二輪免許は運転免許センターや運転免許試験場などで行われている一発試験で取得することも可能です。
一発試験のメリットは、数回程度で合格することができれば短期間かつ低コストで免許を取得することができるという点です。
しかし、前述の通りバイクの運転経験がない状態で合格するのも難しいので自分の経験と照らし合わせて検討するようにしましょう。
■中型バイク免許取得に必要な期間・費用
普通自動二輪免許の取得にかかる期間は他の免許を持っているかどうかによって異なります。他の免許一切持っいない状態の場合は、すべての教習を受ける必要がありますので最短でも半月から1ヶ月程度かかります。スムーズに教習を受けることができなければ2ヶ月かかる可能性もあります。
普通自動車免許をすでに持っている場合は学科教習は1時間のみとなりますので最短2週間程度で卒業可能です。費用の目安は免許を一切所持していない場合は15万円程度で、普通自動車免許を所持しているのであれば8万円が相場です。
費用に関しては教習所によっても異なりますので、できるだけ安く免許を取得したいのであればいくつかの教習所のプランを比較してみましょう。
中型・小型のどちらを選ぶべき
《写真提供:response》ヤマハ MT-25
バイクの免許を取得する上で、小型と中型のどちらにすべきなのか迷ってしまうという方も多いでしょう。最後にそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
■小型バイクのメリット・デメリット
小型限定普通免許の最大のメリットは免許の取得が簡単であるという点です。普通免許を所持している方であれば最短の場合2〜3日で免許の取得が可能です。とにかく早くバイクの免許が欲しいという方におすすめです。
また、原動機付き自転車と比較すると一般道を走行するには十分なパワーがありますので日常の移動手段として使いやすいという点もメリットとなります。
一方でデメリットは高速道路の走行ができないという点です。そのため、長距離の移動は制限されてしまいます。
また、中型と比較するとバイクの選択肢が少なくなってしまうという点もバイク好きな方にとってはデメリットでしょう。
■中型バイクのメリット・デメリット
普通自動二輪免許のメリットはやはりバイクの選択肢がとても広いという点です。日本ではかなり人気の高いカテゴリーなので多くのメーカーが力を入れています。そのため、さまざまなバイクの中から自分の好みに合ったものを選べます。
また、このカテゴリーからは高速道路の走行も可能となりますので長距離の移動も快適になります。さらに、小型バイクと比較するとパワーにもかなり余裕があるので安定した走行が可能になるという点も大きなメリットです。
一方、デメリットは免許の取得に時間がかかる点です。普通自動車免許を所持していても最低2週間程度は教習所に通う必要があります。当然、それだけ費用もかかってしまいます。
また、このカテゴリーに含まれる250cc超のバイクからは車検も必要となりますのでバイクの維持費も効果になるという点もデメリットです。
■小型と中型のどちらを選ぶべき?
このように小型バイクと中型バイクにはそれぞれメリットとデメリットがあります。これらをしっかりと頭に入れた上でどちらにすべきなのかを検討する必要があります。
目安としてはそれほど長距離の移動をする機会はないものの、原付では物足りないという方におすすめなのは小型で、高速道路などを使った長距離ツーリングなどを楽しみたい、また、いろんなバイクに乗りたいという方には中型がおすすめです。
後から限定解除をすることも可能なので、とにかくバイクに乗ってみたいという方はまずは小型限定普通自動二輪免許を取得して、乗ってみるというのもいいでしょう。その上でより大きなバイクに乗りたいと考えるようになった段階で限定解除を視野に入れてみるのもおすすめです。
まとめ
《写真提供:response》ヤマハ SR400
中型バイク免許を取得することによってさまざまなバイクに乗ることができます。しかし、バイクの免許にはさまざまなものがあり、取得のハードルも乗ることのできるバイクも異なっています。なので、自分の目的や乗りたいバイクなどに合わせて取得する免許を選ぶようにしましょう。
どの免許を取得すればいいのかわからないという方にとって、普通自動二輪免許は極端に取得のハードルが高いわけでもなく、乗れるバイクの幅も広いことからおすすめできます。より簡単に免許を取得したいと考えるのであればまずは小型限定普通自動二輪免許もおすすめです。