三菱 エクリプスクロスとは
三菱エクリプスクロス改良新型
2018年3月、三菱自動車のクロスオーバーSUVラインアップに新たに加わったエクリプスクロスは、アスリートがクラウチングスタートから走り出す瞬間を表現したという、これまでの三菱車にはないSUVとクーペスタイルを融合した新デザインのSUVとして登場しました。
デザインではさらに、薄くシャープなLEDデイタイムランニングライトとLEDターンランプが上部に、ヘッドライトやフォグランプを下部に備えることで精悍なイメージとなっています。そして後方の視認性を高めるために、リヤガラスがニ分割されたダブルウィンドウ式が採用されていました。
エンジンは発売当初、新開発のダウンサイジング直列4気筒1.5L直噴ターボのみの設定で、優れた燃費性能とクリーンな排出ガス特性を両立させ、1.5Lながらも2.4L自然吸気エンジンを凌ぐ中低速トルクを発揮しています。
さらに2019年6月には、三菱4WDの本命ともいえる380N・m の大きなトルクを発生させる直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボエンジンが搭載されました。
そして2020年12月の大幅改良では、クリーンディーゼルターボエンジンとリアのダブルウィンドウを廃止することになります。
大幅改良で大変身したエクステリア
三菱 エクリプスクロス PHEV
三菱 エクリプスクロス 改良前モデル ディーゼル車
エクリプスクロスは、大きな特徴だった前後のオーバーハングを切り詰めたプロポーションから、そのオーバーハングを延長し、デザインにも手が加えられました。
理由としては、PHEV仕様に追加されるコンポーネントを収めるためのスペース確保と、荷室容量の拡大要求の声に応えるために、前後オーバーハングを延長したということです。その延長の合計は140mmにもなります。
マイナーチェンジ前のエクリプスクロスのリアはダブルウィンドウを採用したために腰高感がありましたが、新型ではシングルウィンドウになって、クーペSUVらしさがより際立っています。
マイナーチェンジでここまでデザインが変わるのは異例のことですが、新型エクリプスクロスの大本命はパワーユニットの変更にあります。それがPHEV(プラグインハイブリッド)モデルの設定とクリーンディーゼルエンジンの廃止です。
PHEVの新設定とクリーンディーゼルの廃止
三菱 エクリプスクロス 改良新型のPHEVモデル
新設定されたPHEVは、「アウトランダーPHEV」のシステム同様ツインモーター4WD方式を採用し、前後の高出力モーターと大容量の駆動用バッテリー、そして2.4Lエンジンによってエクリプスクロスに最適化したPHEVシステムを搭載しています。
モーターで駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力で駆動する「シリーズ走行モード」、モーターがエンジンをアシストする「パラレル走行モード」の3つのモードがあり、走行状況に応じて自動的に切り替わります。
さらに、車両運動統合制御システムS-AWCを採用し、より細かい精度で走行性能を高めています。
57.3km(WLTCモード)のEV航続距離の性能と、充電にかかる時間は、AC200V/15Aの普通充電で満充電まで約4.5時間、急速充電では80%まで約25分で充電できます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,545mm×1,805mm×1,685mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,670mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,900~1,920kg | |
エンジン種類 | 直列4気筒2,359cc | |
最高出力 | 94kW(128PS) /4,500rpm | |
最大トルク | 199N・m (20.3kgf・m) / 4,500rpm | |
モーター型式 前/後 | S61/Y61 | |
最高出力 前/後 | 60kW(82PS) /70kW(95PS) | |
最大トルク 前/後 | 137N・m (14.0kgf・m) / 195N・m (19.9kgf・m) | |
ハイブリッド燃費(WLTCモード) | 16.4km/L | |
充電電力使用時走行距離 | 57.3km | |
交流電力量消費率(WLTCモード) | 213Wh/km | |
総電力量 | 13.8kWh | |
駆動方式 | 2WD 4WD |
■えっ?ディーゼルは廃止!
新型エクリプスクロスでは、PHEVモデルを設定するにあたって、クリーンディーゼル車は廃止されました。ディーゼル車は2019年6月に追加されたばかりで、2020年12月に廃止したわけですから、販売されていた期間はわずか1年半という短期間でした。
このタイミングでなぜディーゼル車を短期間で廃止したのでしょうか。各種報道によると、欧州を中心にディーゼル離れが進んでいる現在、電動化への対応に迫られることで、開発の効率化や生産効率を求める必要があることが理由とされています。
2WD | 4WD | |||||
PHEV M | 3,499,000円 | |||||
PHEV G | 3,775,000円 | |||||
PHEV P | 4,070,000円 | |||||
1.5ガソリンターボ M | 2,301,000円 | 2,501,000円 | ||||
1.5ガソリンターボ G | 2,607,000円 | 2,807,000円 | ||||
1.5ガソリンターボ G Plus Package | 2,842,000円 | 3,042,000円 |
1.5Lターボモデルだって魅力満載
1.5Lターボエンジン
2020年10月15日からの予約注文では、8割が新たに設定したPHEVモデルであったように、新型エクリプスクロスにおいてはPHEVモデルに人気が集中しています。しかし、デビュー当時から設定されている1.5LターボモデルもPHEVモデルに負けない魅力があります。
直列4気筒1.5L直噴ターボエンジンは、レスポンス良く立ち上がるパワフルな加速フィーリングと、燃料噴射を緻密にコントロールする直噴システムと傘中空ナトリウム封入排気バルブを搭載したことで、1.5Lエンジンでありながら2.4LNAエンジンを凌ぐ中低速トルクが特徴になります。
さらに、INVECS-III 8速スポーツモードCVTは8速クロスレシオ設定より、エンジンのポテンシャルをフルに引き出し、ステップシフト制御とパドルシフトの採用によりダイレクトな加速フィーリングを実現しています。
また、PHEV車より最大最大で470kgも軽い車両重量により、SUVとしての優れた操作性を備えています。そして何よりエントリーグレード同士の比較でPHEV車より約120万円も安い車両価格が1.5Lターボ車の魅力といえます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,545mm×1,805mm×1,685mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,670mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,450~1550kg | |
エンジン種類 | 直列4気筒1,498ccターボチャージャー | |
最高出力 | 110kW(150PS) /5,500rpm | |
最大トルク | 240N・m (24.5kgf・m) / 2,000~3,500rpm | |
燃費(WLTCモード) | 12.4~13.4km/L | |
駆動方式 | 2WD 4WD |
(2021年3月現在 三菱自動車公式サイトより)
エクリプスクロス中古車相場
2018年式 三菱エクリプスクロス
新車では、ディーゼル車は廃止されているので、中古車でしか選べません。ディーゼル車は完成度の高いモデルなので、中古車で選ぶならディーゼル車狙いでもよいでしょう。しかし、販売期間が短いので流通する台数が少なく、高価格になっているのが悩み事です。
生産期間 | 中古車平均価格(消費税込み) | |
---|---|---|
2020年12月~生産中 | 429.0万円 | |
2019年12月~2020年11月生産モデル | 279.8万円 | |
2019年10月~2019年11月生産モデル | 280.0万円 | |
2018年12月~2019年9月生産モデル | 253.2万円 | |
2018年3月~2018年11月生産モデル | 216.9万円 |
(2021年3月現在 レスポンス中古車検索より)
まとめ
新型エクリプスクロスとエクリプスクロスPHEVをご紹介してきました。電動化に向けた自動車メーカーの取り組みは予想以上に早く、一気にEVとはいかなくてもPHEVを導入するモデルはますます増えてくるでしょう。
その中でもエクリプスクロスPHEVは性能やデザインで一歩抜きんでた存在です。次の車を検討する際にぜひこの記事を参考に、エクリプスクロスPHEVも候補に入れてみてください。