プリウスはちょっと古いと思ってる?見逃したくないその高性能
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
世界初の量産ハイブリッド車としてトヨタ プリウスが発売されたのは、1997年12月のこと。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーがつけられたことからもわかるとおり、初代のデビューはまだ20世紀だったのですね。
初代プリウスがデビューした20年以上前は、環境対応車としてはまだハイブリッドカーが軽視されていた頃。しかしプリウスは、電気の力でエンジンを補助することによって広がる大きな世界を多くの人に伝え、ハイブリッドカーの定番ブランドとして定着しています。
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス 初代
プリウスは世代を重ねるごとにさらに効率性に磨きをかけており、現在発売されている4代目ではその低燃費性能は驚くほどです。
巷にハイブリッドカーが溢れる今だからこそ、やや存在感の薄れも感じられるかもしれませんが、その性能は今でも第一線級。見逃したくないプリウスの実力を、ご紹介していきます。
プリウスの魅力を5点に厳選してご紹介
■やっぱり抜群の低燃費!
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス ハイブリッドシステム
さすがにハイブリッドカーの先駆であり、現在までハイブリッド専用ブランドとして続いてきただけのことはあるプリウスの低燃費っぷり。現行モデルでは、WLTCモード燃費で最高32.1km/Lという乗用車として非常に優秀な燃費記録が出ています。
こちらは燃費スペシャル感もあるEグレードですが、豪華装備が加わるAやAプレミアムグレードでも30.8km/Lと、実燃費に近い測定値が特徴のWLTCモード燃費ながら30キロの大台を超えてくるあたり、今でも第一線級の低燃費性能と言えるでしょう。
ここまで低燃費だと、ガソリンスタンドへ行く回数も減らすことができそう。燃料タンクは43Lが確保されているので、低燃費と合わせてロングドライブも可能です。
■TNGAで乗り心地も運転の楽しさも向上
トヨタ プリウス
4代目プリウスは、先代とは打って変わって低く構えた姿勢が印象的。それもそのはず、骨格部分から強さと軽さを両立させる新しいプラットフォーム「GA-Cプラットフォーム」がプリウスに用いられているのです。
トヨタのあたらしい車づくりを象徴するTNGA思想に基づいたプラットフォームのデビュー作となった現行プリウスは、低燃費だけでなく、優れたハンドリングや、高められた剛性による安定感のある乗り心地などの運転の楽しさや快適性でも高い評価を得ています。
骨格が新しくなっただけではなく、ハイブリッドシステムもより小型・軽量・高効率化が進み、先代までよりもパンチのある動力性能も確保。落ち着いたイメージからは意外かもしれませんが、ドライバーズカーとしての一面もプリウスには備わります。
■4WDならとびきりの安心感
トヨタ プリウス(海外仕様車) AWD-e
4代目になって新たに設定されたのが、トヨタ車でも採用が広がっている電気式4WD、「E-Four」です。
前輪はハイブリッドシステムで駆動し、後輪は専用のモーターで駆動するこのシステムは、一般的なオンデマンド式4WDなどと比べてレスポンスや出力制御精度に優れるだけでなく、室内空間が狭くなったりしないといううれしさも。
これまで積雪地帯にお住まいでプリウスの低燃費を諦めてきた方も、4代目からは自信を持って選ぶことができますし、普段は四駆が必要なくても近年は異常気象も多発中。いざというときの安心感が違う4WDを選ぶことができるのは、大きなポイントですね。
■上質なインテリア、静粛性も注目
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス インテリア
ハイブリッド専用車という立ち位置とともに、上質なセダンタイプという役割も担っているプリウス。室内のしつらえは上質で、4代目ではデザイン性もさらに向上しています。
縦長でタブレットスタイルの大型インフォテインメントディスプレイも用意されるなど新たに加わった先進性もあり、乗り込むたびにプリウスらしさを実感できることでしょう。
絞り込まれた空力重視のフォルムだけに後席空間はあまりゆとりがなさそうに見えますが、着座位置を下げるなどの工夫で、大人でも充分に快適なスペースが確保されています。お客さまのお迎えにも問題なく使えるフォーマルさも、プリウスの魅力ですね。
■安心安全も万全に備えてます
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス リヤクロストラフィックアラート イメージ
近年急速に標準装備化が進む予防安全装備や運転支援装備も、余すところなく備えているのがプリウス。定評のあるトヨタセーフティセンスだけでなく、前後の障害物を検知してブレーキ制御してくれるインテリジェントクリアランスソナーなど、高級車であってもオプション設定だったりするような豪華装備も全車で標準装備されています。
特にインテリジェントクリアランスソナーは、低速時の踏み間違い事故や、うっかり見落としによる事故の低減に大いに役立つことが期待できる機能。このことからも、トヨタがプリウスを高い安全意識のもとに開発していることがうかがえます。
全車速追従機能付レーダークルーズコントロールなど、運転支援技術も満載ですので、低燃費なエコドライブで遠出しても安心ですね。
トヨタ プリウスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,575mm×1,760mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,370kg | |
燃費 | WLTCモード:30.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 53kW(72PS) | |
モーター最大トルク | 163N・m(16.6kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 2,952,727円(消費税抜) |
さらにモダンなエコカーに!プリウスPHVも見逃せない
トヨタ プリウスPHV
プリウスでさえ驚異的なエコ性能を持ち合わせているのに、それをさらに進化させたのが「プリウスPHV」です。
こちらは車名通り、プリウスのプラグインハイブリッド仕様となっており、現在世界的に多数のメーカーがラインナップを増やしている先進エコカー。
プリウスのように自動的にエンジンとモーターを組み合わせたエコドライブを実現してくれるだけでなく、車載の動力用バッテリーが電源プラグに接続して充電できるようになっている点がポイントです。
これによって、EV走行可能な距離が最大60kmも確保されているので、通勤やお買い物ではエンジンを一切かけずに済むようなシーンもありそう。また、そのEVモードでの最高速度は135km/hと充分以上な点や、アクセルを強めに踏み込んでもエンジンがかかりにくい点は、ノーマルのプリウスとは使い勝手が大きく違う部分ですね。
もちろん、充電が切れてしまっても、ガソリンエンジンによる駆動や充電ができる点は、電気自動車とは大きく異なる点。給油するだけで
まだまだ充電の煩わしさが解消される見込みのない電気自動車で我慢するのではなく、いつも通りの生活でこれまで以上のエコドライブができるプリウスPHVは、プリウスの魅力をさらに大きく向上させた一台ですね。
トヨタ プリウスPHVのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,645mm×1,760mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,530kg | |
ハイブリッド燃費 | WLTCモード:30.3km/L | |
等価EVレンジ | 60km | |
電力量消費率 | WLTCモード:9.35km/kWh | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンプラグインハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター搭載数 | 2基(フロント2) | |
モーター最高出力 | 53kW、23kW | |
モーター最大トルク | 163N・m、40N・m | |
システム最高出力 | 90kW(122PS) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,575,455円(消費税込) |
■PHVなら、走りの「GRスポーツ」も選べる満足感
トヨタ プリウスPHV GRスポーツ
なぜか標準仕様のプリウスには設定されていないのが、トヨタ ガズーレーシングによるコンプリート仕様、GRスポーツ。専用のエアロパーツは精悍なだけでなく、空力性能まで追求された「ホンモノ」仕様で、もとより空力性能に優れたプリウスPHVの外観をさらにスタイリッシュに演出してくれます。
また、エアロだけを装着したなんちゃってスポーツグレードでない点がGRスポーツの特徴で、国内外でトップカテゴリーを含む様々なレース参戦活動を行っているガズーレーシングの知見を活かしたシャシーチューニングが施されており、さらに高度な走りの楽しさも実現。
ルックスのスポーティさに違わないその走りは、きっとカーブをひとつ曲がっただけでも実感できるはずです。また、ロングドライブでの疲れにくさにも配慮されているとのことで、ドライブの楽しみの幅が広がってしまいそうですね。
プリウスPHV GRスポーツは室内も特別仕立てとなっており、上質感はそのままに黒基調で一気に本気モードを感じさせる仕上がりに。小径のステアリングホイールやスタートスイッチにはGRロゴが輝いており、乗り込むたびに優越感が感じられそうです。
ここまでこだわりの仕様ながら、税込価格おおよそ40万円ほどの価格アップに抑えられているプリウスPHV GRスポーツは、まだまだ街中では見かけない稀少グレード。
標準仕様のプリウスでは選択できない点が残念ではありますが、プリウスが欲しいけど人とカブりたくないという方や、ドライブが大好きという方なら、ぜひおすすめしたいグレードです。
【2021年最新】トヨタ プリウスの新車・中古車価格まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
2021年3月現在、プリウスは主に「E」「S」「A」「A プレミアム」の4グレードが展開されており、E以外には上級装備の揃う「ツーリングセレクション」が設定されていることや、4WD仕様の設定もあって、特別仕様車を含めて15グレードと幅広い設定となっています。
税抜価格帯としては、2WDが約237.1万円から約307.1万円、4WDが約259.4万円から約325.1万円となっており、高級感のあるスタイルと装備ながら300万円台までで収まっている点がうれしいですね。
プリウスPHVはもう少しシンプルな展開となっており、廉価グレードのEと4WD仕様が設定されないことから、グレードは「S」「S“セーフティパッケージ”」「S“ナビパッケージ”」「A」「A“ナビパッケージ”」「A プレミアム」「A プレミアム“ナビパッケージ”」の7つとやや少なめ。
それでも、大画面のナビが備わるナビパッケージなどの細やかな差異があるので、選びやすくなっていますね。
税抜新車価格では、約301.2万円から約401.1万円と、プリウスに比べてワンランクアップした印象。トップグレードでは400万円台に到達していますが、特別感のある装備を考えれば納得できそうです。
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
もはや国民車的な人気を誇るプリウスだけに、中古車は非常に豊富。4世代あわせた中古車在庫台数は1万台を超えており、活発な取引がされているため、お好みの仕様も探しやすさが抜群です。
現行モデルに限れば、プリウスの税込中古車本体価格平均は182.6万円となっており、あまり大きく値落ちはしていないものの順当な価格帯で推移しているといえそう。先代モデル以前になると平均価格は2ケタ万円台まで下がりますので、コスパ重視なら旧型もおすすめしたいところです。
プリウスPHVはまだ中古車として広く出回っている状態にはなっておらず、在庫は400台あまり、現行モデルの平均価格も270.8万円と新車価格の差もあってプリウスよりも高めで推移しています。
プリウスPHVも先代モデルは平均価格が83.2万円まで下がるのですが、こちらはEV走行レンジが限定的であったりと、現行モデルのような特別感がまだまだ薄かった印象もあります。お高めとはいえ、できれば現行モデルの中古を狙いたいところでしょう。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス 初代から3代目
プリウスの魅力をほんの一部お伝えしてきました。
プリウスはあらゆるシーンに対応できる包容力があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。あまりに魅力的なので、ハイブリッドカーとしてここまで大人気車種に成長したことも納得ですよね。
近年では小型車から大型車までハイブリッド仕様が設定されることも珍しくはなくなってきており、オーナーの個性に合わせた車選びがしやすくなってきていますが、その中でもプリウスならではの世界観はやっぱり魅力的。
さらに進化したPHVもラインナップされていますので、あらゆる人にぴったりな相棒として、これからも活躍してくれることでしょう。