休日は車が大活躍する映画を観て楽しく過ごそう!
映画『ニード・フォー・スピード』
連休はどこも混み合うので自宅でゆっくり過ごそうとお考えの方におすすめなのが、気になっていた映画を観て、溜まっていたウォッチリストを消化してしまうこと。近年では映像配信サービスの普及など、家から出ずにお好みの映画やドラマをいつでも楽しめる環境が整っています。
数ある映画の中でも車が好きな方におすすめしたいのが、カーアクションがアツい映画たち。主役級の存在感を放っていたり、メインストーリーの進行を手助けしたりと、車はアクション映画において欠かせない存在です。
映画を観ながら、劇中で大活躍する憧れの車に胸躍らせるもよし、街並みや道路など舞台に目を向けるもよし、主役が運転する車ではなく背景に溶け込む現地の車に注目してみるもよし。車に着目するだけで、これまで観ていた映画でも新たな発見があるかもしれません。
この記事では、カーアクションがアツいおすすめ映画8本を、登場する車の情報とともに紹介します。
カーアクションがアツい映画 厳選8本
おすすめの映画と、その劇中で登場する車の情報について紹介します。
タイトル順で8本紹介していきますので、きっとお気に入りの1本が見つかるはず。
■『007 スペクター』:映画用にアストンマーティンを特注?!
ダニエル・クレイグとアストンマーティン DB10
英国秘密情報部「MI6」に属するスパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描く同シリーズは、車や飛行機など乗り物全般にわたる強いこだわりのあることで有名です。
2015年に公開された前作「スペクター」でもそのこだわりは強く見受けられ、なんとボンドが乗り込むのは、本作用にアストンマーティンが特注製作した「DB10」。2017年に公開された市販車、V8ヴァンテージとデザイン面で共通性を強く感じさせるとはいえ、10台のみが生産されたという大変貴重な車両となっています。
夜のローマ市街地で繰り広げられる激しいカーチェイスでは、ボンドが操るDB10をジャガー C-X75が追跡しますが、こちらのジャガーもとても興味深い貴重な存在。
2010年のパリモーターショーでコンセプトカーとして初めて公開されたC-X75は、当初はガスタービンプラグインハイブリッドという同ブランドらしい先進性のあるパワートレインを備えて市販が予定されていましたが、二転三転のあと、結局市販化計画は中止。
C-X75はその妖艶なデザインが非常に高評価を受けていただけに、プロトタイプ段階でお蔵入りとなってしまったことには落胆の声も多く聞かれたモデルでした。もはや劇中でさえお目にかかれることが奇跡のような1台です。
ワンオフのDB10と、もう世に出ないことが確定している幻の名車であるC-X75が繰り広げるカーチェイスは、映像の美しさもさることながら、それぞれの車のエピソードにもつい感傷的になってしまいそうなシーンです。
■『60セカンズ』:名車稀少車勢揃い!主役の“エレノア”にシビれる
《画像提供:Response 》フォード マスタング エレノア
2000年に公開された「60セカンズ」は、高級車専門のプロ自動車窃盗犯たちによる、一晩の華麗な大強盗が見所のアクション映画で、1974年公開の「バニシング in 60”」のリメイク作品となっています。
闇組織のボスから弟の命を守るために引き受けた仕事は、なんと超高級車たち50台を一気に盗み出すという常識外れの指令。しかし、物語終盤で手際良く高級車たちが盗み出されていく様は、違法行為とは分かっていながらもかなり気持ちの良いテンポの良さで、思わず見惚れてしまいます。
フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイスと、盗み出されていくそうそうたる超高級車たちの中でも一際輝きを放つ特別な存在が、主人公のメンフィスが何度も盗難に挑戦するも盗み出せなかった伝説の車、シェルビー GT500、通称「エレノア」です。
マスタングをベースとしたハイパフォーマンス仕様であるシェルビーマスタングは、当初はレース向けのハードコア仕様として登場しますが、後にはマスタングのフラッグシップ仕様として高級感も備わっていくモデル。その中でもGT500は、なんと7.0リッターという大排気量V8エンジンを搭載したさらに上位のグレードとして登場し、その高性能で一世を風靡しました。
劇中で登場するエレノアは、カスタムカービルダーとして著名なチップ・フース氏がデザインしたカスタム仕様。シェルビーマスタングらしい野生味はそのままに、各部がモダンにアップデートされた完成度の高いスタイリングが必見です。
劇中ではドアミラーをぶつけてしまった後でエレノアの機嫌が悪くなり、エンジンが一時的にかからなくなってしまうというユーモラスなシーンも見られます。主人公が愛してやまない特別な車という重要な役どころながら、それを説得力たっぷりに演じ切るエレノアの存在感に注目です。
■『TAXi ダイヤモンド・ミッション』:おなじみプジョーが爆走!
《画像提供:Response 》映画『TAXi ダイヤモンド・ミッション』メイキング
南仏の港湾都市、マルセイユを舞台に、大改造されたプジョーが爆走して強盗団を捕まえたり、日本の防衛庁長官を奪還して世界的危機を救ったりと、大それたミッションの数々をこなすアクション映画シリーズ「TAXi」。同シリーズのキャストを一新したリブート作品が、2018年公開の「TAXi ダイヤモンド・ミッション」です。
使用されるタクシーは前作「TAXi 4」から使われているプジョー 407の改造車なのですが、これまでのシリーズでは「ドジで運転オンチな刑事」と「プロ級のドライビングテクニックを持つタクシードライバー」というキャストの関係性だったものが今作では逆転しており、なんと今作のタクシードライバーであるエディは、マニュアル車の運転すらできないというドジっぷり。
いちおうエディは、前作までのタクシーの持ち主であるダニエルの甥ということになっていますが、車を超絶テクニックで操るのはパリ警察から左遷されてきたシルヴァン。デコボココンビながら、スーパーカーを用いて毎回逃げおおせる強盗団を捕まえるために協力することになります。
本作では、エディが配車アプリ「Uber」のドライバーだったり、ドローンを駆使した攻撃があったりと、現代的な設定も満載な点にも注目ですが、やはり目が釘付けになるのは、シリーズお馴染みの交通量の多い街中をプジョーが駆け抜けていく映像。
ダニエルの運転によってTGVを軽く追い越したり、スピード計測機をぶっ壊したり、格納式の主翼を使って空を飛んだりとハチャメチャな活躍をしてきた改造プジョータクシーは、もちろん今作でも大活躍してくれます。
フェラーリやランボルギーニと堂々と戦えるほどのチューニングが施されたプジョー 407を使って、2人がどのように事件を解決していくのか、ぜひチェックしてみてください。
■『トランスフォーマー/最後の騎士王』:レクサスがあんなことに?!
歴代シボレー カマロ
当初は日本のタカラトミーが発売する変形おもちゃをベースとしたアニメ作品として北米で先行してヒットした「トランスフォーマー」。2007年にはスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督で第1作目が実写映画化されており、壮大なシリーズの幕開けとなりました。
シボレー カマロに変身できる相棒 バンブルビーをはじめとしたトランスフォーマーたち「オートボット」と人類が力を合わせ、敵対エイリアン「ディセプティコン」の侵略を防ぐという大筋のストーリーは共通ながら、2014年公開の「ロストエイジ」以降では主要キャストがガラッと入れ替わる新展開。同シリーズの最新作となる2017年公開の「最後の騎士王」では、なんとこれまで絶対的な味方として存在していたオプティマスプライムが悪役として登場するなど、シリーズ随一の衝撃的な展開が見どころです。
その「最後の騎士王」で車好きの方に注目していただきたいのは、劇中の対トランスフォーマー部隊「TRF」が公用車としてレクサスを使用している点です。敵・味方問わず、劇中でレクサス車が用いられることが稀なハリウッド映画において、貴重なシーンとなっています。
黒塗りのレクサス RXたちが主人公たちを追い詰めていく中盤のチェイスシーンは見所で、劇中で登場するRXはスピンドルグリルのフレーム部がブラックアウトされていることで、市販仕様を超える迫力が感じられます。逃げるマクラーレン 570SにRXが追いつく描写もあり、敵役ながらかなりの大活躍を見せてくれますね。
もちろん敵役だけあって、RXの軍団は結局コテンパンにやられてしまうのですが、マイケル・ベイ作品らしくド派手なクラッシュとなっており、こちらも貴重なレクサスのクラッシュシーンとなっています。
■『トランスポーター イグニション』:ステイサムじゃなくても意外とハマる!
エド・スクレインとアウディ S8
ジェイソン・ステイサムの出世作の一つでもある「トランスポーター」シリーズは、寡黙ながら運転の腕は確かな運び屋、フランク・マーティンを主人公とした人気シリーズ。3作目まではステイサムが主演を務めたのですが、2015年公開の4作目「トランスポーター イグニション」ではリブートとしてキャストを一新し、新たにエド・スクレインが主演を務めています。
主人公であるフランクのキャストが変わってしまったことに最初は抵抗を覚えるかもしれませんが、フランクの超絶ドライビングテクニックによるカーチェイスあり、肉弾戦あり、艶っぽいシーンもありと、シリーズでお馴染みの要素がしっかりと踏襲されていることもあって、本編を観ていけばいつの間にか気にならなくなっているはず。
特に、アウディのフラッグシップ大型高級セダンであるS8が軽やかにハイスピードチェイスをこなすシーンは映像美も際立ち、南仏のリゾート地、ニースで白昼堂々警察からの逃亡という違法行為ではあるものの、S8の高い走行性能が感じられるワクワク感のあるシーンです。
エド・スクレイン演じるフランクは、ジェイソン・ステイサムのものよりもややナイーブで感情的な印象もあり、シリーズの新しい幕開けを感じさせます。現在まで次回作の情報は聞かれていませんが、スクレインの続投にも期待がかかりますね。
1作目ではBMW 7シリーズを運転していたフランクですが、2・3作目ではアウディ A8、そして4作目の「イグニション」でアウディ S8と、ここのところアウディが連続登板。新鮮味を持たせる意味でも、次回作ではフランクの愛車のアップデートにも期待したいところです。欧州車からガラッと雰囲気を変えて日本車やアメリカ車などにスイッチしても面白そうですね。
■『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』:バイクもアツい!
《画像提供:Response 》映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』メイキング
トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが巨大な陰謀から世界をたびたび救う人気スパイアクションシリーズ、「ミッション:インポッシブル」。1996年の第1作以降、映像美はもちろん、綿密に練り上げられたプロットや、クリエイティブなスパイ道具の数々、また主演のトム・クルーズがかなり危険なスタントを自ら行うことなどで定評がありますよね。
最新作となる7作目が2023年7月に公開が予定されている同シリーズですが、2018年公開の前作「フォールアウト」でもそれまで以上にスケールの大きなストーリーが魅力的です。また近年の同シリーズで大活躍しているBMW車がたくさん登場して、その運動性能の高さをアピールしている点も印象的なポイント。
映画冒頭では最新のBMW M5がリモート運転で華麗なドリフト走行を見せてくれますし、中盤で警察から逃げるカーチェイスシーンではハントが操るBMWモトラッドのバイク、R nine Tがパリの街並みを疾走し、車に乗り換えてからはなんと1980年代に販売されていた2代目5シリーズとクラシックなチョイス。
この5シリーズはグリーン系の色合いもあって一見落ち着いた印象ながら、期待に違わないハードなカーチェイスを繰り広げてくれます。
舞台がカシミール地方に移ってからは、こちらもシブめのランドローバー ディフェンダーというチョイスが光ります。ハントたちが乗る車両ではないものの、現地の医療キャンプ周辺にトヨタ ランドクルーザー 70系が複数停まっていることが確認できる点は、我々日本人にとって誇らしい瞬間といえるでしょう。
■『RONIN』:シブいストーリーと手に汗握る迫真のカーチェイス
《画像提供:Response 》BMW M5(E34型、手前)
1998年公開の映画「RONIN」では、重厚なストーリーとベテラン俳優たちによる名演技とともに、小道具としてプロットの説得力を支える車たちにも注目したいところです。
冷戦終結後に居所をなくしたスパイや傭兵たちが、一度は協力することでミッションを成功させるかに思えたものの、1人の裏切りによって誰を信じてよいのかわからない混沌に陥っていくというシリアスなストーリーは、本格派スパイアクション映画として非常に魅力的なもの。
それに加えてキャストがロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノをはじめとした豪華絢爛な名優揃いなので、落ち着いた雰囲気で始まる冒頭から目が離せません。
ドカーンと大クラッシュして大爆発の後でしっかり勧善懲悪で解決、スッキリできる!といったタイプの映画ではないものの、近年のアクション映画のインパクト過多な演出に疲れてしまった方なら、じっくり腰を据えて落ち着いた映画と向き合うのにぴったりな仕上がりとなっています。
随所で挟まれるカーチェイスシーンのリアリズムも見所で、実際の車らしい動き方ながら度肝を抜かれる高速カーチェイスが展開され、またそれを映し切る映像美にも目を奪われること必至。また、登場する車を見てみると、初代アウディ S8、シトロエン XM、メルセデスベンツ 450SEL 6.9、プジョー 605と406、2代目BMW M5と、どれもセダンが大活躍しており、ここでも渋さが感じられますね。
特に映画史に残るカーチェイスの名場面とも評されるほどの出来栄えなのが、終盤のパリを舞台にしたシーン。逃げるM5に追いすがる406という2台のカーチェイスは、もはやこのシーンだけのためでもいいからRONINを観ていただきたいほどの完成度の高さです。
■『ワイルド・スピード ICE BREAK』:世界中でハチャメチャやりたい放題!
ダッジ アイスチャージャー
2000年代以降でカーアクション映画として最大級の人気を誇るメガフランチャイズこそ「ワイルド・スピード」シリーズでしょう。2001年に第1作目が公開されると、当時アメリカで人気の高まりを見せていた日本車のチューニングカーシーンをうまく取り上げたこともあって一気に人気を獲得。
その後はシリーズを重ねるごとにスケールが大きくなっていき、段々とスパイアクション映画へと舵を切りつつある印象があり、2023年5月19日にはついにシリーズ最新作の第11作目「ファイヤーブースト」も公開されます。
とはいえそれでも、やはり車が劇中で重要な役どころを占めている部分はシリーズ不変の部分。第7作目の「SKY MISSION」を観た後では、白い80系スープラを見かけると思い出し泣きしてしまいそうになる方も多くいらっしゃることでしょう。
2017年公開の第8作目「ICE BREAK」では、なんとロシアで潜水艦とのカーチェイス(?)を繰り広げるなどド級の映像表現が特徴的で、シリーズを通して主人公ドムの愛車であり続けるダッジ チャージャーは、今作ではオーバーフェンダーとジェットタービン、さらに電磁パルス砲までも搭載した「アイスチャージャー」として登場。
ここまでの大改造ながら、まだチャージャーらしさが感じられる点は、チャージャーのもつ独特なスタイルの魅力があってこそのポイントでしょう。
劇中で、ネット接続ができる車を同時多発的にハッキングすることで大軍の無人兵器として用いるというシーンでは、その現代的な設定にも驚かされますが、日本メーカーの車もその軍団の中でちらほらと映る点にも要注目です。
まとめ
《画像提供:Response 》映画『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
カーアクションがアツい映画を厳選して紹介しました。ここでは紹介し切れないほど、車が主役級の影響力を持つ映画はまだまだたくさんあります。
お気に入りの車が活躍する映画を探してみるのも楽しいかもしれません。ちょっとした海外旅行気分を味わうのにも洋画はピッタリ。おうち時間で気になっていた映画をイッキ見してみるのはいかがでしょうか。