シーズンオフのスタッドレスタイヤ、どうやって保管してる?
シーズンオフのスタッドレスタイヤ、どうやって保管してる?
冬の凍結路面や積雪路面に対して、優れた性能で大きな安心感をもたらしてくれるスタッドレスタイヤ。雪の季節が終わればサマータイヤへの履き替えで、自宅にスタッドレスタイヤを保管している方がほとんどでしょう。
自動車という重量物を支えているタイヤですので、かなり頑丈に作られており、ちょっとやそっと放置した程度では問題がなさそうに思うかもしれません。
しかし、スタッドレスタイヤの主原料はゴムのため、徐々に進む劣化は避けられません。劣化により歪みやひび割れが起きると、次回の使用時に交換が必要になったり、事故を引き起こす原因になるおそれも。
また、保管方法のポイントをしっかり押さえておくと、スタッドレスタイヤをできるだけ長持ちさせることにもつながります。
特に気温が上がり、紫外線が増える4~8月は、保管中のスタッドレスタイヤの劣化が進みやすい時期。そこで、スタッドレスタイヤの寿命を延ばすための、シーズンオフの正しい保管方法を紹介します。
ここに気を付けよう!正しいスタッドレスタイヤの保管方法
ここに気を付けよう!正しいスタッドレスタイヤの保管方法
■直射日光や水分、高温を避ける
タイヤをはじめとしたゴム製品は、直射日光などに含まれる紫外線が当たると劣化が加速します。紫外線は4月頃から増えはじめ、気温の上昇とともに5~8月にピークとなります。そのため、この時期のスタッドレスタイヤの保管状況が重要です。
また、電子機器などの近くで発生することのあるオゾンもタイヤの大敵です。水分や油分もNG、熱源の近くもご法度と、意外と注意事項が多いのがタイヤの保管場所。
とはいえ、暗い室内の涼しい空間をタイヤのために確保できない場合もあります。やむを得ず外で保管する場合は、できるだけ高温多湿の環境を避け、タイヤ専用のカバーをかけて保管するとよいでしょう。
■保管中の空気圧は半分程度まで下げておく
走行時は重量物である車を支えるために、高い空気圧が必要ですが、タイヤが外されている状態であれば、内側から強い圧力は不必要な負荷となります。とはいえ、空気を全く入れていないと保管時の変形を誘発しやすいので、適正値の半分程度がおすすめです。
ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドでタイヤ交換をされる方は、スタッドレスタイヤを外してもらう際に、空気圧を半分程度まで下げてもらうとよいでしょう。
空気を抜いたタイヤを装着する前には、再び空気を充填してから車に装着する必要がありますが、保管状況を最適化すればスタッドレスタイヤの買い替えサイクルが大きく延ばせるかもしれません。
■ホイール付きの保管は「平積み」で
ホイールとタイヤのセットで保管をされる場合なら、空気圧の調整とあわせて、保管場所での置き方にも気を配りたいところ。ホームセンターなどでもよく見かけるタイヤを縦置きで収納する「タイヤラック」ではなく、横置きで寝かせて保管する「平積み」がおすすめです。
タイヤラックの場合、タイヤとホイールの重量を、タイヤラックに接する2点のみで長期間支えることになります。これにより、タイヤが変形したり、その部分だけ劣化したりしてしまうことにつながるのです。
平積みといっても床や地面に直接触れさせるのではなく、タイヤを袋に入れる、段ボールなど緩衝材になるものを底面やタイヤ間に挟んだり、通気性を保つためにすのこを使用したりすることで、より劣化を防いだ保管ができます。
スペースの問題などで、やむを得ずタイヤラックに収納する場合は、ひと月に一度程度タイヤを回すなど、タイヤ接地面への負荷がかたよらないようにするとよいでしょう。
冬シーズン到来!スタッドレスを使用する前に確認しておくべきこと
溝の深さは大丈夫?冬用タイヤとして使用できないかも!?
■溝の深さは大丈夫?冬用タイヤとして使用できないかも!?
タイヤに詳しい方なら、残りの溝の深さが1.6mmになると、トレッド面にスリップサインが出ることはご存知でしょう。
冬用タイヤは、サマータイヤと溝の判断基準が異なります。新品時の溝深さの50%より溝が浅くなってしまうとグリップ力が維持できなくなり、交換が必要です。
なお、スリップサインがタイヤのサイドウォールに△マークで示されているのに対し、新品時50%の溝深さを示す「プラットフォーム」は上矢印マークで示されています。
■ゴムが硬くなっていないかも要チェック
プロでないと判断が難しい部分ではありますが、スタッドレスタイヤはそのしなやかなゴムによって路面への密着性を上げて、厳しい冬の路面でもしっかりグリップ力を発揮させています。そのため、ゴムが劣化して硬くなってしまうと、本来の性能を発揮することができません。
ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどで依頼すると、硬度計と呼ばれる測定器でスタッドレスタイヤのゴムの硬さを測ってもらえます。
DIYで交換する方でも、ちょっと硬くなってきているかも?と思ったら、取り付け前にディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどに持ち込んで、確認してもらうと安心ですね。
■変形・キズ・ひび割れがあるとNG、空気圧も忘れずに
取り外して保管している間だけでなく、装着していた冬の間に、異物などがタイヤに挟まったり、刺さったりしている場合があるかもしれません。また、保管中に劣化が大きく進み、変形やキズ、ひび割れが発生する可能性もあります。
装着前には、タイヤ4本とも裏表しっかりと目視で確認しましょう。キズやひび割れなどは、タイヤ内部に達していない軽微なものであれば使用できますが、判断が難しいので、取り付ける前にディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどで確認をしてもらうと安心です。
また、取り付け前後で空気圧の確認と調整も忘れずに行いましょう。
保管サービスを利用すれば、場所も取らないし楽チン!
保管サービスを利用すれば、場所も取らないし楽チン!
タイヤを置いておく広いスペースの確保は難しいし、そもそも重たいタイヤを運ぶのも大変だし手が汚れるし… 面倒なことが重なるタイヤの保管。そんなときには、カー用品店やガソリンスタンドのタイヤ預かりサービスを利用すれば、タイヤ保管のストレスもすべて解消できます。
スタッドレスの履き替え時期になったら、預けている店舗に車で向かうだけ。装着のために重たいタイヤを車まで運ぶ必要もないですし、プロにタイヤ取り付けを行ってもらえる点もメリットでしょう。
基本的にタイヤを預けておく料金が発生する点はデメリットではありますが、保管スペースの関係だけでなく、タイヤ交換に関わる面倒を低減するという意味でも、タイヤ保管サービスを検討してみる価値はありそうです。
■タイヤ保管サービスの料金目安はどれくらい?
実際にタイヤ専門店やカー用品店などでタイヤ保管サービスを利用する場合、料金はどの程度かかるのでしょうか。
カー用品店の例を見ると、軽自動車サイズなら基本料が2,000〜3,000円、1ヶ月ごとの保管料金が400〜500円程度となり、大体月額約4,000円程度でしょう。タイヤサイズが大きくなると、1ヶ月あたり6,000円〜9,000円程度かかる場合もあります。
普段整備をお願いする店舗に保管を依頼しておけば、スタッドレスタイヤに履き替えの際は車で訪れるだけでよいので楽ではありますが、その利便性と価格とのバランスをどう捉えるかが判断のポイントとなりそうです。
まとめ
まとめ
スタッドレスタイヤの保管方法と保管場所、保管サービスについて紹介しました。
気温が上がり紫外線が増えてくる時期は、保管しているスタッドレスタイヤの劣化が進みやすい傾向があります。タイヤの寿命を延ばすためにも正しい保管方法で、メンテナンスをしておきましょう。
よくある質問
■スタッドレスタイヤの寿命はどれぐらい?
スタッドレスタイヤの寿命は使用・保管の状況などによっても大きく異なりますが、使用開始から3~5年が目安です。毎シーズンの使用開始前に、変形やひび割れがないかカー用品店やガソリンスタンドで点検してもらうと安心です。
■スタッドレスタイヤの保管は縦置きと横置きのどちらが良い?
ホイール付きのスタッドレスタイヤの場合、タイヤとホイールの重量を、タイヤラックに接する2点のみで長期間支えさせると、タイヤ接地面の変形の元になったり、その部分だけ劣化が強く進んでしまうので、横方向に寝かせて保管する「平積み」がおすすめです。