概要・特徴
■コンセプト・ターゲット
トヨタのウィッシュとシエンタは、ファミリーに人気のSクラスミニバンです。
そのコンパクトな作りから、子育て家族や比較的少人数の家族向けに最適なサイズです。
いずれも7人乗りの3列シートとなっていますが、いずれも5ナンバー登録です。
両車ともミニバンらしくスペースを有効に使っており、車内を快適に過ごす機能が盛りだくさんです。
そんな両車にどのような違いがあるのか比較していきたいと思います。
■利用シーン
両車とも7人乗りで3列シート型の車内はとても広く作られているので
旅行などの遠出をする際にはその広さを十分に活用でき、車中泊なども多彩なシートアレンジにより
難なく可能で、ゆったりと休むことが出来ます。
日常の買い物などは、狭い駐車スペースでも開閉しやすいスライドドアを採用したシエンタの方が便利です。
ただ、どちらもミニバンサイズながら小回りもきくので、遠出の旅行から近所の日常使いまで
幅広く利用できる両車はファミリーカーとしてとても人気です。
■トヨタウィッシュ 概要
■搭乗人数・概要
ウィッシュは、“Smart Multi Player”WISHをテーマに開発された
使い勝手と走りやすさを兼ね備えたコンパクトミニバンです。
2015年のマイナーチェンジで燃費性能を向上させ、また、運転席からサードシートまで、
どこに乗ってもゆとりを感じる空間レイアウトを施すことで快適性が格段に向上しました。
ウイッシュは7人乗りのガソリンエンジンタイプで、価格は190万円~260万円という価格設定です。
走りを楽しみたい人にはスポーティーなZシリーズもあり、快適性を求める人、走りを楽しみたい人など好みに合わせて選べるようになっています。
■トヨタシエンタ 概要
■搭乗人数・概要
トヨタのシエンタは、トヨタのBセグメントモデルと共通のコンポーネントを使って作られたトヨタ最小のミニバンです。
『ユニバーサルでクールなトヨタ最小ミニバン』をテーマに開発された一台は、コンパクトなボディサイズでありながら室内空間も充分で狭さを感じさせない7人乗りの仕様までラインナップされており、日本カーオブザイヤー2015-2016で7位に入る実力を誇ります。
価格は、ハイブリッド車で220万円~230万円、ガソリンエンジン車で168万円~198万円となっています。
車内空間・収納
■シート比較
■トヨタ ウィッシュシートアレンジ
ウィッシュは車内を快適に過ごすために様々なシートアレンジが可能です。
セカンドシートは左右それぞれ最大270mmのスライドが可能で、ゆったりと脚を組めるほどの広さを出すことが出来ます。
また、簡単な操作でフラットに出来るセカンドシート・ダブルフォールディング機構は、
折りたたんでテーブルにも出来るので、車内で食事をとる際に非常に便利です。
■トヨタ シエンタシートアレンジ
シエンタのシートにはシアターレイアウトを採用し、ゆったりとした3列シートにしているので、3列目の座り心地も快適です。
また、2列目は左右独立しており、それぞれにスライドとリクライニングが可能なので体型などに合わせて好きな体勢をとる事が出来ます。
さらに多彩なシートアレンジによって、荷物の量や形に合わせて荷室をフレキシブルにアレンジすることも可能です。
人や状況に応じて適した車内に出来るのもシエンタならではの魅力です。
■ドア・乗降性
乗降性についてですが、シエンタではワンタッチスイッチ付パワースライドドアを採用し
ドア開口部の広さも充分にとられているので乗り降りが非常にスムーズに出来て安心です。
ウィッシュにはスライドドアが採用されておりませんが、ステップの高さは低く、
2列目のシートが倒しやすいので3列目への乗り込みもしやすくなっていますが、
やはりパワースライドドアを採用しているシエンタの方が乗降性については優勢でしょうか。
■トヨタウィッシュ 収納・バックドア
ウィッシュのラゲージスペースは、通常のラゲージスペースでも充分荷物を載せられますが、
荷物が多くなった場合には3列目をワンタッチで収納し、スペースを広げることが可能です。
また、バックドアはバックドアハンドルについているボタンを押すだけでドアロックの施錠・解錠が出来るのでキーを準備するなど面倒な作業が省けるのでとても便利です。
■トヨタシエンタ 収納・バックドア
シエンタでは5:5分割サードシートを採用しており、簡単な操作で手軽に3列目を格納できるので
必要に応じてラゲージスペースを広げることが出来ます。
充分な高さと横幅があるスクエアな大開口バックドアなので、大きな荷物の積み下ろしがラクに出来ます。
また、地上から荷台の高さもちょうど良い高さなので、重たい荷物も高く持ち上げなくて済むよう配慮されています。
安全性・走行性
■トヨタウィッシュ 安全性
ウィッシュは先進機能によって、ドライバーを危険から守るサポートをしてくれます。
搭載されているEBD付ABSは走行状況に応じてブレーキを制御し、さらにVSC&TRCを搭載することで雨や雪など悪条件の路面などで
横滑りが発生してしまったときに、ブレーキとエンジン出力を自動的にコントロールし車両の安定性を確保してくれます。
また、万が一衝突してしまったときにはSRSエアバッグシステムが、運転席、助手席だけでなく後部座席までしっかりと衝撃を抑えてくれるなど、衝突安全性に対する機能も豊富に取り揃えられています。
■トヨタシエンタ 安全性
シエンタは、プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの先進機能3つからなるToyota Safety Sense Cを搭載し、乗員をを高い性能によって危険から回避するサポートをしてくれます。
その性能は予防安全性能評価 ASV+と新・安全性能総合評価の最高ランクのファイブスター賞を受賞するなど予防安全性、衝突安全性ともに非常に優れた性能を持っています。
■走行性能比較
両車の環境性能・JC08モード燃費について、ガソリンエンジン車で比較してみると、
ウィッシュは16.0km/Lはシエンタは20.6km/Lと、シエンタの方が優れた数値となっています。
アイドリングストップ機構を備えるなど、シエンタには燃費性能を高める機能が充実しているからですが、
ウィッシュもエコドライブモードなども搭載されているので、決して性能が劣っているわけではありません。
走行性能に関しては、どちらもコンパクトで軽量なボディなので運転の爽快感は同じように得られます。
走行性能については、燃費性能の観点からするとシエンタの方に軍配が上がりそうです。
■試乗記
試乗した方々の感想ですが、ウィッシュは、高さのあるLクラスミニバンと比べて
重心が低い分だけ走りのバランスが良く、安定感のある走りが出来ると評判です。
一方シエンタは、車内空間の快適さについて、窮屈になりがちな3列目の掛け心地や空間はこのクラスで最上級という意見がありました。
Sクラスのミニバンでありながらもその車内空間は、想像以上にゆったりしているのかもしれません。
走行性能に安定感のあるウィッシュ、車内空間の快適さに評価の高いシエンタ、
ぜひ一度、試乗してみてはいかがでしょうか。