オールシーズンタイヤで後悔するのはどんな人?
《画像提供:Response》〈写真撮影:雪岡直樹〉
オールシーズンタイヤは、ドライ・ウェット路面から雪道まで年間を通して使えるタイヤです。
ただし冬の性能は製品ごとに異なり、一般的なオールシーズンタイヤはスタッドレスほどの氷上性能を持ちません。後悔しやすいかどうかは、次の表でおおよそ見当がつくでしょう。
| 後悔しやすい人 | 凍結路を日常的に走る/冬に雪山へ行く/最低気温が3℃を下回る日が多い地域に住む |
| 後悔しにくい人 | 雪はたまにしか降らない地域で、突然の雪に備えたい/保管場所がない/履き替えの手間を減らしたい |
| 凍結路(アイスバーン) | 従来型は苦手。メーカーの路面適合表ではブリヂストン・ヨコハマ・ダンロップAS1が✕、グッドイヤーが△。ダンロップのシンクロウェザーは○だが過酷な凍結路ではスタッドレス推奨。JAFの2017年試験では当時のオールシーズンタイヤが夏タイヤとほぼ同じ制動距離 |
| 高速道路の冬用タイヤ規制 | スノーフレークマーク付きなら通行可(エリアによって不可の場合あり) |
| チェーン規制 | スタッドレスを含むすべてのタイヤでチェーン装着が必要 |
| 冬用タイヤとしての寿命 | 残り溝が新品時の50%を下回ったら終了(JATMA)。プラットフォーム付きのタイヤは露出が目印。ダンロップのシンクロウェザーの推定では月1,000km走行で約4年 |
| 夏の性能 | 製品によってはドライ・ウェットで夏タイヤに一歩譲る(グッドイヤーの適合表:オールシーズン○/夏タイヤ◎) |
オールシーズンタイヤで後悔する5つの場面
「中途半端」という評価だけでは、自分に当てはまるのか判断できません。後悔の声を公表データと突き合わせると、次の5つに整理できます。
■1.JAFの2017年試験では凍結路の制動距離が夏タイヤに近い
特に注意したいのが凍結路です。雪の上は走れても、凍った路面ではスタッドレスのようには止まりません。
JAFが2017年2月に北海道で行ったユーザーテストでは、時速40kmから急ブレーキをかけたときの制動距離が、圧雪路ではスタッドレス17.3m、オールシーズン22.7m、夏タイヤ29.9mでした。
ところが氷盤路(アイスバーン)になると、スタッドレス78.5mに対してオールシーズンは101.1m。夏タイヤの105.4mとほとんど変わらない結果になっています。
| 圧雪路 | 17.3m | 22.7m | 29.9m | 28.4m |
| 氷盤路 | 78.5m | 101.1m | 105.4m | 59.0m |
同じテストの登坂では、圧雪路の勾配12%で坂の途中から発進した場合、スタッドレスは登れたのにオールシーズンは登れませんでした。
2017年当時の製品を使ったテストで、現在販売されている個別製品の性能を直接示すものではありません。ただし「圧雪は走れても凍結路は苦手」という傾向は、現在のメーカー適合表とも一致しています。
メーカーの表現を並べると、ブリヂストンは「凍結した道路においては夏タイヤと同様に滑りやすい」、ヨコハマは「凍結路面や過酷な積雪路面ではスタッドレスタイヤを装着してください」、グッドイヤーは凍結路面を△と表記し、ダンロップも従来型オールシーズン(AS1)の氷上路面を✕としています。
■2.「冬用タイヤ規制OK」でもチェーン規制は通れない
「高速の冬タイヤ規制でも走れる」という売り文句は本当です。ただし規制には2種類あって、オールシーズンで通れるのは片方だけという点に注意が必要です。
高速道路の「冬用タイヤ規制」は、冬用タイヤまたはチェーンなどのすべり止め装置を付けていない車が走れなくなる規制です。NEXCO西日本は、オールシーズンタイヤの中でもスノーフレークマーク(国際表記)が表示されているものを全車輪に装着するよう案内しており、ミシュラン・ヨコハマ・ダンロップ・グッドイヤーも、スノーフレークマーク付きの自社製品は冬用タイヤ規制時に走行可能としています。
一方の「チェーン規制」は、大雪特別警報や大雪に関する緊急発表が出るような異例の大雪時に実施されるもので、国土交通省は「スタッドレスタイヤを着けていても、タイヤチェーンをしていない自動車はチェーン規制中に通ることはできません」と明記しています。
対象は直轄国道6区間と高速道路7区間で、上信越道の信濃町IC〜新井PA(上り)、中央道の須玉IC〜長坂IC、北陸道の木之本IC〜今庄ICなど、冬のスキー帰りに通りやすい区間も含まれているため油断できません。なお、スプレー式のチェーンでは規制中の通行が認められない点にも注意してください。
このためNEXCO西日本は、冬の高速道路を走る際は万一に備えてタイヤチェーンを必ず携行するよう案内しています。チェーン規制中は規制区間の手前で装着状況の確認があるので、「タイヤ交換は不要でもチェーンは要る」と知らずに買うと、持っていない車はそこから先へ進めません。
注意したいのが、ダンロップとミシュランがそろって「エリアや気象条件によってはオールシーズンタイヤでは冬用タイヤ規制時に走行できないことがある」と注記している点です。
一般道では、積雪・凍結時のすべり止め措置が都道府県の道路交通法施行細則で義務づけられており(沖縄県を除く)、違反すると普通車で6,000円の反則金がかかります。規則の文言は「スノータイヤ」「雪路用タイヤ」「滑り止めの性能を有するタイヤ」など県ごとに違うので、住んでいる県と行き先の県の規則は一度確認しておきましょう。
■3.冬用タイヤとしての寿命は「溝50%」で終わる
「一年中使える」の期限は、溝が1.6mmになるスリップサインではなく、もっと早く来ます。
JATMAは、積雪路・凍結路を走る場合は冬用タイヤの残り溝が新品時の50%以上あることを確認し、50%未満のタイヤは冬用タイヤとして使わないよう案内しています。
プラットフォームが設けられているタイヤでは、その露出が冬用としての使用限度を判断する目印になります(JATMAによれば、プラットフォームのないタイヤもあります)。
オールシーズンタイヤを冬用として使う場合も、残り溝とメーカーが定める冬用としての使用限度を確認する必要があります。なお、ダンロップのシンクロウェザーでは「タイヤの溝が50%摩耗するとプラットフォームが露出し、冬用タイヤとして使用できなくなります」と明記されています。
具体的な期間の目安はダンロップが公開しています。195/65R15(カローラ ツーリング装備サイズ)で月1,000km走る想定の推定寿命は、次のとおりです。
| スタンダード夏タイヤ | 約70,000km | 80%摩耗 |
| スタンダードスタッドレス | 約20,000km | 50%摩耗(プラットフォーム) |
| シンクロウェザー | 約50,000km | 50%摩耗(プラットフォーム) |
月1,000kmなら約4年で冬用としては終わり、シンクロウェザーの場合はその後も80%摩耗するまで夏タイヤとして使える、という計算です。年間走行距離が多いほど冬用としての期限は早まり、年2万km走る人なら2年半で溝50%に達します。
なお、タイヤの寿命は溝だけでは決まりません。JATMAはタイヤ全般について、使用開始から5年以上経過したら販売店などで継続使用に適するか点検を受け、製造後10年が経過したタイヤは外観上使えそうでも新品への交換をすすめています(10年は使用期限ではなく目安)。
タイヤの寿命は「冬用としての限界」「法定の使用限度」「経年劣化」を分けて考える必要があります。
| 冬用タイヤとして | 残り溝が新品時の50%以上必要(プラットフォーム付きは露出が限界) |
| タイヤとして | 残り溝1.6mm(スリップサイン露出)が使用限度 |
| 経年劣化 | 使用開始後5年以上で点検、製造後10年で交換を検討 |
■4.製品によっては夏タイヤに性能面で一歩譲る
冬の話ばかりになりがちですが、1年の大半は夏タイヤとして走ります。そこで確認しておきたいのがドライ・ウェット性能で、製品によっては夏タイヤに一歩譲ります。
グッドイヤーの路面適合表では、ドライ・ウェット路面はオールシーズンが○、夏タイヤが◎とされている一方、ヨコハマはAW21をドライ・ウェットとも夏タイヤと同じ◎と自己評価しつつ、時速100kmからのウェット制動距離をAW21が52.4m、スタンダード夏タイヤのES32が50.9mと公開しています。
同試験ではAW21が1.5m長い結果でしたが、特定条件・特定銘柄での比較にすぎません。ドライ・ウェット性能はメーカーや製品によって差があるので、候補製品ごとに確認するのが確実でしょう。
雪をつかむために溝を深く、ブロックを大きくした設計なので、乾いた路面での応答やロードノイズも製品によって差が出ます。
一方で、夏性能を重視した製品もあり、たとえばミシュランのクロスクライメート3は、35サイズ中10サイズが転がり抵抗性能AA、25サイズがAを取得しています。心配なら、買う前に候補製品のラベリング表示(転がり抵抗とウェットグリップ)を確認しておくと安心です。
■5.結局スタッドレスも買って二重投資になる
「オールシーズンにしたのに、雪山に行くのでスタッドレスを買い足した」。こうなると、履き替えをなくすために選んだ意味がなくなります。
メーカーの案内はどこも同じ方向を向いていて、ミシュランは「冬季に積雪路や凍結路を日常的に走行される場合には、スタッドレスタイヤの装着を推奨」、グッドイヤーは「過酷な積雪・凍結があるエリアでの走行の場合、スタッドレスタイヤをお奨めします」、ダンロップも次世代型のシンクロウェザーで「過酷な積雪・凍結路面を走行される際は、プレミアムスタッドレスタイヤの装着を推奨」としています。
これは安全面からの推奨で費用の比較ではありませんが、日常的に凍結路や積雪路を走る人が先にオールシーズンを買い、あとからスタッドレスを追加すれば、結果は二重投資になってしまいます。
該当する人は、最初からスタッドレスを前提に考えたほうが無駄がありません。
後悔しにくい人|公表情報から条件を判定
雪が少なく、凍結路を日常的に走らず、履き替えや保管の手間を減らしたい人には、オールシーズンタイヤは有力な選択肢です。メーカーやNEXCO、JAFの公式情報をもとにすると、次の条件が判断材料になります。
雪はたまにしか降らない地域に住んでいる
NEXCO西日本は、スノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤを「ちらつく程度の降雪で路面と一部接触可能な積雪状況」での使用を想定したタイヤと説明しています。ミシュランも「日常的に雪が降らない地域において、急な雪が降ってきても」タイヤ交換なしで使えるとしています
突然の雪に夏タイヤより備えたい
JAFの圧雪路制動試験では、オールシーズン22.7m、夏タイヤ29.9mでした
保管場所がない、履き替えが面倒
ヨコハマがAW21の「こんな方におすすめ」に挙げている4項目は「突然の降雪に慌てたくない」「非降雪圏の冬期走行」「シーズンごとのタイヤ交換が面倒」「タイヤの保管場所がない」
冬用タイヤ規制がかかる高速を、雪の少ない時期に通る
スノーフレークマーク付きなら通行可(チェーン規制は別)
一つ補足すると、「雪が降らない地域」と「凍らない地域」は同じではありません。ブリヂストンは、積雪がなくても最低気温が3度以下になると路面が凍結する可能性があると説明しています。
橋の上や日陰の交差点が朝に凍る地域なら、雪が少なくてもスタッドレスのほうが安心です。
スタッドレスとの違い|4社の路面適合表をまとめて比較
《画像提供:Response》〈写真提供:横浜ゴム〉
各社が公開している路面適合表を1つにまとめました。記号の付け方は各社の自己評価なので、同じ○でも性能が同じという意味ではありません。
| ドライ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| ウェット | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 圧雪 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 凍結 | ✕ | ✕ | △ | ✕ | ○(※1) |
| 冬用タイヤ規制 | 通行可 | 通行可 | 通行可 | 通行可(※2) | 通行可(※2) |
| チェーン規制 | チェーン装着 | チェーン装着 | チェーン装着 | チェーン装着 | チェーン装着 |
※2 ダンロップは「エリアによってはオールシーズンタイヤでは高速道路冬用タイヤ規制時に走行できないことがある」と注記。
各社の表に共通するのは、スタッドレスがドライ・ウェットより雪上・氷上の性能を重視した評価になっている点です(ダンロップはスタッドレスWM03のドライ・ウェットを△、氷上を○と表記)。
JATMAが「どの部分の性能に重点を置いているかは商品毎に異なる」としているとおり、オールシーズンタイヤは「夏寄り」から「冬寄り」まで幅があります。
スタッドレスの選び方や履き替え時期はこちらの記事で詳しく解説しています。
費用で比較|履き替え運用と1セット運用はどちらが安い?
「安くなるはず」と思って買うと、ここでも後悔が生まれます。タイヤ本体の価格はサイズと銘柄で大きく変わるため、ここでは本体以外の「運用コスト」を分けて考えます。
夏・冬の2セットを履き替える場合、ホイール付きのセットを入れ替える「履き替え」の工賃がオートバックスで1台2,200円〜(軽自動車の場合)なので、年2回で4,400円〜、5年で22,000円〜になります。
ホイールが1組しかなく、毎回タイヤを組み替えるならさらに高くなり、外したタイヤを店に預けるなら保管料も別途必要です。
| 履き替え工賃 | 年2回(1台2,200円〜×2) | 不要 |
| 保管 | 自宅スペースまたは店舗の保管サービス(料金は店舗ごと) | 不要 |
| タイヤ本体 | 夏用+スタッドレスの2セット(季節ごとに使い分け) | 1セット(通年で摩耗) |
| 冬用としての期限 | 残り溝50%(スタッドレス) | 残り溝50%(プラットフォーム付きは露出が目印) |
| チェーン | 携行推奨 | 携行推奨 |
見落としやすいのが本体の行で、2セット運用は買う本数が倍になる代わりに、夏用・冬用を季節ごとに使い分けるため1セットあたりの走行距離が分散します。
1セット運用は通年で減っていくため、溝50%の期限が先に来るわけです。費用を比べるときは本体価格だけでなく、同じ使用年数・走行距離で何回買い替えるか、履き替え・組み替え工賃、保管料、ホイール代まで含めた総額で見る必要があります。
例として、ダンロップのシンクロウェザー(195/65R15・希望小売価格24,300円/本)では、カローラ ツーリングで月1,000km走る条件で、新車購入から6年間でスタッドレスとシンクロウェザーを2度ずつ、夏タイヤを1度買う想定で比べると、シンクロウェザーのほうが約10万円費用を抑えられるという試算です。
組み替え・脱着工賃、保管費用72か月分、ホイール代まで市場価格で合算したメーカー試算なので、タイヤ価格や走行距離が変わればこの限りではありません。
凍結に強いオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」の実力と条件
《画像提供:Response》〈写真撮影:雪岡直樹〉
従来型とは異なり、氷上路面でも走行可能なのがダンロップのシンクロウェザーです。
ダンロップの路面適合表では、従来型オールシーズンタイヤ(AS1)が氷上路面✕なのに対し、シンクロウェザーは氷上路面○です。水に触れるとゴムが柔らかくなり、低温でも硬くなりにくい「アクティブトレッド」という技術で、氷上性能の国際テストに合格した「アイスグリップシンボル」も刻印されています。
ただし、氷上路面○には2つの注記が付いています。1つは「過酷な積雪・凍結路面を走行される際は、ダンロッププレミアムスタッドレスタイヤの装着を推奨」という一文で、もう1つは、溝が50%摩耗してプラットフォームが露出すると冬用タイヤとして使えなくなる点で、ここは従来型と同じです。
氷上路面が○になっても「スタッドレスの代わり」とメーカーが言い切っているわけではなく、雪山常連の人まで対象を広げたタイヤではありません。
推定ライフは前述のとおり約50,000km(月1,000kmで約4年)で、冬用としての期限が先に来る構造は変わらないので、年間走行距離が多い人ほど注意が必要です。
実際に使った人の声|Xの投稿から
これらの投稿では、凍結路や劣化への不満がある一方、非降雪圏での突然の雪への備えや、履き替え不要という点を評価する声も見られました。
後悔しない選び方|最終判定の目安
ここまでの内容を、買う前に確認する項目としてまとめます。
| 冬の朝の最低気温 | 3℃以下の日が続く(ブリヂストンの目安) | 氷点下になる日がまれ |
| 雪山・凍結する峠 | 冬に何度も走る | ほぼ行かない |
加えて、年間走行距離も確認しておきましょう。走行距離が多いほど、1セットを通年使うオールシーズンは摩耗が進みます。
ダンロップの試算ではシンクロウェザー・195/65R15・カローラツーリングの場合で50%摩耗まで約50,000kmですが、実際の寿命は製品・車種・走行条件で変わります。
オールシーズン寄りが並ぶなら、スノーフレークマークの有無、ラベリング表示、メーカーの路面適合表の3点で製品を選び、チェーンは積んでおきましょう。
よくある質問
■オールシーズンタイヤはやめたほうがいいですか?
凍結路や雪山を頻繁に走る人は、スタッドレスを優先したほうが無難です。ブリヂストンは「頻繁に3度以下になる地域」、ミシュランは「日常的に積雪路や凍結路を走行する場合」、グッドイヤーは「過酷な積雪・凍結があるエリア」でスタッドレスを推奨しています。雪がたまにしか降らない地域で、突然の雪への備えとして使うなら向いているタイヤでしょう。
■オールシーズンタイヤは何年もちますか?
冬用タイヤとして使えるのは溝が新品の50%になるまでで、ダンロップのシンクロウェザーでは195/65R15・月1,000km走行の推定で約50,000km(約4年)が目安です。同製品はプラットフォーム露出後も80%摩耗するまでは夏タイヤとして使えると案内されています。走行距離が多いほど期限は早まるほか、JATMAは使用開始後5年以上で点検、製造後10年で交換の検討を勧めています。
■燃費は落ちますか?
製品によります。ミシュランのクロスクライメート3のように転がり抵抗ラベリングでAA・Aを取得している製品もあるので、候補製品のラベリング表示で比べてください。
■走行時はうるさいですか?
雪をつかむために溝が深くブロックが大きい設計なので、製品によってはロードノイズを感じることがあります。ミシュランは「優れた静粛性」、ダンロップは「低ノイズデザイン」を訴求するなど静粛性を売りにする製品もあり、騒音性能は銘柄ごとに異なります。
■凍結路(アイスバーン)に強いですか?
一般的な従来型のオールシーズンタイヤは凍結路が苦手です。JAFの2017年試験では、当時のオールシーズンタイヤの氷盤路制動距離が101.1m、夏タイヤが105.4mとほぼ同じでした。ブリヂストン・ヨコハマ・ダンロップAS1の適合表でも凍結路面は✕です。一方、シンクロウェザーのようにメーカーが氷上路面○と評価する製品もありますが、過酷な凍結路ではスタッドレスが推奨されています。
■高速道路の冬用タイヤ規制は通れますか?
スノーフレークマーク付きなら通行可能です。ただしチェーン規制はスタッドレスを含む全車がチェーン装着を求められるため、冬の高速道路を走るなら、NEXCO西日本の案内どおりチェーンを必ず携行しましょう。ダンロップやミシュランは、エリアや気象条件によってはオールシーズンタイヤで冬用タイヤ規制時に走行できない場合があると注記しています。
■M+S表示だけのタイヤは冬用として使えますか?
NEXCO西日本は、オールシーズンタイヤの中でもスノーフレークマーク(国際表記)が表示されているものを装着するよう案内しています。M+SはMud(泥)+Snow(雪)を示す表示ですが、M+S単独には3PMSF(スノーフレークマーク)のような雪上性能試験の認証がありません。M+Sだけで冬用タイヤ規制を通れるとは案内されていないため、冬の高速を走る予定があるなら、雪上性能基準を満たした3PMSF付きかを確認してください。
まとめ
《画像提供:Response》〈画像提供:日本ミシュランタイヤ株式会社〉
オールシーズンタイヤで後悔する場面は、凍結路・チェーン規制・溝50%の期限・夏性能・二重投資の5つでした。逆に、雪が少ない地域で突然の雪に備え、保管と履き替えの手間をなくしたい人には向いたタイヤです。
迷ったら、冬の最低気温・雪山や凍結する峠を走る頻度・年間走行距離の3点を確かめてください。凍結路や雪山を頻繁に走るならスタッドレスを優先し、そうでなければスノーフレークマーク付きの製品を選んでチェーンを積んでおきましょう。買う前にここまで確認しておけば、「やめたほうがよかった」にはなりにくいはずです。


