普段の外出先への移動手段は一都三県では徒歩、鉄道、バスが主流
それ以外の地方では自動車が日常生活の足となっている。
・普段の外出先への移動手段は居住地域によって差が大きく、一都三県では「徒歩」「バス」「鉄道」利用率がそれ以外の地域を大きく上回る。特に鉄道は一都三県以外の地域の約2倍。
・一方、一都三県以外の地域では「自動車(自分で運転する)」で移動する割合が、一都三県の約2倍となっている。
・年齢別では70代で「自動車(自分で運転する)」が50~60代と比べて1割程度低く、「バス」の利用割合が高くなっている。
・運転状況や運転免許の保有状況別に見ると、日常的に運転している人は、他層(たまに運転する人、ペーパードライバー、運転免許を返納した人、運転免許を持っていない人)と比べてバスや鉄道などの公共交通機関の利用割合が低く、また徒歩での移動も3~4割低い結果となっている。
運転が生活に根付いている層では、自動車は生活に欠かせないモビリティ
「運転免許はいずれ返納するつもり」と考えてはいるが、具体的な時期は定めていない。
・「免許返納に対する考え方」の自由回答を集計した結果、回答者の年齢による差よりも運転状況や運転免許の保有状況別による差のほうが大きかった。
・自主返納に肯定的な人の割合は「運転免許をすでに返納した人」「運転免許を持っていない人」で4割前後だったのに対し、「日常的に運転している人」「たまに運転している人」では1割ほど。
・一方、日常的に運転している人の4割、たまに運転する人の5割が「いずれは・時期が来たら」と返納時期を具体的には定めていない。また、日常的に運転している人の3割が、返納した場合に生活が不便になることを心配している。
・代替手段の整備を求める意見は、年齢や運転状況に関係なく一定数見られた。
・自由回答では「年齢が高いからというだけの理由で返納するのは生活の質や認知機能の低下を招く」などの意見が見られた。
■運転免許返納に関する考え(自由回答から抜粋)
・義父が90歳の時、周りの説得でようやく返納してくれたが、その後急激に認知機能が衰えた。返納は慎重にすべきと考えが変わった(56歳、福井県)
・車を手放すと行動範囲が狭まり趣味も楽しめなくなる。一気に老化が進むのではないかと心配(70歳、宮城県)
・元気なうちは運転して自由に動き回る方が健康的。返納して移動手段が減り、家に引きこもり認知症になってしまっては無意味(76歳、埼玉県)
「2025年6月からの安全装置搭載の義務化」認知率は4割弱に留まったが、 制度への興味・関心は約9割と高い
なお、制度開始により免許返納時期が遅くなると答えた人は3割弱。
・「2025年5月からの安全装置搭載の義務化」について知っていた人は全体の約4割。
・一方「安全装置搭載の義務化」に対して関心がある割合(興味・関心がある+まあ興味・関心がある)は9割近い。
・運転免許を保持している人に、安全装置搭載義務化によって運転免許返納のタイミングに変化があるかどうか聞いたところ、ほぼ7割が「運転免許返納時期は変わらない」と回答。「先に延びそう」と答えたのは約3割だった。
「AIによる自動運転」の利用意向は2割程度
「信用できない」「怖い」といった否定的な声がある一方で、今後の移動手段として期待する声も聞かれた。
・「AIによる自動運転」の利用意向(すでに利用している+利用したい+まあ利用したい)は24.3%。利用したくない(利用したくない+あまり利用したくない)は34.5%で「利用したくない」がやや上回った。
・一方で自由回答では、「もっと進歩して安全になれば」との条件付きで期待する声が6割で見られ、不信や不安を訴える意見を上回った。
■自動運転に関する考え(自由回答から抜粋)
・とても良いと思う。「高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違えた」というニュースを聞くたびに早く実現すれば良いと思っている(60歳、東京都)
・自動運転はありがたいと思うけれど、自動運転に必要なことを自分が判断できるのか心配になる。機械に弱いし、判断力も衰えてくるだろうから(61歳、滋賀県)
・安全性が保たれるならば、高齢者やさまざまな不自由を抱えた方々の行動範囲が拡大して、大変良い状況が訪れる(71歳、神奈川県)
調査概要
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:50~87歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性・577名
調査実施日:2025年4月11日(金)~4月14日(月)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
出典元:株式会社ハルメクホールディングス(ハルメク 生きかた上手研究所調べ)