AIタクシーとは?
AIタクシー。言葉だけ聴く限り、人工知能を利用して無人で走るタクシー。という想像をしてしまいますが、そうではないようです。
実際に、自動運転タクシーも試験走行がされているなど無人でタクシーが走る時代もやってくるのかもしれません。
Uberの自動運転タクシーがスタート!…路上試験走行 | レスポンス(Response.jp)
http://response.jp/article/2016/09/15/281827.html米配車サービス大手Uber Technologiesは現地時間14日、公式ブログを更新し、ペンシルバニア州ピッツバーグの路上で、自動運転車の試験走行を開始したと明かした。
今回取り上げている「AIタクシー」は、自動運転タクシーとは別モノです。
AIタクシーとは、「AI」でタクシーの配車を最適化する仕組みのことを指しています。
NTTドコモの「移動需要予測技術」と、富士通テンの「乗車実績データ」を組み合わせ、乗車ニーズの高い地域を推定して、富士通のクラウドを経由、東京無線のタクシー乗務員が持つタブレットに、乗車ニーズのヒートマップが表示されるというもののようです。
こちら上記の画像のように500メートル四方のエリアに区切り、エリア毎に乗車人数予測のヒートマップが表示されています。
とあるモンスターを捕まえるアプリを髣髴させる画面。赤い丸で囲われた箇所は、乗車実績が特に多いスポットのようです。
実は実証実験が昨年の2016年6月から始まっていて、2017年3月まで実施される予定のようです。
NTTドコモ × 富士通テン の技術が融合して誕生
このAIタクシーは、先にもあげましたがNTTドコモの「移動需要予測技術」と「乗車実績データ」を組み合わせた技術となっています。
NTTドコモの「移動需要予測」に関しては、予測の精度が非常に高く正確なようです。上記の画像のグラフは予測人数に対する実績の誤差が20%以内を緑、50%以内が黄色で示されています。
この予測技術と、今まで培ってきた富士通テンの「乗車実績データ」を組み合わせた最新の技術が「AIタクシー」なのです。
AIタクシー 効果の程はどうなのか?
このAIタクシーですが、効果の程はどうなのか。気になるところですが、2017年2月17日にNTTドコモ、東京無線、富士通、富士通テンの4社が、AIタクシーの実証実験の中間報告と試乗会を兼ねた記者発表会を開催しました。
昨年2016年11月から、ピーク時期の12月の売上額が、東京無線の乗務員平均値では4500円増であったのに対して、実証実験に参加した乗務員は6723円増という結果に。東京無線全体の平均値を49%上回る実績だったようです。
この実績を元に、今後は事業化する方向で動いてるようです。
会見後の囲み取材に応じたNTTドコモ 法人ビジネス本部 IoTビジネス部の谷直樹部長は、今回の成果の事業化について「今年の下期に事業化したいと考えています。今回の実証実験のパートナーである東京無線を含め、タクシー事業者に提案していきます。特に、実車率の高さは訴求したいポイントです。ビジネスモデルは、まずは富士通テンの配車システムに付加価値を加える形で考えています」と語った。
また効果についは、実際に実証実験に参加していたタクシー運転手も「効果は明らか」というコメントをしています。
最初は半信半疑だったのですが、使い始めてみるとその効果は明らかでした」。AIタクシーの記者発表会(17日)では、同乗試乗会も行われた。実証実験に参加した乗務員に、その効果を聞いた。
記事に取り上げられた方の普段の活動エリアは中央区、港区、千代田区が中心なのだそうですが、遠方まで送迎した際の帰り道が特に効果を感じるということです。
「例えば練馬区まで行った時などは、土地勘が無いので、どの辺りにお客様がいるか分からず、空車のまま帰ってきてしまうことになりがちです。そういう時はこのヒートマップを見て、こっちの道で戻ろう、などと考えることができ、(売り上げ面で)その効果を実感しています」
一見、タクシー業界やタクシードライバーにとってのニュースに感じますが、今後事業化され展開されていけば、タクシー利用の際、待ち時間が少なくて済む、タクシーをつかまえたくてもつかまらない。ということが解消され、タクシー利用される機会のある全ての方とって、嬉しいニュースとなりそうですね。